弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
       原判決を破棄する。
       本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人吉田允,同大西清,同住田正夫,同中野俊彦の上告受理申立て理由に
ついて
 1 原審の確定した事実関係は,次のとおりである。
 (1) 甲は,第1審判決別紙物件目録一ないし四及び七ないし一二記載の各土地
(以下「本件土地」という。)を所有していた。
 (2) 甲は,平成5年1月18日に死亡し,甲の子である上告人ら,乙及び丙の
4名が共同相続した。
 (3) 平成5年1月25日,本件土地につき,同月18日相続を原因として,上
告人ら,乙及び丙の各持分を4分の1とする所有権移転登記がされ,同日代物弁済
を原因として,被上告人に対する乙持分全部移転登記(以下「本件持分移転登記」
という。)がされた。
 2 本件の主位的請求は,上告人らが,被上告人に対し,乙から被上告人への本
件土地の持分の譲渡は無効であるとして,本件持分移転登記の抹消登記手続を求め
るものである。
 原審は,次のとおり判断して,上告人らの上記請求を棄却した。
 仮に,乙から被上告人に対する持分の譲渡が無効であり,本件持分移転登記が真
実に合致しない登記であるとしても,上告人らの持分権は何ら侵害されていないか
ら,上告人らは,その持分権に基づく保存行為として本件持分移転登記の抹消登記
手続を請求することができない。
 3 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次
のとおりである。
 【要旨】不動産の共有者の1人は,その持分権に基づき,共有不動産に対して加
えられた妨害を排除することができるところ,不実の持分移転登記がされている場
合には,その登記によって共有不動産に対する妨害状態が生じているということが
できるから,共有不動産について全く実体上の権利を有しないのに持分移転登記を
経由している者に対し,単独でその持分移転登記の抹消登記手続を請求することが
できる(最高裁昭和29年(オ)第4号同31年5月10日第一小法廷判決・民集
10巻5号487頁,最高裁昭和31年(オ)第103号同33年7月22日第三
小法廷判決・民集12巻12号1805頁。なお,最高裁昭和56年(オ)第81
7号同59年4月24日第三小法廷判決・裁判集民事141号603頁は,本件と
は事案を異にする。)。
 4 以上によれば,乙から被上告人に対する本件土地の持分の譲渡が無効であれ
ば,上告人らの主位的請求は認容されるべきである。論旨は理由がある。これと異
なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり,原判
決は破棄を免れない。そこで,上記持分の譲渡の有効性について更に審理判断させ
るため,本件を原審に差し戻すこととする。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 北川弘治 裁判官 福田 博 裁判官 亀山継夫 裁判官 梶谷
 玄 裁判官 滝井繁男)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