弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人庭山四郎の上告趣意第一点について。
 所論は、判例違反をいうところがあるが、該当判例を具体的に指摘していないか
ら、不適法であり、その余は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当
らない(所論は、原判決には財産犯罪における事后の領得行為を犯罪視した違法が
あるというが、所論原判示は、所論融通手形を所論のようにAから騙取したとする
趣旨を含むとしても、本件被害者たるBに対して、これを支払の確実な商業手形の
ように申し向けて交付する等、新たな欺罔手段を講ずることによつて、右割引名下
に金員を騙取したものと判断、説示しているのであり、右判断は記録により肯認す
るに十分であるから、何ら所論のような違法の点は存しない。)。
 同第二点は、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由に当らない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和三七年四月一一日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助

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