弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1原判決を取り消す。
2本件を旭川地方裁判所に差し戻す。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2被控訴人が控訴人に対し平成20年8月21日付けでなした土壌汚染対策法
第3条第2項の通知に基づく同法第3条第1項の規定による土壌汚染状況の
調査及び報告を義務付ける旨の処分を取り消す。
3訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
第2事案の概要
原判決2頁3行目から4行目にかけての「土壌汚染対策法(以下「土対法」
という。)」を「土壌汚染対策法(平成18年法50による改正前のもの。以下
「土対法」という。)」と改めるほかは,原判決の「事実及び理由」欄の「第
2事案の概要」に記載のとおりであるから,これを引用する。
第3当裁判所の判断
以下,争点(1)(本件通知の行政処分性の有無)について判断を加える。
1土対法,同法施行令等は,有害物質使用特定施設を設置していた者以外の当
該土地の所有者等の土壌汚染の状況の調査報告義務に関し,次のような定めを
している。
(1)都道府県知事等が,有害物質使用特定施設の使用廃止を知った場合に,
当該有害物質使用特定施設を設置していた者以外の当該土地の所有者等に
対し,当該有害物質使用特定施設の使用が廃止された旨その他の環境省令で
定める事項を通知する(土対法3条2項,同法施行令10条)。
上記通知には,報告を行うべき期限等を記載する(同法施行規則14条)。
(2)有害物質使用特定施設を自ら設置していない所有者等にあっては,同条
2項に基づく通知を受けたものが,当該土地の土壌の特定有害物質による汚
染の状況について,環境大臣が指定する者に環境省令で定める方法により調
査させて,その結果を都道府県知事に報告しなければならない(同条1項)。
(3)同条2項に基づく通知を受けた者が任意に調査報告義務を履行しないと
きは,都道府県知事等がこれを履行するよう命令を発することができる(同
条3項)
(4)同命令を受けた者が履行しないときは,1年以下の懲役又は100万円
以下の罰金に処する(土対法38条)。
2本件通知は,別紙のとおりであり,上記法規に従い,被控訴人が控訴人に対
し,①本件土地上の有害物使用特定施設の使用が廃止されたこと及び控訴人が
本件土地の所有者に該当すること,その結果,控訴人に上記調査報告義務が発
生したことを知らせるとともに,②同調査報告義務の終期を本件通知を受けた
日から120日以内と定めるものである。
検討するに,土対法が有害物質使用特定施設を自ら設置していない当該土地
の所有者等に対してのみ上記通知をすることにしたのは,当該土地の所有者等
が,当該土地上の有害物質使用特定施設を自ら設置しておらず,その廃止及び
調査報告義務の発生を当然には知り得ないことから,所有者等に対し,当該施
設の使用が廃止されたこと等を知らせることにあると解することができると
ころ,本件通知の①の部分は,被控訴人の認識した事実の通知であるとみるこ
とができるから,その法律上の性質は,観念の通知というべきものである。他
方,本件通知の②の部分は,被控訴人が,控訴人に生じた上記調査報告義務の
内容の一部を具体化(期限の設定)したものであるから,観念の通知の範疇に
は収まらない性質のものであるというべきである。
このように,本件通知の①の部分は,観念の通知とみるべきものではあると
しても,本件通知は,法律に準拠したものであり,これによって,土壌汚染状
況調査結果報告書を120日以内に提出しなければ,履行命令を受け,かつ,
その命令に従わなければ,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せら
れるという地位に控訴人を置くという法的効果を生じさせるものであり,しか
も,本件通知の②の部分は,控訴人に生じた義務の内容の一部(期限)を具体
的に創設するものであるから,本件通知は,直接国民の権利義務を形成し又は
その範囲を確定するものというべきであり,行訴法3条2項にいう「行政庁の
処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当すると認めるのが相当である。
3被控訴人の主張について検討を加える。
(1)被控訴人は,土対法3条1項の調査報告義務を本来的に基礎付ける要件
は,あくまでも当該土地の「所有者等」であることであり,土地所有者等が
特定有害物質を使用等する施設の使用の廃止時に当然に同義務を負担する
ものであり,同条2項の通知は,上記施設の廃止及び調査報告義務の発生を
当然には知り得ない土地所有者等に対し,当該施設の使用が廃止されたこと
等を知らしめるためのものであり,同義務の始期及び期限を定めるための要
件であると解するのが相当であり,同条2項の通知により同義務が発生する
ものではないので,同条2項の通知に行政処分性を認めることはできないと
主張する。
しかし,前示1のとおり,土対法3条1項に定める調査報告義務は,当該
