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平成17年10月27日判決言渡・同日原本領収 裁判所書記官
平成17年(ネ)第675号商標使用差止等,損害賠償請求控訴事件(原審・神戸地
方裁判所平成14年(ワ)第826号(甲事件),同第1134号(乙事件))
判     決  
      控訴人兼被控訴人(甲・乙事件原告) アイ・ビー・アール株式会社
                        (以下「一審原告」とい
う。)
      同代表者代表取締役         A
      控訴人兼被控訴人(甲事件被告)   有限会社フローリック
                   (以下「一審被告フローリック」とい
う。)
      同代表者取締役           B
      控訴人兼被控訴人(甲事件被告)   B
                       (以下「一審被告B」とい
う。)
      上記両名訴訟代理人弁護士      平   井   龍   八
      同                 今   井   浩   三
      同                 稲   毛   一   郎
      同                 松   村   廣   治
      同                 幸   田   勝   利
      同                 清   王   達   之
      同                 井   上   直   治
      同                 國   重       徹
      被控訴人(乙事件被告)       コスモ油化株式会社
                    (以下「一審被告コスモ油化」とい
う。)
      同代表者代表取締役         C
      被控訴人(乙事件被告)       C
                      (以下「一審被告C」という。)
      上記両名訴訟代理人弁護士      泉       秀   一
主     文  
 1 一審原告の控訴に基づき,原判決中,一審原告と一審被告らに関する部分
を,次のとおり変更する。
  (1) 一審被告フローリック及び一審被告Bは,一審原告に対し,連帯して56
7万1868円及びこれに対する平成15年9月12日から支払済みまで年5分の
割合による金員((3)と67万9485円及びこれに対する遅延損害金の範囲で不真
正連帯債務となる。)を支払え。
  (2) 一審被告Bは,一審原告に対し,100万円及びこれに対する平成15年
9月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  (3) 一審被告コスモ油化及び一審被告Cは,一審原告に対し,連帯して77万
9485円及びこれに対する平成14年6月25日から支払済みまで年5分の割合
による金員((1)と67万9485円及びこれに対する遅延損害金の範囲で不真正連
帯債務となる。)を支払え。
  (4) 一審原告のその余の請求をいずれも棄却する。
 2 一審被告フローリック及び一審被告Bの各控訴をいずれも棄却する。
 3 訴訟費用は,一審被告フローリック及び一審被告Bが控訴状に貼付した印紙
の費用は同被告らの負担とし,その余の訴訟費用は,同被告らに生じた原審及び当
審費用と一審原告に生じた原審費用の5分の2及び当審費用の2分の1とをいずれ
も5分し,その4を一審原告の負担とし,その余を一審被告フローリック及び一審
被告Bの連帯負担とし,一審被告コスモ油化及び一審被告Cに生じた原審及び当審
費用と一審原告に生じた原審費用の5分の2及び当審費用の2分の1とをいずれも
10分し,その9を一審原告の負担とし,その余を一審被告コスモ油化及び一審被
告Cの連帯負担とする。
 4 この判決の主文第1項(1)ないし(3)は,仮に執行することができる。
事実及び理由  
第1 控訴の趣旨等
 1 一審原告
  (1) 原判決を次のとおり変更する。
   ア 一審被告フローリック及び一審被告Bは,一審原告に対し,連帯して8
69万6438円及びこれに対する平成15年9月12日から支払済みまで年5分
の割合による金員を支払え。
   イ 一審被告Bは,一審原告に対し,100万円及びこれに対する平成15
年9月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
   ウ 一審被告コスモ油化及び一審被告Cは,一審原告に対し,連帯して38
7万8138円及びこれに対する平成14年6月25日から支払済みまで年5分の
割合による金員を支払え。
  (2)訴訟費用は,第1,2審とも,一審原告と一審被告フローリック及び一審
被告Bとの間に生じた費用については一審被告フローリック及び一審被告Bの連帯
負担とし,一審原告と一審被告コスモ油化及び一審被告Cとの間に生じた費用につ
いては一審被告コスモ油化及び一審被告Cの連帯負担とする。
  (3) 仮執行宣言
 2 一審被告フローリック及び一審被告B
  (1) 原判決中,一審被告フローリック及び一審被告B敗訴部分を取り消す。
  (2) 一審原告の一審被告フローリック及び一審被告Bに対する請求をいずれも
棄却する。
  (3) 訴訟費用は,第1,2審とも一審原告の負担とする。
第2 事案の概要
 1(1) 甲事件は,一審原告が,一審被告フローリック及び一審被告Bに対し,同
被告らが,① 一審原告の登録商標と類似する標章を使用して営業を行ったと主張
して,商標権侵害に基づき,② 一審原告の顧客名簿,商品の製造方法等の営業秘
密を不正に取得して営業を行ったとして,不正競争防止法2条1項7号,第4条に
基づき,③ 営業誹謗行為を行ったと主張して,同法2条1項14号,第4条に基
づき,損害賠償6549万3333円及びこれに対する不法行為の後である平成1
5年9月12日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を請求した事案で
ある。
  (2) 乙事件は,一審原告が,一審被告コスモ油化及び一審被告Cに対し,同被
告らが,① 一審原告の登録商標と類似する標章を使用して営業を行ったと主張し
て,商標権侵害に基づき,② 一審原告の顧客名簿,商品の製造方法等の営業秘密
を不正に取得して営業を行ったと主張して,不正競争防止法(2条1項7号,第4
条)に基づき,損害賠償2644万4793円及びこれに対する訴状送達の日の翌
日である平成14年6月25日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を
請求した事案である。
  (3) 原審は,一審原告の請求を,甲事件については,①の商標権侵害及び③の
営業誹謗行為を認め,一審被告フローリックに対して467万1868円,一審被
