弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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     主    文
   原判決を破棄する。
   被告人を懲役6年に処する。
   原審における未決勾留日数中170日を上記刑に算入する。
   原審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理    由
 本件控訴の趣意は弁護人井上計雄(主任)及び同富阪毅共同作成の控訴趣意書
に,これに対する答弁は検察官岡本誠二作成の答弁書に,それぞれ記載されたとお
りであるから,これらを引用する。
第1 控訴趣意中,事実誤認の主張について
 論旨は,要するに,殺人罪を認定した原判決の論理は,あくまでも推論に基づく
ものにすぎず,その認定には合理的な疑いを容れる余地があるから,原判決には判
決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認がある,というのである。
 そこで,所論にかんがみ,記録を調査し,当審における事実取調べの結果もあわ
せて検討する。
 1 原判決の事実認定について
 原判決は,被告人の自白を除く関係証拠から認められる各事実によれば,被害者
は,本件マンション非常階段の7階と8階との中間にある踊り場(以下「本件踊り
場」という。)の防壁を乗り越えて落下し,貯水槽上部を経て1階通路に激突し死
亡するに至ったものと認められるとしたうえで,まず,被害者の転落が被告人の行
為によるものか否かについて検討し,①被害者の身長は約140センチメートルで
あるのに対し,本件踊り場の防壁(以下「本件防壁」という。)の高さは110セ
ンチメートルであり,さらに,同女はある程度酩酊状態であったことに照らすと,
同女が自力で本件防壁を乗り越えることは相当困難であったとみられること,②被
害者の着用していたトレーナー及びズボンの構成繊維と同じものが本件防壁の上面
及び外面に付着して
おり,同女のトレーナー等は,その構成繊維が付着する程度の力で本件防壁の上面
等に当てられたものと見られること,また,被害者の腹部には皮下出血が,左右下
腿前面には表皮剥脱があり,これらは同女の腹部等が本件防壁に圧迫,擦過して生
じる可能性があること,これらによれば,被害者は転落前に腹部等が本件防壁に圧
迫等する形で上半身が非常階段外に出るような状況になっていたとみられるが,こ
のような状況は同女の後方で何者かが同女の体を支え持っていなければ困難である
とみられること,③被告人と被害者は,本件直前に同女方居室において口論となっ
ており,被害者は裸足で同女方居室を出たこと,同女方玄関には硬貨が散らばり,
非常階段の5階と6階の中間踊り場から1段目の階段にも100円玉1枚が落ちて
いたところ,被告人
はズボンのポケットに小銭を入れる癖があり,当日着用していたズボンはぴっちり
していたものではなく,人と揉み合いになれば容易にポケットの中の小銭がこぼれ
落ちる可能性があったこと,被害者は非常階段の最上階の8階で髪留めを落として
いることによれば,本件直前に被告人と被害者は,同女方玄関付近及び非常階段8
階付近で揉み合いとなったことがあったとみられること,④本件転落後,1階ラー
メン店の店長が倒れている被害者を発見し110番通報しているわずかのすきに,
被告人は同女のもとに駆け付けており,同女が転落した際被告人はこれを認識しう
る状況下にあったとみられること,⑤本件直後に被告人の両手背部には擦過傷が存
在したが,被告人の両手背部が本件防壁に触れた場合,このような傷が形成される
可能性があるとみら
れること,の諸事情を併せ考えると,被害者が自力で本件防壁を乗り越えて転落し
たとは考えられず,被告人が同女を背後から支えて,同女の腹部及び左右下腿前面
が本件防壁上面及び外面に圧迫する形で,上半身が非常階段外に出るように本件防
