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裁判例


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       主   文
原決定を取り消す。
相手方が抗告人に対し昭和四五年一〇月三一日付でした口頭審理認定処分の効力
は、東京地方裁判所昭和四五年(行ウ)第二一四号口頭審理認定処分取消請求事件
の本案判決確定に至るまでこれを停止する。
申立費用は原審抗告審とも相手方の負担とする。
       理   由
 抗告代理人は、主文同旨の裁判を求め、その理由とするところは、別紙抗告理由
書及び同補充記載のおりである。相手方指定代理人の意見は別紙意見書記載のとお
りである。
 右に対する当裁判所の判断は、次のとおりである。
一、認定処分の性質について
 抗告人が本件執行停止申立において効力の停止を求める口頭審理認定処分は、そ
の実質において上陸不許可処分の性質を有し、抗告訴訟の対象となる行政処分であ
ると解するのが相当である。即ち、口頭審理の結果、特別審理官のなす出入国管理
令(以下令という。)第七条第一項各号に規定する上陸のための条件に適合してい
ないとの認定は、単に行政庁の内部的確認行為にとゞまるものではなく、これを上
陸申請をした外国人に通知することにより、上陸申請に対する不許可を告知するも
のである。上陸の申請に対する許否の処分は、上陸許可の証印もしくは退去命令に
よつてなされ、その前提となる認定は、行政処分ではないとの考え方も首肯しえな
いではないが、退去命令が本邦外への退去を下命するという積極的な効力を有する
点よりすれば、その前提となる認定に不許可処分としての効力を認めることも不合
理ではない。かように考えれば、異議の申出は退去命令にとつては事前審査である
が、上陸不許可処分にとつては事後審査となるのであつて、異議の申出と文辞を改
正したのも、右手続が上級庁である法務大臣に対するものであつて、この点におい
て処分庁に対してなす行政不服審査法による異議の申立とは性質を異にするから、
混乱を避けるためとも考えられるのであつて、相手方の主張するように異議の「申
出」の文書を用いたことが必ずしも事前審査手続であることを明らかにするためと
ばかりとは考えられないのである。(まず、異議の申出を事前審査手続であると解
釈してそれを理由に口頭審理認定を行政処分ではないとする相手方の主張はその点
においては本末転倒の議論であるとの感が免れない。)
二、認定処分の効力の停止の申立の利益について
 上陸に関する令の規定は、船舶等の内で上陸申請の審査を受け、上陸の許可を受
けた者のみが本邦に上陸することができ、不許可処分を受けた者は船舶等に留ま
り、船舶等の出港によつて本邦から退去せざるをえなくなるのが、規定の建前であ
る。しかしながら、航空機によつて入国した場合には機内で上陸の申請の審査を行
なうことは不適当であるので、上陸申請者を審査前にもかゝわらず降機させ、ター
ミナルビル内に設置された審査場所において審査を行なうこととしているため、外
国人が上陸の申請の審査を受けるために航空機を降り、指定された通路を通つて審
査場所に至り、審査手続が終了するまでその場所に留まることになり、事実上は本
邦内の陸上に留まつているわけであるが、令の運用上からは事柄の性質上未だ本邦
に上陸したものとは解せられないのであつて、さらに審査手続が口頭審査、異議の
申出、裁決と順次行なわれて即日終了しないときに、審査場所の範囲をその最至近
距離内にある特定のホテル内の特定箇所にまで拡張して、当該ホテルに止宿させる
場合についても同様に解することができる。しかしながら、以上はあくまで上陸の
申請の審理のためになされるものであるから、上陸申請の審査手続が退去命令の発
出により終了すれば、もはやかかる取扱いをする必要もなくなるので、退去命令に
指定された乗船予定日を経過しても依然として滞留する場合には、上陸許可の証印
を受けないで本邦に上陸した者として、令第二四条第一項第二号に規定する不法上
陸者に該当すると解するのも一つの考方であり、現に相手方はそのように主張して
いる。
 そうだとするならば、本件口頭審理認定処分の効力が停止されれば、上陸申請の
審査手続がまだ終了していないことになり、抗告人が審査場所又はその範囲を拡張
されたホテル内に滞留することは、いまだ本邦に上陸したものとはみなされないこ
とになり、不法上陸を理由に抗告人に対して国外退去を強制しえなくなる、かかる
意味において抗告人に対して本件申立をなす利益があるというべきである。(当裁
判所としては退去命令に強制力を与えず、上陸の申請をした外国人の任意退出を期
待した令の建前とその考方の合理性を思うと、退去命令に従わなかつたときには、
退去強制の理由として挙げられているいわゆる不法上陸者に該当すると解すること
は法律解釈としては誤つていると考える。
 そうだとするならば認定処分の効力の停止を求めなくても不法上陸を理由として
退去を強制されることはないので停止を申立てる利益がないことになる。
 しかしながら退去命令に従わなかつた外国人をそのまゝ本邦内に滞留させておい
てよいとは云えず、むしろ退去させる方法を考えるのが当然だというべきであるの
で、令の解釈として相手方の主張するような考方も無下に否定し去る訳にも行か
ず、それ故に停止の申立の利益ありと解するもので、要は令の改正問題として早急
に立法によつて解決されるのが適当と考える。)
三、本件についての事実認定(申立の要件の具備について)
(1) 本件記録によれば、抗告人に対して相手方が上陸不許可処分をなすに至つ
た経緯は、すべて原決定摘示のとおりであることが疎明される。そして抗告人が本
件執行停止申立事件の本案訴訟における不服の理由は、抗告人の申請した観光とい
う在留資格が虚偽のものではないとは認められず、かつ、令第四条第一項各号所定
の在留資格の一に該当しないとした口頭審理認定処分の事実誤認による違法を主張
するにあることは本件記録に基づきうかゞうことができる。
 一般的に外国人の入国の規制は、国際法上国家の自由な決定に委ねられ、原則と
して国家は外国人の入国を許すべき義務を負うものではなく、外国人は入国する権
利を有するものではない。これは国際法上確立された慣習法であると解されている
(条約による制約についても、わが国と抗告人の本国であるアメリカ合衆国との間
の友好通商航海条約においても、相互の国民が、外国人の入国及び在留に関する法
令の認めるその他の目的をもつて、他方の締約国の領域に入り、在留することを許
される-第一条IC-と規定するにすぎない)。国際交通の自由の原則は好ましい
にしても、現行法上においては、あくまで理想にすぎないのである。わが国におい
ては、出入国管理令が外国人の在留資格を定め、外国人は在留資格を有しなければ
本邦に上陸することはできない(第四条第一項)と規定しているのであるが、右規
定の趣旨は、上陸を許すべき外国人の資格を限定し、従つて、そのいずれにも該当
しない外国人は上陸を許さないとしているものと解すべきであつて、令の規定する
在留資格は単に上陸しようとする外国人を分類し、その在留を規制するための技術
的手続的規定にすぎず、上陸しようとする外国人は、すべていずれかの在留資格に
該当し、上陸の拒否事由(令第五条)に該当しない限り入国が許されるものと解す
ることはできない。従つて同じく旅券に証印を受けることを要するといつても、出
国の証印(令第二五条)と入国の証印(令第九条)とではその性質を異にし、前者
は、外国人が本来的に出国の権利を有している点よりして管理の適正を期するため
の技術的手続的制約にすぎないけれども、後者は、外国人は、本来的に入国の権利
を有せず、これによりはじめて本邦に上陸し、在留する法的地位を付与されるので
ある。抗告人は、かように解すれば、法の定めない上陸拒否の事由を設けるに等し
