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平成8年(ワ)第9391号商標権侵害差止等請求事件
中間判決
原告A
原告株式会社インディアンモトサイクルカンパニージ
ャパン
原告両名訴訟代理人弁護士佐藤雅巳
同古木睦美
被告東洋エンタープライズ株式会社
被告寺田株式会社
被告株式会社ヒノヤ
被告三名訴訟代理人弁護士伊藤真
主文
1別紙被告標章目録1ないし9記載の各標章は,いずれも別紙原告商標目
録記載の商標に類似する。
2別紙被告標章目録1ないし9記載の各標章はいずれも被告の商標権登
,(
録第2634277号)の専用権の範囲に属さない。
事実及び理由
第1原告らの請求
1原告A(以下「原告A」という)の請求

(「」。
),
(1)被告東洋エンタープライズ株式会社以下被告東洋というは
原告Aに対し,3000万円及びこれに対する平成8年6月1日(訴状送達の
日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2)被告寺田株式会社(以下「被告寺田」という)は,原告Aに対し,

500万円及びこれに対する平成8年6月2日(訴状送達の日の翌日)から支
払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3)被告株式会社ヒノヤ(以下「被告ヒノヤ」という)は,原告Aに対

し,400万円及びこれに対する平成8年6月1日(訴状送達の日の翌日)か
ら支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2原告株式会社インディアンモトサイクルカンパニージャパン(以下「原
告インディアン」という)の請求

(1)被告東洋は,
ア原告インディアンに対し,3000万円及びこれに対する平成8年
6月1日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を
支払え。
イ別紙被告標章目録1ないし4及び6記載の各標章を付したジャケッ
ト,同目録2,3及び5ないし9記載の各標章を付したシャツ,同目録2,3
及び5記載の各標章を付したセーター,並びに,同目録8記載の標章を付した
帽子を輸入し,譲渡し,引渡し又は譲渡若しくは引渡しのために展示してはな
らない。
ウその占有に係る前項記載のジャケット,シャツ,セーター及び帽子
を廃棄せよ。
(2)被告寺田は,
ア原告インディアンに対し,500万円及びこれに対する平成8年6
月2日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支
払え。
イ別紙被告標章目録1ないし4及び6記載の各標章を付したジャケッ
トを譲渡し,引渡し又は譲渡若しくは引渡しのために展示してはならない。
ウその占有に係る前項記載のジャケットを廃棄せよ。
(3)被告ヒノヤは,
ア原告インディアンに対し,400万円及びこれに対する平成8年6
月1日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支
払え。
イ別紙被告標章目録1ないし4及び6記載の各標章を付したジャケッ
ト,同目録2,3及び5ないし9記載の各標章を付したシャツを譲渡し,引渡
し又は譲渡もしくは引渡しのために展示してはならない。
ウその占有に係る前項記載のジャケット及びシャツを廃棄せよ。
第2事案の概要
1当事者
原告インディアンは,皮革製品,衣料品,袋物,洋品雑貨等の輸出入及
び販売を目的とする株式会社である。原告インディアンは,原告Aから,同人
が出願・登録した後記本件商標権の譲渡を受けた。
他方,被告東洋は繊維製品,化学製衣料品,雑貨類等の国内販売及び輸
出入を,被告寺田は繊維製品卸・小売業を,被告ヒノヤは衣料品の卸・小売等
を,それぞれ目的とする株式会社である。
2訴えの要旨
本件は,1950年代以前にアメリカ合衆国で人気を博したオートバイ
のメーカーに由来する「インディアン」という名称のブランドの使用を巡る

紛争である。
原告両名は,被告三名に対し,被告らが別紙被告標章目録1ないし9記
載の各標章(以下,これらをその番号に応じてそれぞれ「標章1」のように表
記し,すべてを総称して「被告標章」という)をジャケット等に付するなど

して使用する行為は,原告Aから原告インディアンが譲り受けた後記商標権の
侵害に当たると主張して,原告Aは損害賠償を,原告インディアンは被告標章
の使用の差止め等及び損害賠償をそれぞれ求めている。
3前提となる事実関係
(1)原告インディアンは,平成7年10月16日,原告Aからその出願
に係る下記の商標権(以下「本件商標権」といい,その登録商標を「本件登録
商標」という)の譲渡を受け,平成8年5月27日,その旨の移転登録がさ

