弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は、上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人阿保浅次郎の上告理由第一点及び第三点について。
 B1宗管長Dが被上告人B2をE寺住職に任命した昭和二三年一二月一五日当時
施行されていた宗教法人令(昭和二〇年勅令七一九号)によれば、法人たる仏教宗
派は、宗派の規則中に所属寺院に関する事項を記載することを要し(同令二条二項
六号)、また法人たる寺院は、寺院の規則中に所属宗派を記載し、その規則は所属
宗派の主管者の承認を受けることを要し(同令三条二項三号三項、)さらに寺院が
寺院規則の変更等一定の行為をしようとするときは、所属宗派の主管者の承認を受
けることを要する(同令六条一一条一二条)等規定されており、宗派も寺院も共に
別個の法人ではあるが、宗派はこれに所属する寺院を包括する関係にあつて、一定
の事項については寺院を監督することが窺われるので、宗派の規則は宗派に所属す
る寺院にも適用され、寺院はこれに従う義務があるものといわなければならない。
従つて、寺院の檀信徒もまた当該寺院の所属する宗派の規則に服すべきは当然であ
る。
 本件において、B1宗宗則一八号六条は、「一般寺院の住職が欠けた場合には、
代務者があればその代務者が住職候補者一人を選定し干与人及び総代の同意を得て、
代務者もなければ干与人が住職候補者一人を選定し総代の同意を得て、住職が欠け
た日から九十日以内に管長の承認を申請しなければならない」と規定し、同九条は、
「住職が欠けた日から九十日以内に、住職候補者を選定しないときは、管長は宗務
所長に事実を調査させた上で住職を任命することができる」と規定しているのであ
つて、これらの規定からみれば、B1宗宗則一八号は、本件E寺住職の任命につい
て適用されることが明らかであるから、この点に関する原判決の判断は正当であり、
原判決には所論のように争点の判断を遺脱した違法もなく、宗教法人の性質を誤解
したところもない。されば、所論の違憲違法はない。
 同第二点及び第五点並びに上告人らの上告理由第六点について。
 上告人らの主張するところは、自己が徳行を欠くものとして信服することのでき
ない僧侶を住職とし、これから儀式の執行、教義の宣布を受けることとなれば、信
仰生活は破壊され、檀信徒の信仰の自由は奪われるので、E寺の檀信徒総代の意思
を無視して信任できない被上告人B2を同寺の住職に任命したのは、憲法違反であ
るというに帰する。しかしながら、憲法二〇条が同一九条と相まつて保障する信教
の自由は、何人も自己の欲するところに従い、特定の宗教を信じ又は信じない自由
を有し、この自由は国家その他の権力によつて不当に侵されないということであつ
て、本件の場合のように管長が宗則に従つて住職を任命したことを所論の理由で排
除し得る権能までをも檀信徒に与えたものと解することはできない。されば、原判
決の判断は結局正当であつて所論の違憲はない。
 上告代理人阿保浅次郎及び上告人らのその他の上告理由は、「最高裁判所におけ
る民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)
一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要
な主張を含む」ものと認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    谷   村   唯 一 郎
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    池   田       克

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