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裁判例


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主文
1原告らの請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告らの負担とする。
事実及び理由
第1請求
1被告は,Aに対し,629万5043円及びこれに対する平成25年5月1
6日から支払済みまで年5分の割合による金員をB市に支払うよう請求せよ。
2被告は,Aに対し,1572万9191円及びこれに対する平成28年2月
25日から支払済みまで年5分の割合による金員をB市に支払うよう請求せよ。
第2事案の概要
1本件は,B市の住民である原告らが,被告の特別職の秘書(地方公務員法3
条3項4号,B市特別職の秘書の職の指定等に関する条例2条に基づき指定さ
れたもの。以下「市長特別職秘書」という。)を務めていたAに対する給与(給
料,地域手当,通勤手当,期末手当及び退職手当をいう。以下同じ。)の支出
が違法,無効であり,Aは給与相当額の利得を得る一方,B市は給与相当額の
損失を被っている,又は,Aが,市長特別職秘書としての職務を誠実に遂行し
なかった不法行為によって,市に給与相当額の損害を与えたと主張して,市の
執行機関である被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき,
Aに対して不当利得返還請求又は不法行為に基づく損害賠償請求として,以下
の各金員の支払を請求するよう求める住民訴訟である。
(1)平成24年2月17日から平成25年1月18日までの間にAに支給
された市長特別職秘書の給与相当額合計629万5043円及びこれに対す
る利得の日の後であり,不法行為の日の後である同年5月16日(訴状送達
の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息ないし遅
延損害金
(2)平成25年5月17日から平成28年1月15日までの間にAに支給
された市長特別職秘書の給与相当額合計1572万9191円及びこれに対
する利得の日の後であり,不法行為の日の後である同年2月25日(訴えの
変更申立書(2)の訂正申立書送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定
の年5分の割合による利息ないし遅延損害金
2法令等の定め(平成24年2月から平成28年1月までの間に支給されるべ
き市長特別職秘書の給与に関する部分等)
(1)地方公務員法の定め
ア地方公務員(地方公共団体等の全ての公務員をいう。以下同じ。)の職
は,一般職と特別職とに分ける(3条1項)。
イ特別職は,地方公共団体の長等の秘書の職で条例で指定するもの(4号)
等とする(同条3項)。
(2)特別職の秘書の職の指定等に関する条例(平成24年B市条例第1号。
以下「本件条例」という。)の定め(乙6)
ア地方公務員法3条3項4号の条例で指定する特別職の秘書の職は,市長
の秘書の職(市長特別職秘書)とする(1条,2条)。
イ市長特別職秘書の定数は,2人以内とする(3条)。
ウ市長特別職秘書の任期は,1年とし,ただし,再任を妨げない(4条)。
エ本件条例は,平成24年2月1日から施行する(附則)。
(3)特別職の職員の給与に関する条例(昭和26年B市条例第9号。以下
「特別職給与条例」という。)等の定め(乙1,26,27,28の1・2)
ア(ア)市長特別職秘書に対しては,給料を支給する(特別職給与条例2
条1項)。
(イ)市長特別職秘書の給料の月額は,平成24年2月分及び同年3月
分は,38万4940円とし(特別職給与条例2条2項,市長の秘書の
職を占める職員の給料月額の特例に関する条例〔平成24年B市条例第
4号〕),同年4月分以後は35万8602円とする(平成27年B市
条例第5号〔同年2月25日施行〕による改正前の特別職給与条例2条
2項,特別職の職員の給与に関する条例の特例に関する条例〔平成24
年B市条例第45号〕。なお,上記改正後も,改正附則3項により,任
期の初日が平成27年12月18日以前である市長特別職秘書の給料月
額は,従前と同様の額とされている。)。
イ(ア)市長特別職秘書に対しては,給料のほか,職員の給与に関する条
例(昭和31年B市条例第29号)の適用を受ける者の例に準じ,地域
手当(ただし,額は給料月額に100分の10を乗じて得た額とする。)
及び通勤手当を支給する(平成27年B市条例第5号による改正前の特
別職給与条例3条1項。なお,上記改正後も,改正附則5項により,任
期の初日が同年12月18日以前である市長特別職秘書には,従前どお
りの地域手当が支給されるものとされている。)。
(イ)6月又は12月に在職する市長特別職秘書に対しては,別に条例
の定めるところにより,期末手当を支給する(特別職給与条例3条2項)。
ウ(ア)市長特別職秘書が退職したときは,その者に退職手当を支給する
(特別職給与条例4条1項)。
(イ)任期の初日が平成27年12月18日以前であり,同日までに退
職した市長特別職秘書に対する退職手当の額は,退職の日におけるその
者の給料月額に当該職員として在職した月数(1月未満の端数がある場
合においては,15日以下は切り捨て,16日以上は1月とする。)を
乗じて得た額に,100分の12.5を乗じて得た額とする(平成27年
条例第5号改正附則7項,同条例による改正前の特別職給与条例4条2
項,特別職給与条例附則2項)。
(4)職員の期末手当及び勤勉手当に関する条例(平成4年B市条例第85
号。以下「期末手当等条例」という。)等の定め(乙2,3,29)
ア6月1日又は12月1日(以下,これらの日を「基準日」という。)に
それぞれ在職する市長特別職秘書に対して,6月に支給する場合において
は同月30日,12月に支給する場合においては同月10日(これらの日
が日曜日に当たるときはその前々日,これらの日が土曜日に当たるときは
その前日)に期末手当を支給する(期末手当等条例5条1項,特別職の職
員の期末手当に関する規則〔平成18年B市規則第161号。以下「特別
職期末手当規則」という。〕2条)。
イ市長特別職秘書の期末手当の額は,期末手当基礎額(基準日現在におい
て市長特別職秘書が受けるべき給料の月額及びこれに対する地域手当の月
額の合計額に,その合計額に100分の15を乗じて得た額を加算した額)
に,6月に支給する場合においては100分の190,12月に支給する
場合においては100分の205を乗じて得た額に,調査対象期間(基準
日以前の6か月間の期間のうち,市長特別職秘書としての引き続いた在職
期間)における実勤務日数の区分に応じ,それぞれ100分の100を超
えない範囲内で特別職期末手当規則で定める割合を乗じて得た額とする
(平成27年B市条例第6号〔同年2月25日施行〕による改正前の期末
手当等条例5条2項~4項,特別職期末手当規則3条,4条。なお,上記
改正後も,同年6月及び同年12月の期末手当については,改正附則3項
により,改正前と同様の計算による額とされる。)。
3前提となる事実(顕著な事実,当事者間に争いのない事実並びに証拠及び弁