告Bに対して567万1868円(一審被告フローリックの支払義務と重なる限度
で連帯債務)及びこれに対する平成15年9月12日から支払済みまで年5分の割
合による遅延損害金の限度で認容し,乙事件については,①の商標権侵害を認め,
一審被告コスモ油化らに対し,連帯して67万9485円(一審被告フローリック
及び一審被告Bの支払義務と重なる限度で連帯債務)及びこれに対する平成14年
6月25日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の限度で認容した。
  (4) これに対し,一審原告及び甲事件被告らがそれぞれ控訴を提起した。
    一審原告は,当審において,請求を一審被告フローリックに対しては86
9万6438円,一審被告Bに対しては969万6438円(いずれも支払義務の
重なる869万6438円の限度で連帯して),乙事件被告らに対しては連帯して
237万8138円及びこれらに対する前記割合による遅延損害金に減縮した。な
お,一審原告は,当審において,損害として,弁護士及び弁理士費用相当損害金を
追加主張した。
 2 前提事実,争点,争点に関する当事者の主張は,次のとおり付加,訂正する
ほかは,原判決3頁23行目から17頁25行目までに記載のうち,上記一審原,
被告ら関係部分のとおりであるから,これを引用する。
  (1) 8頁9行目の「印字」を「印刷」と,同11行目の「審判」を「審決」
と,9頁5行目の「顧客の」を「顧客に対する」と各改め,同24行目の「顧客」
を削る。
  (2) 13頁19行目から20行目にかけての「エメトリンEX」を「エメトリ
ンET」と,14頁1行目の「平成12年4月14日」を「平成12年4月1日」
と,同行目から同2行目にかけての「平成15年9月11日までの間」を「平成1
5年9月10日までの1257日間」と,同23行目の「上記」を「前記」と各改
める。
  (3) 当審における一審原告の損害額に関する主張
   ア 一審被告フローリックの商標権侵害は平成12年4月1日より平成13
年4月4日まで継続してされており,原審認定の平成13年4月5日から平成15
年9月10日までの888日間に上記期間の日数369日を追加した合計1257
日間に1日当たり4134円の損害額を乗じた519万6438円が損害額とな
る。
     また,営業誹謗行為による損害額は100万円が相当である。
一審原告は,甲事件被告らほか1名を被告とする商標使用差止等,損害
賠償請求事件につき,原審において,弁護士に200万円,弁理士に50万円の着
手金,報酬,鑑定料及び無効審判請求手数料を支払ったので,同額の損害を被っ
た。
     よって,一審原告は,一審被告フローリック及び一審被告Bに対し,連
帯して869万6438円,さらに一審被告Bに対し,個人による営業誹謗行為に
よる100万円の損害賠償を請求する。
   イ 一審被告コスモ油化が,一審被告フローリックの指示により,被告標章
の付された段ボールに白蟻防除剤を入れて一審被告フローリックに販売していた時
期は,平成12年4月1日より平成13年9月末日までであり,原審認定の平成1
3年4月5日から同年9月末日までの149日間に上記期間の日数を追加した合計
518日間に1日当たり4591円の損害額を乗じた237万8138円が損害額
となる。
一審原告は,乙事件被告らを被告とする商標使用差止等,損害賠償請求
事件につき,原審において,弁護士に100万円,弁理士に50万円の着手金,報
酬及び鑑定料を支払ったので,同額の損害を被った。
     よって,一審原告は,一審被告コスモ油化及び一審被告Cに対し,連帯
して387万8138円の損害賠償を請求する。
第3 当裁判所の判断
1 証拠(各項末尾に掲記のもの)及び弁論の全趣旨によれば,本件の事実経過
は以下のとおりであると認められる。
(1) 一審被告コスモ油化は,一審原告から委託を受け,平成4年から,大阪府
大東市所在の一審被告コスモ油化新田工場(以下「新田工場」という。)におい
て,一審原告が販売するための白蟻防除用の乳剤及び油剤を製造し,一審原告から
発送を依頼される際に,ファクシミリによって顧客の氏名,住所及び電話番号を伝
えられ,一審原告の顧客に対し,製造した白蟻防除用乳剤及び油剤を配送してい
た。(弁論の全趣旨)
(2) 一審被告Bは,平成5年ころから,フローリックエンタープライズという
屋号で,輸入代行業務を開始し,一審被告コスモ油化の輸入代行業務をしたことも
あった。(乙A24,一審被告B本人)
(3) 一審被告Bは,平成8年ころから,新田工場において,一審被告コスモ油
化の臨時職員として働き,一審原告の白蟻防除用の乳剤及び油剤の出荷作業に携わ
っていた。(乙A24,一審被告B本人)
(4) 一審原告は,平成10年5月末,一審被告コスモ油化に対する白蟻防除剤
の製造委託を打ち切り,以後,自ら同乳剤及び油剤の製造を開始した。一審被告コ
スモ油化は,一審原告に対し,同年6月19日,以後7年間は,パーメスリンを活
性原体とした殺虫剤の受託製造,自社製造及び自社販売を行わない旨を約した。
(甲B7,弁論の全趣旨)
(5) 一審被告Bは,平成10年ころから,韓国の業者から白蟻防除剤の原料と
なるパーメスリンを輸入し,白蟻防除剤の製造メーカーに対する販売を開始した。
 一審原告は,一審被告Bからパーメスリンを購入したこともあったが,平
成11年8月以降は,自らパーメスリンを輸入するようになった。なお,一審被告
らのいう「ペルメトリン(permethrin)」は,パーメスリン(permethrin)の読みを
変えただけで,同一の物質である。(甲A24,26,乙A24,一審被告B本
人)
(6) 一審被告Bは,一審原告の顧客であるヤマト白蟻研究所や三洋シロアリ研
究所などに対し,平成11年9月1日ころ,以下の内容のダイレクトメールを送付
した(以下「本件ダイレクトメール」という。)。(甲A9)
(本件ダイレクトメールの内容)
「貴社が神戸のI.B.R.社より「しろ蟻防除薬剤」の油剤,乳剤を購入
されていますこと十分承知をしておりますが弊社のPermethrin(ぺルメ
トリン)原体をお使いになり防蟻剤,特に油剤の製造をされたらいかがかと考えま
す。
油剤の製造につきましては1斗缶に貼っていますラベルを見ておわかりの
通りPermethrin(ぺルメトリン)と溶解剤(灯油)さえあれば簡単に製
造できます。
(中略)
油剤を製造しますのに必要な原体は1斗缶(18L缶)あたり多い目に1
00grとしてこれからコストを計算しますと(40倍希釈の乳剤で原体は2kg
から2.5kg入っています)
  ペルメトリン ¥7,500/kg×100gr  ¥750-
  灯油18L(小売値段)810-
油剤一缶(18L)の素原価は¥1,560.-となります。
(中略)
現在貴社でI.B.R.より購入されています油剤の価格はいくらでしょ
うか?????
1斗缶(18L缶)でどれくらいの差がでてきますか???
