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平成15年7月25日判決言渡し・同日原本領収 裁判所書記官 高瀬美喜男
平成12年(ワ)第517号 火災保険金請求事件
口頭弁論終結日 平成15年3月7日
判決
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
被告は,原告に対し,1400万円及びこれに対する平成10年12月5日から支
払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
本件は,原告が,被告に対し,原告と被告との間の損害保険契約に基づき,保
険の目的である建物,什器・備品等が火災で焼損し,原告に損害が生じたとして,
保険金及び遅延損害金の支払を求める事案である。
なお,本訴係属中に当初被告とされた日産火災海上保険株式会社(以下「日産
火災」という。)が被告に吸収合併されたため,被告が訴訟を承継した。
1 争いのない事実等
(1) 原告は,平成10年12月4日当時,原告の母の所有する前橋市a町b番地の
土地(以下「本件土地」という。)上に建物(木造石綿スレート葺き,サイディング
張り2階建て,店舗併用住宅1棟延べ98.6平方メートル。以下「本件建物」とい
う。)を所有していた。
(2) 被告は,損害保険業等を目的とする株式会社である(弁論の全趣旨)。
(3) 原告は,平成10年9月8日,日産火災との間で,以下の約定による火災保険
契約を締結した(以下「本件保険契約」という。)。
ア 保険種類    店舗総合保険
イ 証券番号    2000597830
ウ 保険期間    平成10年9月13日から同11年9月13日午後4時まで
エ 保険金額    ①本件建物   1200万円
②什器・備品等  200万円
オ 保険料    3万6720円
カ 目的物件所在地    本件土地
キ 目的物件所有者    原告
ク 目的物件の構造等    モツコツ ボウカサイデイングバリ スレートブキ
店舗
地上2階
1戸一棟
ケ その他    その他,詳細は,平成8年1月改定の店舗総合保険普通保険
約款(乙3。以下「本件約款」という。)に従
う。
(4) 本件建物は,平成10年12月4日午後9時ころ,その1階物置付近から出火
し,その結果,本件建物及び本件建物内にあった什器・備品等がすべて焼損し
た(以下「本件火災」という。)。
(5) 本件約款の定め
本件約款は,1条及び2条として以下の規定を置いている(乙3)。
「第1条(保険金を支払う場合)
当会社は,この約款に従い,次に掲げる事故によって保険の目的につい
て生じた損害(消防または避難に必要な処置によって保険の目的について
生じた損害を含みます。以下同様とします。)に対して,損害保険金を支払
います。
(1) 火災
(以下略)」
「第2条(保険金を支払わない場合)
当会社は,次に掲げる事由によって生じた損害または傷害に対しては,
保険金(損害保険金,持ち出し家財保険金,水害保険金,臨時費用保険
金,残存物取片づけ費用保険金,失火見舞費用保険金,傷害費用保険
金,地震火災費用保険金または修理付帯費用保険金をいいます。以下同
様とします。)を支払いません。
(1) 保険契約者,被保険者またはこれらの者の法定代理人(保険契約者ま
たは被保険者が法人であるときは,その理事,取締役または法人の業
務を執行するその他の機関)の故意もしくは重大な過失または法令違反
(以下略)」
(6) 日産火災は,平成14年4月1日,被告に吸収合併された。被告は,同年7月1
日,商号を安田火災海上保険株式会社から株式会社損害保険ジャパンに変更
した(弁論の全趣旨)。
2 争点
(1) 本件保険契約における火災の原因の主張立証責任
(原告の主張)
本件保険契約においては,原告は,火災により本件建物及び什器・備品等が
焼損したことを主張立証すれば足り,被告が保険金の支払を免れるためには,
本件約款2条1項(1)の免責事由の存在を主張立証しなければならない。
(被告の主張)
火災保険金の支払を求める原告は,本件火災が偶然に発生したものであるこ
とについて主張立証する責任がある。
(2) 本件火災の原因
(原告の主張)
本件火災が偶発事故であって原告が招致したものでないことは,以下に指摘
するところから明らかである。
また,本件火災当日,原告は,午後7時ころ本件建物を出て人と会い,本件建
物に戻ってきたのは午後11時ころのことであったから,原告が午後9時ころに出
火したとされる本件建物に放火することはそもそも不可能である。
ア 本件火災の出火場所が本件建物西側の物置であることは明らかであるが,
発火地点を同物置北側棚の中央付近とする消防署の調査結果を覆すべき事
情はない。同物置西側の小窓が激しく焼損しているのは,狭い物置の発火地
