弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人Cの負担とする。
         理    由
 被告人Aの弁護人武藤禾幹の上告趣意、被告人Bの弁護人浅野松次郎の上告趣意、
被告人Cの弁護人石井一郎の上告趣意はいずれも量刑の非難であつて上告適法の理
由にならない。
 被告人Dの弁護人遊田多聞の上告趣意第一点は旧麻薬取締法第三条第一項にいう
譲渡の解釈につき、原判決が必ずしも所有権移転を伴う所持の移転に限られない旨
判示したのが高等裁判所判例と相反する判断をした旨主張し、被告人Eの弁護人鈴
木一郎、被告人Fの弁護人大畠農夫雄もそれぞれの論旨においてこの点を法令違反
として論じているが、旧麻薬取締法三条一項にいう譲渡は、同法が麻薬に関するあ
らゆる行為を取締の対象とすることによつて公衆衛生の保持を図つた趣旨から見て、
麻薬の移転に関する行為は所有権の移転を伴うものに限らず、広く譲渡の観念中に
包含せしめたものと解するのを相当とするのであつて、このことはすでに当裁判所
の判例とされているところである(昭和二六年(あ)三六三四号同二七年四月一七
日第一小法廷判決、刑集六巻四号六七八頁、同法四条の譲渡につき昭和二七年(あ)
三三七三号同二九年八月二〇日第二小法廷判決)。 これと異る見地に立つ所論は
採用し難く、また挙示の高等裁判所判決はすでに判例としての効力を失つているか
ら、これに基く所論は判例違反の主張に当らない。
 被告人Gの弁護人福田耕太郎の上告趣意第一点は、第一審判決の証拠の標目の挙
示が、刑訴三三五条一項の要件を充たさないとして、高等裁判所判例、大審院判例
を援用して判例違反を論ずるが、証拠の標目は記録に徴してどの証拠でどの事実を
認定したか判明する程度に挙示すれば足りることすでに当裁判所の繰り返して判例
とするところであつて(昭和二五年(あ)一〇六八号同年九月一九日第三小法廷判
決、刑集四巻九号一六九五頁、同二五年(あ)七七三号同二六年四月一七日第三小
法廷判決、刑集五巻六号九六三頁等)、挙示の判例はいずれも当裁判所の判例によ
り変更されたものである。所論は採用できない。
 被告人Fの弁護人大畠農夫雄の上告趣意第一点中に相被告人の供述の証拠能力欠
如を論ずる点があるが、相被告人の供述であつてもただそれだけの理由によつて証
拠能力を全く失うものでないことすでに当裁判所の確立した判例であり(昭和二三
年(れ)七七号同二四年五月一八日大法廷判決、刑集三巻六号七三四頁等)、その
余は事実誤認の主張に帰する。
 被告人Hの弁護人関谷信夫の上告趣意は、刑訴四一一条の違憲を論ずる点がある
が、同条が憲法に違反しないことは当裁判所の判例であつて(昭和二四年新(れ)
四八一号同二五年七月二五日第三小法廷判決、刑集四巻八号一五一九頁、昭和二二
年(れ)四三号同二三年三月一〇日大法廷判決、刑集二巻三号一七五頁)、所論は
採用の限りでない。
 その余の各弁護人の論旨(鈴木弁護人第二点、遊田弁護人第二点、福田弁護人第
二点)は、いずれも事実誤認、量刑不当の主張であつて、上告適法の理由にならな
い。
 その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。
 よつて同四〇八条、一八一条(被告人Cに対し)により裁判官全員一致の意見て
主文のとおり判決する。
  昭和二九年一二月二一日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