弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由について
 民法七七二条により嫡出の推定を受ける子につき夫がその嫡出子であることを否
認するためにはどのような訴訟手続によるべきものとするかは、立法政策に属する
事項であり、同法七七四条、七七五条、七七七条がこれにつき専ら嫡出否認の訴に
よるべきものとし、かつ、右訴につき一年の出訴期間を定めたことは、身分関係の
法的安定を保持する上から十分な合理性をもつ制度であつて、憲法一三条に違反す
るものではなく、また、所論の憲法一四条等違反の問題を生ずるものでもないこと
は、当裁判所の判例の趣旨に徴して明らかである(昭和二八年(オ)第三八九号同
三〇年七月二〇日大法廷判決・民集九巻九号一一二二頁、昭和五四年(オ)第一四
九号同五四年六月二一日第一小法廷判決・裁判集民事第一二七号登載予定参照)。論
旨は、採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    藤   崎   萬   里
            裁判官    団   藤   重   光
            裁判官    本   山       亨
            裁判官    中   村   治   朗

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