いと主張するが、在留資格の規定(令第四条)と上陸拒否の規定(令第五条)とは
規制の面を異にし、第五条の規定は、形式的に第四条に該当しても第五条に規定す
る拒否事由があれば、本邦に上陸できないというのであつて、第五条に該当しない
者はすべて第四条のいずれかの規定に該当し、在留資格があるというわけではな
い。在留資格のいずれかの一に該当しない者が上陸を許されないのは現行制度上当
然であつて、上陸拒否以前の問題である。
抗告人のこの点に関する主張は令に規定する在留資格についての立法論としてなら
格別、令の解釈論としては理由がない。
 令第四条第一項第四号に規定する観光客の行なうべき観光の概念の内容、範囲
は、同項のその他の各号に規定する者の行なうべき活動が、主として経済、商業、
文化芸術、教育研究、宗教等積極的な活動を内容としているのに比較して必ずしも
明確であるとはいい難く、在留資格の規定について改正の要ありと考えられるが、
そうだからといつて現行法上その内容を広く解して、他の各号に該当しないものは
すべてこれに含まれると解しえないことは、前記のとおり、出入国管理令はすべて
の外国人の入国を許す建前とはなつていない点、また同項が包括規定(第一六号)
をおいている規定の体裁からしても明らかである。従つて観光の概念は限定的であ
るべきであつて、以上の点よりして、同号にいう観光客の行なうべき観光とは、文
言通り名所、旧跡、景観等の見物等狭義の観光を規定したものというべきでそのほ
か、休養、娯楽、近親友人訪問、並びにこれらに類する活動を含めても差支えない
と解するのが相当である。右観光客の概念如何は別として、ある活動が右にいう観
光の概念に含まれるか否かということと観光客がその活動をすることが出入国管理
令の上から許されるか否かということとは別異に考えるべきであつて、当該活動が
仮りに観光の概念に含まれないとしても他の在留資格に属する者の行なうべき活動
でないかぎり、観光客が観光に伴なつて、あるいは従としてその活動をすること
は、現行法上令の規制の対象とはならないものと解する。(令第二四条も資格外活
動のうち他の在留資格に属する者の行なうべき活動のみをとりあげて退去強制事由
に掲げる、なお在留資格の変更についての規定の中に観光客は除外されていること
も合せ考えるべきである)。以上のことは、上陸申請にかゝる在留資格が虚偽のも
のでないか否かを判断するにあたつても同様に解すべきである。
 よつて抗告人の申請にかゝる観光の在留資格が虚偽のものではないと認められる
か否かについて検討するに、抗告人の今回の本邦への入国は、その実質において沖
縄旅行以前の本邦での在留の継続とみなすべきであるから、右在留中の抗告人の活
動は、今回の上陸目的を検討するについて判断の資料となるものというべきであ
る。本件記録によれば、抗告人が昭和四五年七月二日から同年一〇月二四日まで本
邦に在留中東京及びその周辺、京都、大阪、奈良、広島岩国およびそれらの周辺、
九州についていわゆる狭義の観光を行つていることが疎明されるが、また他方その
宗教的反戦の信念から岩国、福岡、佐世保において米軍兵士に反戦に関するカウン
セリングを行なうほか、センパー・フアイ等の機関紙あるいはビラの配布、マイク
で反戦を呼びかけ、広島においてデモ行進に参加する等の活●な反戦活動(これら
の活動の多くは観光の概念には含まれないと解せられる。)をしたことが疎明され
る、さらに抗告人は、口頭審理において来日の目的は、すでに反戦の信念を持つて
いるできるだけ多くの日本人と、如何にすれば米軍基地に関して日本人が最も良く
反戦活動を続けられるかということについて語り合うことであり、また、日本の秋
も楽しみたいと供述しており、さらに法務大臣に対する異議申立書には、本邦各地
の観光旅行の計画をもつていることを述べていることが疎明される。これらの事実
によれば本件停止申立事件としては相手方の主張するように抗告人の上陸目的がそ
の主張にもかゝわらず、観光は単なる名目的形式的なものにすぎず、真の目的はも
つぱらあるいは主として反戦活動を行なうにあり、従つて、申請にかゝる在留資格
は虚偽のものではないとは認められないと断定することは困難であり、右の点は本
案訴訟における主張、立証にまつべきものと考える。従つて本案の審理を経ない現
段階では本件口頭審理認定処分の適法であることが疑いを容れる余地のないほど明
白であるとはいい難く、本件申立はその本案が理由がないとみえる場合にあたらな
いというべきである。
 よつて右と判断を異にし抗告人の申請に係る在留資格が虚偽のものでないと認め
られないと判断した認定処分を違法とはいえないとした原決定は失当であり、この
点において本件抗告は理由があり、抗告人の本件申立は行訴法二五条の要件を欠く
ものではない。
(2) 抗告人の本件執行停止申立について他の法定要件である回復困難な損害を
避ける緊急の必要の有無について判断する。抗告人は、本件処分の効力を維持され
ると本邦より出国せざるをえず、さらに退去強制処分により身柄を拘束され、本国
へ送還されるおそれも生ずる。(当裁判所としては退去強制の処分が許されないと
解することは前にも述べたとおりであるが、相手方は現に右処分をしようとしてい
ることは明かであるので、事実上上記おそれのあるものと云える)かくては、本件
処分の取消しを求める本案訴訟の維持が事実上不能となつて、裁判上の救済の途が
閉されるばかりではなく、今後一年間は、本邦への入国は許されなくなる(令第五
条第一項第九号)。従つて抗告人は、回復困難な損害を蒙るおそれがあり、これを
避けるため右処分の効力の停止を求める緊急の必要があるというべきである。
四、よつて、原決定を取消し、抗告人の申立を容認することとし、行政事件訴訟法
第七条、民事訴訟法第四一四条、第三八六条、第九六条、第八九条を適用して主文
のとおり決定する。
(裁判官 石田哲一 杉山孝 小林定人)
(別紙)
       抗告理由書
一、原決定は、「……以上認定に係る事実関係のもとにおいては、被申請人が申請
に係る在留資格が虚偽のものでないとして行なつた本件上陸不許可処分をもつて敢
えて違法と断ずることは許されないものというべきである。」として本件申立て
は、行訴法二五条所定の執行停止の要件を欠くものであるとしたがこれは同法二五
条の三項に定める執行停止の決定は「本案について理由がないと見えるときは、す
ることができない」との解釈を誤まるものである。
 即ち同項は執行停止の消極的要件を定めたものではあるが、申立人は執行停止の
段階では問題の処分が違法であることまでも疎明する必要はないことを明らかにし
たものであるから、本件においても申立人は本件上陸不許可処分が違法であること
まで疎明する必要がないことは明白である。
 したがつて原判決の右の如き解釈は申立人に極めて難きを強いて執行停止制度の
趣旨を没却する誤つた解釈であることは明白である。(杉本「行政事件訴訟法の解
説」八九頁参照)
 本件においても問題とさるべきは、本案の処分が違法かどうかではなく「本案に
ついて理由がないと見える」かどうかであつて、本件全証拠ならびに以下に述べる
ところを総合するならば、この段階で本件申立てが、その本案について理由がない
と見える場合にあたらないことは明白である。
二、原決定は、抗告人の在留資格は「観光客」であるところ、既に一二〇日間の在
留期間が与えられたのであるから、観光の目的は一応達せられていたものと認めら
れるとしている。
 しかしながら、抗告人に対してもそうであるように観光目的の外国人に対して数
次往復査証が与えられた場合には、観光客としての在留資格を有する外国人は長期
間の間に何回でも我国への入国ができ、結局は相当長期にわたつて我国に在留でき
る資格が与えられている。
 このような査証が、入管令にいう「観光客」に与えられている所以は、後述する