れた。
出願年月日平成4年2月6日
登録年月日平成7年9月29日
登録番号第2710099号
商品区分商標法施行令別表の商品区分第17類
指定商品被服(運動用特殊被服を除く,布製身回品(他


の類に属するものを除く,寝具類(寝台を除く)

)。
登録商標別紙原告商標目録記載のとおり
本件登録商標は,上記目録記載のとおり,①羽根飾りを冠した右向き
のインディアンの横顔の図形,②その中に配した筆記体欧文字「Indian,及

び,③その下部に小書して配された筆記体欧文字「IndianMotorcycleCo.,In
」(,,「」
c.から構成されている以下便宜上上記①の図形をインディアン図形
と同②の筆記体欧文字をインディアンロゴと同③の筆記体欧文字をモ
,「」,「
トサイクルロゴ」とそれぞれいい,インディアンロゴを図の中央に配したイン
ディアン図形を「ロゴ入りインディアン」という。


(2)本件登録商標に対しては,被告東洋が無効審判を請求し,平成10
年4月10日に,特許庁により同商標の登録を無効とする審決がされたが,同
審決に対しては取消訴訟が提起され,平成11年4月14日に,同審決を取り
消す判決がされた。同判決に対しては,被告東洋が上告受理を申し立てたが,
平成13年11月21日,上告不受理の決定がされ,同判決は確定した。
これを受けて,特許庁においてさらに上記無効審判請求事件の審理が
され,平成14年2月28日付けで,原告商標が先願の後記被告商標(登録第
2634277号)と同一又は類似のものと認められ,商標法4条1項11号
違反事由が存在することを理由として,その登録を無効とする旨の審決がされ
た。同審決に対しては,原告インディアンが取消訴訟を提起した。
(3)他方,被告らは,下記のとおり,別紙被告標章目録記載の各標章を
それぞれ使用していた。
ア被告東洋は,遅くとも平成7年6月以降,被告標章をそれぞれ別紙
使用態様目録記載の部位に付したジャケット,シャツ,セーター及び帽子を輸
入し,譲渡し,引渡し又は譲渡若しくは引渡しのために展示した(輸入を開始
した時期等は,甲27ないし30及び弁論の全趣旨によりこれを認める。


イ被告寺田は,遅くとも平成7年10月以降,被告標章1,2,3,
4及び6をそれぞれ別紙使用態様目録記載の部位に付したジャケットを譲渡
し,引渡し又は譲渡若しくは引渡しのために展示した(譲渡を開始した時期等
は,甲26ないし30及び弁論の全趣旨によりこれを認める。


ウ被告ヒノヤは,遅くとも平成8年4月以降,被告標章をそれぞれ別
紙使用態様目録記載の部位に付したジャケット及びシャツを譲渡し,引渡し又
は譲渡若しくは引渡しのために展示した(譲渡を開始した時期等は,甲26な
いし30及び弁論の全趣旨によりこれを認める。


なお,被告らが被告標章をそれぞれ付して使用した上記ジャケット,
シャツ,セーター及び帽子は,いずれも本件登録商標の指定商品に該当する。
(4)ところで,本件登録商標の出願・登録に先立って,被告東洋は,平
,(「」。

成3年11月5日別紙被告商標目録記載の商標以下被告商標という
につき商標登録出願し,平成6年3月31日,同商標は登録された。
出願年月日平成3年11月5日
登録年月日平成6年3月31日
登録番号第2634277号
商品区分平成3年政令第299号による改正前の商標法施
行令別表の商品区分第17類
指定商品被服,その他本類に属する商品
登録商標別紙被告商標目録記載のとおり
(5)被告商標に対しては,原告Aが無効審判を請求したが,平成9年9
月30日に特許庁により請求不成立の審決がされた。また,原告インディアン
は不使用に基づく登録取消の審判を請求したが,平成11年10月13日に特
許庁により請求不成立の審決がされた。
同審決に対しては,取消訴訟が提起されたが,平成12年11月29
日には,取消請求を棄却し,審決を維持する旨の判決がされた。
(6)なお,原告インディアンは,前記インディアンロゴを文字商標とし
て商標登録出願し,平成9年7月4日に商標登録を受けた(登録第40229
87号。