壁を乗り越えさせ,その後同女が同所から転落し死亡するに至ったものと認められ
る旨判断している(8頁から9頁)。
 確かに,公訴事実が認められるか否かの判断に当たっては,自白を除いた証拠に
よってどのような間接事実が認定でき,あるいはできないかを十分検討したうえ
で,最終的に自白の信用性を判断する手法が望ましいと考えられる。
 しかしながら,①上記の被害者の身長と本件防壁の高さとの関係から推測する
と,所論が指摘するとおり,その上面は同女の脇の下あたりに位置すると考えられ
るところ,同女が当時中等度の酩酊状態にあったことを考慮しても,本件マンショ
ン5階の自室を出て非常階段を8階まで上がり,さらに本件踊り場まで降りている
こと,当時非常に興奮した状態にあったとみられることなどに照らせば,同女が跳
び上がるなどして自力で本件防壁によじ登った後これを乗り越えた可能性も,被告
人の自白を除く関係証拠から直ちには否定できないこと,②被害者の腹部の皮下出
血は,所論が指摘するとおり,同女が自力で本件防壁の上にその腹部を乗せた場合
にも十分に生じ得ると考えられるうえ,その左右下腿前面の表皮剥脱についても,
何者かが本件防壁から
大きく身を乗り出した同女の体を支え持った後に同女が落下したという場合に生じ
やすいとは考えられるが,同女が単独で本件防壁から大きく身を乗り出した後に落
下したという場合にそのような傷害が発生することが全く考えられないではないこ
と,③上記の硬貨や髪留めの散乱状況からは,被害者方玄関付近で揉み合いがあっ
たこと,非常階段の5階と6階の中間踊り場付近まで被告人が赴いたこと,8階付
近まで被害者が上がったことが推認され得るとしても,同女と被告人とが8階付近
で揉み合いになったことまで推認するのは困難というべきであること,④被告人は
被害者の転落から約3分程の間に現場に駆け付けているところ,転落の際には本件
マンション6階でテレビを見ていた住人でさえも気付くようなドスンという音がし
たのであるから,被
告人が5階の同女方付近などでこれを聞いてあわてて1階の通路まで駆け付けたと
いう可能性も十分に考えられること,⑤所論指摘のとおり,被告人は本件の前日に
2か所のマンションで,水銀灯のランプの球と安定器の取替え及び照明器具の調整
の仕事に従事していたのであるから,その際に両手背部に擦過傷を負ったという可
能性も考えられるし,被害者方玄関付近や非常階段などで同女と揉み合った際に,
被告人の両手背部が周囲の壁に触れるなどして擦過傷が生じた可能性も否定できな
い。以上要するに,被告人の自白を除く関係証拠から,なるほど原判決が認定する
ような上記各事実は認められるが,これらの各事実のみに基づき,原判決が説示す
るような推論を重ね,被害者の転落が被告人の行為によるものであると直截に推認
することには若干無
理があるといわざるを得ず,原判決のこの点に関する認定説示は全面的には是認で
きない。
 2 被告人が被害者を転落させたことについて
 そこで,上記の事実認定及びこれらの事実から推認される判断を踏まえ,なおか
つ被告人の供述をも総合して,被告人が被害者を転落させたか否かにつき検討する
と,被告人は,本件当日の午後8時ころに通常逮捕されて以降捜査段階においては
一貫して,故意に被害者を転落させた旨供述していたところ,原審の第1回公判期
日における罪状認否においても,公訴事実のうち殺意の点と故意に両手を離した点
とを否認する以外は,犯行に至る経緯を含め,被告人が本件踊り場で両手で被害者
の下腹部付近,さらには腰部付近を抱いて持ち上げ,同女に本件防壁の外側から下
方を見せた後,同女が本件マンション1階の通路まで転落した事実を認めているこ
と,被告人の捜査段階における供述内容は,その犯行状況につき,被害者がその腹
部及び左右下腿前面
を本件防壁の上面ないしはこれに続く外面に接触させながら,これを乗り越えて地
上に転落したと推認されることと符合していること,上記の被害者の身長と本件防
壁の高さとの関係から,同女が自力で本件防壁を乗り越えたとは考えにくいと同時