ように入管令にいう「観光」なるものが、単に「名所旧蹟もしくは景観等を見物す
ること」を意味するに止まらず、広くその国の色々の人々との交流までを含むもの
であり、その目的のためには、かなり自由な、ある程度長期の滞在を許すのが望ま
しいからである。
 のみならず、狭義の観光についても当面の具体的な観光のスケヂュールの終了と
いうことがあつても、さらに新しい所を見物したいとか、もう一度見物したいとい
うことが十分考えられ、観光の目的の達成というものは極めて主観的なものである
というところからも右のような数次往復査証が与えられるのである。
 そして本件においても、抗告人は現に四八ケ月間に何回でも入国可能な査証を与
えられており、抗告人の狭義の観光目的も、その具体的な旅行計画に照して明らか
なように、未だ達成されていないのである。従つて一度数次往復査証を与えておき
ながら、二度目の観光はその必要がないというのは極めて不当な見解といわざるを
得ないのである。
三、原決定は、入管令四条一項四号の「観光」とは、必ずしも厳格な意味において
本邦内の名所旧蹟もしくは景観等を見物することだけを意味するものではないとし
ながらも、抗告人の以前の我国における良心的戦争反対者としての行動を、これと
対立するものとして評価している。
(一)、しかしながら、入管令の原文である英文の法案によれば、「観光」「観光
客」は「Tourism」「Tourist」となつており、「Sightsee
ing」となつておらず、そこには、広く旅行をしながらその国の人々と全人格的
な接触、交流を図ることを意味する概念が使用されている。
 この点からして、入管令にいう「観光」とは、広く人々との全人格的交流をも意
味するものとして解釈さるべきである。
 それ故、現に著名な文化人の文化活動、国際的平和運動家の平和運動のための来
日は、そのほとんどは「観光客」としての在留資格によつており、原水爆禁止世界
大会等に出席する外国代表も、まさに平和運動の目的のみで入国することが客観的
に明らかな状況下で観光客として入国が許されているのである。
 仮に抗告人の以前の我国における平和運動的行動が「観光」と対立するものであ
るとすれば、右のような明白に平和運動を目的とする外国人の入国の場合は、観光
客としての在留が許されないのは勿論、入管令四条一項の各号の在留資格のいずれ
にも該当しない者として、その一切の入国が許されないということになる。
 とすれば、我国は外国人の出入国管理において、国際的規模での平和運動に関係
する外国人の入国を全く許さないということとなり、憲法がその柱とする国際主
義、平和主義の精神に明白に反することとなる。
 このような事態は、「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」(憲
法前文)日本国民としては、到底許されないことであり、かかる事態を生ぜしめる
法解釈は、その結果の不当性を照しても許されないといわなければならない。
(二)、そもそも抗告人の反戦のための行動は、クェーカー教徒としての深い戦争
反対の信念に支えられたものであつて、その具体的行動は合法的、平和的な表現活
動であり、抗告人の人々に対する全人格的働きかけとして、抗告人のtouris
mにおける日常生活の一部をなしているものである。
 我々は、ともすれば、市民としての隣人等に対する自己の思想、良心の表現、働
きかけを日常生活とは切り離して、あたかも職業としての活動の如き独立の活動と
して評価しがちであり、反戦の訴え等というと、市民の日常生活とは異質の特殊な
活動と考えがちである。
 しかしながら、一市民の宗教、思想の表現活動をその日常生活から切り離し、特
別視することは、政治家、評論家等の職業人としてではなく、一市民として、思想
を表現しようとする者を、何もしない者とは異つた特殊の人として評価し取扱うこ
とにほかならず、それは国民一人一人がその日常生活の中において政治、社会を考
え、自己の思想を表現することその中心としている民主主義の精神に反するものと
いわなければならない。
 加えて、抗告人の如きクェーカー教徒にとつてはその良心の表現は、伝導師なら
ずとも日常生活の一部なのである。
 要するに、前回の旅行中における抗告人の反戦のための行動を、その旅行から切
り離してTourismとは異なるものとして評価することはTourismの意
義の解釈、抗告人の行動の評価を誤まつたものといわなければならないのである。
四、原決定は、その結論部分において、抗告人が東京-サンフランシスコ間の航空
券と本邦の観光に必要な可成の費用を所持しているとしても、その摘示する事実関
係のもとにおいては、抗告人の申請に係る在留資格が虚偽のものでないとは認めら
れないとする処分は違法と断ずることはできないとしている。
(一)、しかしながら、入管令施行規則四条の二は、その二号において我国に観光
客の在留資格で入国しようとする外国人は、出発国等までの船舶等の切符、我国に
おける在留期間等を通じて有効な旅券ならびに我国の観光に必要と認められる費用
の三点を所持していることを立証すれば、観光客の在留資格が虚偽のものではない
ことを立証したこととされる旨規定している。
 これは、在留資格の立証といつても異国において将来の活動予定という主観的意
図を内容とする事柄について迅速かつ十分に立証をすることは困難であるところか
ら、一種の法定証拠主義を採用し、入国の際は、客観的証拠によるチェックのみに
止め、入国後現実に在留資格外活動をもつぱら行なうに至つたときに、退去強制事
由に該当する者として追放することとしたものである。
 従つて観光客として入国しようとする外国人が前記三点の所持を立証したとき
は、その入国を認めなければならないのであつて、入管当時が在留資格が虚偽であ
ると主張することはできない。
 前回の我国滞在中の活動を理由に当該外国人の入国を拒否し、当該外国人に対
し、今回は真実である旨の立証をさらに要求することは酷を強いるもので許されな
いというべきである。
 しかして、東京-サンフランシスコ間の航空券、一九七五年六月二四日まで有効
な旅券、我国の観光に必要十分と認められる六四〇ドル余りの金を所持しているこ
との立証をなしている抗告人としては、その申請に係る在留資格が虚偽でないこと
の立証を尽しているのであるから、抗告人の上陸申請は許可さるべきなのである。
(二)、なお施行規則四条の二は、入管令七条二項を受けて、その内容を明らかに
したものであるが、それが仮に法定証拠主義を採用した規定ではないとしても外国
人に規則四条の二の規定する定型的な証拠以上の立証を要求することは前述のとお
り困難であるから入管令七条二項は入国しようとする外国人に、入国条件に適合し
ているか否かの点についての実質的挙証責任を課したものではなく、いわゆる形式
的挙証責任を負わしたに止まると解すべきである。
五、原決定は、その理由の第四丁表において、申請人は被申請人の口頭審理におい
て「今回の入国目的は、すでに反戦の信条を抱いている一人でも多くの日本人と話
し合い彼らの在日米軍基地に関する反戦活動を支援したいということです……」と
申述した旨を認定しているが、右認定は疎乙第四号証についての被申請人の誤つた
翻訳にもとづくものであつて重大な事実誤認をおかすものである。
 原文の正確な訳は「今度の私の来日の目的は日本の人々が米軍基地に関して、ど
うすれば最も良く反戦活動を続けることができるか、という信念を既に持つている
日本人とできるだけ沢山語り合うことです。」というのであり、「彼らの在日米軍
基地に関する反戦活動を支援したいということです」などということを抗告人が述
べた事実は全くないのである。
(別紙)
       抗告理由補充書
       記
一、特別審理官の認定は行政処分である。
 相手方は、特別審理官の口頭審理認定処分は行政処分ではなく、行政処分のなさ