また,前記インディアン図形についても,図形商標として商標登録出
,()

願し平成10年2月20日に商標登録を受けた登録第4116047号
(7)他方,被告東洋は,羽根飾りが前方に突き出た左向きのインディア
ンの横顔図につき商標登録出願し,平成10年5月15日に商標登録を受けた
(登録第4145016号。

また,活字体の欧文字「INDIANMOTORCYCLE」を横一列に配してなる
商標も商標登録出願したが,平成11年4月23日に拒絶査定を受けた。
同被告は,拒絶査定不服の審判を請求したが,平成12年6月7日に
請求不成立の審決がされた。同審決に対しては取消訴訟が提起されたが,平成
12年12月21日,取消請求を棄却し,上記審決の結論を維持する旨の判決
がされた。
4争点
(1)標章1ないし9が,本件登録商標と類似するか(争点(1)。

,()

(2)標章1ないし9は被告商標権の専用権の範囲内にあるか争点(2)
(3)本件登録商標には明らかな無効事由があり,原告の本訴請求は,権
利の濫用に当たるものとして許されないか(争点(3)。

(4)原告らの損害額(争点(4)。

第3争点(1)ないし(3)に関する当事者の主張
1争点(1)(標章1ないし9が,本件登録商標と類似するか)について
(原告らの主張)
結合商標については,構成上明確に区分可能な各部分はいずれも同商標
の要部であると解すべきところ,本件登録商標は,①インディアン図形,②そ
の中に配したインディアンロゴ,及び,③その下部に配したモトサイクルロゴ
からなる結合商標であり,これら3つの部分は構成上明確に区分可能であるか
ら,上記①及び②は,いずれも本件登録商標の要部である。そして,これら①
及び②からは,いずれも「インディアン」の称呼及び「北米原住民」の観念を
生ずるから,本件登録商標全体からも「インディアン」の称呼及び「北米原

住民」の観念を生ずるものと認められる。
ところで,結合標章と組合商標の類否判断においては,結合標章の構成
要素の1つが,結合商標の構成要素の1つと外観,称呼,観念のいずれかにお
いて類似する場合には,この標章は当該商標に類似すると解すべきである。被
告標章は,いずれも結合標章であって,以下に詳述するとおり,その構成要素
の1つであり,要部である筆記体の欧文字「Indian」は,上記インディアンロ
ゴと酷似した外観を呈し「インディアン」の称呼を生ずるとともに「北米原
,,
住民」の観念を生ずるから,外観,称呼,観念のすべてにおいて本件登録商標
と同一である。したがって,被告標章は,いずれも本件登録商標に類似すると
いうべきである。
,,「」

ア標章1は長方形の枠様の図形大書した筆記体の欧文字Indian
その下に配した大書した筆記体の欧文字「Motorcycle,これらの右に配した

左向きのインディアンの図,上記「Motorcycle」及び「インディアンの図」の
下に小書して配した活字体の欧文字「MANUFACTURINGCO.」からなる。
上記の構成に照らし,標章1の要部は「Indian」の部分であり,その
外観はインディアンロゴに酷似するとともに,そこからは,インディアンロゴ
及びインディアン図形から生ずるのと同一の称呼「インディアン」及び同一の
観念「北米原住民」を生ずる。
したがって,標章1は本件登録商標に類似する。
イ標章2は,大書した筆記体の欧文字「Indian,その下に小書して配

した活字体の大文字「MOTORCYCLE,さらにその下に小書して配した三角形を

横一列に連ねた図柄からなる。
上記の構成に照らし,標章2の要部は「Indian」の部分であり,その
外観はインディアンロゴに酷似するとともに,そこからは,インディアンロゴ
及びインディアン図形から生ずるのと同一の称呼「インディアン」及び同一の
観念「北米原住民」を生ずる。
したがって,標章2は本件登録商標と類似する。
ウ標章3は,標章2を白抜きにした構成からなる。したがって,標章2
について上述したことがそのままあてはまり,標章3は本件登録商標に類似す
る。
,,「」