論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1)当事者等
ア原告らは,B市の住民である。
イ被告は,B市の執行機関(市長)である。
ウCは,平成23年12月から平成27年12月18日までの間,B市長
の職にあった。
(2)本件条例の制定
B市の議会(以下「B市会」という。)は,平成24年1月31日,本
件条例を制定した。(乙6)
(3)Aの市長特別職秘書への任命
被告は,平成24年2月1日,本件条例に基づき,任期を1年として,A
を市長特別職秘書に任命し,平成25年2月1日及び平成26年2月1日,
本件条例に基づき,任期を1年として,Aを市長特別職秘書に任命(再任)
した。被告は,同年2月15日,Aに対し,依願免職処分をしたが,同年3
月24日,本件条例に基づき,任期を1年として,Aを市長特別職秘書に任
命し,平成27年3月24日,本件条例に基づき,任期を1年として,Aを
市長特別職秘書に任命(再任)した。被告は,同年12月18日,Aに対し,
依願免職処分をした。(甲36の1~5,37,42,乙24)
(4)Aに対する給与の支出
B市は,Aに対し,平成24年2月17日から平成25年1月18日まで
の間,別紙2「Aへの給料等支給一覧1」のとおり,市長特別職秘書の給与
として,合計629万5043円を支出し,同年5月17日から平成28年
1月15日までの間,別紙3「Aへの給料等支給一覧2」のとおり,市長特
別職秘書の給与として,合計1572万9191円を支出した(以下,これ
らの支出を併せて「本件各給与支出」という。)。(甲2の1~12,3の
1・2,31,38の1・2,41の1・2,43の1・2,乙25)
(5)監査請求
ア原告らは,平成25年2月13日付けで,B市監査委員に対し,Aに対
する市長特別職秘書の給与の支出が違法である旨主張して,Aに対して平
成24年2月1日から平成25年1月末日までの間に支出された市長特別
職秘書の給与の返還請求をすること,市長特別職秘書の給与,費用等に係
る公金の支出の差止め等を求めて監査請求(以下「本件監査請求」という。)
を行った。(甲7)
イB市監査委員は,同年4月5日付けで,原告らに対し,本件監査請求は,
個別具体的な財務会計上の行為の違法性の主張がなく,請求の特定がされ
ていないなどとして,地方自治法242条の要件を満たさず,住民監査請
求の対象にならない旨の監査結果を通知した。(甲7)
(6)本件訴訟の提起
ア原告らは,平成25年5月2日,Aに対して不当利得返還請求として,
平成24年2月17日から平成25年1月18日までの間に支給された市
長特別職秘書の給与合計相当額及びこれに対する利息を請求すること並び
にAに対する市長特別職秘書の給与等の金員の支出の差止めを求めて本件
訴訟を提起した。(顕著な事実)
イ原告らは,平成28年1月15日,上記アの差止請求を,Aに対して不
当利得返還請求又は損害賠償請求として平成25年5月17日から平成2
7年12月までの間に支給された市長特別職秘書の給与合計相当額及びこ
れに対する利息ないし遅延損害金を請求するよう求める請求に交換的に変
更した。(顕著な事実)
ウ原告らは,平成28年2月16日,上記イの不当利得返還請求又は損害
賠償請求をするよう求める請求に関し,平成25年5月17日から平成2
8年1月15日までの間に支給された給与合計相当額及びこれに対する利
息ないし遅延損害金を請求するよう求める請求に変更した。(顕著な事実)
エ原告らは,同年2月23日,上記ウの不当利得返還請求又は損害賠償請
求をするよう求める請求に関し,請求額を増額する請求の追加的変更をし
た。(顕著な事実)
オ原告らは,同月26日の本件第15回口頭弁論期日において陳述した準
備書面によって,上記アの不当利得返還請求をするよう求める請求との関
係で,同額の不法行為に基づく損害賠償をするよう求める請求を選択的に
追加した。(顕著な事実)
4争点及びこれに対する当事者の主張
本件の争点は,(1)本件各給与支出の全部ないし一部が違法,無効である
か,具体的には,①本件条例の制定が違法,無効であるか(争点1),②Aの
市長特別職秘書への任命が違法,無効であるか(争点2),③本件各給与支出
が地方財政法4条1項に反し,違法,無効であるか(争点3)及び④本件各給
与支出のうち,期末手当及び退職手当の支出が地方自治法203条の2に反す
るなどして違法,無効であるか(争点4)並びに(2)Aの不法行為責任の成
否(争点5)であり,これらの点に関する当事者の主張は以下のとおりである。
(1)争点1(本件条例制定の違法性等)
(原告らの主張)
Aは,Cの後援会の代表者の息子であり,同代表者,その夫,A及びAの
弟といったA一族は,上記後援会に多額の寄付等をしていたところ,B市長
であったCは,A一族の上記貢献に報いるため,また,Aに地方自治法2条
2項の事務ではない私設秘書としての業務をさせる目的で,B市の関係部署
における慎重な検討も経ることなく,本件条例に係る議案をB市会に提出し,
B市会に本件条例を制定させたものであって,このような提案は,市長の裁
量権の範囲を逸脱,濫用したものとして違法,無効であり,上記の提案に基
づいてされたB市会による本件条例の制定も,同法14条1項に反して違法
であって,同法2条17項により無効である(したがって,無効な本件条例
によって指定された市長特別職秘書への給与を支給する本件各給与支出も違
法,無効である。)。なお,Cに上記目的があったことは,後記(2)の(原
告らの主張)イ記載の市長特別職秘書に任命されて以降のAの職務への従事
状況に照らしても明らかである。
(被告の主張)
B市会は,B市長であったCの政治的な折衝等については,政治的行為の
制限に服する一般職の秘書では実際上対応が困難である場面があり得るため,
このような場面に対応すべく,地方公務員法3条3項4号の定めに基づき,
市長特別職秘書を任命することができるように本件条例を制定した(Aが実
際に市長特別職秘書としての職務に従事していたことは後記(2)の(被告
の主張)イのとおりである。)。
そして,その制定過程も,B市の内部において市長特別職秘書の創設に係
る条例案について他の地方公共団体の事例等も収集して慎重に検討した上,
Cは,平成24年1月23日,地方自治法149条1号に基づき,B市会に
本件条例に係る議案を提出し,同議案は,同月27日のB市財政総務委員会
の審議等を経て,同月31日にB市会において可決され,Cは,同日付けで
本件条例を公布したのであって,通常の条例制定過程と何ら異なることはな
いし,上記のB市財政総務委員会での審議では,市長特別職秘書の任用の必
要性や業務内容,他の地方公共団体の制定状況等についての議論を行った。
したがって,本件条例の制定は,地方自治法14条1項に反することはな
く,適法,有効である。
(2)争点2(Aの任命の違法性等)
(原告らの主張)
アB市においては,市長,副市長又は一般職の秘書によって,市長特別職
秘書の職務とされている職務を行うことが可能であり,あえて市長特別職
秘書を任命する必要はなかった(このことは,後記イ(イ)のとおりAの
休職・退職に伴う引継ぎが一切されていないにもかかわらず,B市の業務