点の棚から出火した火が同物置全体に燃え広がって,上記小窓が破れた途
端に一気に燃え上がったためであって,このことから直ちに発火地点を上記
小窓付近とすることはできない。
イ 本件火災の原因については,タオルに落ちたたばこの灰が火種と判定され
た。被告は,株式会社分析センター(以下「分析センター」という。)が本件火
災後に焼残物を採取しそこから軽油成分を検出したことをもって,原告又はそ
の関係者による放火を疑うもののようである。しかし,出火直後,消防署や警
察署により原告の立会い及び指示の下合同調査がなされた際には,油類(発
火性物質)の反応は出なかった。
日産火災及び損害保険サービスは,上記合同調査には立ち会わず,また,
自ら調査するに当たっては,原告を現場に呼んだものの,上記消防署等によ
る合同調査のときのように原告に立ち会わせたり指示させることもなく,「物置
から焼残物を採取して発火性成分を分析した」旨主張するものの,物置のど
こでどのような焼残物を採取したかについて,原告には一切知らせていない。
したがって,現場から焼残物を採取したといっても,原告がその採取場所や焼
残物自体を確認していない以上,検査の対象物件が正確に採取されたもの
か疑わしい。そもそも,消防署や警察署の合同調査で発見されなかった発火
性物質が,その後の損害保険サービスによる独自の調査で発見されるとは考
えにくく,上記調査経過にも照らすと,上記主張を信用することはできない。
また,仮に被告の主張するように発火性物質が物置から検出されたとして
も,その事実から直ちに原告又はその関係者による放火を推測することはで
きない。なぜなら,①軽油35マイクログラム/グラム,ろう1.2マイクログラム
/グラムという量は,微量すぎて火災の発生原因とはなり得ず,②被告は,上
記調査による検出量が通常の家屋(店舗)における存在量を大きく上回る旨
主張するが,そこにおいて比較の対象とされた通常の存在量が明らかでない
から,上記主張は無意味な主張であり,③建築資材には,木材を含めすべて
の建材類に油成分が含まれているからである。
原告は,たまたま2回にわたって火災の被害を受けたにすぎず,いずれの
火災においてもその保険金額は低く,いわゆる焼け太りをする余地はない。ま
た,原告は,経済的にも恵まれており,放火をする動機は全くない。これらの
点につき疑念を抱くべき客観的事情があればともかく,本件火災においては
それがない以上,原告又はその関係者による放火を推測するのは失当であ
る。
ウ 本件火災に先立つ平成3年8月9日,本件建物と同じ場所に当時存在したプ
レハブ建物が全焼する火災が発生したが(以下「先行火災」という。),この先
行火災は,当時の消防署員作成の火災調査書にもあるとおり放火の疑いは
なく,原告は出火原因は不明だが扇風機のモーターの過熱が火元との説明を
受けた。そして,先行火災により原告が受け取った保険金は低額であり,いわ
ゆる焼け太りは全くなかった。
また,本件火災についてみると,本件建物の所在地は,前橋市の区画整理
対象地区であり,本件火災がなければ,平成12年秋ころには原告が受け取
るべき保険金額以上の建物移転補償費が支払われる状況にあった。この移
転補償との関係では,平成12年10月30日,工作物,立竹木及び動産の補
償費として105万8100円が原告に支払われたが,建物の補償費について
は,本件建物が本件火災により焼失して取り壊されたため支払われなかっ
た。
(被告の主張)
以下に指摘する諸事情にかんがみると,本件火災の原因は,内部者すなわ
ち原告又はその関係者による放火であるとしか考えられない。
また,原告は,アリバイを主張するが,出火時刻に火災現場にいなくても,時
限装置を用いれば容易に出火させることができるし,ろうそくや線香を用いてそ
れらの長さを調節することにより,発火までの時間の長短も調節することができ
る。そして,本件火災現場からろうが検出されていることは,原告がろうそくを使
いアリバイ工作をした可能性が高いことを示している。
ア 本件火災の出火場所は,本件建物1階の物置であることが明らかである。そ
して,中央消防署員が作成した火災原因判定書では,出火場所は,同物置の
北側から東側にかけてL字型に3段となっていた棚であり,北側棚の2段目中
央から西側の消失した付近から出火したものと判定されている。しかし,上記
署員が作成した実況見分調書の記載からも明らかなとおり,同物置の中で燃
え方の最も激しい箇所が同物置西側の壁際付近であること,同物置西側土
台の焼残物から軽油成分が検出されたことなどからすれば,同物置西側の壁
際付近が出火場所であると考えられる。
イ そこで,本件火災の出火原因を検討するに,①本件火災当時,上記物置内
には,照明器具,ペットヒーター及び石油ファンヒーターがあったが,これらの
物の焼損状況に照らすと,これらの物が出火原因となったものとは認められ
ないこと,②本件建物は,比較的目に付きやすい位置にあり,本件火災の発