れる以前の単なる内部手続にすぎないと主張する。
 しかしながら特別審理官の口頭審理は入国審査官が上陸許可の証印をする場合を
除いて、当該外国人を特別審理官に引渡しをした場合に行われるものであるが(令
第九条四項、第一〇条一項)、この場合には、特別審理官は、口頭審理に関する記
録を作成しなければならず、当該外国人又はその代理人は証拠を提出し、かつ証人
を尋問する権利が与えられている。そして、右の口頭審理の結果、当該外国人が、
令七条第一項の条件に適合していると認定したときには、上陸許可の証印をしなけ
ればならない一方、右条件に適合していないと認定したときは、当該外国人に対し
てすみやかに理由を示してその旨を知らせるとともに、法務大臣に対する異議申し
出をなすことができる旨を告知しなければならないのである。
 口頭審理認定処分が相手方のいう如く行政庁の最終的行政処分(退去命令又は上
陸特別許可)に至る全くの内部的手続であるとするならば、その中間段階の結果が
行政庁の外部の者すなわち当該外国人に告知されるということは考えられないし、
その中間段階の行政の結果に対して外国人から異議申立てが出来るということも考
えられないことである。
 確かに口頭審理認定処分→異議→法務大臣の裁決という過程をふむことは行政を
慎重に行うためのものとはいえようが、それが相手のいう如く行政の内部手続であ
るならば、これを法律を以つて定める必要はなく、省令あるいは内部規則ですむこ
とであるし、右の手続が法律で定められているということは、行政庁と国民との間
の関係を定めるものであることの何よりの証左というべきである。従つて行政の慎
重ということから直ちに入管令一〇条の規定を無視して口頭審理認定処分を行政庁
の全くの内部手続と解するのは正当な解釈とはいえない。
 相手方は更に行政不服審査法の制定に際して、令の一部改正がなされ、それまで
使用されていた「異議の申立」という用語が「異議の申立」という用語に変更され
たことを以つて、特別審理官の口頭審理認定処分に対する異議申出は行政不服審査
法四条二項にいう「別に法令で定める不服申立て」の制度ではないと主張する。
 確かに相手方主張のような変更がなされたことは事実であるが、本件で問題とな
るのは、特別審理官の口頭審理認定処分に対する異議の申出が行政不服審査法第四
条二項にいう「別の不服申立制度」であるか否かではなくて、口頭審理認定処分が
行政事件訴訟法二五条にいう処分であるか否かなのであるから、相手方の右の主張
は特に意味のあるものとは解されない。又、外国人の出入国に関する処分が行政不
服審査法の適用を受けないとされても、そのことから直ちに本件口頭審理認定処分
の行政処分性が否定されることにはならない。
 右の手続きは、まさに別に法令で定められた「当該処分の性質に応じた不服申立
ての制度」というべきであつて、右の如き用語の変更が生じたのは、行政不服審査
法による不服申立てについては、審査請求、異議申立て、再審査請求という用語に
統一する一方で、行政不服審査法の適用されない不服申立てについては、右の三つ
の名称を使わないという観点からの整理が行われたためであつて、(ジユリスト二
六六号、研究会「行政不服審査法」一二頁参照)、このことが口頭審理認定処分の
行政処分性を否定することにならないことは明白である。
二、我国の査証が与えられた場合の外国人の地位について―上陸審査の性質
 我が出入国管理令はその九条一項において、同令七条一項一ないし四号にかかげ
る上陸のための条件に適合した外国人に対しては裁量の余地なく義務的に上陸許可
の証印を与えなければならないと定めている。
 従つて七条一項一~四号の条件を満たす外国人は、他の理由を以つて入国を拒否
されることはなく、その限りで我国への入国を認められる権利を有するのである。
 しかるに本件においては抗告人が右一号(有効な旅券及び査証を有すること)三
号(申請にかかる在留期間が法務省令の規定に適合すること)及び四号(令五条所
定の上陸拒否事由に該当しないこと)の各条件を満たしていることについては当事
者間に争いがない。問題は二号の定める申請に係る在留資格が虚偽のものでなく、
且つ四条一項各号の一に該当するか否かのみであり、相手方は抗告人がこの条件を
満たしていないとするのである。
 抗告人がこの条件を満たしているとする点については、既に主張しているよう
に、少なくとも「本案について理由がないとみえるとき」に当らないことは明白で
あるが、この点についての抗告人の主張が容れられて本件口頭審理認定処分の執行
停止がなされた場合には、相手方は速かに上陸許可の証印をして抗告人の上陸を認
めなければならないのである。
 何故かならば、上陸申請がなされた場合、入国審査官及び特別審理官は速かにそ
の審査をして上陸の許否を決めなければならず、かつ、上陸審査は、前述の如く七
条一項各号の点にのみ限定されているので、右各号の条件を満たす限り、外国人に
我国への上陸を認めなければならないのであるから、ひとたび上陸拒否処分に違法
の疑いあり(即ち、本案について理由がないと見えるときにあたらない)とされ
て、これが執行の停止をされ、同一の処分を反覆することが許されぬ以上、上陸申
請に対して速かに上陸の許可をするより他ないからである。
 尚、相手方は、抗告人が外国人に数次往復査証が与えられている場合には、観光
客としての在留資格を有する外国人は査証の有効期間中何回でもわが国へ入国がで
き、結局相当長期にわたつて我国に在留することができると主張したのに対して、
査証及び入国審査の性質をあげて種々論じているが、抗告人が主張したのは、数次
往復査証が与えられている場合には、通常その期間中何回でも我国へ入国できるか
ら通算すれば事実上長期の滞在ができることになると述べただけのことであつて入
国の都度上陸審査が行われるのを否定する趣旨ではないから、相手方の反論はあた
らない。
三、「観光客」について
(一)、相手方は、入管令四条一項四号にいう「観光客」とは、入国目的が狭義の
観光、娯楽、休養、宗教的巡礼等であつて、収益を目的としないものに限定される
旨主張し、その根拠として法四条一項八号、一〇号の存在を挙げている。
 しかしながら、法四条一項八号は「芸術上又は学術上の活動を行おうとする者」
を在留資格としているため、「芸術」「学術」とまでは言えない一般市民レベルの
思想・文化の交流については、その適用が考えられず、また入管行政の実際におい
ても右在留資格は厳格に運用されている。
 さらに同項一〇号は、宗教活動を行うために「外国の宗教団体により本邦に派遣
される者」と規定しているため、宗教団体からの派遣とは無関係の布教活動につい
ては、適用外とされている。
 そして「芸術」「学術」とまではいえない一般市民レベルの思想・文化活動・あ
るいは宗教団体とは無関係の宗教活動、さらにはスポーツの興業(四条一項九号)
とはいえないアマ・スポーツのための入国等については、我国の入管がそれを否定
しているとは考えられないのであるから、同項四号の「観光客」=Tourist
としての在留資格による入国に包含されるものと解するほかはない。
(二)、加えて出入国管理行政の実際においても「観光客」としての在留資格は広
く解釈され、右の如き思想・文化活動等も含まれるものとして運用されている。
 すなわち、いわゆる原水爆禁止世界大会への参加や、各種文化活動の国際的会議
への出席あるいは学術、文化の講演等をもつぱらの目的とする著名な外国人の来日
の多くは、「観光客」としての在留資格によつて入国を許可されている。
 のみならず、我国の政党の大会へ外国代表として出席することを主たる目的とし
ていることが明らかな各国の政党、政治的組織の関係者も、「観光客」として入国
が許可されている。例えば昭和四〇年二月の民社党第七回大会に出席した国際社会
主義同盟代表、同年一二月の民社党第八回大会に出席したドイツ社会民主党代表、