に何らの支障も来さなかったことからも明らかである。)。
イまた,①Aは,下記(ア),(イ)のとおり,市長特別職秘書に任命さ
れて以降,その職務を一切行っておらず,専ら政党Dの政治活動を行って
いたこと,②Aは,Cの後援会に多額の寄付等をした後援会代表者の息子
であったこと,③Aは,F知事であったCの私設秘書を務めていた期間に
業者のためにFに対する口利きをしていたこと,④Aは,政党Dが関係す
る選挙が実施されるたびに「一身上の都合」で合計7回の休職・退職を繰
り返したこと等に照らせば,市長特別職秘書として不適格であった。
(ア)仮に,市長特別職秘書に,一般職の職員に適用される勤務時間(地
方公務員法24条5項),職務専念義務(同法35条)等に関する規定
が直接適用されないとしても,その趣旨は妥当し,市長特別職秘書とし
ての職務を誠実に遂行する義務を負っているというべきであるところ,
Aは,一般職の職員に適用される勤務時間(午前9時から午後5時30
分まで)中,私的な事項や政党Eないし政党Dの政治活動等についての
ツイッターへの投稿を繰り返すなどしていた。
(イ)Aが市長特別職秘書に任命されて以降,AからCに対する職務上
の報告のメールが1通もなく,CからAに対するメールも,ほとんどが
多数の宛先や参考送付先(いわゆる「cc」の相手方。以下「㏄」という。)
の1つにAを入れただけであり,Aのみに対するメールはわずか3通に
とどまり,職務上の命令を含むと善解できるメールは,資料の授受や情
報の提供をAを通じてすることを示唆するもの,会合の飲食店の予約を
指示するもの,日程調整をAを通じて行うことを示唆するものの合計8
通のみであった。また,CがAに対してした職務上の命令が含まれるメ
ールとしてAが文書提出命令に応じて提出したメールには,CがAに対
して政党Dの政治活動に関する業務を命じることを内容とするメールが
含まれていた。これらのことや,上記(ア)のとおり,Aが一般職の職
員に適用される勤務時間中,ツイッターへの投稿を繰り返していたこと,
政党Dが関係する選挙が実施されるたびに7回にもわたって休職・退職
を繰り返し,その際引継ぎが一切されていなかったにもかかわらず,B
市の業務に何らの支障も来さなかったことに照らせば,Aは,市長特別
職秘書としての職務を行わず,政党Dの政治活動に従事していたことは
明らかである。
ウしたがって,CによるAの各任命行為は,裁量権の範囲を逸脱,濫用し
たものであって,違法,無効である(そのような任命行為を基礎としてさ
れた本件各給与支出も違法,無効である。)。
(被告の主張)
ア市長特別職秘書のような特別職の秘書は,成績主義によることなく,任
命権者との人的関係や政治的配慮に基づいて任用することができる自由任
用職であり,公募等の手続を採る必要がない。Cは,Aの政党本部の役職
者等との人脈や,CがF知事に在任中からの秘書としての実績等に着目し
てAを市長特別職秘書として任用したものであり,その任用は,地方公務
員法が特別職の秘書を定めた上記趣旨に沿うものである。
イAは,市長特別職秘書に任命されて以降,Cからの直接の指示の下,実
際に,自らの経歴や人脈を用いて市長特別職秘書としての職務を日常継続
的に遂行し,適宜Cに報告していた。また,Aの日常の勤務実態も,基本
的にCの登庁前に市役所に出勤し,Cの職務に関する日程調整,B市会関
係の各種の調整,来客・取材対応,B市に到達したC宛ての文書への対応,
Cからの特命案件の処理等,各種の職務を行い,Cの退庁後に退勤し,C
が出張をする際には随行することもあった。なお,Aは,平成26年2月
15日に市長特別職秘書を退職し,それに伴い,メールを全て削除,消去
したのであるから,それまでのメールがAから提出されなかったからとい
って,AとCとの間でメールの送受信が一切行われていなかったとはいえ
ないし,Aは,その職務の性質上,Cに対して直接口頭又は電話で報告す
ることが多かった。
市長特別職秘書のような特別職の秘書は,一般職の職員に適用される勤
務時間(地方公務員法24条5項),職務専念義務(同法35条)等に関
する規定の適用はないため,一般職の職員の勤務時間中にAがツイッター
に投稿したことは違法ではないし,後記(4)の(被告の主張)のとおり,
Aの休職も違法ではない。
そもそも,任命後の事情を任命に当たって考慮することは不可能であっ
て,任命後の事情が任命行為の適法性,有効性に影響を及ぼすことはない。
ウしたがって,CによるAの各任命行為は,裁量権の範囲を逸脱,濫用し
ておらず,適法,有効である。
(3)争点3(本件各給与支出の地方財政法4条1項違反の有無)
(原告らの主張)
ア上記(1)の(原告らの主張)のとおり,Cは,Cの後援会に多額の寄
付等をした後援会代表者の息子であるAに,地方自治法2条2項の事務で
はない私設秘書としての業務をさせる目的で,本件条例を提案し,B市会
に制定させた。
イまた,上記(2)の(原告らの主張)アのとおり,B市においては市長,
副市長又は一般職の秘書によって,市長特別職秘書の職務とされている職
務を行うことが可能であり,あえて市長特別職秘書を任命する必要はなか
った。
ウしかも,上記(2)の(原告らの主張)イのとおり,Aは,市長特別職
秘書に任命されて以降,市長特別職秘書としての職務を一切行っておらず,
専ら政党Dの政治活動を行っていたため,Aに対して公金により給与を支
出する必要はなかった。
エしたがって,Aに対して市長特別職秘書の給与を支出すること(本件各
給与支出)は,合理的理由のない不必要な経費の支出であり,必要かつ最
少の限度を超えていることは明らかであって,地方財政法4条1項に反し
て違法であり,本件各給与支出は無効である。
(被告の主張)
Aの給与については,市長特別職秘書の勤務の特殊性及びその職責等を踏
まえ,国の特別職の秘書官の給与処遇,他の特別職の給与制度及び一般職の
課長級の職員の給与処遇を考慮し,特別職給与条例2条ないし4条に基づき
決定し,支出しているものであり,違法不当と評価されるものではない。
上記(1)の(被告の主張)及び上記(2)の(被告の主張)アのとおり,
CがAを市長特別職秘書に任命したのは,一般職の秘書では十分に対応する
ことが難しい被告の政治的な活動をサポートするためであり,上記(2)の
(被告の主張)イのとおり,Aは,市長特別職秘書に任命されて以降,その
職務を日常継続的に遂行していた。また,上記(2)の(被告の主張)イの
とおり,一般職の職員の勤務時間中にAがツイッターに投稿していたことは
違法ではないし,後記(4)の(被告の主張)のとおり,Aの休職も違法で
はない。仮に,Aに何らかの誠実義務違反があったとしても,そのことから
直ちに,Aに対する給与の支出が法的根拠を欠いて違法,無効となるもので
はない。
したがって,本件各給与支出は,地方財政法4条1項に反することはなく,
適法,有効である。
(4)争点4(期末手当及び退職手当の支出の違法性等)
(原告らの主張)
アB市は,Aを地方自治法204条1項の「常勤の職員」として期末手当
及び退職手当を支給している。
しかし,上記(2)の(原告らの主張)イのとおり,Aは,市長特別職
秘書に任命されて以降,その職務を一切行わず,政党Dが関係する選挙が