生時,上記物置の南側出入口以外の開口部はすべて施錠されていた上,本
件建物には,トリミング室,上記物置及び屋外運動場に常時15匹ほどの犬が
放し飼いにされていて,部外者が容易に侵入できない状態にあったのである
から,外部の者による放火は考えにくいことなどからすると,内部の者すなわ
ち原告又はその関係者による放火が原因であると考えられる。
この点,中央消防署員が作成した火災原因判定書では,商売上の信用及
び近隣住民に対する信用を失うことになるから,原告に火災を発生させるメリ
ットがあるとは考えにくいとして,内部関係者による放火は考えにくいと判定し
ている。しかし,分析センターが,出火室である物置内から焼残物を採取し,
ガスクロマトグラフ質量分析法により可燃性液体量及び可燃性固体量の分析
調査を実施したところ,上記物置西側土台部分から採取した焼残物から,軽
油及びろうを起源とする脂肪族飽和炭化水素群が検出され,それらのうち,
軽油に帰属される成分の検出量は,軽油換算値で35マイクログラム/グラ
ムを記録した。この検出量は,分析センターにおける模擬火災実験の結果か
ら検討すると,通常の家屋(店舗)における存在量を大きく上回るものであっ
た。消防及び警察による簡易式油性反応検査は,バケツ内の水に焼残物を
入れ,油膜を確認するという方法で実施されるところ,高温により焼けた炭化
物を水の中に入れても油膜を確認することは困難である。近時多く用いられ
ている油性分析(ガスクロマトグラフ)による検査の方がより正確であるが,こ
の検査方法は費用が掛かるため,消防や警察では,予算の関係上簡易な検
査方法によっている。そのため,消防や警察が行った簡易式検査で判明しな
いものが,ガスクロマトグラフにより発見されることも多く,後者の検査の方が
より正確なものといえる。
そして,本件建物において元々軽油が存在したとの記録はない。一般家庭
においては,冬場は石油ストーブを使用することがあるので灯油が検出され
ることはあるが,軽油が検出されることはほとんどない。また,ろうについて
も,本件物置付近で元々ろうそくが使用された形跡はなく,本件火災後に軽油
及びろうが検出されたことは不自然であるといわざるを得ない。原告は,建築
材には油成分が含まれている旨主張するが,木材等に含まれる油性成分
は,元々少量である上,乾燥等の過程で更に減少するため微量なものにとど
まり,その化学構造も軽油とは異なるので化学分析で軽油と間違えることは
ない。したがって,出火場所から本来存在するはずのない軽油成分が検出さ
れたことは,本件火災の原因が放火であることを推認させる。
なお,原告は,炭化物の採取について,事前通告もなく,権限のある者の
正式な立会いや確認の機会もないまま一方的に実施されたものであるから,
公式な調査とは認められないと主張する。しかし,炭化物を採取しても,その
場で油性反応の有無が確認されるわけではなく,専門家に依頼し分析器を用
いて分析して初めて検査結果が判明するものである。したがって,原告の立
会いがなかったとしても,そのことが検査の正確性を疑わせるものではない
し,そもそも上記焼残物の採取の際には原告も立ち会っていた。
ウ 加えて,前橋中央消防署は先行火災の原因を不明としたが,先行火災につ
いても,明らかに建物内部からの出火であったこと,建物内に存在した電気器
具やガス器具等発火の可能性のある器具の故障や電気配線の漏電による可
能性が否定されていること,たばこの不始末などの失火によって発生したもの
とも認められないこと,建物の各開口部がいずれも施錠されており,外部者に
よる放火の可能性も認められないこと,原告が火災保険金600万円を現に受
け取っていることなどに照らすと,原告又はその関係者による放火の可能性
が強く疑われる。そして,本件火災と先行火災との間には,火災が建物内部
から生じたこと,建物の開口部が施錠されていたこと,焼損した建物の売却価
値が低いことなどの共通点が多々認められるので,本件火災は,先行火災と
同様,原告又はその関係者による放火によって発生したものと強く疑われる。
(3) 原告に生じた損害の額
(原告の主張)
本件火災により,本件建物は全焼し,什器・備品等も焼損により使用不能とな
った。したがって,被告は,原告に対し,前記争いのない事実等(3)エ記載の保険
金額合計1400万円及びこれに対する本件火災の発生した日の翌日である平
成10年12月5日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損
害金の支払を求める。
(被告の主張)
原告の主張については争う。
第3 争点に対する判断
1 争点(1)(火災原因の主張立証責任)について
権利の発生原因事実は,その権利を主張する者が主張立証すべきであるから,
損害保険契約に基づく保険金の請求をする者は,当該損害保険契約に定める保