土地の「所有者等」であることから当然に生じるものではなく,通知が要件
とされている(土対法3条1項,2項)のであるから,被控訴人の主張はそ
の前提を欠くといわざるを得ない。また,本件通知には,観念の通知とみる
べき部分があるとしても,これによって前記のような法律効果を生じさせる
以上は,その処分性を否定できないというべきである。
(2)控訴人は,本件通知により,本件土地につき調査を行う必要性が生じる
ものの,仮にこれに従わない場合は,土対法3条3項の手続に移行し,控訴
人はその時点で同項の規定による命令の効力を争うことができるのであり,
控訴人は,当該命令の効力を争うとしても,現在負っている調査義務以外の
ものが付加されるものでもなく,本件通知の効力を争わなければ回復し難い
損害を被るものでもないから,土対法は,土壌汚染状況調査義務に係る取消
訴訟は,本件通知に対してではなく,同項の規定による命令に対して提起さ
れることを予定していると主張する。
確かに,控訴人としては,上記命令が発せられるのを待って,これを抗告
訴訟の対象として争うことも可能である。しかしながら,土壌汚染調査は,
専門的知見を要するものであり,環境大臣が指定する者に環境省令で定める
方法により調査させる必要があり(土対法3条1項),その費用も相当高額と
なることが見込まれる(ちなみに,本件においては,株式会社A(B支店)
は,控訴人に対し,本件土地の土壌汚染状況調査について,68万2500
円の見積書を提出している(甲7の1ないし4,弁論の全趣旨))から,同
条2項の通知を受けた者にとっては,このような重い内容の義務を指定され
た期限内に履行するか否かの判断を迫られるとともに,同通知を受けた以降
は,当該土地の利用,処分等について事実上の制約を受けることになるため,
上記命令が発せられるまでは(実務の運用としては,上記通知に定められた
期限を経過したら直ちに調査命令が出されるものではないことがうかがわ
れる(甲12,弁論の全趣旨)),非常に不安定な法的地位に置かれること
になるといわざるを得ない。
以上によれば,上記命令を待ってこれを争わせることで足りると考えるの
は相当ではなく,被控訴人の主張は採用できない。
(3)被控訴人は,土対法3条2項の通知を受けたものと同じく同条1項の調
査報告義務を負っている「所有者等であって,当該有害物質使用特定施設を
設置していたもの」に対しては処分という概念は存在しないから,仮に上記
通知を受けたものについて,通知を処分であるとするならば,同一の義務が
生じるにもかかわらず,通知を受けたものと当該設置していたものとの間に
出訴機会に相違が生じることとなり,平等の原則に反すると主張する。
しかし,当該有害物質使用特定施設を設置していた者と所有者等とが同一
である場合とそうでない場合とでは,調査報告義務の前提となる状況にかな
りの違いがあるのであるから,その間に出訴機会等の差異が生じたとしても,
直ちに公平の原則に反することにはならないというべきであり,被控訴人の
主張は採用できない。
4以上のとおり,本件通知は,抗告訴訟の対象になるというべきである。
第4結論
よって,本件訴えを不適法として却下した原判決は相当でないから,これを
取り消し,これを旭川地方裁判所に差し戻すこととし,主文のとおり判決する。
札幌高等裁判所第3民事部
裁判長裁判官井上哲男
裁判官中島栄
裁判官中川博文
(原裁判等の表示)
主文
1本件訴えを却下する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
1被告が原告に対し平成20年8月21日付けでなした土壌汚染対策法第3条
第2項の通知に基づく同法第3条第1項の規定による土壌汚染状況の調査及び
報告を義務付ける旨の処分を取り消す。
2訴訟費用は被告の負担とする。
第2事案の概要
本件は,被告から,平成20年8月21日付けで土壌汚染対策法(以下「土
対法」という。)3条2項に基づく通知(以下「本件通知」という。)を受け
た原告が,本件通知は行政処分に当たるところ,①本件通知の際に行政手続法
(以下「行手法」という。)所定の弁明の機会が付与されていないこと,②本
件通知は土対法の解釈を誤ってなされたものであること,③本件通知の根拠と
なる土対法3条は憲法29条に違反していることなどを理由として本件通知の
違法性を主張し,その取消しを求める抗告訴訟(以下「本件訴え」という。)
を提起した事案である。
1争いのない事実等(証拠を摘示した部分を除き,争いがない。)
(1)当事者等
ア原告は,旭川市内に住所を有し,旭川市α1号(登記簿上の所在地番は,
旭川市β×番1)所在の土地(以下「本件土地」という。)を所有する者
である。
イ被告は,中核市である地方公共団体である。(公知の事実)
(2)訴外株式会社Cによる本件土地の占有等
ア訴外株式会社D(以下「訴外D」という。)は,平成18年3月1日当
時,本件土地上に特定有害物質であるテトラクロロエチレンを使用する有
害物質使用特定施設である洗たく業の用に供する洗浄施設を設置し,本件
土地を占有していたところ,同日,綜合クリーニング業部門等を訴外「株