実施されるたびに「一身上の都合」で合計7回の休職・退職を繰り返し,
休職・退職に伴う引継ぎもしなかったのであり,このようなAの職務への
従事状況に鑑みれば,Aが実質的にみて上記「常勤の職員」に該当せず,
地方自治法203条の2第1項の「非常勤の職員」に該当するのであって,
このようなAに対して期末手当及び退職手当を支給することは,上記「非
常勤の職員」に対して報酬及び費用弁償以外の支給をしたものとして,同
条に反する。
したがって,本件各給与支出のうち,期末手当及び退職手当の支出(別
紙2「Aへの給料等支給一覧1」及び別紙3「Aへの給料等支給一覧2」
の「期末手当」欄及び「退職手当」欄記載の各金員の支出)は,違法,無
効である。
イ(ア)特に,Aに対して平成24年12月10日,平成25年12月1
0日,平成26年6月30日,同年12月10日,平成27年6月30
日及び同年12月10日に支給された各期末手当について,Aは,期末
手当の対象期間に選挙活動を理由とした休職や退職をしているところ,
そのような休職又は退職の期間が存する場合にまで期末手当を支給する
根拠がなく(そもそも,選挙活動を理由として休職することには法令上
の根拠がない。),その支出(別紙2「Aへの給料等支給一覧1」の「期
末手当」欄中「H24.12.10」欄記載の金員並びに別紙3「Aへ
の給料等支給一覧2」の「期末手当」欄中「H25.12.10」,「H
26.6.30」,「H26.12.10」,「H27.6.30」,
「H27.12.10」欄記載の各金員の支出)は違法,無効である。
(イ)Aの平成24年11月16日から同年12月16日まで及び平成
26年11月21日から同年12月14日までの休職については,上記
(ア)のとおり,法令上の根拠がないのであるから,Aは本来,それぞ
れ平成24年11月16日及び平成26年11月21日で辞職すべきで
あり,期末手当の基準日(12月1日)に在職していなかったことにな
る。仮に,Aが期末手当の基準日に在職していたと評価できるとしても,
被告が休職中のAの期末手当の額を算出するに当たって参考としたとす
る国家公務員に関する定めにおいては,一般職の職員の給与に関する法
律19条の4第1項,人事院規則9-40第1条が,無給休職者(国家
公務員法79条1号又は人事院規則11―4第3条の規定に該当して休
職にされている職員のうち,給与の支給を受けていない職員をいう。以
下同じ。)等に対しては期末手当を支払わないとしているところ,その
趣旨は,職員として公務に携わることのない者に対して期末手当を支払
うことは適正な公金の支出とは考えられないため,そのような場合には
期末手当を支払わないようにする点にある。上記趣旨に照らせば,選挙
活動のためという自己都合で平成24年11月16日及び平成26年1
1月21日に休職したAは,平成24年12月1日及び平成26年12
月1日の時点では,無給休職者と同視されるべきであり,Aに対して平
成24年12月10日及び平成26年12月10日に期末手当を支給す
る根拠はない。
したがって,少なくともAに対する平成24年12月10日及び平成
26年12月10日の期末手当の支出(別紙2「Aへの給料等支給一覧
1」の「期末手当」欄中「H24.12.10」欄記載の金員及び別紙
3「Aへの給料等支給一覧2」の「期末手当」欄中「H26.12.1
0」欄記載の金員の支出)は違法,無効である。
(被告の主張)
Aの休職に法令上の根拠がないことは認める。しかし,市長特別職秘書を
含め,B市の特別職の職員については,法令上,その休職に関して定めがな
いところ,特別職の職員であっても,病気や事故等により休職を必要とする
状況は当然想定されるのであって,このような場合に法令上具体的な定めが
ない以上,一切休職が認められないと解するのは相当でなく,休職の取扱い
については,各地方公共団体の合理的判断に委ねられているというべきであ
る。そして,Aは,休職に際して,被告宛てに自己都合により一定期間公務
に従事しない旨の休職願を提出し,被告がこれを承認することにより,B市
として,被告に一定期間公務に従事させず,給与を支給しないことを決定し
たのであって,そのような取扱いは適法である。
そもそも,休職の可否はともかく,Aに対する期末手当は,特別職給与条
例3条2項,期末手当等条例,特別職期末手当規則及び「特別職の職員の期
末手当の運用について」(平成20年6月12日総務給第43号)に基づき,
Aに対する退職手当は,特別職給与条例4条1項,平成27年条例第5号改
正附則7項,同号による改正前の特別職給与条例4条2項及び特別職給与条
例附則2項に基づき,それぞれ支給されたものである。
また,Aに支給された期末手当については,Aの休職期間に関し,一般職
の国家公務員が休職した場合の規定(一般職の職員の給与に関する法律19
条の4第2項,同条6項及び人事院規則9-40第5条2項4号)を参考に
して,平成24年12月10日,平成25年6月28日,平成26年12月
10日及び平成27年12月10日の各支給分は20%の減額が,平成25
年12月10日及び平成27年6月30日の各支給分は40%の減額(ただ
し,特別職期末手当規則4条1項の割合と併せた減額分である。)が,それ
ぞれ個別の決裁でされ,Aに支給された退職手当については,個別の決裁で,
Aの休職期間を平成27年条例第5号改正附則7項,同条例による改正前の
特別職給与条例4条2項にいう在職した月数から減じて退職手当の額を算出
し,支給している。
このように,Aに対する期末手当及び退職手当の支出は,条例等の根拠に
基づくものであるし,Aの休職期間について一定の減額をしていることから,
違法ではない。
(5)争点5(Aの不法行為責任の成否)
(原告らの主張)
上記(2)の(原告らの主張)イのとおり,Aは,市長特別職秘書に任命
されて以降,その職務を一切行わなかったのであり,このことは,B市に対
する不法行為を構成する。
そして,B市は,Aの上記不法行為によって,本件各給与支出に係る支出
相当額の損害を被ったものであるから,Aは,同額について,不法行為責任
を免れない。
(被告の主張)
上記(2)の(被告の主張)イのとおり,Aは,市長特別職秘書に任命さ
れて以降,その職務を行っていたのであり,Aの職務状況等がB市に対する
不法行為を構成することはない。
損害の主張は争う。
第3当裁判所の判断
1監査請求前置,出訴期間の遵守について
(1)住民監査請求においては,その対象が特定されていること,すなわち,
対象とする財務会計上の行為又は怠る事実が他の事項から区別し特定して認
識することができるように個別的,具体的に摘示されていることを要する。
これを本件についてみると,前記前提となる事実(5)アのとおり,本件
監査請求は,Aに対する市長特別職秘書の給与の支出が違法である旨主張し
て,Aに対して平成24年2月1日から平成25年1月末日までの間に支出
された市長特別職秘書の給与の返還請求をすること,市長特別職秘書の給与,
費用等に係る公金の支出の差止めを求めるものであって,対象とする財務会
計上の行為が他の事項から区別し特定して認識することができるように個別
的,具体的に摘示されていることは明らかであり,請求の対象の特定に欠け