に,同女が単独で本件防壁から身を乗り出した後に転落した場合,その左右下腿前
面に表皮剥脱が生ずる可能性は比較的低いと考えられること,被害者が身長約14
0センチメートル,体重43.8キログラムであったのに対し,被告人は身長約1
75センチメートル,体重約80キログラムであって,両者の間には相当な体格差
があり,被告人は上記のような犯行を比較的容易に行い得たと考えられるうえ,上
記のとおり両手背部に擦過傷を負っていたこと,何者かが被害者の転落に関与して
いたとした場合,そ
れは被告人以外には考えられないこと,また,その犯行前の状況においても,上記
の硬貨や髪留めの散乱状況のほか,被害者方上階の6階の居住者が,本件が発生す
る20分くらい前にベランダに出た際,階下で男女が争っているような感じを受
け,男の怒鳴り声も聞いていることなどとも整合していること,また,防壁から体
を乗り出させるというような危険な行為がなされたとすれば,酒に酔っていたこと
でもあり,過って手を滑らせてしまったのではないかとの疑念が生じてもおかしく
ない事件といえるのに,検察官が取調べにおいてその点を一問一答式に念を押して
被告人に聴取したところ,過って落としたのではなく故意に手を離した旨述べてい
たことなどに照らせば,被害者を故意に転落させたことを認めた捜査段階における
被告人の供述の信用性
は高いといえる。
 これに対し,被告人の原審及び当審公判における各供述は,本件の前にスナック
に行ったことまでは覚えているが,その後のことははっきり覚えておらず,気がつ
くと1階通路で転落した被害者を抱きかかえていたものであり,この間の経緯につ
き捜査段階で供述した事実は,取調官からこのままでは被害者が浮かばれないなど
と言われ,その誘導に従って供述したもので自分では記憶していない事実であると
いうものであるところ,例えば,帰宅後被告人の方から被害者が上記スナックで言
った「a区の家に帰ったら。」などという言葉について蒸し返したために口論とな
ったこととか,同女の腹部付近を膝蹴りし手で同女の左肩あたりを小突いたことと
か,同女が「死んだる。」などと言いながら自室を飛び出して行ったことなどは,
被告人しか知り得な
い具体的事実であって,取調官が推測して誘導し被告人に供述させることができる
ようなものとは考えにくいこと,被告人が上記スナックでの飲酒時から本件転落時
までの言動に限って全般的にはっきり覚えていないというのはいかにも不自然であ
って,当時被告人がある程度酩酊していたとはいえ,スナック内での被告人の様子
に格別異常な点はなかったこと,本件転落直後の被告人の言動も,取り乱してはい
たものの,周囲に強く被害者の救命を求めるなど合理的なものであったうえ,警察
官に対し「助けたってや。助けてくれたら話すけど,今は何もいわん。」などと述
べ,被害者の転落の経緯につき知ってはいるが今は話さないとの口吻を漏らしてい
たこと,本件前日の飲酒により認識能力や記憶能力が低下し,後日酩酊時の断片的
な事柄や日常的な出
来事について思い出せないことはあり得るとしても,被害者が自室を裸足で飛び出
して非常階段を上がり本件踊り場から転落するなどという,非日常的で極めて衝撃
的な出来事について思い出せないというのは考えにくいことになどに照らして,被
告人の各公判供述は捜査段階における供述と対比して信用性に欠けるといわざるを
得ない。
 以上を総合すれば,原判決が認定するとおりの状況で,被告人が故意に被害者を
本件踊り場から地上まで転落させて死亡させたと認めるのが相当である。
 所論は,原判決が,(罪となるべき事実)において,被告人が被害者の背後から
両手でその下腹部付近を抱いて持ち上げ,同女に下方を見せた旨認定していること
(2頁)につき,この認定によれば,被害者の下腹部付近は被告人の両腕によって
カバーされる形となり,防壁と擦れた場合,被告人の腕に擦過傷等ができることは
あっても,被害者の下腹部には表皮剥脱は生じないはずであるのに,これが存在す
ることと矛盾している旨主張する。しかし,関係証拠によれば,被告人は,被害者
