弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人箕山保男の上告趣意(後記)第一点について。
 記録を調べると、証人Aの第一審第八回公判期日における供述内容が、同人の検
察官に対する供述調書中の供述と実質的に異るものであることは、明白といわなけ
ればならない。また、第一審第一二回公判期日において、右Aの検察官に対する供
述調書の証拠調が行われた後、箕山弁護人からこれに対し異議の申立があつたが、
裁判官は右異議申立は却下する旨を告げたうえ、反証の取調の請求その他の方法に
よつて証拠の証明力を争うことができる旨を告げている(一五九丁以下)にかかわ
らず、被告人側からA証人の再尋問請求はなされた形跡もないのである。従つて右
供述調書に対して、「被告人が全く右A証人に対して反対訊問を為す機会が十分与
へられなかつた」というのは、何ら根拠がない(同証人が第八回公判期日において
取調を受けた際、被告人側が十分反対尋問の機会を与えられていることは、いうま
でもない)。そしてまた、刑訴三二一条一項二号但書にいう「公判期日における供
述よりも前の供述を信用すべき特別の情況」の有無は、結局事実審裁判所の合理的
な裁量にまかされているものと解すべきことは、当裁判所のくりかえし判例とする
ところである(昭和二六年(あ)第一一一一号同年一一月一五日第一小法廷判決、
集五巻一二号二三九三頁参照)。
 従つて、所論違憲の主張は、すべてその前提を欠くものであつて、採用できない。
 同第二点について。
 記録を調べても、所論各供述調書中の被告人の自白が、強制、脅迫によるもので
あり、又は任意にされたものでない疑があるものとは認められない。(所論引用の
第二小法廷判例〔集六巻三号三八七頁〕は、検事に対する被告人の自白が、その一
両日前警察署における刑事の取調の際に長時間に亘る肉体的苦痛を伴う尋問の結果
した自白を反覆しているに過ぎないのではないかとの疑が記録上極めて濃厚であつ
た事例についてのものであつて、本件とはまつたく場合がちがうのである。)
従つて、所論違憲の主張は、その前提を欠き採りえない。
 同第三点について。
 所論は違憲をいうけれども、その実質は単なる刑訴法違反の主張にすきず、刑訴
四〇五条所定の上告理由にあたらない。
 同第四点について。
 所論は事実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
 また記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。
 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和二九年五月一一日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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