昭和四三年三月の民社党第一〇回大会に参加したインド人民社会党代表、さらに本
年四月の民社党第一三回大会に参加しかつ演説したマレーシア民主行動党代表など
がその例である。
 加えて、本年夏に東京で開かれた世界反共大会への諸外国からの参加者の多くも
「観光客」の在留資格で入国しているもののようである。(何故なら、「観光客」
ではないとすれば、該当する在留資格は他に考えられないからである。)
 右のような政党ないし政治的組織の関係者、あるいは世界反共大会の参加の例で
はカストロの妹などの著名人の来日は、その入国前に来日が公に報道されるか少な
くとも入管当局を含む政府機関にはその情報が伝わつているのが通常であるから右
外国人の入国目的が、もつぱら前記大会等へ参加することにあることが明らかであ
るにもかかわらず、前記外国人に対し、入管当局が「観光客」としての入国を許可
してきたという事実は、入管当局が入管令四条一項四号の「観光客」の概念を抗告
人と同様あるいはそれ以上に広く解釈し運用していることの証左にほかならない。
 なお、ちなみに米軍の岩国基地における軍事法廷の弁護人としての活動のための
みに来日した米国人弁護士P1夫妻も「観光客」としての在留資格により入国して
いるし、在日米軍の軍人家族の本国との往復についても、ツーリストのためのマル
テイプル・エントリー・ビザが与えられて、「観光客」としての在留資格により入
国が許されている例がかなり多数存在している。
(三)、以上要するに、入管令にいう「観光客」という在留資格は、他の在留資格
が厳格かつ限定的なものであるため、それらに該当しない者を広く包含することが
期待されているのでもあるから、その意味内容は前述したごとく広く解釈さるべき
であり、抗告人が狭義の観光をしながら、自己の宗教的信念を中心とする反戦平和
の思想に基き平和的、合法的な表現活動を行い平和を訴えることは当然「観光客」
としての活動に含まれると言うべきである。
四、「在留資格が虚偽」であるということについて
 相手方は、抗告人は「……もつぱら反戦活動を行う目的で入国しようとするので
あるから「観光客」としての在留資格は虚偽である」と主張する。
(一)、しかしながら、そもそも「外国人といえどもわが国の法令を忠実に遵守す
るかぎり、その出入、滞留を自由に認めるを理想とし、ただ本来わが国の統制下に
ない外国人であるため、その統制に服せしめる必要上その出入、滞留につき一定の
手続制限を付したものと認むべきで」あつて(東京高裁昭和四四年一二月一日決
定、判例時報五七六号一六頁)、外国人の出入国等に関する手続、制限は技術的な
もので、外国人を、国民と本質的に異るものとしてその活動を制限しようとするも
のではないといわなければならない。
 従つて、入管令上の「在留資格」の制度も、右のような観点から解釈さるべきで
あつて、入管令が他に積極的に上陸拒否事由を規定していること(入管令五条参
照)に鑑みると、入管令四条一項に定める在留資格なるものは、その全てが厳格な
もので、限定的に解釈された各在留資格に該当しなければ(実質的には何ら入国を
拒否する理由はなくても)入国を許さないというような消極的入国拒否事由の如き
性質のものではなく、いわば入国しようとする外国人の分類ともいうべきものであ
り、入国目的に対応した在留期間を決定し(入管令四条二項同施行規則三条)、そ
れに応じた一定のコントロールをするための手がかりともいうべきものである(逆
に相手方の如く「在留資格の虚偽」を解することは、実質的には令五条にない上陸
拒否事由を勝手に設けることになるのである)。
 従つて、一定の証明書(四条三項参照)が要求され、あるいは長期の在留期間が
予定されている在留資格についてはともかく、少くとも短期の在留を予定してお
り、かつその定義自体不明確な「観光客」という在留資格は他の在留資格には該当
しない外国人を包含すべき在留資格として特に広く解釈さるべきである。
(二)、このように「在留資格」なるものは、外国人の入国目的によつて、その在
留期間、在留中のコントロールを区別するための技術的制度であるから、入管令七
条一項二号に規定する「在留資格が虚偽のもの」ではないとの入国要件も、右に述
べた「在留資格」制度の趣旨に照して解釈さるべきである。
 すなわち、「在留資格の虚偽」とは、在留資格制度の趣旨を没却させるような場
合を意味すると解釈すべきであつて、当該在留資格の活動を全く行う意思がなく
「他の在留資格に属する者の行うべき活動」を行う意図であるにもかかわらず、よ
り長期の在留期間を得るために、あるいは四条三項の証明書の所持の要件を潜脱す
るために、積極的に在留資格を偽わつた場合等を指すものといわなければならな
い。
 従つて、少なくとも、当該在留資格の活動を行う意思がある限り虚偽ということ
は問題とならないのである。
 ちなみに当該在留資格の活動にも含まれず、「他の在留資格に属する者の行うべ
き活動」にも含まれない活動があり、その活動を行う意思も併せ持つて入国しよう
とする外国人がいたとしても、それは他の在留資格の活動を行おうとするのではな
いから、在留資格制度の前記趣旨を否定するものではないし、入管当局としては当
該在留資格の外国人として分類把握し、在留期間を決定し、在留中のコントロール
をして、在留資格制度の目的を達することができるのであるから、そのような場合
に在留資格を「虚偽」としてその入国を拒否することはできないのである。
 これは、入管令二四条がその四号イにおいて、「当該在留資格以外の在留資格に
属する者の行うべき活動をもつぱら行つていると明らかに認められる」ことを、退
去強制事由として規定しており、単純に「当該在留資格に属する者の行うべき活動
以外の活動をもつぱら行つていると明らかに認められる者」とは規定していないこ
とに照しても首肯できるところである。(これに対し、昭和四四年三月第六一通常
国会に上程された出入国管理法案は、その二三条二項、二五条等において「他の在
留活動者が行うべき在留活動」を禁止するとともに、単なる「在留活動以外の活
動」については許可を受けることなく職業につき、あるいは報酬を受けることのみ
を禁止して、それ以外の単なる「在留活動以外の活動」は、現行入管令と同様に禁
止していないのである。)
(三)、以上要するに、入国しようとする外国人が、ある在留資格の活動を行う意
思を少くとも有しており、そのため、当該外国人を一定の在留資格を有するものと
して分類・把握できる限り、他の在留資格における活動以外の合法的活動を行うこ
とも自由なのであり、そのような自由である活動を併せ行うことを目的として入国
しようとする者に対し、それをもつて在留資格が虚偽であると云うことはできない
のである。
 従つて、仮に抗告人の反戦平和のための活動が、入管令上の「観光客」としての
活動に含まれないとしても、抗告人は狭義の観光の意思を明らかに有しているので
あるから、抗告人の「観光客」としての在留資格が虚偽であるとすることは許され
ない。
(四)、なお、相手方は、抗告人が「もつぱら」反戦活動を行う目的で入国しよう
としているのであるから、その観光としての在留資格は虚偽である旨主張するが、
抗告人の今回の入国目的は、真実狭義の観光にあるので、まずこの点で誤りである
のみならず、当該在留資格が虚偽であるかどうかを決するについて、「もつぱら、
他の活動を行う目的」であるかどうかを基準とした点についても誤りを犯すもので
ある。
 すなわち、「もつぱら」という基準は、それ自体極めて暖味な概念であるうえ
に、退去強制事由のような過去の行動に基づく判断についてならともかくとして、
その判断対象が本件の如く将来の活動に関する入国の許否の判断における基準であ
るということになると、その判断が恣意的になることは必至であり、その結果は入
国しようとする外国人の地位を著しく不安定ならしめることとなるから、それを