の左斜め後ろから両腕をその下腹部のあたりに回して抱きかかえて持ち上げ,その
腹部を防壁の上部に乗せた後,さらにその身体をたくし上げて腰の下あたりを抱き
かかえて,被害者の身体をより防壁の外に乗り出させたと認めるのが相当であると
ころ,被害者の左腹
部に認められる上下方向に走る直線状の多数の表皮剥脱のほか,その下腹部付近に
存する皮下出血等が,本件防壁と接触した際に生じたものであるとしても,上記認
定の被告人と被害者の体の動きの中で被害者の下腹部付近にこのような損傷が発生
することに格別不自然な点は認められない。したがって,原判決が(罪となるべき
事実)において認定した被告人の行為は,その細部について若干舌足らずな点が認
められるが,大筋においては相当であるから,所論は採用できない。
 3 殺意について
 関係証拠を総合すれば,被告人は,本件マンション非常階段の7階と8階との中
間にある本件踊り場から被害者を約20メートル下の地上に転落させたものであ
り,人がこのような高所から転落した場合死亡する可能性が高いことは当然認識し
ていたと考えられること,本件の前にスナックで飲酒中に同女から「a区の家に帰
ったら。」などと妻のことを持ち出され,お互いわだかまりと憤まんを抱いたまま
帰宅したものの,帰宅後もそれが収まらず,被告人の方から話を蒸し返したことが
きっかけで口論となり,立腹の余り初めて同女に暴力をふるい,ショックを受けた
同女が興奮して「死んだる。」などと口走りながら自室を飛び出して本件踊り場か
ら飛び降りるかのような素振りを見せたことから,同女に階段の直下を見せて少し
脅せば怖がっておとな
しくなるだろうと思い,同女の体を抱え上げて本件防壁から体を乗り出させるとい
う極めて危険な行為に及んだにもかかわらず,同女がなおも「死ねる。死んでや
る。」などと言い張ったために憤激がその極に達して本件犯行に至ったことが認め
られ,このような状況下において,被告人がとっさに同女に対する殺意を抱き同女
の体を支えていた両手を離したとしてもあながち不自然とはいえない。そして,被
告人は捜査段階の後半には確定殺意を認める供述をしていたが,本件について原判
決が認定する犯行に至る経緯及び被告人が同女に深い愛情を持っていたことによる
限り,被告人が少なくとも確定殺意を抱くような動機は考え難いことなどに徴し,
被告人が少なくとも未必の殺意を有していたと認めた原判決の認定はこれを是認す
ることができる。
 所論は,被告人は,本件直後に病院で警察官から被害者が死亡した事実を聞かさ
れた際,取り乱した様子で「おれの責任や。おれが殺したんと同じや。」という発
言をしており,「おれが殺した。」とは言っておらず,殺人を明確に否定している
旨主張する。しかし,関係証拠によれば,その際,被告人は「おれが殺したんや。
おれが殺したんと同じや。」というようなニュアンスのことを言ったものであると
ころ,この言葉は,殺意を否定するかのような趣旨と解釈することができる一方
で,被告人が積極的に被害者を殺害する気はなかったという趣旨とも受け取れるも
のであって,死ぬかもしれないがそれでも構わないという気持ちで被害者を転落さ
せたという心理状態と矛盾するものとはいえないから,被告人に未必の殺意を認め
た原判決の認定の障害
とはならず,所論は採用できない。
 また,所論は,原判決が,「被告人の調書には,転落させる際に,「ほな,死ね
や。」という言葉を言ったと記載されているが,人が憤激した際に発する言葉とし
ては,不自然との感を否めない」と判断している点(14頁)を捉えて,このよう
な不自然な調書が作られていることは,とりもなおさず調書全体が作り上げられた
ものであることを如実に物語るものである旨主張している。しかし,被告人は,本
件踊り場で死ぬと言い募る被害者を抱きかかえ,本件防壁の外にその体を乗り出さ
せて,約20メートル下の地上を見せて恐怖感を味わわせても,なお,被害者が
「死ねる。死んでやる。」などと言い張ったことから,「死ねるんかい。ほんまに
死ねるんかい。ほな死ねや。」と言って被害者を支えていた両手を離して転落させ