るところはなく,適法な監査請求というべきである(本件監査請求に対する
監査結果は,本件監査請求において請求の特定がされていないとする〔前記
前提となる事実(5)イ〕が,請求の特定に欠けるところがないことは,前
示のとおりである。)。
(2)また,訴えの変更は,変更後の新請求については新たな訴えの提起に
ほかならないから,上記訴えにつき出訴期間の制限がある場合には,出訴期
間遵守の有無は,変更前後の請求の間に訴訟物の同一性が認められるとき,
又は両者の間に存する関係から,変更後の新請求に係る訴えを当初の訴え提
起の時に提起されたものと同視し,出訴期間の遵守において欠けるところが
ないと解すべき特段の事情があるときを除き,上記訴えの変更の時を基準と
してこれを決すべきである(最高裁昭和58年9月8日第一小法廷判決・裁
判集民事139号457頁参照)。
本件についてこれをみると,前記前提となる事実(6)のとおり,原告ら
は,平成25年5月2日,Aに対する市長特別職秘書の給与等の金員の支出
の差止め等を求めて出訴期間内に本件訴えを提起した(地方自治法242条
の2第2項1号)ところ,本件訴え提起後,Aに対して市長特別職秘書の給
与が支出されたため,これらの給与の支出に関してAに対して不当利得返還
請求又は損害賠償請求をするよう求める請求に請求の趣旨を変更する訴えの
変更をしたのであって,その変更の前後の請求の間に存する関係に鑑みると,
変更後の新請求に係る訴えを当初の訴え提起の時に提起されたものと同視し,
出訴期間の遵守において欠けるところがないと解すべき特段の事情があると
いうべきである。
(3)したがって,本件訴えは適法な監査請求を経たものとして適法である。
2認定事実
前記前提となる事実,顕著な事実に加え,証拠(各項末尾記載の証拠のほか,
乙22,23,証人G,証人A)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認
められる。
(1)Aの経歴等
アAは,9年半程度,衆議院議員を務めていたH及びIの秘書として勤務
した後,平成20年6月から,当時F知事であったCのいわゆる私設秘書
として勤務していた。
イAの母は,Cの後援会の代表者を務めていた。
ウA,Aの両親及びAの弟は,平成20年度から平成23年度までの間に,
上記イの後援会に対し,合計660万円の寄附及び合計2819万円の政
治資金パーティーのパーティー券の購入ないしそのあっせんを行ってい
た。(甲1,8~11)
エAは,平成24年2月1日,Cから,市長特別職秘書に任命された後,
①同年11月16日から同年12月16日まで,②平成25年6月21日
から同年7月21日まで,③同年9月1日から同月30日まで,④平成2
6年11月21日から同年12月14日まで,⑤平成27年3月19日か
ら同年5月17日まで及び⑥同年10月24日から同年11月22日ま
で,6回にわたり,一身上の都合を理由として休職の申出をし,Cは,A
に対し,依願休職処分をした。Aは,政党Dが関係する選挙の選挙活動又
は住民投票の活動に従事するため上記各休職を申し出たものであった。ま
た,Aの平成26年2月15日の依願免職(前記前提となる事実(3))
は,Cの市長退職に伴うものであったが,Cが再び当選し,B市長に就任
したことから,Aは,同年3月24日,市長特別職秘書に任命された。(甲
33の1・2,40の2,乙5,12の1・2)
(2)被告(C)とAとの間のメールの送受信に係る事情等
ア原告らの訴訟代理人弁護士は,平成27年1月16日付けで,被告に
対し,「平成24年2月1日から平成26年3月31日までの間におい
て,C市長とA特別秘書との間で送受信された電子メールの全て(宛先,
cc,bccとして同人らを含むものを含む)」についてB市情報公開条例
5条の規定による公開の請求をし,その後,上記公開請求に対して情報
提供扱いで公文書が公開されたが,その中には被告がAに対して何らか
の指示をしたものや,Aが被告に対して何らかの報告をしたものはなか
った。(甲20の1・2)
イ被告は,本件訴訟において,被告がB市の公用パソコンを使用して,
複数の職員等に対して平成26年4月1日から同年10月3日までの間
に送信した電子メールのうち,宛先にAを含むものを書証として提出し
たが,その中には被告がAに対して何らかの指示をしたものはなかった。
(乙17の1~27)
ウ被告は,本件訴訟において,被告が平成26年4月6日から同年10
月17日までの間にAに対して送信した電子メールを書証として提出し
たが,この中で,被告が,Aのみを宛先にしたものは同年6月30日午
後7時32分送信のもの(後記(カ)の電子メール)及び同年9月24
日午後6時44分送信のものの2通であり,被告のAに対する職務上の
指示が記載されていると解し得るメールは,以下の7通であった。(顕
著な事実,乙18の1~12)
(ア)同年4月6日午後1時5分送信(乙18の1)
宛先第三者,ccAの,本文が「Aさんに渡してください。」と記載
されたもの
(イ)同月19日午後9時17分送信(乙18の4)
宛先Aほか1名の,Aに対して飲食店の予約を指示するもの
(ウ)同年5月30日午後1時48分送信(乙18の7)
宛先第三者(2名),ccAの,本文が「必要な情報は,A秘書から
提供します。」等と記載されたもの
(エ)同年6月4日午前10時2分送信(乙18の8)
宛先Aほか1名の,「教育委員(J教育長含む)と僕とで会食日程
を入れて下さい。」「J教育長,A秘書と日程調整,会場設定お願い
します。」等と記載されたもの
(オ)同月25日午後2時7分送信(乙18の9)
宛先A及びK(当時P局)の,「K局長下記内容了解です。日程
調整はAが担当します。P局の窓口とAを繋いでもらえればと思いま
す。」と記載されたもの
(カ)同月30日午後7時32分送信(乙18の10)
宛先Aの,「25日以後のところで調整をお願いします。7月下旬,
8月頭ころかな。」等と記載されたもの
(キ)同年10月17日午前0時53分送信(乙18の12)
宛先Aほか2名の,「僕は大丈夫です。Aさん,日程調整お願いし
ます。」等と記載されたもの
エ大阪地方裁判所は,平成27年2月27日,被告,C個人及びAに対
し,別紙4「文書目録」記載の文書の提出を命じる文書提出命令をし(平
成26年(行ク)第111号),その後,同命令は確定した。被告及び
Aは,同命令に応じて,電子メールを提出したが,この中で,被告が,
Aのみを宛先にしたものは同年1月13日午後0時17分送信のもの
(後記(イ)の電子メール)の1通であり,被告のAに対する職務上の
指示が記載されていると解し得る電子メールは,以下の2通であった。
なお,Cは,同命令に対し,被告及びAが提出したもの以外に対象とな
る文書を所持していないとして,電子メールを提出しなかった。また,
Aが提出した電子メールの中には,Cが宛先を第三者,ccをAとして同
年2月4日(水曜日)午後4時13分に送信した,政党Dの業務との関
連がうかがわれるものがあった。(顕著な事実,甲21の1・2,22
の1~5,23~25)
(ア)平成26年12月22日午前8時19分送信(甲22の3)
送信者被告,宛先Aほか3名の,市政に関する資料について,Aを