エ標章4は長方形の枠様の図形大書した筆記体の欧文字Indian
その下に配した大書した筆記体の欧文字「Sportswear,これらの右に配した

左向きのインディアン図,上記「Sportswear」及びインディアン図の下に配し
た小書した活字体の欧文字「FORMOTORCYCLISTS」からなる。
上記の構成に照らし,標章4の要部は「Indian」の部分であり,その
外観はインディアンロゴに酷似するとともに,そこからは,インディアンロゴ
及びインディアン図形から生ずるのと同一の称呼「インディアン」及び同一の
観念「北米原住民」を生ずる。
したがって,標章4は本件登録商標に類似する。
オ標章5は,二重の円弧状の図形,その中に配した左向きのインディア
ンの図,円弧と円弧の間に配した活字体の欧文字「WORLD'SFINESTMOTORCYCL
E,これらの下に配した「Indian,さらにその下に配した筆記体の欧文字「M
」」
」。,
「」,
「」
otorcycleCo.からなるなおIndianはWORLD'SFINESTMOTORCYCLE
及び「MotorcycleCo.」より大きめの文字で書かれている。
上記の構成に照らし,標章5の要部は「Indian」の部分であり,その
外観はインディアンロゴに酷似するとともに,そこからは,インディアンロゴ
及びインディアン図形から生ずるのと同一の称呼「インディアン」及び同一の
観念「北米原住民」を生ずる。
したがって,標章5は本件登録商標に類似する。
カ標章6は,大きな字で書かれた筆記体の欧文字「Indian,それより

小さな字でその下に書かれた筆記体の欧文字「Motorcycle「Motorcycle」よ


りさらに小さな字でその下に書かれた活字体の欧文字「SPRINGFIELD,MASS.」
からなる。
上記の構成に照らし,標章6の要部は「Indian」の部分であり,その
外観はインディアンロゴに酷似するとともに,そこからは,インディアンロゴ
及びインディアン図形から生ずるのと同一の称呼「インディアン」及び同一の
観念「北米原住民」を生ずる。
したがって,標章6は本件登録商標に類似する。
キ標章7は,大きな字で書かれた筆記体の欧文字「Indian,その上に

配されたやや小さめの左向きのインディアンの図,その下に小さく書かれた活
字体の欧文字「AMERICA'S「AMERICA'S」のさらに下にそれと同じ大きさで書


かれた活字体の欧文字「PIONEERMOTORCYCLE」からなる。
上記の構成に照らし,標章7の要部は「Indian」の部分であり,その
外観はインディアンロゴに酷似するとともに,そこからは,インディアンロゴ
及びインディアン図形から生ずるのと同一の称呼「インディアン」及び同一の
観念「北米原住民」を生ずる。
したがって,標章7は本件登録商標に類似する。
ク標章8は,右向きのインディアンの図,同図と一体化するようにその
中ほどから下にかけて配された筆記体の欧文字「Indian「Indian」の下に小


さく書かれた活字体の欧文字「MOTORCYCLE,前記図の左上に小さく書かれた

活字体の欧文字及び数字「CA26738」からなる。
上記の構成に照らし,標章8の要部は右向きのインディアンの図及び
「Indian」であり,このインディアンの図の外観はインディアン図形に酷似す
るばかりか「Indian」の外観もインディアンロゴに酷似する。また,このイ

ンディアンの図及び「Indian」からは,いずれも,インディアン図形及びイン
ディアンロゴから各生ずるのと同一の称呼インディアン及び同一の観念北
「」「
米原住民」を生ずる。
したがって,標章8は本件登録商標に類似する。
ケ標章9は,大きく書かれた筆記体の欧文字「Indian,その下に小さ