式会社C」(以下「訴外C」という。)として会社分割した。(甲4の1,
2)
イ訴外Cは,同日以降,平成19年11月30日ころまで,上記洗たく業
の用に供する洗浄施設を使用し,本件土地を占有していた。(弁論の全趣
旨)
ウ被告は,平成20年4月17日,上記特定施設の廃止を確認した。(甲
22)
(3)本件通知(甲1,弁論の全趣旨)
被告は,原告に対し,平成20年8月21日,同日付け旭環対第▲号「有
害物質使用特定施設の使用廃止等について(通知)」と題する書面(以下「本
件通知書」という。)により本件通知を行い,原告は,同日ころ,本件通知
書を受け取った。
本件通知書には,「土壌汚染対策法第3条第2項に基づき,次のとおり通
知します。これにより,同法第3条第1項の規定による土壌汚染状況調査の
義務が生じましたので,下記に示す期限までに土壌汚染対策状況調査結果報
告書を提出してください。」などの記載がある。
なお,被告は,本件通知に際して,原告に対して,弁明の機会を付与する
旨の書面による通知(行手法30条)をしていない。
(4)関係法令の抜粋
ア土対法の抜粋
(使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地で
あった土地の調査)
第3条使用が廃止された有害物質使用特定施設(水質汚濁防止法(昭和
45年法律第138号)第2条第2項に規定する特定施設(次項におい
て単に「特定施設」という。)であって,同条第2項第1号に規定する
物質(特定有害物質であるものに限る。)をその施設において製造し,
使用し,又は処理するものをいう。以下同じ。)に係る工場又は事業場
の敷地であった土地の所有者,管理者又は占有者(以下「所有者等」と
いう。)であって,当該有害物質使用特定施設を設置していたもの又は
次項の規定により都道府県知事から通知を受けたものは,環境省令で定
めるところにより,当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況に
ついて,環境大臣が指定する者に環境省令で定める方法により調査させ
て,その結果を都道府県知事に報告しなければならない。ただし,環境
省令で定めるところにより,当該土地について予定されている利用の方
法からみて土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が
生ずるおそれがない旨の都道府県知事の確認を受けたときは,この限り
でない。
2都道府県知事は,水質汚濁防止法第10条の規定による特定施設(有
害物質使用特定施設であるものに限る。)の使用の廃止の届出を受けた
場合その他有害物質使用特定施設の使用が廃止されたことを知った場合
において,当該有害物質使用特定施設を設置していた者以外に当該土地
の所有者等があるときは,環境省令で定めるところにより,当該土地の
所有者等に対し,当該有害物質使用特定施設の使用が廃止された旨その
他の環境省令で定める事項を通知するものとする。
3都道府県知事は,第1項に規定する者が同項の規定による報告をせず,
又は虚偽の報告をしたときは,政令で定めるところにより,その者に対
し,その報告を行い,又はその報告の内容を是正すべきことを命ずるこ
とができる。
(措置命令)
第7条都道府県知事は,土壌の特定有害物質による汚染により,人の健
康に係る被害が生じ,又は生ずるおそれがあるものとして政令で定める
基準に該当する指定区域内の土地があると認めるときは,政令で定める
ところにより,その被害を防止するため必要な限度において,当該土地
の所有者等に対し,相当の期限を定めて,当該汚染の除去,当該汚染の
拡散の防止その他必要な措置(以下「汚染の除去等の措置」という。)
を講ずべきことを命ずることができる。ただし,当該土地の所有者等以
外の者の行為によって当該土地の土壌の特定有害物質による汚染が生じ
たことが明らかな場合であって,その行為をした者(相続,合併又は分
割によりその地位を承継した者を含む。以下同じ。)に汚染の除去等の
措置を講じさせることが相当であると認められ,かつ,これを講じさせ
ることについて当該土地の所有者等に異議がないときは,この限りでな
い。
2前項ただし書の場合においては,都道府県知事は,政令で定めるとこ
ろにより,その被害を防止するため必要な限度において,その行為をし
た者に対し,相当の期限を定めて,汚染の除去等の措置を講ずべきこと
を命ずることができる。
3第4条第2項の規定は,都道府県知事が前2項の規定により汚染の除
去等の措置を講ずべきことを命じようとする場合について準用する。こ
の場合において,同条第2項中「当該調査等」及び「当該調査」とある
のは,「当該汚染の除去等の措置」と読み替えるものとする。
4第1項,第2項又は前項において読み替えて準用する第4条第2項の
規定によって講ずべき汚染の除去等の措置の実施に関する技術的基準は,
環境省令で定める。
(汚染の除去等の措置に要した費用の請求)
第8条前条第1項の命令を受けた土地の所有者等は,当該土地の土壌の
特定有害物質による汚染が当該土地の所有者等以外の者の行為によるも