差額分はすべて貴社の利益となります。」
(7) 一審原告は,一審被告Bが本件ダイレクトメールを一審原告の顧客に送付
したことを知り,一審被告Bに対し,同月7日,同書面の送付を停止し,同書面を
送付した顧客名を知らせるよう要求したが,一審被告Bからは何らの応答もなかっ
た。(甲A15,16,弁論の全趣旨)
(8) 一審被告Bは,平成12年4月ころから,一審被告コスモ油化に対し,パ
ーメスリンを原料とする「エルメトリン」という名称の白蟻防除剤の製造を依頼
し,これらの販売を開始した。そして,一審被告Bは,一審原告の顧客である有限
会社インターウェルや株式会社住まいる・アサヒなどに対し,白蟻防除剤の購入を
依頼する書面を送付した。(甲A42,50,乙A24,一審被告B,弁論の全趣
旨)
(9) 一審被告Bは,平成12年9月8日,家庭用日用雑貨,化学薬品等の輸出
入業,白蟻駆除薬剤の製造販売等を目的として,一審被告フローリックを設立し,
その代表取締役となった。(弁論の全趣旨)
(10) 一審被告フローリック(一審被告B)は,平成13年2月ころ,大阪総
合デザイン専門学校のDに対し,本件登録商標を示し,一審被告フローリックが白
蟻防除剤を販売する際に使用する標章の作成を依頼し,同年4月3日,同人から被
告標章の交付を受け,同月5日,被告標章につき商標登録の出願をした。(乙A
2,15,16,24,一審被告南部)
(11) 一審被告フローリックは,平成13年4月5日ころ,一審被告コスモ油
化に対し,被告標章について商標登録の出願をしていると説明し,被告標章を付し
た段ボール箱に白蟻防除剤の入った缶を入れるよう依頼し,以後は,被告標章を付
した段ボール箱に入った白蟻防除剤を一審被告コスモ油化から購入して販売するよ
うになった。(弁論の全趣旨)
(12) 一審被告フローリックは,平成13年9月ころ,一審被告コスモ油化に
対する白蟻防除剤の製造委託を打ち切り,以後は自ら白蟻防除剤を製造して販売す
るようになった。(甲A23,弁論の全趣旨)
(13) 平成14年3月29日,被告標章について商標登録がなされた。(乙A
2)
(14) 一審原告は,平成14年9月3日,被告標章が先に商標登録がなされた
本件登録商標に類似するとして,被告標章につきなされた前記商標登録を無効とす
る審判を請求した。(甲A41)
(15) 平成15年9月12日,被告標章につきなされた前記商標登録を無効と
する審決がなされた。(甲A59)
2 争点1(本件登録商標と被告標章が類似するかどうか)について
(1)本件登録商標
ア 本件登録商標の構成
 本件登録商標は,その図形のみからでは必ずしもいかなるものか特定し
難い虫を擬人化した図形(以下「虫部」という。)と,やや太いリングの内側にリ
ングの線よりやや細めの一本の線を右肩上がりに描いた図形(以下「標識部」とい
う。)とを組み合わせた構成より成るものである。
 虫部の頭部の形状は円形で,触覚,眉毛,目,口及び牙が描かれてお
り,触覚には横縞模様が描かれている。眉毛は八の字状であり,その下に接して黒
く塗りつぶされた略円形の目が描かれている。口は波線状であり,左右一対の湾曲
した大きな牙が描かれている。また,虫部の胴部の形状は卵形であって横縞模様が
描かれており,足部として3対の足が曲線形で描かれている。そして,虫部の頭部
(顔部)の表情は,眉毛と目の描き方から,困惑した表情を印象づける。
 標識部は,一般に知られている道路標識と近似した構成より成るもので
あり,禁止の意味を示す道路交通標識を連想,想起させる。
 そして,虫部が標識部の内部に描かれていることからして,本件登録商
標は,外観上,禁止の意味を表す道路標識の中に擬人化した虫が閉じこめられてお
り困惑している状況の観念を生ずる。
 また,上記のとおり,本件登録商標中の標識部は,一般に知られている
道路標識と近似した構成より成るものであり,道路標識のような図形と虫などの動
物を意味する図形を組み合わせて,当該虫を防除する意味を表すことは,広く慣用
されている(甲A52,弁論の全趣旨)ことからすれば,上記標識部ないし上記標
識部と虫との組み合わせには自他識別力が乏しく,本件登録商標に接した需要者
は,専ら虫部に注意がひかれると考えられるので,本件登録商標の要部は虫部であ
ると解される。
イ 本件登録商標の使用態様
 証拠(甲A1,3,41,甲B2の1ないし7)によれば,一審原告
は,その販売に係る白蟻防除剤の容器の側面に本件登録商標を付し,同防除剤の販
売カタログの表紙,業務用の郵便封筒及び一審原告代表者の名刺にも本件登録商標
を記載していること,これらに記載されている本件登録商標の虫部の眉毛,目,触
覚及び胴部の横縞模様は黒色,牙は白色,その余の部分は肌色又は灰色で描かれて
おり,標識部は赤色で描かれていること,虫部の頭部が左に傾く状態で記載されて
いることが認められる。
(2)被告標章
ア 被告標章の構成
被告標章は,通常,別紙被告標章記載の色彩が用いられているものと認
められる(甲A7,41,48の1・2,甲A51の1,甲B35)。
  被告標章は,その図形のみからでは必ずしもいかなるものか特定し難い
虫を擬人化した図形(以下「虫部」という。)と,やや太い赤色のリングの内側に
やや細めの赤色の2本の線をX字状に交差させた図形(以下「標識部」という。)
とを組み合わせた構成より成るものである。
 虫部の頭部の形状は円形で,触覚,眉毛,目,口及び牙が描かれてお
り,触覚には横縞模様が描かれている。眉毛は八の字状であり,その下に接して黒
く塗りつぶされた略円形の目が描かれている。口は波線状であり,左右一対の内側
に湾曲した牙が描かれている。また,虫部の胴部の形状は卵形であり,横縞模様が
描かれており,足部として3対の足が直線形で描かれている。そして,虫部の頭部
(顔部)の表情は,眉毛と目の描き方から,困惑した表情を印象づける。
 標識部は,一般に知られている道路標識と色彩及び形状とも近似した構
成より成るものであり,禁止の意味を示す道路交通標識を連想,想起させる。
 そして,虫部が標識部の内部に描かれていることからして,被告標章
は,外観上,禁止の意味を表す道路標識の中に擬人化した虫が閉じこめられて困惑
している状況の観念を生ずる。
 また,上記のとおり,被告標章中の標識部は,一般に知られている道路
標識と近似した構成より成るものであり,上記標識部ないし上記標識部と虫との組
み合わせには自他識別力が乏しく,被告標章に接した需要者は,専ら虫部に注意が
ひかれると考えられるので,被告標章の要部は虫部であると解される。
イ被告標章の使用態様
 証拠(甲A7,8,10,13,41,48の2,51の1,甲B3
5)によれば,一審被告フローリックは,販売している白蟻防除剤の容器を入れる
段ボール箱の側面に被告標章を記載し,同防除剤の販売カタログの表紙,「技術資
料」と題する同防除剤の説明書の表紙,業務用の葉書,郵便封筒及び事務所建物の
外壁にも被告標章を記載していたこと,別紙被告標章記載のとおり,虫部の眉毛,
目,牙,触覚及び胴部の横縞模様は黒色,その余は黄色又は肌色で描かれており,
標識部は赤色で描かれていたこと,これらに記載されていた被告標章の虫部の頭部
は左に傾く状態で記載されていることが認められる。
(3) 本件登録商標と被告標章の類否
 前記(1),(2)のとおり,本件登録商標及び被告標章の各要部である虫部
は,頭部の形状が円形で,頭部(顔)には,触角,目,口及び牙の他に,本来白蟻
には存在しない眉毛が描かれていること,触角には横縞模様が描かれていること,