通じて被告に渡るように手配を依頼するもの
(イ)平成27年1月13日午後0時17分送信(甲22の4)
送信者被告,宛先Aの,F知事L送信の宛先を第三者,ccを被告と
する電子メール(同メールの宛先に対し,Aを通じて知事の秘書に資
料を提供するよう依頼するもの)を転送したもの
3争点1(本件条例制定の違法性等)について
証拠(乙6,10,22,証人G〔以下「G」という。〕)及び弁論の全趣
旨によれば,Cは,平成24年1月23日,地方自治法149条1号に基づき,
B市会に本件条例に係る議案を提出し,同議案は,同月27日のB市財政総務
委員会の審議等を経て,同月31日にB市会において可決され,被告は,同日
付けで本件条例を公布したこと,上記のB市財政総務委員会での審議では,特
別職の秘書の任命の必要性や業務内容,他の地方公共団体の制定状況等につい
ての議論が行われたことが認められる。
このように,B市会における本件条例の制定手続に瑕疵はうかがわれないの
であって,本件条例の制定は違法,無効ということはできない。
なお,前記2(1)ウのとおり,Aやその親族は,平成20年度から平成2
3年度までの間に,Aの母が代表者となっているCの後援会に対し,合計66
0万円の寄附及び合計2819万円の政治資金パーティー券の購入等を行って
いた。しかし,後記4(2)イ(イ)cのとおり,Aは市長特別職秘書として
の職務を行っており,そのような職務への従事状況にも照らせば,上記のよう
なCとA及びその親族との関係をもって,直ちに,Cが,Aが後援会の代表者
の息子であり,家族で後援会に多額の寄附等を行っていることに報いる目的で,
Aを市長特別職秘書として任命したものとまでは推認することができず,本件
において,Cがそのような目的でAを市長特別職秘書に任命したり,さらには,
B市会に本件条例に係る議案を提出してその制定を図ったことを認めるに足り
る証拠はない。また,Aが市長特別職秘書としての職務を行っていることから
すると,CがAに私設秘書としての業務をさせる目的で本件条例に係る議案を
提出したとも容易に認め難い。仮に,Cが,上記各目的で本件条例に係る議案
を提出したとしても,そのことから直ちに,上記の制定過程を経てされたB市
会の本件条例の制定行為自体が違法,無効となるわけでもない。
4争点2(Aの任命の違法性等)について
(1)地方公務員法,本件条例その他の関連法令においては,市長特別職秘
書を含め,同法3条3項4号の特別職の秘書の職を占める職員について,い
かなる者を任命すべきであるかに関し具体的な定めを設けていない。特別職
の秘書は,成績主義によることなく,任命権者との人的関係等に基づいて任
用できるいわゆる自由任用職であり,職務に専念する義務(同法35条),
政治的行為の制限(同法36条)等に服さない者(同法4条2項参照)とし
て任命される者であることから,特別職の秘書の職を占める職員として,い
かなる者を任命すべきかは,任命権者との特別の信頼関係を踏まえて判断さ
れるべきものであり,また,上記の政治的行為の制限等に服さない者を秘書
として職務に従事させることの必要性といった政策的観点からの判断を要す
るものということができる。したがって,特別職の秘書として,いかなる者
を任命すべきかは,任命権者の合理的な裁量に委ねられており,その任命権
者の判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものと評価されるとき
でなければ,当該任命行為が違法となるものではないと解するのが相当であ
る。
本件についてこれをみると,前記2の認定事実に加え,証拠(乙10,2
2,証人A)及び弁論の全趣旨によれば,被告(C)は,AがCの府知事時
代に私設秘書を務め,人的信頼関係を築いており,また,衆議院議員の秘書
としての経験を有するAであれば,一般職の秘書では実際上対応が困難であ
る政治的な折衝に係る秘書業務の遂行も可能となるとの考えの下,Aを市長
特別職秘書に任命したことが認められ,その判断に格別不合理な点はなく,
その任命行為が,裁量権の範囲を逸脱し,これを濫用したものとは認められ
ない。
(2)原告らの主張について
アこれに対し,原告らは,B市において,市長,副市長又は一般職の秘書
によって,市長特別職秘書の職務を行うことが可能であり,任命する必要
がなかった旨主張する。
しかしながら,仮に市長自身や副市長において市長特別職秘書の職務を
行うことが可能であったとしても,市長や副市長が秘書業務を行うことは
効率的な行政運営の観点からは相当なこととはいえず,原告ら主張の事情
が,前記判断を左右するものではない。また,一般職の秘書は,政治的な
折衝に係る秘書業務を行うに当たり,政治的行為の制限との関係で問題を
生ずるおそれもあるし,そのような秘書業務に係る知見,経験にも欠ける
ことが予想され,一般職の秘書により,CがAに期待した政治的折衝に係
る秘書業務を十分に務められるものとは考え難く,一般職の秘書によって
市長特別職秘書の職務を行うことが可能であったとも認め難い(Aを市長
特別職秘書として任命する必要性を否定できないことは,後記イ(イ)d
のとおりである。)。したがって,原告らの上記主張は採用することがで
きない。
イ(ア)また,原告らは,①Aは,市長特別職秘書に任命されて以降,そ
の職務を一切行っておらず,専ら政党Dの政治活動を行っていたこと,
②Aは,Cの後援会に多額の寄付等をした後援会代表者の息子であった
こと,③Aは,F知事であったCの私設秘書を務めていた期間に業者の
ためにFに対する口利きをしていたこと,④Aは,政党Dが関係する選
挙が実施されるたびに「一身上の都合」で合計7回の休職・退職を繰り
返したこと等を指摘し,それらの指摘事情に照らせば,Aは市長特別職
秘書として不適格であり,CによるAの市長特別職秘書への任命行為
は,裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用するものである旨主張する。
(イ)上記(ア)①の指摘事情(Aの職務の不従事)について
aまず,上記(ア)①の指摘事情について検討すると,Aの市長特別職
秘書としての職務の遂行状況に関し,A及び平成25年4月1日から
B市政策企画室秘書部秘書担当課長であったGは,証人尋問において,
Aが,市長特別職秘書として,以下のとおり,職務に従事していた旨
証言し,A及びGの陳述書(乙14,22,23)にもおおむね同旨
の記載がある。
(a)Aは,Cの登庁日には,Cの登庁前に出勤し,Cの立ちインタ
ビューや打合せへの同席や日程調整等の職務を行い,Cの退庁後に
退勤していた。
(b)Aの市役所内の執務場所は,Cの執務室から一番近い位置に,
一般職の秘書と並んで配席され,随時,Cの求めに応じて職務を行
っていた。
(c)Aは,Cが市役所外での会合等に参加する際には,随行する
ことがあり,随行しない場合には,市役所に登庁し,職務を行って
いた。
(d)Cが部局長等に対して行う指示等については,関係者として
Aも情報を共有し,随時,他の部局の職員,議員,関係者等との間
で,連絡調整等の職務を行っていた。
(e)特に,Aは,政治家の秘書としての経歴や人脈を活用し,中央
官庁や政党との連絡調整の職務(例えば,国政政党の役職者や大臣