のであるときは,その行為をした者に対し,当該命令に係る汚染の除去
等の措置に要した費用を請求することができる。ただし,その行為をし
た者が既に当該汚染の除去等の措置に要する費用を負担し,又は負担し
たものとみなされるときは,この限りでない。
2前項に規定する請求権は,当該汚染の除去等の措置を講じ,かつ,そ
の行為をした者を知った時から三年間行わないときは,時効によって消
滅する。当該汚染の除去等の措置を講じた時から二十年を経過したとき
も,同様とする。
イ土壌汚染対策法施行令の抜粋
(政令で定める市の長による事務の処理)
第10条法に規定する都道府県知事の権限に属する事務は,地方自治法
(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項に規定する指定都
市の長,同法第252条の22第1項に規定する中核市の長及び同法第
252条の26の3第1項に規定する特例市の長並びに福島市,市川市,
松戸市,市原市,八王子市,町田市,藤沢市及び徳島市の長(以下この
条において「指定都市の長等」という。)が行うこととする。この場合
においては,法中都道府県知事に関する規定は,指定都市の長等に関す
る規定として指定都市の長等に適用があるものとする。
ウ環境基本法の抜粋
(原因者負担)
第37条国及び地方公共団体は,公害又は自然環境の保全上の支障(以
下この条において「公害等に係る支障」という。)を防止するために国
若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる者(以下この条において「公
的事業主体」という。)により実施されることが公害等に係る支障の迅
速な防止の必要性,事業の規模その他の事情を勘案して必要かつ適切で
あると認められる事業が公的事業主体により実施される場合において,
その事業の必要を生じさせた者の活動により生ずる公害等に係る支障の
程度及びその活動がその公害等に係る支障の原因となると認められる程
度を勘案してその事業の必要を生じさせた者にその事業の実施に要する
費用を負担させることが適当であると認められるものについて,その事
業の必要を生じさせた者にその事業の必要を生じさせた限度においてそ
の事業の実施に要する費用の全部又は一部を適正かつ公平に負担させる
ために必要な措置を講ずるものとする。
エ土壌汚染対策法施行規則の抜粋
(有害物質使用特定施設の使用の廃止等の通知)
第13条法第3条第2項の通知は,有害物質使用特定施設の使用が廃止
された際の土地の所有者等(当該土地の所有者等から土地に関する権利
を譲り受けた者その他の新たに土地の所有者等となった者が同条第1項
の調査を行うことについて,当該土地の所有者等及び当該新たに土地の
所有者等となった者が合意している場合にあっては,当該新たに土地の
所有者等となった者)に対して行うものとする。
(有害物質使用特定施設の使用の廃止等に関し通知すべき事項)
第14条法第3条第2項の環境省令で定める事項は,次のとおりとする。
1使用が廃止された有害物質使用特定施設の種類,設置場所及び廃止
年月日並びに当該有害物質使用特定施設において製造され,使用され,
又は処理されていた特定有害物質の種類
2工場又は事業場の名称及び当該工場又は事業場の敷地であった土地
の所在地
3同条第1項の報告を行うべき期限
(5)本件訴えの提起
原告は,平成20年11月14日,当庁に本件訴えを提起した。(顕著な
事実)
2争点に関する当事者の主張
(1)本件通知の行政処分性の有無(本案前の争点)
【被告の主張】
ア行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)3条2項にいう「処分」と
は,行政庁の法令に基づく行為のすべてを意味するものではなく,公権力
の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国
民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められてい
るものをいうと解される。
この点,土対法3条1項所定の原告に対する「当該土地の土壌の特定有
害物質による汚染の状況について,環境大臣が指定する者に環境省令で定
める方法により調査させて,その結果を都道府県知事に報告しなければな
らない」義務(以下「汚染状況調査報告義務」という。)は,有害物質使
用特定施設の使用の廃止を契機として土地の所有者等自身が当然に行うべ
きものであって,行政庁から一定の作為を求められて行うものではない。
すなわち,同条2項の通知は,施設設置者と土地の所有者等が異なる場合
には,土地の所有者等が当該調査の義務の発生を当然には知ることができ
ないおそれがあること等から,行政庁が土地の所有者等に対し,有害物質
使用特定施設の使用が廃止された旨等の事実を通知することを規定したも
のであって,本件通知は,土地の所有者等に対して土壌汚染状況調査報告
義務が発生したことを連絡し,知らしめる事実上の行為に過ぎない。
さらに,行政庁は,土対法3条2項の規定に基づき土地の所有者等に通