八の字状の眉毛及びその下に接して黒く塗りつぶされた略円形の目が描かれている
こと,口は波線状であり,左右一対の内側に湾曲した牙が描かれていること,上記
の眉毛,目及び口の形状から虫が困惑した表情を浮かべている印象を与えること,
虫部の胴部の形状は卵形であり,横縞模様が描かれていること,虫部の足部として
3対の足が描かれていることが共通しており,特に,虫の表情は酷似しているとい
わざるを得ない。本件登録商標及び被告標章は,いずれも白蟻防除剤の販売のため
に使用されているという使用態様に照らすと,両者の虫部は,いずれも白蟻を連想
させる。
    以上によれば,本件登録商標と被告標章は,虫部の足部が曲線形に描かれ
ているか,直線形に描かれているかという相違はあるものの,外観が類似するとい
うべきである。標識部は,要部でないところ,本件登録商標が円形と右上がりの斜
線を組み合わせた構成であるのに対し,被告標章が円形にX字状の斜線を組み合わ
せた構成であるという相違があるが,いずれも,禁止の意味を表す道路標識として
の共通性を有するから,上記認定判断を左右しない。
    また,本件登録商標及び被告標章は,いずれも,禁止の意味を表す道路標
識の中に擬人化した白蟻を連想させる虫が閉じこめられて困惑している状況の観念
を生じるから,観念が同一であるといえる。
    そして,本件登録商標及び被告標章は,いずれも白蟻防除剤の販売のため
に使用されていることを考慮すれば,本件登録商標及び被告標章は類似していると
いうのが相当である。
3 争点2(一審被告フローリック及び一審被告コスモ油化が本件商標権の侵害
につき無過失といえるか)について
(1) 一審被告フローリック及び一審被告コスモ油化は,一審原告の本件商標権
を侵害した者であるから,商標法39条により準用される特許法103条に基づ
き,過失があったものと推定される。
(2) 一審被告フローリックについて
 甲事件被告らは,前記のとおり,一審被告フローリックは,大阪総合デザ
イン専門学校のDに標章の作成を依頼した際,同業他社の商標権を侵害しない標章
を作成するよう指示し,平成14年3月29日に被告標章の商標登録がされたの
で,同日以降,被告標章を白蟻防除剤の包装用の段ボール箱に印刷する形で使用し
始めたのであるから,本件商標権の侵害について無過失であると主張する。
 しかし,証拠(一審被告B)によれば,一審被告フローリック(代表者一
審被告B)は,Dに標章の作成を依頼した際,参考のために本件登録商標だけを示
したことが認められる。これに加え,前記2のとおり,被告標章と本件登録商標が
類似している(特に,虫の表情は酷似している。)ことに照らすと,一審被告B
が,Dに対し,同業他社の商標権を侵害しない標章を作成するよう指示したとは認
め難い。また,一審被告フローリックが使用していた白蟻防除剤の販売カタログ
(甲A7)の表紙に記載されていた被告標章の横には,商標登録出願中との記載が
あること,一審被告フローリックの価格表(甲A68)には被告標章とともに「2
001.10」との記載があることなどに照らすと,一審被告フローリックは,商
標登録がなされる以前から,被告標章を使用していたものと認められる。
 そして,他に,一審被告フローリックが本件商標権の侵害について無過失
であることを基礎づける事実の主張,立証はない。したがって,甲事件被告らの上
記主張を採用することはできない。
(3) 一審被告コスモ油化について
 乙事件被告らは,前記のとおり,一審被告コスモ油化は,一審被告フロー
リックから,商標デザインを専門とする専門学校に他社の商標権を侵害しない標章
の作成を依頼し,商標登録出願の手続を進めている旨の説明を受けたので,一審被
告フローリックが用意した被告標章の付された段ボール箱を使用したのであり,し
たがって,本件商標権侵害について,一審被告コスモ油化に過失はないと主張す
る。
 しかし,一審被告フローリックが,一審被告コスモ油化に対し,被告標章
が付された段ボールの使用を指示するに当たり,他社の商標権を侵害しない標章の
作成を依頼した等の,前記内容の説明をした事実を認めるに足りる証拠はない。ま
た,仮に,一審被告フローリックが前記内容の説明をしたとしても,前記認定のと
おり,一審被告コスモ油化は,一審原告から依頼されて,一審原告の顧客に対し,
製造した白蟻防除用の乳剤及び油剤を配送しており,その白蟻防除剤の容器には本
件登録商標が付されていたから,一審被告コスモ油化としては,十分,本件登録商
標の存在について認識することができたものといえる。そうすると,一審被告コス
モ油化において,自ら何らかの調査をしたというような事情もうかがえない以上,
一審被告フローリックの説明だけをもって,一審被告コスモ油化に本件商標権侵害
について過失がないと断ずることはできない。
 したがって,乙事件被告らの上記主張を採用することもできない。
4 争点3(一審原告の顧客情報が不正競争防止法2条4項所定の営業秘密に該
当するか)について
 一審原告は,前記のとおり,本件顧客情報(一審原告の顧客の氏名,住所及
び電話番号)が不正競争防止法2条4項所定の営業秘密に該当すると主張する。
 ところで,ある情報が秘密として管理されているというためには,当該情報
の保有者に秘密として管理する意思があり,当該情報について対外的に漏出させな
いための客観的に認識できる程度の管理がなされている必要がある。
 この点,証拠(甲A54ないし56)によれば,一審原告は,従業員を雇用
する際,雇用期間中だけでなく退職後も,仕入元や顧客に関する情報を他に漏洩し
ない旨の誓約書を提出させていることが認められる。しかし,前記1のとおり,一
審原告は,一審被告コスモ油化に対し,白蟻防除剤の発送を依頼する都度,一審原
告の顧客の氏名,住所及び電話番号をファクシミリで開示していたことが認められ
るところ,その際,一審被告コスモ油化に対して上記各情報の管理方法について何
らの要求もしていなかったことは一審原告が自認するところである。のみならず,
上記ファクシミリに秘密であることを表示していたこともうかがえない。かかる事
情に照らすと,一審原告は,一審被告コスモ油化との関係で,本件顧客情報を客観
的に認識できる程度に対外的に漏出しないように厳格に管理していたと解すること
は困難である。
 なお,一審原告は,一審原告代表者と販売管理事業員の2人だけが,パスワ
ードを設定したパソコンで本件顧客情報を管理しており,営業担当者も自らが担当
する顧客以外の情報にはアクセスできないようになっていたと主張するが,かかる
事実を認めるに足りる証拠はない。
 したがって,一審原告において本件顧客情報が秘密として管理されていたと
は認められず,一審原告のその余の主張について判断するまでもなく,本件顧客情
報が不正競争防止法2条4項所定の営業秘密に該当すると認めることはできない。
 以上によれば,争点5(一審被告らが一審原告の顧客情報を不正使用した
か)について判断するまでもなく,一審被告らによる本件顧客情報の不正使用を理
由とする一審原告の請求(不正競争防止法2条1項7号,同法4条に基づく損害賠
償請求)は理由がないことになる。
5 争点4(一審原告の白蟻防除剤の製造方法が不正競争防止法2条4項所定の
営業秘密に該当するか)について
 一審原告は,前記のとおり,本件製造方法(①殺虫原体パーメスリン,溶剤
及び乳化剤の配合割合,②加熱温度,③攪拌方法及び攪拌時間,④冷却方法及び冷
却時間)が不正競争防止法2条4項所定の営業秘密に該当すると主張する。