く書かれた活字体の欧文字「MOTORCYCLE,前記「Indian」に一部重なるよう

にその上に配した円の図形,及び,この円の中に配した左向きのインディアン
の図からなる。
上記の構成に照らし,標章9の要部は「Indian」の部分であり,その
外観はインディアンロゴに酷似するとともに,そこからは,インディアンロゴ
及びインディアン図形から生ずるのと同一の称呼「インディアン」及び同一の
観念「北米原住民」を生ずる。
したがって,標章9は本件登録商標に類似する。
(被告らの主張)
本件登録商標はインディアンロゴを中央に配したインディアン図形ロ
,(
ゴ入りインディアン)からなる上段部と,モトサイクルロゴからなる下段部に
よって構成されるが,これら上段部及び下段部がそれぞれ要部であるとみるべ
きであり,前者からは「インディアン」の称呼を,後者からは「インディアン
モトサイクル」の称呼をそれぞれ生ずる。
ところで,原告は,本件登録商標が結合商標であるとした上で,結合標
章の構成要素の1つが,外観,称呼,観念のいずれかにおいて結合商標の構成
要素の1つと類似する場合には,この標章は当該商標に類似すると解すべきで
ある旨主張する。しかし,商標の類否判断に際しては,比較する両商標を全体
的に観察し,総合的に対比した上で,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそ
れがあるか否かを基準に判断すべきであり「Indian」又は「インディアン」

の文字を含む商標が,相抵触する指定商品の関係において多数併存している特
許庁登録事例乙12参照に照らしてもIndianの文字からなる商標とI
(),
「」,

ndian」の文字に他の文字を一体的に結合させた商標とは原則として非類似と
解すべきである。また,これら登録事例に照らせば,ここでいう一体的な結合
商標であるか否かは,まとまりのある1つの商標として認識し得るか否かによ
って決すべきで,文字種の相違,複数行表記及びスペースやハイフン等による
区切りの存在が,直ちに一体的な結合商標であることの否定につながるもので
。,,,
はないというべきであるさらに付言するに原告は外観の判断にあたって
インディアンロゴの独特の字体を重視するかのようであるが,本件登録商標中
のインディアンロゴ及び「IndianMotorcycleCo.,Inc.」の書体は,既に公知
公用のスクリプトと称せられるタイプフェース(書体)の一種に若干のアレン
ジを加えたものにすぎず,何ら新規なものではない。
以上をふまえて検討すると,下記に詳述するとおり,被告標章は,いず
れも本件登録商標と類似するものではない。
ア標章1は,小三角形を四辺に並べて形取った方形の枠内に,筆記体欧
文字「Indian」と「Motorcycle」とを上下に一体的に表記し,その右側に円形
枠付きのインディアン図を配し,下方に活字体欧文字「MANUFACTURINGCO.」
を小書した構成になっている。
上記「Indian」及び「Motorcycle」は,二段に配されているものの,
書体も大きさも同じでありまたIndianの末字nに接近するようにM
,,
「」「」「
otorcycle」の文字全体が右上がりになっているから,まとまりのある標章全
体の構成態様とも相まって,一体的結合標章「IndianMotorcycle」と認識さ
れる。したがって,そこからは「インディアンモーターサイクル」の称呼及

びこれに相応する観念を生ずる。これらは,本件登録商標の上段部から生ずる
称呼である「インディアン」及びこれに相応する観念と相違しており,標章1
と本件登録商標とを全体的に観察し,総合的に判断すれば,その相違は一層明
白となる。
イ標章2は,三角図柄を並べたライン上に,筆記体欧文字「Indian」及
び活字体欧文字「MOTORCYCLE」を上下二段に表記した構成になっている。
上記「Indian」及び「MOTORCYCLE」は二段に配され,その大きさも異
なるが,全体として1つの標章としてまとまった態様をなし「インディアン

」「()

モーターサイクルなる称呼及びインディアンのオートバイ自動二輪車
なる観念を生ずる。したがって,本件登録商標から生ずる「インディアン」の
,,,
称呼及び観念とは相違しており両者を全体的に観察し総合的に判断すれば
その相違は一層明白となる。
ウ標章3は,標章2を白抜きにした構成になっている。
したがって,前記イで述べたのと同様の理由により,本件登録商標と
類似しない。
エ標章4は,三角図柄を四辺に並べた方形枠内にあって,筆記体欧文字
「Indian」と「Sportswear」を上下に一体的に表記し,右側に円形枠付きのイ
ンディアン図を配し,下方部に活字体欧文字「FORMOTORCYCLISTS」を小書し
た構成となっている。
上記「Indian」及び「Sportswear」は,2段に配されているものの,
書体も大きさも同じでありまたIndianの末字nに接近するようにS
,,
「」「」「
portswear」の文字が右上がりになっているから,まとまりのある標章全体の
,「」。
構成態様とも相まって一体的結合標章IndianSportswearと認識される
したがって,そこからは「インディアンスポーツウエアー」なる称呼及びこ