知することが義務付けられているものであり,通知の要否について行政庁
の意思が介在する余地はなく,行政庁自体が新たな法的効果を形成しよう
とするものではない。
したがって,本件通知は,行政処分性を有しない。
イ土対法3条3項においては同条1項に基づく報告をしない者等に対し,
報告等を命ずることができる旨規定し,同法38条においては同命令に反
した者に対する罰則を規定している。
つまり,原告は,本件通知により,本件土地につき調査を行う必要性が
生じるものの,仮にこれに従わない場合は,同法3条3項の手続に移行し,
原告はその時点で同項の規定による命令の効力を争うことができるのであ
って,あくまでも本件通知は,当該命令に至る過程の中間行為である。ま
た,原告は,当該命令の効力を争うとしても,現在負っている調査義務以
外のものが付加されるものでもなく,本件通知の効力を争わなければ回復
しがたい損害を被るものでもない。
このように,土対法は,土壌汚染状況調査義務に係る取消訴訟は,本件
通知に対してではなく,同法3条3項の規定による命令に対して提起され
ることを予定している。
ウ行訴法3条2項の「処分」は行手法2条2号の「処分」と同義と解され
るところ,同号の「処分」の解釈において,「行政庁の作為(指示)に従
わない場合に,改めて,同一内容の作為又は不作為を求める命令をするこ
とができることとされている当該指示」は,「処分」性を有しないと解さ
れているが,「行政庁の求めに従わない,あるいは応じない場合に,罰則
による制裁を課しうるもの」については,「処分」性が認められると解さ
れている。
上記イのとおりの土対法の規定ぶりからは,同法3条3項の命令が行手
法2条2号の「処分」であって,本件通知は同号の「処分」ではないと解
するべきである。
したがって,本件通知は,行政処分性を有しない。
エ土対法3条2項の通知を受けたものと同じく同条1項の調査報告義務を
負っている「所有者等であって,当該有害物質使用特定施設を設置してい
たもの」に対しては処分という概念は存在しない。そうすると,仮に上記
通知を受けたものについて,通知を処分であるとするならば,同一の義務
が生じるにもかかわらず,通知を受けたものと当該設置していたものとの
間に出訴機会に相違が生じることとなり,平等の原則に反する。
【原告の主張】
ア本件通知は,汚染状況報告義務の発生根拠となっている。また,原告は,
同義務に反すれば,土対法3条3項により,被告から報告命令が発せられ
ることになり,それでもなお調査・報告を行わなかった場合,同法38条
により,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金の行政刑罰を受ける立
場に置かれている。そうすると,本件通知は,原告に対して,直接権利義
務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められている行為であ
る。
したがって,本件通知は,上記被告の主張のイ,ウに反論するまでもな
く,行政処分性を有する。
イ被告の主張エに対する反論
被告は,土対法3条2項に基づく通知が処分であるとすると,有害物質
使用特定施設を設置していた者と有害物質使用特定施設を設置せず通知を
受けた者との間に出訴機会の差異が生じ,公平の原則に反する旨主張する。
しかし,被通知者には通知後に調査報告義務が発生するのであるから,そ
れぞれ異なるのは必然であり,公平の原則に反するとはいえない。
(2)弁明の機会付与を欠いた違法の有無(本案の争点)
【原告の主張】
本件通知は原告に対する不利益処分に該当するところ,被告は,原告に対
して,行手法13条1項2号に基づき,弁明の機会を付与すべきである。し
かし,被告は,原告に対して,弁明の機会を付与する旨の書面による通知(行
手法30条)をしていない。
したがって,本件処分には,弁明の機会付与を欠いた違法がある。
なお,本件通知は,原告に対する十分な事情聴取と掘削権原に関する意見
調整の機会を与えられないまま行われたものであり,適正手続を保障する憲
法31条にも違反する。
【被告の主張】
本件通知は,前記(1)の被告の主張のとおり,行政処分性を有せず,不利益
処分ではないから,弁明の機会の付与は不要である。なお,原告は,あたか
も本件通知が不意打ちであるかのように主張するが,被告は,再三にわたり
原告との協議を行っている。
(3)土対法3条の解釈を誤った違法の有無(本案の争点)
【原告の主張】
ア(ア)土対法3条1項によって,第一次的に調査報告義務を課せられるの
は,その土地上に有害物質使用特定施設を設置していた者であり,有害
物質使用特定施設を設置していない者が調査報告義務を課せられるのは,
設置者自身が行方不明である等やむを得ない事由がある場合に限られる
と解するべきである。
なぜなら,①土対法7条1項ただし書及び同条2項の趣旨が,環境基
本法37条にいう原因者負担原則の現れと考えられるところ,これとの
整合性を図る必要があり,②土対法3条1項及び2項において,有害物
質使用特定施設を設置していない所有者等に対する調査報告義務の課し