 この点,証拠(甲A54ないし56)によれば,一審原告は,従業員を雇用
する際,雇用期間中だけでなく退職後も,商品の製造方法,原材料の種類,使用数
量及び製造機械に関する情報を他に漏洩しない旨の誓約書を提出させていることが
認められる。しかし,前記1のとおり,一審原告は,一審被告コスモ油化に対し,
白蟻防除剤の製造を依頼する都度,口頭又はファクシミリにより,白蟻防除剤の製
造方法を開示していたことが認められるところ,その際,一審被告コスモ油化に対
して上記製造方法に関する情報の管理方法について何らの要求もしていなかったこ
とは一審原告が自認するところである。かかる事情に照らすと,一審原告は,一審
被告コスモ油化との関係で,本件製造方法を対外的に漏出しないように厳格に管理
していたと解することは困難である。
 ところで,前記1のとおり,一審被告コスモ油化は,一審原告に対し,平成
10年6月19日以後7年間はパーメスリンを活性原体とした殺虫剤の受託製造,
自社製造及び自社販売を行わない旨を約したことが認められる。しかし,一審原告
は,白蟻防除剤の原体としてパーメスリンを使用すること自体を営業秘密となる情
報であるとは主張していないし,証拠(乙B4)によれば,パーメスリンを原体と
して白蟻防除剤を製造する方法自体は,社団法人日本しろあり対策協会が公表して
いる資料でも紹介されている公知の製造方法と認められるので,同製造方法が営業
秘密に該当する情報であると解することもできない。
 したがって,一審原告のその余の主張について判断するまでもなく,本件製
造方法が不正競争防止法2条4項所定の営業秘密に該当すると認めることはできな
い。
 以上によれば,争点6(一審被告らが一審原告の白蟻防除剤の製造方法を不
正使用したか)について判断するまでもなく,一審被告らによる本件製造方法の不
正使用を理由とする一審原告の請求(不正競争防止法2条1項7号,同法4条に基
づく損害賠償請求)は理由がないことになる。
6 争点7(一審被告フローリック及び一審被告Bによる営業誹謗行為の有無)
について
(1) 甲A9号証について
 前記1で認定のとおり,一審被告Bが一審原告の顧客に送付した本件ダイ
レクトメールの内容中には,白蟻防除剤の油剤1斗缶当たりに必要なパーメスリン
の量を多い目に100グラムとして原価を計算するとともに,白蟻防除剤の油剤が
パーメスリンと灯油で製造できることを前提に,一審原告の商品の価格との比較を
している記載がある。確かに,本件ダイレクトメールは,一審原告の白蟻防除剤の
油剤(以下「一審原告の油剤」という。)の成分割合を直接記載したものではな
い。
    しかし,本件ダイレクトメールには,「油剤の製造につきましては1斗缶
に貼っていますラベルを見ておわかりの通りPermethrin(ペルメトリ
ン)と溶解剤(灯油)さえあれば簡単に製造できます。」との記載があるところ,
本件ダイレクトメールは,一審被告Bとは取引をしていないが一審原告とは取引を
している者に対して,一審原告との取引を止めて一審被告南部との取引をするよう
に勧誘する内容であることに照らして,上記「1斗缶に貼っていますラベル」と
は,一審原告の油剤の1斗缶に貼られたラベルに他ならない。
    そうすると,本件ダイレクトメールの上記記載は,一審原告の油剤は,パ
ーメスリン(前記のとおり,ペルメトリンと同一の物質であり,弁論の全趣旨によ
れば,本件ダイレクトメールの受領者である白蟻駆除業者らはこのことを知ってい
るものと認められる。)と灯油さえあれば簡単に製造できるという事実を摘示して
いるということが相当である。
    さらに,本件ダイレクトメールは,1斗缶当たり必要なパーメスリン原体
は多い目に100グラムとした場合に,1560円である旨の計算を示したうえ
で,「現在貴社でI.B.R.よりご購入されています油剤の価格はいくらでしょ
うか?????」と記載している。上記の計算は,直接には一審被告Bからパーメ
スリンを購入して顧客自身が油剤を製造した場合の費用を示したものであるが,本
件ダイレクトメールは一審被告Bとは取引をしていないが一審原告とは取引をして
いる者に対して一審被告Bとの取引をするように勧誘する内容であることや,上記
のとおり一審原告の油剤の1斗缶に貼られたラベルに言及していることからすれ
ば,一審原告の油剤の成分割合も,一審被告Bからパーメスリンを購入して製造し
た油剤と同程度であることを当然の前提として,一審原告の油剤の価格と一審被告
Bからパーメスリンを購入して製造した油剤の原価とを比較していることは明らか
である(一審原告の油剤の成分割合と一審被告Bからパーメスリンを購入して製造
した油剤の成分割合とが異なるのであれば,両者を比較すること自体が意味を持た
ない。)。
    してみると,本件ダイレクトメールを読んだ顧客は,一審原告の白蟻防除
剤の油剤は,100グラムないしはそれ以下のパーメスリン原体と灯油さえあれば
簡単に製造できる旨の認識を持つものと認定するのが相当である。
他方,証拠(甲A29,30,31の1・2)及び弁論の全趣旨によれ
ば,一審原告は,白蟻防除剤の油剤1斗缶(18リットル)を製造するに当たり,
パーメスリン180cc(126グラム)及びケロシン又はMOBIL社製AS1
00(低臭溶剤)を使用していること,一審原告は,アメリカ合衆国農務省の作成
したリサーチノートに記載された実験結果をもとに,一審原告の油剤のパーメスリ
ンの成分割合を決定したことが認められるので,一審原告の油剤のパーメスリンの
成分割合を実際よりも低いものであるという事実を告知することは,一審原告の営
業上の信用を害するということが相当である。
 また,前記1で認定のとおり,一審被告Bは,一審被告コスモ油化の臨時
職員として働き,一審原告の白蟻防除剤の乳剤及び油剤の出荷作業に携わってお
り,一審原告の白蟻防除剤の油剤の成分を知っていたか,又は知ることができる立
場にあったことに照らすと,上記虚偽事実の流布につき,故意又は過失があったも
のと推認される。
(2) 甲A23号証について
ア 一審原告は,上記のとおり,一審被告フローリックが,一審原告代表者
や一審原告職員が商品の製造や販売業務の管理がまともにできない無能な人物であ
ると記載した手紙を顧客に送りつけ,虚偽の事実を告知することにより,一審原告
の営業上の信用を毀損したと主張する。
イ ところで,証拠(甲A23)によれば,一審被告フローリック(一審被
告B)が,平成13年9月19日,顧客から一審被告フローリックが販売した白蟻
防除剤に関して苦情を受け,同顧客に対し,以下の内容の謝罪文を送付したことが
認められる。
(謝罪文の内容)
「お電話で申し上げましたように納入させていただきました乳剤N低臭は
コスモ油化株式会社で製造したものです。ご指摘ありました臭い,色につきまして
最初に提出しました見本と確かに相違があります。
5缶につきましては返送ありしだい良品と取り替えさせていただきま
す。この分よりコスモ油化株式会社の製造でなく,弊社で責任をもって製造管理し
ています工場の商品を出荷いたします。
(中略)
ご承知かどうか知りませんがコスモ油化では1997年3月頃まで神戸
にありますI.B.R.といいます白蟻駆除薬剤を販売しています会社の下請けを
しておりました。C社長が製造から出荷までほとんど一人で行っていました。
そのためかどうかは知りませんが商品の取り間違い(乳剤の出荷に油剤
をだしたり,普通溶剤のところを低臭溶剤であったり),数量の間違いが日常的に
あったようです。
業者の皆さんからの苦情はコスモ油化に直接くるのではなく,I.B.