「在留資格が虚偽」か否かを決する基準とすることは許されないというべきであ
る。
(別紙)
       意 見 書
       意   見
抗告人の本件抗告を棄却する
抗告費用はすべて抗告人の負担とする
との裁判を求める。
       理   由
 抗告人の本件執行停止申立に対する相手方特別審理官(以下被抗告人という)の
意見は、原審における意見書記載のとおりであるが、抗告人の即時抗告に対し次の
とおり意見を追加する。
第一、被抗告人特別審理官の行なつた認定は行政処分ではないから、右認定の効力
の停止を求める抗告人の本件執行停止の申立は、不適法なものとして却下されるべ
きである。
 抗告人は、被抗告人特別審理官が口頭審理を行なつた結果、抗告人につき出入国
管理令(以下単に令という。)に定める上陸のための条件に適合していないと認定
した行為を行政処分であるとして、その執行停止を求め、原審の決定も、この点に
ついては、「本件申立ては、特別審理官のした上陸不許可処分の効力の停止を求め
るものである。」と判示しているが、特別審理官のした右認定行為は、行政処分で
はない。
 外国人が本邦に上陸しようとするときは、出入国港において、入国審査官に対し
書面で上陸の申請をして、その審査を受けなければならない(令六条二項、施行規
則四条)。入国審査官は、審査の結果、令七条一項各号に掲げる条件に適合してい
ると認定した場合には、当該外国人の所持する旅券に上陸許可の証印をすることに
よつて上陸を許可するのであるが(令九条一項)、当該外国人が令七条一項各号に
規定する上陸のための条件に適合していると認定することができず、したがつて右
の上陸許可の証印をしないときは、口頭審理を行なうため、当該外国人を特別審理
官に引き渡すこととされている(令九条四項)。引き渡しを受けた特別審理官は、
令一〇条の規定に基づき口頭審理を行なつた結果、当該外国人が令七条一項各号に
規定する上陸のための条件に適合していると認定したときは、所持する旅券に上陸
許可の証印をすることによつて上陸を許可するのであるが(令一〇条六項)、当該
外国人が令七条一項各号に規定する上陸のための条件に適合していないと認定した
ときは、当該外国人に対して理由を示してその旨を知らせるとともに法務大臣に異
議を申し出ることができる旨をも知らせるのである(令一〇条七項)。右の認定そ
のものは、特別審理官の判断行為ではあるが、これによつて、当該外国人に対し直
ちに退去が命ぜられるのではなく、したがつて上陸申請に対する不許可処分ではな
い。右の通知は、認定の内容を当該外国人に了知せしめ、令一一条一項に基づく法
務大臣に対する異議の申出をする機会を与えるためであり、さらに、右の異議の申
出も、上陸申請不許可処分に対する事後救済の手続としての不服申立てとは全く性
質を異にし、上陸申請に対する許否の処分の事前手続の一環として上級行政庁であ
る法務大臣の裁決すなわち、右の特別審理官の認定の是非についての判定を経ると
いう慎重な手続がとられるにすぎないと解すべきである。大陸法系に由来する訴願
に対する裁決というのは、処分を行なつた後の救済としての性質をもつものである
が、令に定める上陸審査手続における入国審査官及び特別審理官の認定ならびに法
務大臣の異議申出に対する裁決は、上陸許可の証印及び退去命令という上陸許可申
請に対する許否の処分を行なうまでの手続を慎重にするという考え方に基づくもの
であつて、これは英米法の行政手続法の思想によつているものである。要するに、
上陸許可の申請に対する処分は、上陸許可の証印ないしは退去命令によつてなされ
るものであり、かかる場合中間段階の行為である特別審理官の行なつた認定を行政
処分として出訴の対象とすることは誤りである。
 さらに、令における審査手続を行政不服審査法との関連において同法と対比させ
て考察するに、「外国人の出入国に関する処分」は行政不服審査法による不服申立
事項から除外されているところ(同法四条一項一一号参照)、同法四条二項は、
「……審査請求又は異議申立てをすることができない処分につき、別に法令で当該
処分の性質に応じた不服申立ての制度を設けることを妨げない。」と規定している
が、令上の上陸審査手続がここにいう特別の不服申立て制度に該当するであろう
か。行政不服審査法は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる
行為に関し、行政庁に対する不服申立ての途を開くことを主目的としており、処分
の事後救済の手続としての不服申立てのみを規定していて、令上の上陸審査手続に
おける特別審査官の認定についての令一一条一項に基づく法務大臣への「異議の申
出」のごとき、処分の事前手続の段階における不服申立は、同法にいう不服申立制
度に含まれないものと解すべきである。
 それ故にこそ、行政不服審査法の制定にあたり、右の令一一条一項に基づく法務
大臣に対する不服申立を、同法にいう事後的な異議申立と異なり、処分の事前手続
における不服であることを文辞上明らかにするために、同法の施行に伴う関係法律
の整理に関する法律(昭和三七年法律一六一号)によつて、令の一部改正がなさ
れ、それまで使用されていた「異議の申立」という用語を「異議の申出」という用
語に改められたのである。したがつて、もし、仮に抗告人の主張するように、特別
審理官の認定という行為が行政処分であり、令一一条一項に基づく法務大臣への異
議の申出なるものが行政不服審査法四条二項にいう特別の不服申立て制度であると
するならば、前記のとおり「異議申立」を「異議の申出」と改めた令改正の趣旨は
全く没却される結果となろう。
第二、抗告人は、上陸の申請をした者は、その許否いずれかの処分が確定する(争
い得ないものとなる)までは、本邦内の一定の地域にとどまることができると主張
し、また原決定も、この点につき「適法な上陸の申請に対してあらためて不許可処
分がなされ、又はさきにした不許可処分が有効なものとなるまではたとえ退去命令
書に記載された乗船等の予定日が経過した後においても、なお、当該外国人を不法
入国者として強制的に退去させることは許されないものと解する」と判示している
が、右は以下に述べる理由により、令の解釈を誤つたものといわざるを得ない。
 すなわち、上陸の手続に関する令の規定は、上陸申請について船舶または航空機
内で審査を受け、上陸の許可を受けた者のみが本邦に上陸することができることと
し、上陸意思の有無を問わず、上陸の許可を受けずに上陸すれば、不法上陸として
退去強制の対象となるのである。
 しかし、船舶を中心として規定されている令によれば、本来航空機内で上陸につ
いての審査を行なうのが建前とされているにかかわらず、機内が入管、税関、検疫
等の審査を行なう場所として不適当であり、居住性に乏しい等のため、上陸申請者
を審査前に降機させ、ターミナルビル内に設置された審査場所において審査を行な
うこととしているが、このような審査の方式は、国際慣行として確立されており、
わが国においても慣行となつているのである。
 したがつて、上陸を申請する外国人が、当該航空機から降機し、指定された通路
を通り、ターミナルビル内の審査場に到着して審査を受け、上陸に関する審査の手
続が完了し、上陸が許可され、または退去を命ぜられるまでは、事実上当該外国人
が本邦内の陸上にあるとしても、叙上の慣行のよつて来たる所以よりみて、その物
理的状態のみをとらえて、これを不法上陸であるとすることは不合理であり、この
間の上陸は令にいう不法上陸でないことはいうまでもない。
 本件について考察するに、抗告人は昭和四五年一〇月三〇日日本航空第九〇六便
にて沖縄より羽田空港に到着して降機し、指定された通路を経て審査場に至り、上
陸の審査を受け、結局退去を命ぜられたものであるが、退去命令書の交付を受ける
までの間は、不法上陸ではないのである。
 また、抗告人のように、法務大臣への異議の申出についての裁決を経て上陸の許
