弁護士法人ITJ法律事務所

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         主    文
       原判決中上告人に関する部分を破棄する。
       前項の部分につき,本件を高松高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人島内保夫,同島内保彦の上告受理申立て理由について
 1 本件は,被上告人の平成元年8月30日登記に係る額面株式3万株の新株発
行及び平成2年11月8日登記に係る額面株式7万株の新株発行の不存在確認を求
める事案である。
 被上告人の株主であった甲は,平成4年11月12日本件訴訟を提起したが,第
1審係属中の平成8年10月10日死亡した。上告人は,甲の法定相続人の1人で
あり,その遺産である被上告人の株式につき商法203条2項に従って株主の権利
を行使すべき者に指定され,本件訴訟の甲の地位を承継した者である。
 2 原審は,新株発行不存在確認の訴えは,明文の規定がないのに新株発行無効
の訴えに準じて認められるものであるから,出訴期間についても同訴えに準ずべき
であるとした上,本件訴えを出訴期間経過後の訴えであるとして不適法却下すべき
ものと判断した。
 3 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次
のとおりである。
 新株発行不存在確認の訴えについては,商法に何ら規定がないが,【要旨1】新
株発行の実体がないのに新株発行の登記がされているなどその外観が存する場合に
は,新株発行が無効である場合と同様に,対世効のある判決をもって新株発行の不
存在を確定し,不実の外観を除去する必要があると認められるから,商法280条
ノ15以下に規定されている新株発行無効の訴えに準じて新株発行不存在確認の訴
えを肯定すべきである(最高裁平成5年(オ)第316号同9年1月28日第三小
法廷判決・民集51巻1号40頁参照)。そして,明文の規定がないにもかかわら
ず,新株発行無効の訴えに準じて新株発行不存在確認の訴えを認めるのであるから
,同訴えについては,その性質に反しない限り新株発行無効の訴えに関する規定を
類推適用するのが相当である。
 しかし,新株発行無効の訴えの出訴期間に関する規定については,これを類推適
用すべきでなく,【要旨2】新株発行不存在確認の訴えに出訴期間の制限はないも
のと解するのが相当である。新株発行不存在確認の訴えは,新株発行に瑕疵がある
ためにこれを無効とすることを求める新株発行無効の訴えと異なり,外観にかかわ
らず新株発行の実体が存しない場合にその不存在の確認を求めるものであるが,新
株発行の不存在はこれを前提とする訴訟においていつでも主張することができるか
ら,新株発行不存在確認の訴えの出訴期間を制限しても,同期間の経過により新株
発行の存否が終局的に確定することにはならないのであり,新株発行の効力を早期
に確定させるために設けられた出訴期間に関する規定を類推適用する合理的な根拠
を欠くというべきだからである。
 4 以上によれば,論旨は理由がある。上告人の本件訴えを出訴期間経過後の訴
えであるとして不適法却下すべきものとした原審の判断には,判決に影響を及ぼす
ことが明らかな法令の違反があり,原判決中上告人に関する部分は破棄を免れない。
そして,上告人の本件請求の当否について更に審理を尽くさせるため,上記部分に
つき,本件を原審に差し戻すこととする。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 横尾和子 裁判官 深澤武久 裁判官 甲斐中辰夫 裁判官 泉
 徳治 裁判官 島田仁郎)

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