R.が受けていました。
決定的な問題は乳剤の中でペルメトリンが溶けておらず一斗缶の中でゴ
ロゴロ転がっており,どんどん返品がコスモ油化の工場に帰ってきました。I.
B.R.にお客様よりどれほどの苦情が殺到したのか,推して知るべしです。
これが主要な原因でこれ以上コスモ油化に製造を依存していればI.
B.Rの信用を損ねるだけだと考え,コスモ油化に見切りをつけ神戸市長田区で製
造を始めたものと思います。
(中略)
先週,コスモ油化はI.B.R.の一番の得意先から注文をかすめ取り
出荷しています。お客の倉庫に行けばコスモ油化のラベルのついた一斗缶があるは
ずでこんな重要な事も知らず,酒に酔いしれているA社長です。
また,どんな人間がI.B.R.の営業を担当しているのかそこまで知
りませんが,その人間もA社長同様ぼんくらです。(まるで狂牛病かかっている牛
と同じく脳みそはスポンジのようですね)そんな営業ならクビにして,給料も返せ
と私なら言いますが。
この一年間コスモ油化製造の薬剤を扱いましたがやはりI.B.R.の
時と同じで,(中略)いろんなお客様より苦情をいただいてきました。
このような経緯がありましたが新しい工場と契約ができ,品質について
も弊社が100%の責任をもち管理できる態勢になりました。今までのことは深く
おわびしますのでますのでよろしくご注文の事お願い致します。(以下省略)」
ウ 確かに,前記イの謝罪文の内容は,一審被告コスモ油化が一審原告の顧
客から注文を奪ったことや,一審被告コスモ油化の製造品の粗悪さについて,一審
被告フローリックの意見を表明した形式になっている。
 また,前記謝罪文には,一審原告代表者や一審原告従業員に対する著し
い人格的誹謗を伴う表現が含まれているが,その文言自体は,一審原告代表者らに
対する単なる個人的な誹謗中傷のようにみえる。
 しかしながら,前記謝罪文は,一見,一審被告コスモ油化を批判するよ
うな体裁をとりながら,全体として考察すると,一審被告コスモ油化と取引のあっ
た一審原告代表者らの個人的能力を「ぼんくら」などと言って侮辱することによっ
て,一審原告代表者の経営能力を批判し,その結果,競争関係にある一審原告の信
用を失墜させ,一審原告の営業に影響を及ぼすことを意図していることは明らかで
ある。なお,上記謝罪文の一審原告代表者ないし一審原告の営業担当者を「ぼんく
ら」,「脳みそはスポンジのよう」などと評した部分は,それのみでは事実を摘示
せずに侮辱した表現であるが,その前後の文章と併せて読めば,一審原告の代表者
等は経営的,営業的に無能な人物であるという事実を告知したものであるといえ
る。
 したがって,上記謝罪文の送付は,競争関係にある一審原告の営業上の
信用を害する虚偽の事実を告知したものというのが相当である。なお,不正競争防
止法2条1項14号の不正競争行為(営業誹謗行為)は,競争関係にある他人の営
業上の信用を害する虚偽の事実を不特定又は多数の者に対して流布しなくても,特
定の者に対して告知すれば成立するものと解されるので,一審被告フローリックが
上記謝罪文を送付した相手方が1社だけであったとしても,上記不正競争行為が成
立することには変わりない。
 そして,上記謝罪文の記載内容からして,一審被告フローリックには,
上記虚偽事実の告知,流布につき,故意又は少なくとも過失があったものと認めら
れる。
7 争点8(一審原告の損害の有無)
 甲事件被告らは,前記のとおり,一審被告フローリックは,原体を「ペルメ
トリン」と呼称し,商品名を「エメトリンET」と称している一方,一審原告は,
原体を「パーメスリン」と呼称し,商品名を「5P-30」と称しているのである
から,需要者が一審被告フローリックの商品と一審原告の商品を混同することはな
く,一審被告フローリックが被告標章を使用したことにより,一審原告は損害を受
けていないと主張する。
 しかし,本件登録商標と被告標章が類似していると認められること,一審被
告フローリックが,一審原告の顧客に対し,白蟻防除剤を販売しており,両者が競
合関係にあると認められること,前記のとおりペルメトリンとパーメスリンは同一
の物質であることに照らすと,甲事件被告らが主張する上記事情を考慮しても,一
審被告フローリックが被告標章を使用して白蟻防除剤を販売したことにより,一審
原告には一定の営業上の損害が生じたものと推認するのが相当である。したがっ
て,甲事件被告らの上記主張を採用することはできない。
8 争点9(一審原告の損害額)について
(1) 営業誹謗行為による損害額
ア 甲A9号証について
 一審被告Bは,一審原告の顧客に対し,白蟻防除剤の原料であるパーメ
スリンを販売するため,一審原告の白蟻防除剤の油剤の成分について虚偽の事実を
記載した本件ダイレクトメールを送付したものである。そして,本件ダイレクトメ
ールにより,一審原告は,その顧客に白蟻防除剤の油剤の成分を誤認されたこと,
本件ダイレクトメールの内容からすると,一審原告は,一審被告Bに顧客を奪われ
た可能性も十分考えられること等を考慮すると,一審被告Bの上記営業誹謗行為に
より一審原告が受けた損害額は,100万円をもって相当と認める。
イ 甲A23号証について
 一審被告フローリックは,特定の顧客に対し,甲A23号証の謝罪文を
送付したものであるが,その内容は一審原告代表者は無能で経営能力のない人物で
あるなどと記載したものであるから,これが同業者の間に広まれば一審原告の営業
上の信用が著しく害されることになる。そして,同謝罪文が一審原告のもとに届け
られていることからすると(弁論の全趣旨),その内容が他の業者の間に広まって
いる可能性が十分考えられる。
 以上の点に加え,前記認定のとおり,一審被告フローリックは一審原告
の本件登録商標と類似した被告標章を使用したり,一審被告Bは一審原告の取引先
に対し本件ダイレクトメールを送付して取引先の奪取を図ったことなど,本件にお
いて認められる一審被告フローリックの営業態様等の諸般の事情を総合考慮する
と,一審被告フローリックの営業誹謗行為により一審原告が受けた損害額は,10
0万円をもって相当と認める。
(2) 商標権侵害による損害額
ア 一審被告フローリックの関係
(ア) 被告標章の使用期間
a 前記1,3(2)のとおり,一審被告Bは,平成12年4月ころから,
白蟻防除剤の販売を開始し,平成12年9月8日には,白蟻駆除薬剤の製造販売等
を目的として,一審被告フローリックを設立し,その代表取締役となったこと,一
審被告フローリックは,平成13年4月3日,Dから被告標章の交付を受け,同月
5日,被告標章につき商標登録の出願をしたこと,一審被告フローリックが使用し
ていた白蟻防除剤の販売カタログ(甲A7)の表紙に記載されていた被告標章の横
には,商標登録出願中との記載があることが認められる。以上の事実に照らせば,
一審被告フローリックは,遅くとも被告標章の商標登録出願をした平成13年4月