否の決せられる場合は、若干の日時を要し、その間就寝、給食等の施設のない審査
場にとどめて置くことは人道上も不適当であるので、いわば審査場の範囲をその最
至近距離内にある特定されたホテルまで拡張して、当該ホテルに止宿せしめること
も慣行となつているのであつて、上陸審査手続が完了するまでの間、事実上上陸し
ていても、特定されたホテル内にとどまる限り、それは上陸審査手続のため止むを
得ないものであるから、前述のとおり、不法上陸ではないのである。
 しかし、外国人が退去命令書の交付を受け、本邦からの退去を令ぜられたとき
は、すなわち、上陸審査手続が完了したのであるから、じ後は、叙上の必要性から
行なわれている慣行が働く余地は全くないのであつて、当該外国人は、上陸の許可
を受けないで本邦に上陸しているものとして、令二四条二号に規定する不法上陸に
該当するに至るものである。仮りに当該外国人が退去命令(上陸不許可処分)につ
いて裁判上争つていても、退去命令がなされ上陸審査手続が完了した以上、右の慣
行の働く余地もなく、不法上陸でなくなるものではない。
 このことは、令一三条の規定による仮上陸の許可の場合を考えれば、より明瞭で
あつて、同条は、主任審査官が上陸の手続中において特に必要があると認める場合
(実際には前述の慣行により難い特殊の事情のある場合等)には、その手続が完了
するまでの間当該外国人に対し住居、行動範囲の制限等必要と認める条件を付して
仮上陸を許可することができるものとしているのであるが、退去命令書の交付を受
けた時は、右の上陸の手続が完了したのであるから、右の仮上陸許可は当然に失効
し、じ後当該外国人は、上陸の許可を受けないで本邦に上陸しているものとなり、
不法上陸を事由として退去強制の手続を受けることとなるのである。そして、令一
三条にいう手続が完了するときまでとは、入管当局による審査手続の完了するとき
までをいうものであることは明白であつて、たとえ、上陸不許可の処分に対して訴
訟をもつて争つていても、右にいう手続が完了していることには変りがないわけで
あるが、この関係は、前述の慣行上不法上陸とされない場合の終期についても同様
であつて、入管当局による審査手続の完了するまでと解すべきが相当である。
 ただし、退去命令書を受領して直ちに出国(退去)することは、事実上不可能で
あるため、同命令書に乗船予定日を記載して、当該予定日までに出国することを指
示し、右予定日に至る期間(出国準備期間)内は、不法上陸について実際に退去強
制の手続を開始することはしないのであるが、乗船予定日をこえたのちは、不法上
陸を事由とする令五章に規定する退去強制の手続が開始されるのである。
 ところで、抗告人は、羽田入国管理事務所主任審査官より昭和四五年一一月四日
退去命令書を交付されたのであるから、令二四条二項に該当しているものであり、
退去命令書によつて示された出国予定日である一一月五日をこえたのちは、令五章
に定める退去強制の手続を実際に受けることとなつてもいたしかたないのである。
第三、抗告人は、観光目的の外国人に対して数次往復査証が与えられた場合には、
観光客としての在留資格を有する外国人は長期間の間に何回でもわが国への入国が
でき、結局は相当長期にわたつてわが国に在留できる資格が与えられている旨主張
する。
 しかし、元来査証は、一般には領事が、自国に入国を希望する外国人につき、そ
の所持する旅券の有効性と旅券の名義人の人定事項を確認し、当該外国人の自国へ
の入国がその付与する査証に記される条件下において適当であると認定した判断の
表示であると解されているのであるが、米国人に四八か月間有効の数次入国査証を
与えることとしたのは、日米両国政府の取極により、同一目的により入国する場合
に、その入国の都度査証を申請して発給を受ける煩●な手続を相互に免除する待遇
を両国民に与えることとしたものであつて、決して、抗告人がいうように、長期に
わたつてわが国に在留できる資格が与えられるのではない。
 また、数次入国査証を取得している外国人であつても、現実に本邦に上陸する場
合には、令に基づく個別的な上陸の審査を受けるべきものであることはいうまでも
ないところであり、入国査証を受けているからといつて、上陸審査を免れることが
できるわけのものでないことはもちろんである。
 そして本件における被抗告人特別審理官の上陸審査における認定の適法、違法
が、抗告人の上陸申請が令七条所定の上陸のための条件に適合しているか否かによ
つて判断されるのであるが、この場合に抗告人が数次入国査証を有しているかどう
かは、上陸のための要件とは何等関係のないものというべきである。原決定は、こ
の点に関し、抗告人が過去においてすでに観光客の在留資格により一二〇日間在留
していた間の行動および本件上陸申請に際しての口頭審理における抗告人の供述か
らみて、抗告人の観光客なる在留資格が虚偽のものでないとは認められないとし
て、被抗告人の認定を違法ではないと判断したのであつて、この点に関する抗告人
の主張は、明らかに理由がない。
第四、抗告人は、令四条一項四号にいう観光客について、観光のなかには抗告人の
行なつた、あるいは行なおうとしている反戦活動も含まれるという趣旨の主張をし
ているが、それは誤りである。
 在留資格とは、外国人が本邦に在留するに必要な法的地位をいい、外国人は令四
条に定めるそれぞれの在留資格において本邦に在留するということがわが国の出入
国管理制度の根幹をなしているものである。すなわち、令四条に規定する各種の在
留資格と、それに対応して同令施行規則三条に定める在留期間を付与されることに
よつて、当該外国人は、本邦に上陸し、在留することができるのであるが、法定の
在留資格のいずれにも該当しない外国人は、わが国への入国を禁止されているので
ある(令四条一項)。
 しかして、令四条一項四号にいう観光客の「観光」とは、原決定が述べているよ
うに、必らずしもその文辞どおり名所、旧跡、景観等の見物に限定すべきでなく、
これら見物に類するものも含まれるが、それは、短期間の娯楽、休養、宗教的巡礼
等に限られるのであり(収益活動を目的とする場合は当然に除かれる。)、「観
光」の概念をゆるやかに解釈するとしても自ら限度のあることは、前述のわが国の
出入国管理制度の根幹として採つている在留資格制度の趣旨からも当然であつて、
もつぱらまたは主として反戦活動を行なう場合のごときは、これを容れる余地が全
くないのである。
 右の「観光客」が、いわゆる短期滞在者と同義ではないことは、その文言からも
明らかであるのみならず、「特定の在留資格及び在留期間を定める省令」(昭和二
七年外務省令一四号)において、令四条一項五号、一〇号、一一号、一二号または
一五号に該当する者のうち短期間本邦に在留しようとする者については、令四条一
項一六号「特定の在留資格及び在留期間を定める省令」一項一号に該当する在留資
格(いわゆる四-一-一六-一在留期間一八〇日)を付与するものとして、これら
の在留資格を令四条一項四号の観光客とは別の在留資格として設定していること、
また、いわゆる収益を目的としない一時的入国者であり、かつ、音楽、美術、文
学、科学その他の芸術上または学術上の活動を行なおうとするものについてさえ、
令四条一項八号の在留資格(在留期間一年)を付与することとされているのであ
り、さらに、宗教上の活動を行なうために外国の宗教団体により本邦に派遣される
ものについても、令四条一項一〇号の在留資格(在留期間三年または一八〇日)を
付与することとされていることを考えれば、抗告人のいうごとく、『入管令にいう
「観光」とは、広く人々との全人格的交流を意味するものとして解釈すべきであ
る』とするがごときは、全く誤つた見解であることはさらに明白となる。
 したがつて、令にいう観光客について、辞典や国際的な慣用語としてのTEMP