たという事実経過であ
るところ,同女に対する憤激がその極に達した被告人において,感情の赴くままと
っさにそのような言葉を口走ったとしても不自然などと決め付けることはできず,
この点に関する原判決の上記判断には賛同できない。したがって,被告人の捜査段
階での供述調書に所論のような不自然さはないというべきであるから,所論はその
前提を欠き採用できない。
 そのほかに,所論がるる述べる点については,いずれもこれを採用することがで
きず,原判決に事実誤認は認められない。論旨は理由がない。
第2 控訴趣意中,量刑不当の主張について
 論旨は,原判決の量刑不当を主張するので,所論にかんがみ,記録を調査し,当
審における事実取調べの結果もあわせて検討する。
 本件は,被告人が,不倫関係にあった同棲中の被害者との間で喧嘩口論となった
際暴力をふるい,興奮して「死んだる。」などと言いながらマンションの自室を飛
び出して行った同女を追いかけて行き,非常階段の7階と8階の間の踊り場で飛び
降りるかのような素振りを見せた同女に対し,恐怖感を味わわせてそのような行為
をやめさせようと考え,背後から同女を抱きかかえ防壁の外にその体を大きく乗り
出させて地上を見せたが,同女がなおも死ぬと言い張ったことから憤激の余り,つ
い抱きかかえていた両手を離して同女を約20メートル下の地上まで転落させて殺
害したという,殺人の事案である。
 被告人は,被害者の飛び降りて死のうとするかのような素振りをやめさせようと
したとはいえ,小柄な同女を抱きかかえて防壁の外にその体を大きく乗り出させる
という極めて危険な行為に及んだうえ,手を離せば同女が転落して死亡する危険性
は高かったのに,自らの憤激の情の赴くままに,手を離して同女を殺害したもので
あって,犯行に至る経緯や動機に酌量の余地は乏しいこと,犯行態様は衝撃的かつ
残虐であって,被害者に重篤な傷害を与え,その1時間余り後に同女を死亡させて
いること,被害者は37歳の若さで生命を奪われたものであり,その驚きと無念さ
は察するに余りあること,被害者には養護施設に預けられて成長した2人の子供を
始めとする遺族がおり,同女の弟は被告人に対し厳罰を求めていること,被告人が
遺族に対し具体的な
慰謝の措置を講じていなかったこと,公判において本件当時の記憶がないなどと主
張して自らの刑事責任を争っており,本件犯行に対する十分な反省が見られないこ
となどを考慮すれば,被告人の刑事責任は重大であるといえる。
 したがって,本件は被害者がマンションから飛び降りるかのような素振りを見せ
たことが発端となって発生したものであること,一時的な激情に流された衝動的な
犯行であること,当時被告人がある程度酩酊していたこと,本件犯行の直前までは
被告人なりに被害者を愛していたと考えられること,被告人には交通事犯による罰
金前科以外に前科がなく,若いころから電気工事の仕事に従事して働き続けてきた
ことなど,所論指摘の諸事情を十分に考慮しても,原判決の時点においては,被告
人を懲役7年(求刑懲役12年)に処した量刑が不当に重いとはいえない。
 しかしながら,被告人は,原判決後において,自己の責任の重さに対する思いを
深め,被害者の遺児の1人に対し400万円を支払ったことが認められ,これに上
記の被告人のために酌むべき諸事情を併せ考慮すれば,現時点においては,原判決
の量刑をそのまま維持することは被告人にとって重きに過ぎるといわざるを得ず,
原判決を破棄してその刑を減軽するのが相当である。
 よって,刑訴法397条2項により原判決を破棄し,なお同法400条ただし書
に従って更に判決することとし,原判決が認定した事実に原判決挙示の法令を適用
して,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 河上元康 裁判官 細井正弘 裁判官 水野智幸)      
      

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