弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人堤敏恭の上告理由第一点について。
 原審の確定したところによれば、先ず、本件農地がもと被上告人所有のいわゆる
刈分地一町二畝二一歩の一部であり、昭和二二年三月頃被上告人と原判示の訴外D
ら六名の者との間で、右刈分地全部について従来右六名の者が行なつてきたいわゆ
る刈分耕作をすべてやめ、右刈分地のうち約四割に当たる四反五畝六歩を被上告人
(地主)の自作地とし、約六割に当たる五反七畝一五歩を右六名の者の小作地とし
て、それぞれ耕作する旨の合意が成立し、その頃から右合意に基づき耕作形態およ
び耕作者の変更がなされ、本件農地が右刈分地の約六割に当たる五反七畝一五歩で
あるというのである。そして、原審はさらに、右地主たる被上告人と前記六名の者
との間における前記の耕作形態および耕作者の変更に関する合意は、本件刈分地に
おける従来の収穫物の分割の割合(四割、六割)に応じてそれぞれ右土地を分けて
耕作するためになされたものであること、および右六名の者が右合意成立後本件農
地につき従来の刈分耕作をやめ小作地として従前どおり耕作してきたことを認定し
た上、右刈分地につき実際に耕作の業務に従事しているのは、作人であつて地主で
はなく、地主と作人の関係はあたかも請負ないし雇傭に類する無名の身分的な契約
関係にあるものと解することができるから、右刈分地は結局において自作農創設特
別措置法(以下単に自創法という。)二条二項所定の小作地というよりも、むしろ
同法三条五項二号所定の自作地に該当するものと解するのが相当であると判示し、
また、右刈分地ないし本件農地についてみるに、右刈分地の耕作形態および耕作者
の変更に関する前記合意に基づき右刈分地の約四割に当たる四反五畝六歩を被上告
人の自作地とし、約六割に当たる五反七畝一五歩の本件農地については、これを作
人たる前記六名の者の小作地とし同人らにおいて従前どおり耕作してきたのである
から、すくなくとも本件農地に関するかぎり、右六名の者は右刈分地について自創
法に定める基準時以後耕作の業務をやめたということはできない旨を判示している。
右原審の認定、判断は、挙示の証拠関係に照らしこれを是認できる。それ故、所論
は、原審の裁量に属する証拠の取捨、判断、事実の認定を非難し、これを前提とし
て原判決の違法をいうに帰するものであつて、採るを得ない。
 同第二点、第三点について。
 原審の事実認定がその挙示の証拠に照らし是認し得ることは、論旨第一点に対す
る前記説示において述べたとおりである。そして、右事実関係の下においては、本
件農地は、その耕作形態および耕作者に、前記のような変更がなされたとしても、
右農地を一団として見た場合には、その変更の前後において自創法六条の四にいわ
ゆる耕作の業務をやめたものには該当しないと解するのが正当である。しからば本
件農地は、自創法六条の二、三条一項二号、六条の四に則り遡及買収することはで
きないものというべきであつて、右と同趣旨に出た原判示は正当である。それ故、
所論の違法は認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