れに相応する観念を生ずる。これらは,本件登録商標の上段部から生ずる「イ
ンディアン」の称呼及び観念とは相違しており,両者を全体的に観察し,総合
的に判断すれば,その相違は一層明白となる。
,,
オ標章5は二重の円形枠内の中央部に左向きインディアン図形を配し
この円形枠の間に活字体欧文字「WORLDSFINESTMOTORCYCLE」を表記し,同枠
の下方部分と一部重なるように,筆記体欧文字「Indian」とその下段の「Moto
rcycleCo.」とを一体的に表記した構成からなる。
上記「Indian」及び「MotorcycleCo.」の部分は,2段に表記されて
いるものの,同じ書体及び字幅をもって近接配置されており,まとまりのある
構成態様とも相まって,一体的な結合標章「IndianMotorcycle」と認識され
る。したがって,そこからは「インディアンモーターサイクル」の称呼及び

これに相応する観念を生ずる。これらは,本件登録商標から生ずる「インディ
アン」の称呼及び観念とは相違しており,両者を全体的に観察し,総合的に判
断するならば,その相違は一層明白となる。
カ標章6は,筆記体欧文字「Indian」とその下段の「Motorcycle」とを
一体的に表記し,さらに,最下段に活字体欧文字「SPRINGFIELD,MASS.」を表
記した構成となっている。
上記「Indian」及び「Motorcycle」の部分は2段に表記され,大きさ
,,
も若干異なるものの同じ書体をもってまとまりよく近接配置されているから
全体として一体的な結合標章「IndianMotorcycle」と認識される。したがっ
て,そこからは「インディアンモーターサイクル」の称呼及びこれに相応す

る観念を生ずる。これらは,本件登録商標から生ずる「インディアン」の称呼
,,,
及び観念とは相違しており両者を全体的に観察し総合的に判断するならば
その相違は一層明白となる。
キ標章7は,中央に筆記体欧文字「Indian」を大書し,その上部中央に
やや小さめの左向きインディアンの図を配し,下段部に2行にわたり活字体欧
文字「AMERICA'SPIONEERMOTORCYCLE」を表記した構成になっている。
上記「Indian」からは「インディアン」の称呼及びこれに相応する

観念を生ずるが,これと一体化した左向きインディアン図は,本件登録商標の
,,
構成にかかるインディアン図とは明瞭に異なっており両者を全体的に観察し
総合的に判断するならば,その相違は容易に識別可能である。よって,両者は
全体として非類似というべきである。
ク標章8は,右向きインディアンの図の下方位置に同図に同化させた態
様で筆記体欧文字「Indian」を,その下方近接位置に活字体欧文字「MOTORCYC
LE」をそれぞれ表記するとともに,前図左上に「CA26738」の文字を表記した
構成からなる。
上記「Indian」からは「インディアン」の称呼及びこれに相応する

観念を生ずるが,これに近接した位置に同じ字幅をもって「MOTORCYCLE」を配
したことにより,これら文字が1つの標章としてまとまった態様をなし「イ

ンディアンモーターサイクル」の称呼及びこれに相応する観念を生ずる。した
がって,本件登録商標から生ずる「インディアン」の称呼及び観念とは相違し
ており,全体の態様からしても,見る者に異なった印象を与えるから,両者は
非類似というべきである。
,「」,
ケ標章9は中央にやや太めの字体の筆記体欧文字Indianを大書し
その上部中央に一部重なるように,円形の背景をあしらった左向きインディア
ンの図を配し,下段に小さめの活字体欧文字「MOTORCYCLE」を表記した構成と
なっている。
上記「Indian」及び「MOTORCYCLE」は2段に表記され,大きさも異な
るものの,同じ幅をもってまとまりよく近接配置されており,全体として一体
的な結合標章と認識される。したがって,そこからは「インディアンモータ

