弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原決定を取消す。
     本件を広島地方裁判所尾道支部へ差戻す。
         理    由
 本件抗告の趣旨及び理由は、別紙記載のとおりである。
 記録によると、広島県中央信用組合はAに対する別紙添付の物件目録記載の各土
地(以下「本件各土地」という。)に対する根抵当権(債務者広畑家具有限会社昭
和五一年一〇月一五日設定、同月一六日受付第一三九六七号による同設定登記)に
基づき、被担保債権二五六六万五〇〇〇円(但し損害金を除く。)について担保権
の実行としての競売を申立て、昭和五六年五月二六日広島地方裁判所尾道支部にお
いて本件各土地に対し不動産競売開始決定(同月二七日各差押登記)がなされたこ
と、右担保権に優先する根抵当権が別紙根抵当権一覧表のとおり登記簿上存在し、
その届出債権は同表に記載のとおりであるほか、広島県信用保証協会が昭和五〇年
四月二八日受付第五五八八号根抵当権を除くその余の根抵当権について、届出をし
た債権は合計して三一二九万六五一二円(但し元本額のみ。)であることが認めら
れる。
 これによると同一覧表番号1、20、31、38、37、50、56、57、6
0、61の土地については広島県中央信用組合の届出債権一六五〇万円が、その余
の土地については広島県信用保証協会の届出債権三一二九万六五一二円が優先債権
であることは明らかである。
 しかして、前記開始決定にかかる競売手続において、期日入札の公告に公示され
た最低売却価額は、別紙目録番号45の土地(地目田、現況原野)が六万六〇〇〇
円とされ、その余の各土地(番号1は地目山林、その他は地目畑で現況いずれも原
野)については、一括競売に付された結果全体として一〇八九万八〇〇〇円とされ
ていたことが明らかである。
 そうすると、右最低売却価額をもつて、前記優先債権を弁済して剰余を生ずる見
込みのないことは明白であるから、執行裁判所は民事執行法一八八条、六三条によ
りその旨を右申立債権者に通知する手続をとらねばならなかつたものである。な
お、前記一六五〇万円の優先債権の権利者と本件競売申立債権者とは同一である
が、この点は同業六三条の適用の有無を判断するに当つて考慮するを要しないもの
と解するのが相当である。
 <要旨>しかしながら、民事執行法一八八条の準用する同法六三条は優先債権者の
保護を目的とした規定であるから、同条に定める手続が行なわれないまま競
売手続が進行し、売却許可決定に至つたとき、これによつて権利を害されるのは優
先債権者であり、所有者、債務者は何らその権利を害されるものではない。そして
同法七四条一項によれば、売却許可決定に対しては同決定により自己の権利が害さ
れることを主張するときに限り執行抗告をすることができるのであるから、六三条
違反を看過した売却許可決定に対し所有者、債務者がそれを理由に執行抗告をする
ことは許されないと解するのが相当であり、従つて優先債権者からの不服申立がな
いのに六三条違反を理由に売却許可決定を取消すことはできないというべきであ
る。
 してみれば原審が債務者のした執行抗告の当否を判断するに当り、職権で民事執
行法六三条違反の点を取上げ、売却許可決定を取消したのは違法といわなければな
らない。
 よつて同取消決定に対する本件執行抗告は結局理由があるというべきであるか
ら、同決定を取消して本件を原裁判所へ差戻すこととし、主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官 福間佐昭 裁判官 大西浅雄 裁判官 中村行雄)
別 紙
<記載内容は末尾1添付><記載内容は末尾2添付>

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