険事故の発生の事実を主張立証しなければならず,具体的に主張立証すべき事
実の内容ないし程度は,当該損害保険契約の合意の内容に沿って判断すべきも
のである。
ところで,本件保険契約においては,前記のとおり,本件約款1条1項(1)におい
て,単に「火災」と規定するのみであり,偶然のものであること,ないし,保険契約者
らの故意等に基づくものでないことは,明文上求められていない。
しかし,そもそも損害保険契約は,商法629条において,偶然の一定の事故に
よって生ずる損害を填補するものと定められているところ,火災保険も損害保険の
一種であるから,火災保険である本件保険契約も,それが損害保険契約としての
性質を有する以上,上記商法の規定を当然の前提としているものと合理的に解釈
することができる。また,保険金の不正請求防止の必要性などの点からしても,本
件のように,契約において偶然のものであることが明文上定められていなくても,
損害保険である火災保険の保険金を請求する者は,当該火災が偶然のものであ
ることについて主張立証責任を負うものと解すべきである。
2 争点(2)(本件火災の原因)について
(1) 本件火災前後の状況等
前記争いのない事実等に加えて,甲10の1,2,甲11,乙1,2,5,6,12,
13,15,16,19の1,乙22,証人A,同B,同C,原告本人,調査嘱託の結果
(平成14年5月7日付け)及び弁論の全趣旨によれば,本件火災前後の状況等
につき,以下の事実が認められる。
ア 本件建物の所在及び使用状況
(ア) (略)
(イ) (略)
イ 本件建物の焼損状況と出火場所
(ア) 本件建物の内部構造は別紙出火建物平面図(略)のとおりであるとこ
ろ,以下のとおり,本件建物は,本件火災により,いわゆる全焼の状態とな
った。
a 1階玄関
天井材が焼損,脱落し,野縁,竿縁が露出して一部焼損しているが,
野縁,竿縁は,西側の焼損が強かった。また,西側壁面の中央付近から
上部が焼損し,壁材が崩れ落ち,構造材が露出していた。
b 1階トリミング室
天井材が焼損し所々脱落しているほか,野縁,竿縁が一部焼損,炭
化し,物置との出入口上部付近の野縁,竿縁は全体に焼き細っていた。
また,物置に通じる北西角の片開き戸は物置側に開放された状態であ
り,同片開き戸上部の垂れ壁部分の内壁材は焼損,脱落し,間柱が焼
損,炭化していた。さらに,西側壁面は,下部については,すすが付着し
ている程度で焼けはなかったものの,上部については,焼損して壁紙が
焼失し,下地の石膏ボードが焼損,黒変しており,北側に向かうほど焼
損が強かった。
c 1階居間
西側のトリミング室に通じるドアの上から約20センチメートルが焼失し
ており,同ドア上部及び南側壁面が若干焼損し,北面西端にあるトイレ
上部の垂れ壁が焼損しているほかは,全体にすすぼけていた。床面は
すすが付着しているが焼損はなかった。
なお,2階に通じる階段の下で,犬2匹の焼死体が発見された。
d 1階物置
(a) 天井が焼失し,屋根構成材が全面炭化し焼け細っており,内壁も全
体的に焼損し内壁材が脱落しているなど,最も焼損の程度が強かっ
た。
部屋の中には,本件火災当時,北側壁面から東側壁面にかけて3
段のL字型の棚が設置されており,その設置状況は,別紙現場復元
図(略)のとおりであったところ,北側の棚は東側半分が床(コンクリー
ト製)の中央方向へ焼け崩れており,東側の棚は中央部分が床の中
央方向へ焼け崩れていた。また,北側の棚の西端には2段目と3段目
に焼け残りがあり,2段目西端のタオルやエプロンの入っていた段ボ
ール箱には東側下方から西側上方へ焼け上がった痕跡があった。
部屋の中の蛍光灯は,天井部分が焼損した時に落下したが,その
配線類には1次痕はなかった。また,犬用ペットヒーターは,東側壁面
にあるコンセントに接続された状態であり,スイッチが「入」になってい
たものの,同スイッチからペットヒーター本体側にかけて焼損はほとん
どなく,同スイッチから差し込みプラグまでの被覆は焼失し芯線が露出
していたものの,1次痕はなかった。さらに,東側の棚にあった石油フ
ァンヒーターは,全体が焼損していたものの,ほとんど変形しておら
ず,そのカートリッジタンク内には灯油は入っておらず,電源コードも抜
かれた状態であった。
また,南側の引き戸は,約20センチメートル開放された状態であっ
た。
(b) なお,本件火災発生から4日後の平成10年12月8日に損害保険
サービスの従業員が1階物置の西側土台から焼残物である木材を採
取し,分析センターにおいてガスクロマトグラフ質量分析法により上記
焼残物の成分分析をしたところ,同焼残物から軽油及びろうに帰属す
ると推定される成分がそれぞれ検出された(その検出量は,それぞ
れ,軽油換算値で35マイクログラム/グラム,ろう換算値で1.2マイ
クログラム/グラムであった。)。