5日ころから,被告標章の使用を開始したものと推認され,これを覆すに足りる証
拠はない。
  甲事件被告らは,一審被告フローリックが被告標章を使用したのは
被告標章について商標登録がされた平成14年3月29日からであると主張し,一
審被告Bはこれに沿った供述をするが,一審被告フローリックが使用していた販売
カタログ(甲A7)の表紙に記載されていた被告標章の横には商標登録出願中との
記載があることや,一審被告フローリックの価格表(甲A68)には被告標章とと
もに「2001.10」との記載があることに照らして,一審被告Bの上記供述は
信用することができず,甲事件被告ら主張は採用することができない。
  一方,一審原告は,一審被告フローリックは平成12年4月1日か
ら被告標章を使用していたと主張し,E作成に係る陳述書(甲77)にはこれに沿
った記載があるが,上記陳述書の記載は乙A16号証に照らしてにわかに信用する
ことができず,他に一審原告の上記主張を裏付けるに足りる客観的証拠はないの
で,一審原告の上記主張は採用することができない。
b そして,一審被告フローリックが平成15年9月10日まで被告標
章の使用を継続したことは,当事者間に争いがない。
c したがって,一審被告フローリックが平成13年4月5日ころから
平成15年9月10日まで被告標章の使用を継続したものとして,一審原告の損害
額を算出することとする。
(イ) 白蟻防除剤の販売による一審被告フローリックの利益
a 一審被告フローリックは,平成14年3月29日から平成15年9
月10日までの間,被告標章を使用して白蟻防除剤を販売したとして,その間の白
蟻防除剤の売上高が1億0397万6068円であると自認する。ところで,一審
被告フローリックの確定申告書(乙A28ないし30)によれば,正確な金額まで
は算出できないものの,一審被告フローリックの平成14年3月29日から平成1
5年9月10日までの売上高は,以下の計算によれば1億0111万7592円と
なり,甲事件被告らが自認する白蟻防除剤の売上高に極めて近似する。なお,一審
被告フローリックの平成14年9月以降の事業年度の確定申告書には,製品売上高
と商品売上高が区別して記載されているところ,商品に関しては製造原価が計上さ
れていない一方,製品に関しては製造原価が計上されており,白蟻防除剤の製造に
は原体,溶剤などの仕入費用が必要であると考えられることから,製品売上高をも
って白蟻防除剤の売上高ととらえることとする。そうすると,一審被告フローリッ
クの確定申告書に記載されている売上高(平成14年9月以降の事業年度について
は製品売上高)をすべて白蟻防除剤の販売によるものととらえること
には合理性があると考えられるので,一審被告フローリックの確定申告書に記載さ
れている売上高をもって一審原告の損害額算出の基礎とする。
 この点,甲事件被告らは,前記のとおり,一審被告フローリックが
被告標章の使用を開始した後に同被告の新規取引先となった業者に対する白蟻防除
剤の販売のみを一審原告の損害額算出の基礎とすべきであると主張する。しかし,
被告標章の使用を開始する以前からの取引業者に対する販売であっても,被告標章
の使用による影響が全く存しないとは考えられず,むしろ,一定の影響(販売に対
する一定の寄与)が生じているものととらえるのが自然であり,一審被告フローリ
ックが被告標章を使用していた期間のすべての白蟻防除剤の販売を一審原告の損害
額算出の基礎とすべきである。したがって,甲事件被告らの上記主張を採用するこ
とはできない。
(計算)
(a) 平成14年3月29日から同年8月31日までの売上高
 6799万7917円(平成13年9月1日から平成14年8月
31日までの売上高)÷365日×156日=2906万2123円(小数点以下
切捨て。以下同じ。)
(b) 平成14年9月から平成15年8月までの売上高
 6982万3803円
(c) 平成15年9月1日から同月10日までの売上高
 669万5000円(平成15年9月分の売上高)÷30日×1
0日=223万1666円
(d) (a)+(b)+(c)=1億0111万7592円
b そして,一審被告フローリックの確定申告書(乙A27ないし3
0)によれば,平成13年4月5日から平成15年9月10日までの間の一審被告
フローリックの売上高の合計は,以下のとおり1億6690万3092円であるこ
とが認められる。
(計算)
(a) 平成13年4月5日から同年8月31日まで
 6451万1375円(平成12年9月8日から平成13年8月
31日までの売上高)÷358日×149日=2684万9706円
(b) 平成13年9月から平成15年8月まで
 1億3782万1720円
(c) 平成15年9月1日から同月10日まで
 223万1666円(前記a(c))
(d) (a)+(b)+(c)=1億6690万3092円
c 利益率
 証拠(乙A29,30)によれば,一審被告フローリックの平成1
4年9月から平成15年3月までの製品売上高が3664万2803円,製品製造
原価が1624万0830円,販売費及び一般管理費が2641万0329円であ
ること,平成15年4月から平成16年3月までの製品売上高が7463万870
2円,製品製造原価が3119万1517円,販売費及び一般管理費が4166万
8423円であることが認められる。そして,前記aで検討したとおり,一審被告
フローリックの確定申告書に記載されている売上高をすべて白蟻防除剤の販売によ
るものととらえることには合理性があると考えられるので,同確定申告書に記載さ
れている販売費及び一般管理費をもって白蟻防除剤の販売に要した費用ととらえる
ことにも合理性があると考えられる。もっとも,一審被告フローリックの業務,売
上高,役員数等を考慮すると,販売管理費のうち7割5分を控除して利益率を計算
する。以上に基づき,一審被告フローリックの白蟻防除剤の販売による利益率を算
出すると22パーセントとなる。
(計算)
{(3664万2803円+7463万8702円)-(1624万
0830円+2641万0329円+3119万1517円+4166万8423
円)×0.75}÷(3664万2803円+7463万8702円)×100=
22パーセント
d まとめ
 以上によれば,一審被告フローリックは,平成13年4月5日から
平成15年9月10日までの間に白蟻防除剤を販売したことにより,3671万8
680円の利益を得たことになる。
(計算)
 1億6690万3092円(上記b)×0.22(上記c)=36
71万8680円
(ウ) 商標法38条2項により,一審原告は,一審被告フローリックの得
た利益額3671万8680円と同額の損害を受けたものと推定される。
      しかしながら,弁論の全趣旨によれば,一審原告及び一審被告フロー
リックの主な取引先は一般消費者ではなく白蟻駆除業者であり,これらの業者は,