方が明らかに補充的であるからである。また,このように解釈しなけれ
ば,後記(4)のように土対法3条が違憲となってしまうからである。
(イ)本件においては,訴外D及び訴外Cが,本件土地上で有害物質使用
特定施設であるクリーニング工場を設置し,業務を行っていたのである
から,土対法3条1項の「所有者等」に含まれる「占有者」に当たる。
すなわち,土壌汚染状況調査報告義務を負うのは,原告ではなく,訴外
D又は訴外Cである。
したがって,本件通知には土対法3条の解釈を誤った違法がある。
イ被告の主張に対する反論
被告は,土対法3条1項の「所有者等」に含まれる占有者について,土
地の掘削等に関する権原が賃貸借契約において定められていることを要す
る旨主張する。しかし,この解釈は,条文に規定されていない条件を付加
して,汚染について何ら帰責性がない所有者に調査報告義務を課すことに
なるから,土対法の趣旨を逸脱した解釈であり,妥当でない。
【被告の主張】
ア土壌汚染状況調査の実施主体は,土地の状態に責任を有する「土地の所
有者等」である。そして,土壌汚染状況調査は土地の掘削等を伴うから,
その実施主体である「所有者等」は,土地の掘削等に関する権原を有する
者である必要があり,通常,所有者がこれに当たる。なお,「土地の所有
者等」に管理者及び占有者が含められたのは,賃貸借契約において,土地
の掘削等を行うことも含め使用等の権原をすべて賃借人が有する旨定めら
れている場合などが想定されていたからであり,かかる場合には,賃借人
たる管理者又は占有者が上記実施主体となる。
本件において,被告が原告に対し本件通知をしたのは,訴外D等が土対
法3条1項の「土地の所有者等」に当たらず,原告が同条2項の規定に該
当する,「有害物質使用特定施設を設置していた者以外」の「所有者等」
であるからである。
すなわち,原告と訴外Dとの間の賃貸借契約には,契約書が存在しない
のであるから,当然,土地の掘削等に関する取り決めはなされておらず,
訴外DないしCは本件土地の掘削等に関する権原を有しないというべきで
ある。したがって,本件通知に土対法3条の解釈を誤った違法はない。
イ原告の主張に対する反論
(ア)土対法7条は,同条1項において,土地の所有者等に対して,汚染
の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる旨,同条ただし書
において,汚染の原因が土地の所有者等以外の者の行為によることが明
らかであって,行為者に汚染の除去等の措置を講じさせることが相当で
あると認められ,かつ,これを講じさせることについて土地の所有者等
に異議がない場合に限って,汚染原因者に汚染の除去等の措置を講ずべ
きことを命ずることができる旨規定しているところ,このような規定ぶ
りからは,同法7条における汚染の除去等の措置の実施主体が,原則と
して,「土地の所有者等」であることは明らかである。
また,環境基本法における「原因者負担の原則」とは,費用負担に関
するものであり,実施主体に関するものではない上,土対法3条の調査
は,汚染原因者が判明していない段階で,汚染の発見のために行うもの
であり,かつ,状態責任を問うものであるから,上記原則は妥当しない。
(イ)土対法3条1項は,有害物質使用「特定施設を設置していたもの又
は次項の規定により都道府県知事から通知を受けたもの」と規定してい
るところ,このような規定ぶりからは,有害物質使用特定施設を設置し
ていたものと通知を受けたものとの間に優先劣後の関係があるとは解さ
れない。
(4)土対法3条の憲法適合性の有無(本案の争点)
【原告の主張】
ア土対法の立法目的は,「土壌汚染対策の実施を図ることによる国民の健
康の保護」にあり(土対法1条),これ自体は正当である。
しかし,汚染状況調査の目的を実現するためには,所有者等に対して,
「汚染原因者又は国若しくは公共団体(又は一次的調査義務が課された有
害物質使用特定施設設置者)が,当該土地に立ち入って,土壌を掘削し,
採取することを受け入れる義務」を課せば足りるのであり,これを超えて,
賃借人が有害物質使用特定施設を設置した土地の賃貸人に過ぎない所有者
に対して,汚染原因者が明確であるにもかかわらず,過大な費用負担と行
政刑罰の威嚇を伴う調査報告義務を課すことには,必要性も合理性もない。
また,土対法の成立は平成14年であるところ,本件土地に関する賃貸借
契約が締結された昭和39年以前において,原告は,土壌汚染状況調査報
告義務の負担を予定して事前求償の合意をする等の財産的負担の予防措置
を執ることが不可能であった上,その後も予防措置等を執りようがなかっ
た。そうすると,上記の費用負担等は,原告に対して特別の犠牲を強いる
ものであって,補償が必要になるところ,そのような規定はない。
したがって,土対法3条は,憲法29条に反している。
イ被告の主張に対する反論
被告は,警察法上の状態責任を有しているから,所有者等が土壌汚染状
況調査を行わせる必要がある旨主張する。しかし,状態責任を負うのは,
社会生活,国民の健康被害に対する危険が発生しているか,若しくはその
危険が差し迫った状態であることが必要であるところ,本件において,そ