この点について,原告は,①損害保険サービスは,物置のどこでど
のような焼残物を採取したかについて,原告に一切知らせず,②そも
そも,消防署や警察署の合同調査で発見されなかった軽油が,その
後の損害保険サービスによる独自の調査で発見されるとは考えにくい
ことを理由に,上記調査の結果を信用することはできないと主張する。
しかしながら,上記①の点については,損害保険サービスの従業員が
本件建物から焼残物を採取する際,原告のいとこであり日産火災の
代理店の経営者でもあるDが,現場で立ち会った上,上記従業員が火
災現場から物を採取して袋に入れるところを見ていたほか,原告もそ
の採取場面をDと一緒に見ていたこともあったのであり(証人D,原告
本人),これに加えて,上記焼残物の採取場面が写真撮影されている
(乙2)ことも併せ考えると,損害保険サービスの従業員による上記焼
残物の採取過程の信用性は担保されているというべきであり,ほか
に,上記焼残物の採取過程が不自然であることを認めるに足りる証拠
はない。また,上記②の点についても,本件火災の調査において警察
が採った油性成分の検出方法と分析センターの採ったそれとの感度
の違いから説明することができる。すなわち,本件火災の調査におい
て警察が採った油性成分の検出方法は,バケツにくんだ水に焼残物
を浮かべて油膜ができるかどうかを確認するというものであったところ
(乙6,証人B),このような簡易な検出方法は,分析センターの採った
ガスクロマトグラフ質量分析法と比較すると格段に感度が落ちるから
(乙12,16,22,証人A),本件火災の調査において警察の採った上
記の簡易な検出方法によって油膜の存在が確認できなかったからと
いって,分析センターの実施したガスクロマトグラフ質量分析法により
軽油に帰属すると推定される成分が検出されることが不自然であると
はいえない。以上によれば,原告の上記主張は採用することができな
い。
e 2階寝室
天井は,壁紙が焼失し,石膏ボードが東側から西側に向かうほど炭化
している。また,北西角にある納戸については,中央から西側の床構成
材が焼失し,壁面の内装材が脱落しており,東側の床面は所々焼き抜
け,壁面の内装材は半分から下部が焼損し黒くなった石膏ボードが残存
しており,その上部は脱落している。さらに,部屋の北東角にあるベッド
は,その上部及び横面が燻焼しているにとどまり,部屋の南東角にある
テーブル及びテレビは,いずれも上部が溶融しているが焼けはない。
(イ) 本件火災の第1発見者であるEは,当初,本件建物からは火が噴き出し
ておらず,その周囲に煙が漂っていただけであったが,その後,1階物置の
窓から火が噴き出し始めた状況を目撃した。
(ウ) 上記(イ)のとおり,1階物置の窓から火が噴き出し始めていることから,
本件建物は,その内部から出火したものと認められるところ,上記(ア)のと
おり,1階物置が最も焼損の程度が強かったこと,1階物置以外の各部屋
の焼け上がり等の焼損状況が1階物置から出火したことを示す徴候を示し
ていること,1階物置内の棚が同部屋の中央方向に焼け崩れていることな
どからすると,本件建物は,1階物置の中央部床面から出火したものと認
められる。
ところで,本件火災の消火に当たった中央消防署西分署は,本件火災の
出火箇所について,1階物置北側にある棚の2段目の中央から西側にかけ
ての付近であると判定している(乙1添付の火災原因判定書)。しかしなが
ら,乙1,19の1,証人Cによれば,上記箇所に置かれていた段ボール箱
が焼け残っていることが認められ,かかる事実によれば,上記箇所が出火
箇所であると認めることはできない。
ウ 原告の本件火災前の状況等
(ア) 原告の資金需要
原告は,平成10年6月ころから,本件建物で経営していたペット美容院
を移転する計画を立て,本件火災当時,原告の母親が同年10月28日に
購入した前橋市a町c番地の宅地上に,ペット美容院の移転先となる建物を
建築することを計画していた。したがって,原告には,本件火災当時,新築
を計画していた上記建物の建築費用に関する多額の資金需要があったも
のというべきである。
なお,上記建物の建築について,原告は,本件火災の約1週間後に上記
建物の建築契約を業者との間で正式に締結し,その後,平成11年3月ころ
に建築の着工がなされ,同年6月3日に上記建物が完成した。そして,上記
建物の建築費用として約3000万円掛かっている。
(イ) 原告の罹災歴
平成3年8月9日,当時原告が本件土地上に所有していた建物(以下「本
件旧建物」という。)が先行火災により焼失した。
先行火災は,原告がペット美容院の店舗専用建物であった本件旧建物
を留守にしている間に発生したもので,火災原因は不明であるとされている
が,結局,原告は,先行火災により,保険会社から約600万円の保険金を
受領した。
エ 本件火災当日(平成10年12月4日)の原告の行動