経験者等との日程調整,M地区でのイベントに係る中央官庁との許
可に係る交渉,生活保護制度改正に関する各大臣との調整及び文部
科学大臣に対する近代美術館整備用地購入に係る条件の調整のため
の日程調整等の職務)を行っており,このような調整は,従前の被
告の一般職の秘書では,能力的に,また,一般職の地方公務員に対
する政治的行為の制限との抵触という観点からも,困難なものであ
った。
b上記aの証言等に関し,Aが市長特別職秘書としての職務に従事した
ことを客観的に裏付け得る書証は,Aが平成24年3月15日に被告
の随行としてB市の施策要望等のために衆議院,文部科学省等を訪問
する目的で東京に出張した際の出張命令及び出張旅費の支出の関係書
類(乙11の1・2)のほか,平成26年3月分から平成27年8月
分までの間のAの出勤簿(乙21),上記2(2)ウ(ア)~(キ)
及びエ(ア)・(イ)の9通の電子メール並びに平成24年2月1日,
平成25年4月15日,平成26年8月1日及び平成27年6月17
日現在の「A」の名前のあるB市役所内の配席図(甲35の1~3,
乙20)程度にとどまる。そのうち,上記の出勤簿及び電子メールに
ついては,いずれも本件訴訟提起後に作成ないし送信されたものであ
るし,上記電子メールの内容も,資料の授受や情報の提供をAを通じ
てすることを示唆するもの(上記2(2)ウ(ア)・(ウ),エ(ア)
・(イ)),会合の飲食店の予約を指示するもの(上記2(2)ウ(イ)),
日程調整をAを通じて行うことを示唆するものであり(上記2(2)
ウ(エ)~(キ)),それ自体は特段困難な内容の職務に従事してい
ることをうかがわせるものではない。
cしかしながら,前記bのAの平成24年3月15日の出張に関する
書類や電子メールの存在は,Aが秘書業務に従事していたことを端的
に裏付けるものである。また,前記bの配席図のうち,同年2月1日
及び平成25年4月15日現在のAの名前のあるB市役所内の配席図
は,本件訴訟提起前に作成されたものであり,相応の信用性が認めら
れるのであって,Aが市役所に登庁して勤務することも想定されてい
たことがうかがえるし,前記bの出勤簿(乙21)は,本件訴訟提起
後に作成されるようになったものであるとはいえ,その記載内容に格
別不自然な点は見当たらず,これによると,Aは,平成26年3月2
4日以降,平成27年8月27日までの間は,休職期間を除き,1週
間のうち4,5日程度市役所に登庁する週が多かったことが認められ
る。これらの点に照らせば,およそ,Aが市長特別職秘書としての業
務に従事していなかったものとは断じ難い。
また,Aは,証人尋問において,Cからの指示やCに対する報告に
ついては口頭の連絡や電話連絡が主である,職務への従事の状況に関
して業務報告書,業務日誌等を作成していなかった,いつもCのすぐ
そばに付いており,メールではなく,口頭でのやりとりが多かったな
どと証言し,Gも,証人尋問において,同旨の証言をするほか,Gの
陳述書(乙22)には同旨の記載があるところ,これらの証言や陳述
書の記載内容は,機密性,機動性を求められる秘書の職務の特性に鑑
みれば,その信用性を排斥し難い。
さらに,AがCと共に会合等に参加したことを裏付ける資料がない
ことも,Aがあくまで秘書として随行したものであるとすれば,必ず
しも不自然ともいえない。
そして,特に,Aの具体的な職務への従事状況に関する,M地区で
のイベントに係る中央官庁との許可に係る交渉,生活保護制度改正に
関する各大臣との調整及び文部科学大臣に対する近代美術館整備用地
購入に係る条件の調整のための日程調整等の職務を行ったとの上記証
言内容は,具体的である上,Aの衆議院議員の私設秘書としての経歴
に照らすと,その内容も特に不自然なものではない。
以上の諸点に照らせば,Aの職務への従事状況に関するA及びGの
上記アの証言等は,少なくとも,Aが市長特別職秘書として,随時,
一定の職務,特に,Aの政治家の秘書としての経歴や人脈を活用した
上での,中央官庁や政党との連絡調整の職務等の職務に従事していた
という限度では採用することができ,上記事実を認定することができ
る。
なお,証拠(甲17の1,18)及び弁論の全趣旨によると,Aは,
平成24年4月4日から同年11月2日までの間,数十回にもわたり,
一般の職員の勤務時間中(平日の午前9時から午後5時30分まで)
に,ツイッターへの投稿をしており,その中には,「元気か?前から
聞こうと思ってたんやが,NがOに行ったのはBestの判断やったん
か?」「コムギラブ拝聴。南の島に行きたい病が再発してもうた!!」
等,職務に関連するとは評し難いものも含まれていることが認められ
る。しかし,Aは特別職の地方公務員であって,勤務時間の制限(地
方公務員法24条5項),職務専念義務(同法35条)には服さない
(同法4条2項)のであるから,上記のツイッターへの投稿は,その
妥当性はともかく,直ちに違法行為を構成するものではないし,この
ことが,Aの職務への従事状況に関する上記認定を直ちに左右するも
のでもない。
dこのように,Aは,政治家の秘書としての経歴や人脈を活用した上
で,市長特別職秘書として,中央官庁や政党との連絡調整の職務等に
従事していたものと認められる。また,前記2(2)エのとおり,当
裁判所の文書提出命令を受けてAが提出した電子メールの中には,政
党Dの業務との関連がうかがわれるものが含まれているが,これをも
って,Aが市長特別職秘書に任命されて以降,専ら政党Dの政治活動
を行っていたものとまでは認められず,そのような事実を認めるに足
りる証拠はない。したがって,Aが市長特別職秘書としての職務を一
切行わず,専ら政党Dの政治活動を行っていたとの原告らの主張(上
記①の点)は,採用することができない。
そして,上記のようなAの市長特別職秘書としての職務への従事状
況に鑑みれば,Aを被告の秘書として任命する必要性を否定すること
はできない。また,Aの,政治家の秘書としての経歴や人脈を活用し
て政党等との連絡調整を行うという上記手法は,仮に,それ自体は直
ちに一般職の地方公務員において制限されている政治的行為(地方公
務員法36条2項)に該当しないとしても,その態様によっては上記
の政治的行為に該当するおそれがあることは否定できず,そのような
Aの手法に鑑みれば,Aを一般職ではなく特別職の秘書として任命す
る必要性も否定することはできない(なお,Aの休職及び退職に際し
て,Aの職務内容の引継ぎがされていなかったにもかかわらず,B市
の市政運営に具体的な支障は生じていなかったが〔証人A〕,Aを欠
いてもB市の市政運営に具体的な支障が生じなかったことのみから直
ちにAを市長特別職秘書として任命する必要性が否定されるものでは
ない。)。
(ウ)上記(ア)②の指摘事情(Aが,Cの後援会に多額の寄付等をし
た後援会代表者の子であること)について上記指摘事情があったことは
前記2(1)ウのとおりであるが,それをもって,直ちに,Aの市長特
別職秘書としての適格が否定されるものではない。
(エ)上記(ア)③の指摘事情(Aが,F知事であったCの私設秘書を
務めていた当時,業者のために口利きをしていたこと)について
上記指摘事情については,証拠(甲13の1~3,14の1・2,証