ORARY VISITORの意義を引用して、これを「観光客」の定義とするこ
とは、実定法規を無視した全く的はずれの議論である。抗告人の主張する観光客の
概念は、欧州等における入国者を区分する概念としての「非居住者」または「TE
MPORARY VISITOR」の概念と混同しているというほかはない。
 ちなみに、わが国の在留資格による管理と類似した在留管理制度をとつている抗
告人の本国である米国の移民および帰化法において、令にいう観光客に対比される
在留資格としての「遊楽のための一時訪問者」(TEMPORARY VISIT
OR FOR PLEASURE)の意義については、観光(TOURIST)ま
たは娯楽、健康の増進、休養、近親訪問もしくは教育(ただし、学生、教師または
訓練者の範疇に属する外国人を除く)等の合法的な目的を有するものとされている
のである(米国務省査証規則)。
第五、抗告人は、前回在留中、東京、京都、広島、宮崎、大阪、福岡、博多、鎌倉
等の観光地をめぐつていわゆる観光旅行をした旨主張するが、抗告人が、昭和四五
年七月二日羽田空港より入国し、同年一〇月二四日鹿児島港より沖縄に向け出国す
るまでの間の抗告人の行動は次のとおりである。
一、抗告人は、昭和四五年七月二日羽田空港より入国後、同月二四日 広島県岩国
市<以下略>に居所を設けるまでの間の抗告人の行動の詳細は、不明であるが、抗
告人が同年八月一九日東京入国管理事務所に提出した在留期間更新許可申請書添付
の質問書の記載によれば、抗告人は同年七月二日より同月二〇日までの間は東京都
内に居住していた旨を述べている。
二、抗告人が昭和四五年七月二四日前記○○アパートに入居した後の行動は、次の
とおりである。
1、同年七月二四日米軍海兵隊岩国航空基地正門前より約四〇〇米の路上通称四コ
ーナーにおいてASU(米兵士組合)の機関紙SEMPER FIを米兵に配布し
た。
2、同年七月二五日前記四コーナーにおいて、センパー・フアイ一二号およびビラ
を米兵に配布し、また同日行われた宮島ラブインデーに参加した。
3、同年七月二八日には、同月二七日に岩国警察署に逮捕されたASUのメンバー
である米海兵隊岩国航空基地司令部中隊所属海軍三等兵曹P2および同海兵隊兵長
P3両名の大麻不法所持容疑事件について、べ平連、ASUの人達とともに「この
事件はASUを弾圧するため、米軍将校と日本警察のデツチあげである」と称して
抗議運動を起し、前記四コーナー附近でビラを配付したうえ、岩国警察署に赴き、
右容疑者両名に面会、差入れおよび激励などを行なつた。
4、同年七月三一日、八月三日、五日、六日および七日にも岩国警察署に赴き、右
容疑者らに面会した。
5、同年八月一日には、ベ平連に属する広島大学学生らとともに、前記四コーナー
においてセンパー・フアイを配布し、八月三日には、同所でベ平連所属の者ととも
に、反戦紙「WE GOT THE BRASS NO 4」及び「ABOUT 
BEHEIREN」を配布した。
 なお同日前記森田アパートから岩国市<以下略>に転居した。
6、同年八月六日 広島市平和公園内原爆資料館前広場において行なわれた反戦統
一集会において、広大全共斗、徳島青年反戦等の演説に続いて、通訳を通じて、
「G・Iの反戦運動は弱まつている。これは反戦G・Iという理由で弾圧を加え、
除隊させ、転属させ追い出しているためである。現在ミリタリーは、日本警察と一
諸になつて、G・Iの反戦運動を阻止しており、センパー・フアイを発行すること
さえむずかしくなつている。二週間前二人の反戦G・Iが突然列車内で逮捕され警
察に留置されたが、マリフアナを所持していたというのはでつちあげである。明日
岩国で集会が行なわれるが、これを機会に二人のG・Iを救出するためセンセイシ
ヨンを巻き起してほしい」旨演説した後、同日平和公園より広島入国管理事務所ま
で「入管粉砕」「日帝のアジア侵略粉砕」をスローガンとして行なわれた示威行進
に参加した。
7、同年八月一一日、一三日、および一四日には前記四コーナーで反戦紙ウイ ゴ
ツト ザ ブラス・一四号、センパー・フアイ一二号などを配布した。
8、同年八月一五日岩国を出発して東京に向い、同月二三日、二四日の両日法政大
学において開催されたアジア婦人大会(テーマ「公害と反戦について」)に参加し
た。
 なお、同月一九日には、東京入国管理事務所において、在留期間更新許可申請を
行ない、同月二〇日には、東京都新宿区役所において新宿区<以下略>を居住地と
して外国人登録を行なつたが、右居住地の地番は、ベ平連事務所およびPOS日本
事務所と同一のものである。
9、同年八月二七日岩国に到着し、同日前記四コーナー附近で通行中の米兵に反戦
を呼びかけた。
10、同年九月一日、三日および五日には前記四コーナー附近において、センパ
ー・フアイ一二号および一三号を米兵に配付するとともに、「軍隊に不満はない
か、弾圧をうけていないか、私はあなたたちを支援するためPOSより派遣されて
来た」などと話しかけ、兵士が反応を示すと、前記高木アパートに連絡するように
誘いかけていた。
11、同年九月八日、福岡市に赴き、九州大学工学部倉田研究室において、ベ平連
に属する学生らと懇談し、その際「八月二七日ごろ東京MOOOYから板付で一人
とれたので、引継ぎをしてほしい旨要請があり、そのG・I工作のため接触の連絡
をしてほしい」旨依頼し、福岡ベ平連はその旨を米軍兵士に連絡し、同日抗告人
は、米軍板付基地内で接触した。
12、同年九月一二日、一三日、一五日、二〇日、二一日、二二日、二四日、二五
日および二六日の九日間にわたつて、前記四コーナー附近でセンパー・フアイ一三
号、同一四号およびウイ ゴツト ザ ブラス三号、四号などを米軍兵士らに配付
した。
13、同年九月二七日前記高木アパートにおいて毎日新聞およびラジオ中国の記者
と会見し、反戦活動の趣旨などを発表し、翌二八日にも岩国市内の食堂で右記者と
会見した。
 なお、九月二八日付毎日新聞および二九日付中国新聞には、反戦女性工作員とし
てそれぞれ報道された。
14、同年九月三〇日、前記四コーナーにおいてセンパー・フアイ一三号を米軍兵
士などに配布した。
15、同年一〇月二日佐世保市に赴き、佐世保ベ平連関係者と行動をともにし、同
月三日同市平瀬町附近において、米軍佐世保基地および米軍住宅に向けて携帯マイ
ク安保粉砕および反戦を呼びかけ、また同市内外人バー街において反戦機関紙ヤン
ドを米軍兵士に配布した。
16、同年一〇月四日佐世保市より福岡市に赴き、米軍白木原基地内において、反
戦米軍兵士と面会したのち、九大工学部倉田研究室において福岡ベ平連の者と会合
した。
17、同年一〇月六日前記四コーナーにおいて、岩国基地内で発生した暴動事件の
軍事裁判に関するビラを配付した。
18、同年一〇月八日岩国基地北門において、広島ベ平連関係者とともに反戦放送
を行ない、また国鉄岩国駅前で軍事裁判に関するビラを配布した。
19、同年一〇月九日岩国基地内において行なわれた軍事裁判を傍聴した。
20、同年一〇月一〇日国鉄岩国駅前で行なわれた岩国、広島ベ平連主催の「岩国
反戦兵士支援岩国基地を解体する」集会において、「佐藤政権およびニクソン政権
は、軍事力でアジアを弾圧しようとしている。岩国基地は日米の安保条約によりア
ジア侵略の最前線になつている。安保条約をなくし、岩国基地を撤去しなければ、
アジアの平和はない。」旨演説した後、反戦米兵支援示威行進に参加し、「IWA
KUNI BASE PREPARES FOR WAR」と書いた横幕をかかげ
て、岩国基地北門まで行進した。
21、同年一〇月二二日福岡市に赴き、同年二四日鹿児島港より沖縄向け出国し
た。
三、以上のとおり、抗告人が、前回在留中わが国において、もつぱら反戦活動に従
事していたことは明らかであるといわなければならない。

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