弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を札幌地方裁判所に差戻す。
         理    由
 検察官の控訴の趣旨は検事福田巻雄作成の控訴趣意書記載のとおりであり、これ
に対する当裁判所の判断は次のとおりである。
 本件の公訴事実は、被告人は昭和二十四年七月初旬頃、行使の目的を以つて愛知
県宝飯郡a町長Aの職氏名を冒書しその職印を盗捺して同町長名義の外国人登録証
明書一通を偽造した、と言うのであつて、その所為は当時施行の昭和二十二年勅令
第二〇七号外国人登録令第十二条第八号に該当し、六月以下の懲役若しくは禁錮、
千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処せられる罪であり、その罪の時効は、刑
事訴訟法第二百五十条第五号により、三年である。ところが右犯行後の昭和二十五
年一月十六日から施行せられた昭和二十四年政令第三八一号により前記外国人登録
令第十二条第八号の罰条は廃止せられ、その結果本件の公訴事実は刑法第百五十五
条第一項に該当し、一年以上十年以下の懲役に処すべき罪となつたわけであり、そ
の罪の時効は刑事訴訟法第二百五十条第三号により七年である。
 そこで本件の公訴事実に対しては、原判決説示のとおり犯罪後の法律により刑の
変更があつた場合に該当するから、刑法第六条により軽きものすなわち六月以下の
懲役若しくは禁錮、千円以下の罰金又は拘留若しくは科料のいづれかを選択して処
断しなければならない。しかし、これは軽き刑を以て処断すると言うのであつ<要
旨>て、本件の犯行に対し右の登録令改正後もなお同令の規定を適用すると言うので
ないことは勿論である。また右の如く刑の変更がある結果、その罪に対する
公訴時効の期間が変つた場合には新旧両者を比較して短い方の期間を適用するもの
と解すべきではない。刑法第六条は刑の比照に関する規定であつて、時効期間には
適用のないものと解するのが相当だからである。従つて、時効の完成については、
法律の一般原則に従つて、当時に施行せられている法令を適用しなければならな
い。(明治四十四年三月二十七日言渡大審院判決、同年五月二十五日言渡大審院判
決参照)
 そうだとすると、本件の犯罪については昭和二十五年一月十五日以前にあつては
時効期間は三年であるが、右の十五日には未だ犯行の日から三年を経過していない
から、時効は完成していない。そうして同月十六日以後においては、刑法第百五十
五条第一項の適用がある結果、時効期間は七年となり、本件公訴の提起せられた昭
和二十八年一月十四日には時効は完成していない。
 然らば公訴の時効が完成したとして免訴の言渡をした原判決は公訴の時効に関す
る法令の適用に誤があつて、その誤は判決に影響を及ぼすことが明かである。論旨
は理由がある。よつて刑事訴訟法第三百九十七条第一項第三百八十条第四百条本文
を適用して主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 熊谷直之助 判事 水島亀松 判事 松永信和)

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