(ア) 本件火災当日はペット美容院の営業日であり,原告は,他の2名の従業
員とともに午前中から本件建物内で働いていた。
(イ) 他の従業員2名は,午後4時ころまでに,その日の仕事を終えて本件建
物を出た。その後は,原告のみが本件建物内に残って後片付け等をしてい
た。
(ウ) 原告は,午後7時ころ,玄関を施錠して本件建物から出て,知人男性とと
もにパチンコ等をしに出掛けたが,その際には,本件建物内において,異
臭がするなど火災の発生をうかがわせる徴候はなかった。その後,原告
は,本件火災発生後の午後11時過ぎころ,本件建物に帰宅した。
(2) 本件火災の原因について
以上の事実を前提として,本件火災の原因について判断する。
ア 本件火災の原因及び態様等
(ア) 前記(1)イのとおり,本件建物の出火場所は1階物置中央部の火の気の
ないコンクリート製床面であること,そこで認定した蛍光灯や犬用ペットヒー
ターといった電気関係及び石油ファンヒーターの各焼損状況からするとこれ
らが原因となって本件火災が発生したとは考え難いことなどを併せ考慮す
ると,本件建物の出火原因は放火によるものと推認することができる(以下
「本件放火」という。)。
(イ) 軽油の使用
a また,①前記(1)イ(ア)dのとおり,出火場所である1階物置の西側土台か
ら軽油に帰属すると推定される成分が検出されたところ,かかる成分が
検出されたのは,本件火災による焼残物がほとんど撤去された後である
本件火災発生から4日も経過した時点で採取された焼残物からであり,
②しかも,前記(1)イのとおり,本件建物が火の気のない場所から出火し
て全焼するほど激しく燃えており,③さらに,原告が本人尋問において軽
油を購入したり使用したことはないと供述している上,出火場所である1
階物置にあったプラスチック製のペット搬送容器と同種の容器からは軽
油成分が検出されず(乙7の1,2,証人A),建築資材である木材に含ま
れる油性成分の化学構造が軽油のそれとは異なっており(乙22),本件
火災前に本件建物に散布された白あり防除剤に含まれる油性成分は軽
油ではなかったこと(乙48)からすると,上記の検出された軽油は,本件
火災前から1階物置に存在したものではなく,本件火災時に存在するに
至ったものと考えるのが合理的であることなどを総合考慮すると,本件火
災において,軽油が用いられたものと推認することができる。
b この点について,原告は,①分析センターの検査によって検出された軽
油35マイクログラム/グラム,ろう1.2マイクログラム/グラムという量
は,微量すぎて火災の発生原因とはなり得ないこと,②被告は,上記調
査による軽油の検出量が通常の家屋(店舗)における存在量を大きく上
回る旨主張するが,そこにおいて比較の対象とされた通常の存在量が
明らかでないから,上記主張は無意味な主張であること,③建築資材に
は,木材を含めすべての建材類に油成分が含まれていることを理由に,
本件火災が軽油を使用した放火であると推測することはできないと主張
する。
しかしながら,原告の主張する上記①の点については,模擬火災実験
において,木造小屋の内部に灯油を散布して火災を発生させ,鎮火後に
灯油を散布した木製床材から灯油を検出したところ,その灯油の量が6
マイクログラム/グラムであった例もあること(乙22)にかんがみると,分
析センターの検査によって検出された軽油35マイクログラム/グラムと
いう量は,微量すぎて火災の発生原因になり得ないということはできず,
ろうが1.2マイクログラム/グラムしか検出されなかったことについて
も,ろうそくが燃焼すると消滅する性質があること(乙21,24)などに照
らすと,上記のろうの検出量が微量すぎて火災の発生原因となり得ない
ものとは認められない。また,原告の主張する上記②の点についても,
分析センターの採った検出方法であるガスクロマトグラフ質量分析法は,
その油性成分の検出限界が0.3マイクログラム/グラムであるところ,
軽油とのかかわりのない建物で火災が発生してもその焼残物から軽油
に相当する成分が検出されることはないから(乙22),軽油とかかわりが
ないものと認められる本件建物(この点,本件建物の所有者である原告
自身が,本人尋問において,軽油を購入したことはないと供述してい
る。)の焼残物からガスクロマトグラフ質量分析法により検出された35マ
イクログラム/グラムという軽油の量は,通常の家屋における存在量を
大きく上回る量であると評価することができる。さらに,原告の主張する
上記③の点についても,建築資材のうち木材については,そこに含まれ
る油性成分の化学構造が軽油のそれと異なり(乙22),本件建物に使用
されていた木材以外の建築資材についても,そこに軽油が含まれている
ことを認めるに足りる証拠がない。したがって,原告の上記主張は採用
することができない。
(ウ) ろうそくの使用