人A)及び弁論の全趣旨によれば,Aは,F知事であったCの私設秘書
を務めていた当時,業者のために口利きをしたことがあったことが認め
られるが,そのような事実をもって,直ちに市長特別職秘書としての適
格を欠くものとまではいえない(なお,Aが市長特別職秘書の在任期間
中に業者のために口利きを行ったことをうかがわせる証拠はない。)。
(オ)上記(ア)④の指摘事情(Aが政党Dの選挙活動のため休職・退
職を繰り返したこと)について
上記指摘事情については,前記2(1)エのとおり,Aは,市長特別
職秘書に任命された後,6回(合計176日),政党Dに関する選挙活
動又は住民投票の活動に従事するため休職している。しかし,上記(イ)
cのAの実際の職務への従事状況に照らせば,上記休職の事実があった
としても,そのことから直ちにAが市長特別職秘書として不適格であっ
たとまではいうことができない。
(カ)原告らの上記各指摘事情のうち,事実として認めることができる
ものを総合しても,Aが,市長特別職秘書の適格を有しないものとまで
は認められず,原告らの上記イ(ア)の主張は採用することができない。
(3)以上のとおり,CがAを市長特別職秘書に任命した行為は,裁量権の
範囲を超え,又はこれを濫用したものということはできず,その任命行為が
違法,無効であるとは認められない。
5争点3(本件各給与支出の地方財政法4条1項違反の有無)について
上記3及び4のとおり,本件条例の制定及びCがAを市長特別職秘書に任命
した行為が適法である以上,B市は,Aに対し,市長特別職の給与の支払義務
がある(前記第2の2(3),(4))。
そして,証拠(乙22,証人G)及び弁論の全趣旨によれば,B市がAに対
して支出した給与(別紙2及び別紙3)は,条例及び規則の規定(前記第2の
2(3),(4))に従って支払われたものであることが認められる(なお,
期末手当及び退職手当については,後記6のとおり,Aの休職期間を考慮して
一定の減額がされた。)。
したがって,B市は,Aに対し,市長特別職秘書としての地位に基づく給与
の支払義務を履行したものであって,本件各給与支出は,地方財政法4条1項
に反することはなく,違法,無効であるとは認められない(Aに対する期末手
当及び退職手当の支出についても違法,無効であると認められないことは後記
5のとおりである。)。
6争点4(期末手当及び退職手当の支出の違法性等)について
(1)アAが,市長特別職秘書に任命された後,6回,政党Dに関する選挙
活動又は住民投票の活動に従事するため休職したことは前記2(1)エの
とおりであるところ,B市の特別職の職員の休職について明示的に定めた
規定がないのであるから(当事者間に争いがない。),Aに対する上記各
休職処分は,法令の予定しないものである。しかし,仮に上記各休職処分
が違法であったとしても,当該公務員が休職を希望し,任命権者が休職処
分の必要を認めて依願休職処分をした場合には,これを無効とまではいう
ことはできないというべきであり(最高裁昭和35年7月26日第三小法
廷判決・民集14巻10号1846頁),このことは,当該公務員の休職
の理由を問わないものというべきである。そして,証拠(甲33の1・2,
40の2,乙5,12の1・2,証人G)によれば,Aは,前記各休職に
際して,B市長であるC宛てに自己都合により一定期間公務に従事しない
旨の休職願を提出し,Cがこれを承認することにより(依願休職処分),
B市として,Aに一定期間公務に従事させず,給与を支給しないこととし
たことが認められ,このようなAの休職は,たとえそれが政党Dに関する
選挙活動又は住民投票の活動に従事するためであっても,無効とまではい
えず,そうである以上,Aが休職の時点で退職したものと同視することも
できないというべきである。
イしたがって,B市は,Aに対し,市長特別職秘書の期末手当及び退職手
当を含めた給与の支払義務がある(前記第2の2(3)イ(イ),ウ,(4))。
なお,原告らは,Aが休職を繰り返していたこと等からして,Aは,期
末手当や退職手当の支給が認められない「非常勤の職員」(同法203条
の2第1項)に該当する旨主張する。しかし,Aの休職期間(合計176
日間)やAの日常の職務への従事状況(前記4(2)イ(イ)c)に照ら
せば,Aの休職の事実を考慮しても,Aが「常勤の職員」(地方自治法2
04条1項)ではなく「非常勤の職員」に該当するということはできず(そ
の他,Aが非常勤の職員に該当することを基礎付ける事情はうかがわれな
い。),原告らの上記主張は採用することができない。
また,原告らは,Aの前記各休職には法令上の根拠がなく,本来,辞職
すべきであったから,平成24年11月16日から同年12月16日まで
及び平成26年11月21日から同年12月24日までの間休職してい
た本件において,平成24年12月10日及び平成26年12月10日の
期末手当との関係では,Aは期末手当の基準日(12月1日)に在職して
いなかったことになるし,仮に,基準日に在職していたと評価できるとし
ても,一般職の職員の給与に関する法律19条の4第1項,人事院規則9
-40第1条等の趣旨に照らせば,Aは,それらの定めにおいて期末手当
を支払わないとされる無給休職者と同視されるべきであり,Aに対して平
成24年12月10日及び平成26年12月10日に期末手当を支給す
る根拠はない旨主張する。しかし,Aが休職の時点で退職したものと同視
することができないことは前記アのとおりであり,上記各期末手当の基準
日において在職していなかったものとは認められないし,B市の特別職の
職員との関係で,国家公務員に関する規定である一般職の職員の給与に関
する法律や人事院規則の定めを理由として上記支払義務を否定すること
はできないものといわざるを得ず,原告らの上記主張は,採用することが
できない。
(2)そして,B市がAに対して支出した給与(期末手当及び退職手当を含
む。)は,条例及び規則の規定に従って算定した(上記5)後,期末手当及
び退職手当については,休職期間を考慮して一定の減額をした上(甲33の
1・2,40の2,乙5,12の1・2,証人G,弁論の全趣旨。その減額
の算定過程に格別不合理,不正確な点はうかがわれない。),支払われたも
のであって,本件各給与支出のうち,期末手当及び退職手当の支出は,違法,
無効であるとは認められない。
7争点5(Aの不法行為責任の成否)について
上記4(2)イ(イ)cのとおり,Aは,市長特別職秘書として,随時,一
定の職務,特に,Aの政治家の秘書としての経歴や人脈を活用した上での,中
央官庁や政党との連絡調整の職務等の職務に従事していたのであり,原告らが
主張するように,Aが市長特別職秘書としての職務を一切行わなかったとは認
められず,他にAに不法行為が成立することを認めるに足りる証拠はない。
8結論
以上によれば,原告らの請求はいずれも理由がないのでこれらを棄却するこ
ととし,主文のとおり判決する。
大阪地方裁判所第2民事部
裁判長裁判官西田隆裕
裁判官狹間巨勝
裁判官斗谷匡志は転補のため署名押印することができない。
裁判長裁判官西田隆裕

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