商品に付された標章や商品イメージよりも,商品の品質,価格等に着目して購入す
る商品を決定することが多いものと認められるので,被告標章の顧客吸引力はさほ
ど強いものではなく,また,取引先が出所を混同する可能性もさほど高くないもの
と考えられる。
      また,証拠(乙A22(枝番略),31(同),一審被告B)及び弁
論の全趣旨によれば,実際に,一審被告フローリックの取引先の中には,一審被告
フローリックが被告標章の使用を開始する以前から取引があった者や,そうでなく
とも,商品の価格や一審被告フローリックの営業姿勢等を理由に一審被告フローリ
ックとの取引を選択した者も少なからず存在することが認められる。
    (エ) 以上によれば,一審被告フローリックの得た利益の全てが一審原告
が本件商標権の侵害により受けた損害であるとはいえず,その限りで商標法38条
2項の推定は覆されたというべきである。そして,前記(ウ)の認定に加え,本件に
あらわれた諸般の事情を総合的に考慮すると,一審原告が一審被告フローリックの
商標権侵害により受けた損害額は,一審被告フローリックの得た利益額の10パー
セントである367万1868円と認めるのが相当である。
イ 一審被告コスモ油化の関係
(ア) 前記1及び前記ア(ア)のとおり,一審被告コスモ油化は,平成13
年4月5日ころから同年9月までの間,一審被告フローリックに対し,被告標章が
付された段ボール箱に入れた白蟻防除剤を販売したことが認められる。しかし,被
告標章が付された段ボール箱は,一審被告フローリックが外部に販売するために用
意したものであり,そこには一審被告フローリックの社名が記載されていたこと,
一審被告コスモ油化は,一審被告フローリックだけに白蟻防除剤を販売していたこ
とに照らすと,需要者が被告標章に惹かれて一審被告コスモ油化から白蟻防除剤を
購入したとか,白蟻防除剤の出所を混同したなどという関係が存しないので,一審
被告コスモ油化が白蟻防除剤を販売したことにより得た利益が被告標章の使用によ
る利益であるとは認められない。したがって,商標法38条2項により,一審被告
コスモ油化の利益の額を一審原告の損害額と推定することはできない。
(イ) もっとも,一審被告コスモ油化が,一審被告フローリックに対し,
被告標章が付された段ボール箱に白蟻防除剤を入れて販売し,一審被告フローリッ
クがこれを外部の白蟻駆除業者に販売したという事実関係の下では,一審被告コス
モ油化と一審被告フローリックの一連の行為については,民法719条の共同不法
行為が成立する。したがって,一審被告コスモ油化は,一審被告フローリックと連
帯して,一審被告フローリックが被告標章を使用して本件商標権侵害をしたことに
より一審原告が受けた損害(一審被告フローリックの利益額)について責任を負う
ことになる。
(ウ) そして,一審被告コスモ油化が,一審被告フローリックに対し,被
告標章が付された段ボール箱に入れた白蟻防除剤を販売していた時期は平成13年
4月5日ころから同年9月末までであるので,その間に一審被告フローリックが被
告標章を使用したことにより得た利益額を算出すると67万9485円となる。
 したがって,一審被告コスモ油化は,一審原告に対し,同金額の賠償
義務を負うことになる。
(計算)
a 平成13年4月5日から同年8月31日まで
 2684万9706円(前記ア(イ)b(a))
b 平成13年9月の売上高
 403万6000円
c (2684万9706円+403万6000円)×0.22(上記
ア(イ)c)×0.1(前記ア(ウ))=67万9485円
  (3) 弁護士及び弁理士費用に係る損害額
    本件訴訟の難易度,認容額など諸般の事情を総合的に考慮し,一審原告が
原審において本件訴訟の提起,追行等のために支出した弁護士及び弁理士費用のう
ち,甲事件被告らとの関係においては100万円,乙事件被告らとの関係において
は10万円の範囲で,一審被告らの不法行為との間の相当因果関係を認めることに
する。
9 争点10(一審被告南部及び一審被告浅井の責任の有無)について
(1) 一審被告Bについて
 まず,一審被告Bは,一審原告の顧客に本件ダイレクトメールを送付した
営業誹謗行為について不法行為責任を負う。
 また,前記1のとおり,一審被告Bは,一審被告フローリックの代表取締
役として,被告標章を一審被告フローリックに使用させ,また,甲A23号証の謝
罪文を作成して,一審原告の顧客に送付したのであるから,本件商標権侵害及び同
営業誹謗行為についても不法行為責任を負い,一審被告フローリックと連帯して一
審原告に生じた損害を賠償する義務を負う。
(2) 一審被告Cについて
 前記1で認定のとおり,一審被告コスモ油化は,一審被告B及び一審被告
フローリックから委託を受けて,白蟻防除剤を製造し,これを被告標章の付された
段ボール箱にいれて販売していたところ,証拠(甲A23)及び弁論の全趣旨によ
れば,これら一審被告コスモ油化の白蟻防除剤の製造販売は,一審被告コスモ油化
の代表取締役である一審被告Cが主体となって行われていたことが認められる。し
たがって,一審被告Cは,本件商標権侵害について前記8(2)イで説示したところと
同様の不法行為責任を負い,一審被告コスモ油化と連帯して一審原告に生じた損害
を賠償する義務を負う。
 10 その他,原審及び当審における当事者提出の各準備書面記載の主張に照ら
し,原審及び当審で提出,援用された全証拠を改めて精査しても,当審及び当審の
引用する原審の認定,判断を覆すほどのものはない。
 11 以上によれば,一審原告の請求は,①甲事件被告らに対し,連帯して567
万1868円及びこれに対する平成15年9月12日から支払済みまで民法所定の
年5分の割合による遅延損害金(乙事件被告らと67万9485円及びこれに対す
る遅延損害金の範囲で不真正連帯となる。)の,②一審被告Bに対し,100万円
及びこれに対する平成15年9月12日から支払済みまで同割合による遅延損害金
の,③乙事件被告らに対し,連帯して77万9485円及びこれに対する平成14
年6月25日から支払済みまで同割合による遅延損害金(甲事件被告らと67万9
485円及びこれに対する遅延損害金の範囲で不真正連帯となる。)の各支払を求
める限度で理由があるから,一審原告の控訴は上記の限度で理由があり,甲事件被
告らの各控訴は,いずれも理由がなく棄却を免れない。
   よって,主文のとおり判決する。
  (当審口頭弁論終結日・平成17年9月1日)
    大阪高等裁判所第8民事部
        裁判長裁判官   若  林     諒
           
裁判官   小  野  洋  一
           
裁判官   中  村     心

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