のような状態は発生していない。
【被告の主張】
ア土対法の立法事実としては,人の健康被害防止の必要性だけではなく,
土壌の特定有害物質による汚染状況の把握の必要性も存在する。また,憲
法29条2項は,財産権の内容は公共の福祉に適合するように法律で定め
る旨規定しているところ,土壌汚染状況調査は,土地が人の健康に対して
危険な状態を生じさせているかを把握する行為であり,危険な状態を支配
している者である所有者等が危険の発生を防止する責任(いわゆる警察法
上の状態責任)を有しているのであるから,土地の所有者として受忍すべ
き限度の範囲内のものである。
確かに,汚染原因者として蓋然性が高い者等が所有者等の承諾を得て調
査を行う手法も考えられなくはないが,汚染が判明した場合には人の健康
に係る被害を防止するために早急に対策を講じる必要があること等を考慮
すると,土壌汚染状況調査の実効性を高めるためには,確実に存在する所
有者等をその実施主体とするのが最も合理的である。
したがって,土対法は,憲法29条に反しない。
イ原告の主張に対する反論
原告の主張は,汚染原因者が明確となっていることを前提としているが,
土壌汚染状況調査は,当該土地が汚染されているか否かを調査するもので
あって,調査を行っていない時点で,汚染されているかどうかは不明であ
り,汚染原因者は判明していないのであるから,失当である。
第3当裁判所の判断
1争点(1)(本件通知の行政処分性の有無)について
(1)本件の関係法令を通覧すると,土対法は,都道府県知事等が,有害物質使
用特定施設の使用廃止を知った場合に,当該有害物質使用特定施設を設置し
ていた者以外の当該土地の所有者等に対し,当該有害物質使用特定施設の使
用が廃止された旨その他の環境省令で定める事項を通知することとする(3
条2項,同法施行令10条)一方で,有害物質使用特定施設を自ら設置して
いない所有者等にあっては,同条2項に基づく通知を受けたものが,当該土
地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について,環境大臣が指定する者
に環境省令で定める方法により調査させて,その結果を都道府県知事に報告
しなければならないとし(3条1項),同条2項に基づく通知を受けた者が
任意に調査報告義務を履行しないときは,都道府県知事等がこれを履行する
よう命令を発することができ(同条3項),さらに同命令を受けた者が履行
しないときは,刑罰を科す旨規定している(38条)。
(2)このように,土対法が所有者等に土壌汚染調査報告義務を課することとし
た趣旨は,土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査をするためには土地
の掘削等に関する権原が必要となり,そのような権原を有する者に対する処
分でなければ実効性に欠けること,土地について掘削権原等の支配権を有す
る所有者等には,土壌汚染を除去する社会的責任があること,土地所有者等
を確定することは登記簿等によれば困難ではないことなどにあるところ,同
法3条にいう「所有者等」は,当該土地の掘削等に関する権原を有する者に
限られ,土対法は,土地所有者等を調査の義務者としており,汚染原因者や
その他の汚染に関与した者を第一次的な対策義務者としておらず,特定有害
物質を使用等する施設の使用の廃止時に土地の所有者等に調査の義務を課し
ていると解される。
そして,同条2項は,有害物質使用特定施設の設置者と土地の所有者等と
が異なる場合には,都道府県知事が,有害物質使用特定施設の使用が廃止さ
れたことを知り,その上で,当該有害物質使用特定施設を設置した者以外の
者である通知の名あて人が当該土地の掘削権原を有する土地所有者等に該当
する旨の判断をなし,同法施行規則14条の規定する事項である,当該有害
物質使用特定施設の使用が廃止されたことのほか,同施設の設置された土地
の所在,同法3条1項の調査報告義務の期限等の告知も併せて行うこととし
ている。このように,同項が有害物質使用特定施設を自ら設置していない当
該土地の所有者等に対してのみ通知をなす旨規定した趣旨は,当該土地の所
有者等が,当該土地上の有害物質使用特定施設を自ら設置しておらず,その
廃止及び調査報告義務の発生を当然には知り得ないことから,所有者等に対
し,当該施設の使用の廃止されたこと等を知らしめることにある。このよう
な同通知に至る手続にかんがみれば,同通知は,通知の名あて人が「当該有
害物質使用特定施設を設置していた者以外」の「当該土地の所有者等」に該
当すると認める旨の都道府県知事等の判断の結果とともに,当該有害物質使
用特定施設の使用が廃止されたこと等を告知するものであって,土対法は,
同通知により,上記通知の名あて人が同法に基づき当該土地の土壌汚染状況
調査報告を行うことを期待しているものであると解される。そうすると,同
通知は,いわゆる観念の通知とみるべきものであるが,もともと法律の規定
に根拠を有するものであるから,行政庁のなす行政行為である。
(3)他方,土対法は,同条3項の命令により,土地所有者等に対し,義務履行