ーサイクル」の称呼及びこれに相応する観念を生ずる。これらは,本件登録商
標から生ずる「インディアン」の称呼及びこれに相応する観念とは相違してお
り,両者を全体的に観察し,総合的に判断するならば,その相違は一層明白と
なる。
2争点(2)(標章1ないし9が,被告商標権の専用権の範囲内にあるか)
について
(被告らの主張)
被告らによる欧文字「IndianMotorcycle」の使用は,被告東洋が登録
した被告商標権の専用権の範囲内にある。このことは,被告商標の不使用に基
づく登録取消審判請求事件の審決に対する取消訴訟(前記第2の3(5))にお
,「」,
いてローマ字INDIANMOTORCYCLE及びその筆記体からなる商標の使用は
被告商標の使用と認められる旨認定された(乙13)とおりである。
したがって,以下に詳述するとおり,少なくとも被告標章1ないし3,
5,6,8及び9を使用する行為は,これら標章と本件登録商標との類否に関
わりなく,本件商標権を侵害しない。
ア被告は,上記被告商標とは別個に,羽根飾りが前方に突き出た左向き
インディアン横顔図についても商標登録しているから(前記第2の3(7)。乙
15,標章1の使用は,文字部分及びその右側に配された円形枠付きインデ

ィアン図も含め,全体として,被告東洋が登録した自己の商標の使用と認めら
れる。したがって,本件商標権を侵害するものではない。
イ標章2,3,8及び9における筆記体欧文字「Indian」の使用は,前
記のとおり被告商標の使用であるから,本件商標権を侵害するものではない。
ウ標章5の構成中,筆記体欧文字「MotorcycleCo.」の末尾の「Co.」
の部分は付記的表記であって問題にならず「Motorcycle」の使用は被告商標

の使用というべきである。また,中央に配した羽根飾りが前方に突き出た左向
きインディアン図についても,被告の前記登録商標(乙15)の使用であるか
ら,全体として,被告東洋が登録した自己の商標の使用であると認められる。
したがって,同標章の使用は,本件商標権を侵害しない。
エ標章6についても,最下段の活字体欧文字「SPRINGFIELD,MASS.」が
付記的表記(地名)であって問題にならず,筆記体欧文字「IndianMotorcycl
e」の使用は被告商標の使用とみることができる。したがって,同標章の使用
は,本件商標権を侵害しない。
(原告らの主張)
もともと,被告商標は「インディアンモーターサイクル」なる一連一

体の称呼・観念のみを生ずるものとして登録されたのであり,これと同一性の
範囲にあるのは,上記一連一体の称呼・観念を生ずる態様の標章に限られる。
仮に現在の審査例に基づくとしても「INDIAN」又は「インディアン」の前又

は後に,これら「INDIAN」又は「インディアン」と同一の書体で,かつ同一の
大きさで,横一列に一連又は一体に他の語を配した商標が,上記「INDIAN」又
は「インディアン」からなる商標と非類似として扱われるのが通例である。し
たがって,いずれにせよ,被告標章は被告商標の同一性の範囲内にはないとい
うべきである。
被告らは,前記審決取消請求訴訟の判決(乙13)を挙げて,被告標章
が被告商標の同一性の範囲内にあると主張する。しかし,登録取消請求事件の
審決及び審決取消訴訟の判決を仔細に検討すれば,そこで,片仮名「インディ
アンモーターサイクル」からなる被告商標と同一性の範囲内にあると判断され
たのは,書体及び大きさがいずれも同一の欧文字「INDIANMOTORCYCLE」又は
「IndianMotorcycle」を横一列に一連一体に配したものに限られており,例
えば「INDIAN」と「MOTORCYCLE」の間や「Indian」と「Motorcycle」の間に

「・」が挿入されたりして間隔が生じたものは除かれている。また,筆記体欧
文字のものについても,少なくとも,特徴ある前記インディアンロゴと同一又
は近似した字体のものは除かれている。以上から明らかなとおり,被告の主張
は,上記審決及び判決を歪曲するものであり,誤りというべきである。
3争点(3)(本件登録商標には明らかな無効事由があり,原告の本訴請求
は,権利の濫用に当たるものとして許されないか)について
(被告らの主張)
本件登録商標には,次のとおり明白な無効理由がある。したがって,原
告が本件商標権の侵害を主張することは,権利の濫用に当たるものとして許さ
れない。
ア商標法4条1項7号該当事由
,「」
本件登録商標においてはその下段にIndianMotorcycleCo.,Inc.
なる英文字が配置されているところ,一般に「Co.,Inc.」の英文字が法人を