a 加えて,①前記(1)イ(ア)dのとおり,出火場所である1階物置の西側土台
からろうに帰属すると推定される成分が検出されており,②また,出火場
所である1階物置にあったプラスチック製のペット搬送容器と同種の容器
からはろうの成分が検出されなかったことからすると(乙7の1,2,証人
A),上記の検出されたろうは,本件火災前から1階物置に存在したもの
ではなく,本件火災時に存在するに至ったものと考えるのが合理的であ
り,③さらに,仮に,媒介物等に直接点火する方法を用いたとすると,そ
の性質上,本件放火の実行行為者は,出火時刻直前に本件建物に所在
していたことになるが,本件火災の発生時刻は,平成10年12月4日午
後9時ころの夜間であり(前記争いのない事実等(4)),この時間帯に,本
件建物内に侵入した上,上記(イ)のとおり,軽油を使用して媒介物等に
直接点火するという態様で放火することは,極めて困難であるといえ,④
また,本件火災の第1発見者であるEも,損害保険サービスの調査に対
し,本件建物の周囲で人を見掛けた旨の供述をしていない(乙6)ことな
どからすると,本件火災は,ろうそくを立てるなどした上で点火し,これが
燃焼することによって,軽油を含んだ媒介物等,さらには本件建物本体
に延焼したことによるものと推認することができる。
b そして,ろうそくは,本件火災との関係では,時限発火装置の役割を果
たしたものと推認することができる。
すなわち,乙20,21によれば,ろうそくと軽油の染み込んだ媒介物を
用いれば,同ろうそくが燃焼し尽くすことによって,媒介物,さらには建物
本体に延焼する発火装置を作ることが可能であると認められる。そして,
乙23によれば,市販されているろうそくの燃焼時間は,その全長や直径
の大きさによって異なり,十数分程度から数十時間程度であることが認
められ,この事実からすると,ろうそくに点火してから実際に建物に出火
するまでの間には上記の程度ないしそれ以上の時間を要するものと認
められる。したがって,上記のような方法によるならば,ろうそくに点火し
てから建物が出火するまでの時間を人為的に遅らせることができること
になる。
この点について,原告は,本件火災現場には放火装置を設置した痕
跡がないと主張する。しかしながら,本件火災現場からろうが検出された
事実は,ろうそくを時限発火装置として設置した痕跡であるということが
できるし,また,原告の主張する意味内容が本件火災現場に目に見える
形で放火装置が残っていないという意味であるとしても,ろうそくには燃
焼すると消滅する性質があるので(乙21,24),ろうそくを時限発火装置
として用いれば痕跡を残さずに放火することが可能であるといえるから,
目に見える形で放火装置が残っていないということは,本件放火に時限
発火装置が用いられたことを否定する理由にはならない。
イ 第三者による放火の可能性
(ア) 前記(1)イ(ア)dのとおり,本件建物の1階物置南側の引き戸が約20セン
チメートル開放された状態であったことからすると,一般的,抽象的には,
第三者が同引き戸から本件建物に侵入した上放火した可能性を否定する
ことはできない。
(イ) ところで,前記(1)エ(ウ)のとおり,原告が本件火災当日である平成10年
12月4日午後7時ころ本件建物から外出する際には,本件建物内に火災
の発生をうかがわせる徴候はなかったのであるから,第三者が放火したと
すれば,同日午後7時ころから出火時刻である同日午後9時ころまでの間
に,施錠されていない1階物置南側の引き戸から本件建物に侵入し,1階
物置に放火したことになる。
しかし,前記(1)ア(ア)のとおり,本件建物は,玄関のある北側が幅員6メ
ートルの道路に面しているほかは,その東側がアパートと,南側が民家と,
西側が駐車場を挟んでアパートとそれぞれ接しており,このような周囲の環
境の中で,しかも人がまだ活動している上記時間帯に,第三者が本件建物
に侵入すること自体容易でないといえる。また,仮に,本件火災が第三者に
よる放火であるとした場合,上記(ア)からすれば,本件放火の実行行為者
は1階物置南側の引き戸から本件建物に侵入した可能性が強いが,同引
き戸が道路に面していない奥まったところにあることからすると,同引き戸
に施錠がなされているかなど本件建物についての事情を知る者でなけれ
ば,本件建物への侵入を手際よく行うことは困難である。
さらに,前記(1)イ(ア)cのとおり,本件火災後,本件建物内から犬2匹の
焼死体が発見されているところ,乙28の1,2によれば,本件火災時に本
件建物とフェンスの間にいた犬が1匹救出されていることが認められ,以上
によれば,本件火災時,本件建物内ないし本件建物に付属する屋外運動
場には少なくとも3匹の犬が放し飼いにされていたことが認められる。この
ような状況下では,部外者が本件建物内に侵入すること自体極めて困難で
あったものといえる。