を命じることとしているところ,同命令は,都道府県知事等の判断に基づき,
刑罰による威嚇の下,同条1項に基づく調査報告義務を負っている名あて人
に対して義務履行を命ずるものであって,同命令の発令に当たっては,都道
府県知事等により,名あて人が同条1項に規定する「所有者等」に該当する
か否か,すなわち,当該土地の掘削等に関する権原を有するか否かの判断の
みならず,当該具体的状況下において名あて人が当該土地の汚染状況を調査
報告することにつき期待可能性があるか否かの最終的な判断も行われるもの
と解される。
(4)ところで,このように,複数の行為からなる一連の手続を通じて,結果と
して名あて人の法律上の地位に対して影響が及ぶ場合において,どの段階で
処分性を認めるかは,その行為を根拠付ける法規がどの段階で当該行為の効
力を争わせることとしているかについての解釈により決せられると解される。
これを本件についてみると,上記(2)の土対法3条2項が有害物質使用特定
施設を自ら設置していない当該土地の所有者等に対してのみ通知をなす旨規
定した趣旨等からすれば,同条1項の調査報告義務を本来的に基礎付ける要
件は,あくまでも当該土地の「所有者等」であることであり,土地所有者等
が特定有害物質を使用等する施設の使用の廃止時に当然に同義務を負担する
こととなるところ,同条2項の「通知」は,上記施設の廃止及び調査報告義
務の発生を当然には知り得ない土地所有者等に対し,当該施設の使用の廃止
されたこと等を知らしめるためのものであり,同義務の始期及び期限を定め
るための要件であると解するのが相当である。
そして,同通知を受けた者は,同条2項の通知がされただけでは同条1項
の汚染状況調査報告義務の履行を強制されることはないのであるから,土対
法は,同通知により,通知の名あて人が同法に基づき調査報告義務を任意に
履行することを期待するにとどまるものであり,同条3項の命令を受けるこ
とによって初めて,同義務の履行を法的に命ぜられ,刑罰による履行の強制
を受けることになる。
また,同条2項の通知を受けずに同条3項の命令を受けた者は,同命令以
降の手続において,「当該土地の所有者等であって,」「当該有害物質使用
特定施設を設置していたもの」に該当するか否かの判断に加え,当該状況下
において当該者が調査報告を行うことにつき期待可能性があるか否かについ
ての判断を争うことができると解されるが,同条2項の通知を受け,同条3
項の命令を受けた者も,これと同様に,当該状況下において当該者が調査報
告を行うことにつき期待可能性があるか否かの判断のみならず,同一の主体
である都道府県知事によって同通知に示された同条1項に規定する「当該土
地の所有者等」に該当するか否かの判断も併せ争うことは可能であって,同
通知がなされた段階での訴えの提起を認めなければ,裁判を受ける権利を奪
うことになるものではない。
(5)以上のような同条2項の通知の趣旨及び法的効果と土地所有者等の調査
報告義務を具体化した土対法の諸規定に照らすと,土地所有者等が調査報告
義務の履行を刑罰をもって強制されるという法的効力が確定的に発生し,都
道府県知事等による調査報告義務の実質的な要件の充足又は不充足の最終的
な判断がなされるのは,同条3項の命令の発令時である上,同条2項の通知
の名あて人が,通知を受けた段階では,「当該有害物質使用特定施設を設置
していた者以外」の「当該土地の所有者等」に該当するか否か等についての
都道府県知事等の判断を争い,これに対する抗告訴訟により,同条1項の汚
染状況調査報告義務の覆滅を図ることができないとしても,同条3項の命令
が発せられるのを待った上で,これについて裁判所の審判を求めることによ
って救済を受けることが可能であることからすれば,土対法は,一連の手続
において,同命令が発せられた段階で行政処分性を認めて同命令の効果を争
わせることとし,同通知を行政事件訴訟の対象から除外することとしている
ものと解するのが相当である。
以上によれば,本件通知に行政処分性が認められるとする原告の主張は,
採用することができない。
なお,本件通知には,「土壌汚染対策法第3条第2項に基づき,次のとお
り通知します。これにより,同法第3条第1項の規定による土壌汚染状況調
査の義務が生じましたので,下記に示す期限までに土壌汚染状況調査結果報
告書を提出してください。」との記載があるが,これは,土対法3条1項の
規定に基づく調査報告義務について,本件通知の到達が同義務の始期である
こと及び同法施行規則14条3号の規定により通知すべき事項である報告期
限を示したものにすぎないと解することができるから,かかる記載をもって,
本件通知に行政処分性を認めることはできない。
2結論
よって,本件訴えは,その余の点を判断するまでもなく,不適法であるから
却下することとし,訴訟費用の負担について行訴法7条,民事訴訟法61条を
適用して,主文のとおり判決する。
旭川地方裁判所民事部
裁判長裁判官湯川浩昭
裁判官田中寛明
裁判官谷地伸之

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