(ウ) 以上に加え,前記ア(イ)のとおり,本件建物に放火する際軽油が使用さ
れていることからすると,本件放火は本件建物を全焼させることを意図して
なされたものと推認することができるところ,一般的にいっても,怨恨等特
段の事情のない第三者が,本件建物を全焼させることを意図して放火する
ことは考え難い。この点,原告は,本件火災当時,ある人物からストーカー
行為を受けていたなどと述べるが(甲13,原告本人),これを裏付けるに足
りる客観的な証拠はなく,ほかに上記の特段の事情のある第三者が存在
することをうかがわせる事情も認められない。
(エ) 以上の諸事情に照らせば,本件建物が第三者によって放火された可能
性は極めて小さいものといわざるを得ない。
ウ 原告による放火の容易性
原告は,本件建物の所有者であってその内部構造を熟知している上,前
記(1)エのとおり,本件火災当日の午後4時ころから午後7時ころまで原告は
本件建物に一人でいたのであるから,上記時間帯に原告がろうそくと軽油を
用いて放火の準備行為をすることは時間的に十分可能であったといえる。加
えて,原告自身も,ろうそくを本件建物内に保管していたことを認めており(原
告本人),本件放火に用いられたろうそくが上記の保管されていたものである
場合,その所在を熟知していたことになることや,原告は本件建物の所有者
であり本件建物内で放し飼いにしていた犬の飼い主であるから,原告が本件
建物内にいても近隣住民等の第三者や飼っていた犬から不審がられることも
ないことなどを併せ考慮すると,原告が本件火災を発生させることは極めて容
易な状況にあったものというべきである。
エ 原告の動機をうかがわせる事情
(ア) 前記(1)ウ(ア)のとおり,原告は,本件火災当時,原告の母親が購入した
宅地上に,ペット美容院の移転先となる建物を建築することを計画してお
り,新築を計画していた上記建物の建築費用に関する多額の資金需要が
あったものというべきである。これに加えて,前記(1)ウ(イ)のとおり,原告
は,平成3年8月9日,原因不明の火災に罹災した結果,保険金を受領した
経歴のあることも併せ考慮すると,原告には,放火をする経済的動機をうか
がわせる事情が存在するというべきである。
この点について,原告は,本件建物の所在地は前橋市の区画整理対象
地区であったから,本件火災がなければ平成12年秋ころには原告が受け
取るべき保険金額以上の建物移転補償費が支払われる状況にあったので
あり,原告には本件建物に放火する経済的動機がないと主張する。しかし
ながら,仮に本件建物が本件火災により焼失しなかったとしても,元来本件
建物は区画整理に伴う移転補償の対象とはなっておらず,原告に本件建
物の移転補償費が支払われることはなかったのであるから(乙14の1,
2),原告の上記主張は,そもそもその前提を欠くので,採用することができ
ない。
(イ) その反面,前記イ(ウ)のとおり,第三者による怨恨等の動機に基づく放
火の可能性をうかがわせるに足りる事情は認められないし,上記以外の動
機による放火の可能性についても,本件放火が,ろうそくや軽油を用いるな
どかなり周到な準備の下に,しかも,あえて本件建物を全焼させることを意
図したものであることなどにかんがみれば,極めて小さいものといわざるを
得ない。
オ 原告のアリバイについて
前記(1)エ(ウ)のとおり,原告は,本件火災当日の平成10年12月4日午後
7時ころ本件建物から外出し,本件火災発生時である同日午後9時ころには
本件建物にいなかったものである。
しかし,前記ア(ウ)のとおり,本件放火は,ろうそくを時限発火装置として用
いた上でなされたものと推認することができるところ,このような方法によれ
ば,原告が本件建物に一人でいた同日午後4時ころから午後7時ころまでの
間にろうそくに点火して本件火災を発生させることは,十分可能であったいうこ
とができる。
3 結論
以上のとおり,本件放火の態様等から見て,原告は,最も容易にこれを行い得る
状況にあった反面,原告以外の第三者が本件放火を実行した可能性は極めて小
さいこと,また,原告には,本件放火の動機となるべき経済的な理由をうかがわせ
るに足りる事情が存在すること,原告のアリバイも成立するものとはいえないことな
どの各事情を総合的に考慮すると,原告が故意に本件建物に放火して本件火災を
発生させた可能性は大きいものといえ,結局,本件火災が偶然のものであるという
事実は,本件全証拠によってもこれを認めるに足りないといわざるを得ない。
したがって,原告の請求は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判
決する。
前橋地方裁判所民事第2部
裁判長裁判官 東 條   宏
裁判官 原   克 也
裁判官 高 橋 正 幸

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