示す略号として用いられるものであることは公知の事実である。しかるに,本
件登録商標の出願人Aは,自然人であり法人ではないのであるから,このよう
,。
な商標は商品の出所の誤認をきたし公の秩序を害するものとして無効である
イ商標法4条1項11号該当事由

「」
被告東洋が有する被告商標からはインディアンモーターサイクル
の称呼を生ずる一方で,本件登録商標からは「インディアンモトサイクル」

の称呼を生ずる。しかるに「Moto(モト」は「Motor(モーター」の簡略語
,))
にすぎないから「インディアンモトサイクル」と「インディアンモーターサ

イクル」とは称呼上類似するというべきである。また,被告商標からは「Ind

ianMotorcycle」なる英単語を認識することができ,そこからは「インディ

アン(北米原住民)のモーターサイクル(オートバイ・自動二輪車」という

観念を生ずる。その一方で,本件登録商標の下段の主要部には「IndianMoto

cycle」の英文字が配されており「Moto(モト」が「Motor(モーター」の
,),)
簡略語として,例えば「Motocross(モトクロス」のように「モーター(オ
)」
ートバイ・自動二輪車)の意味で用いられることからすると,上記主要部か

らは,やはり「インディアン(北米原住民)のモーターサイクル(オートバイ
・自動二輪車」という観念を生ずるというべきである。

以上によれば,本件登録商標は被告商標に類似する商標であって,し
かも,被告商標の登録に係る指定商品に類似する商品について使用するもので
あるから,結局,本件登録商標は,登録を受けることのできない無効な商標と
いうことになる。
(原告らの主張)
ア商標法4条1項7号該当の主張に対する反論
商標法は,同法4条1項8号の存在が示すとおり,他人の名称であっ
ても,その承諾を得たものについて商標登録を認めている。しかるところ,原
告Aは“IndianMotorcycleCo.,Inc.”の同意を得て本件登録商標を商標登

録している(甲32,33)のであるから,そこには何の瑕疵もない。
したがって,本件登録商標に同法4条1項7号該当事由が存在する旨
の被告らの主張は失当である。
イ商標法4条1項11号該当の主張に対する反論

「」
本件登録商標からはインディアンモトサイクルカンパニーインク
なる一体の称呼及び観念を生ずるから「インディアンモーターサイクル」な

る称呼及び観念を生ずる被告商標とは,そもそも類似しない。
したがって,本件登録商標に同法4条1項11号該当事由が存在する
旨の被告らの主張もまた失当である。
第4争点(1)(2)についての当裁判所の判断
1争点(1)(被告標章と本件登録商標との類否)について
商標の類否は,同一又は類似の商品に使用された商標が外観,観念,称
呼等によって取引者,需要者等に与える印象,記憶,連想等を総合して全体と
して考察すべきものである。
上記考察に当たっては,基本的には商標を全体的に観察して対比判断す
べきであるが,商標の特定の部分が見る者の注意をひき,その部分が存在する
ことによって商標の識別機能が認められるときには,全体的観察と並行して商
標を機能的に観察し,その中心的な識別力を有する部分,すなわち要部を抽出
して対比判断することも必要となる。そして,結合商標の類否判断に当たって
も,全体的観察が基本となるが,結合した各構成部分の大きさや体裁あるいは
相互の結合の強弱等により,一部の構成部分が要部となったり,各構成部分が
格別に要部となることもあり,これらの場合には要部を抽出しての対比判断を
行うこととなる。
これを本件についてみるに,本件登録商標は,①インディアン図形,②
インディアンロゴ及び③モトサイクルロゴから構成される結合商標であるが,
外観上一見して見る者の目をひく①とその中央に配された②を組み合わせた部
分が,自他商品識別力の高い要部と認められるところ,この部分から「イン

ディアン」の称呼及び「北米原住民」の観念を生ずるのは自明である。また,
下段の③の部分(モトサイクルロゴ)については,上段のインディアンロゴを
中央に配したインディアン図形と視覚上分離して見て取ることができる上に,
その構成に照らし,前者が後者の付記的部分にとどまるとはいえず,両者を常
,,
に一体不可分に認識すべき格別の理由もないからモトサイクルロゴの部分も
独立して商品の識別機能を果たし得るものと認められる。しかるところ,同ロ
ゴの「Co.,Inc.」の部分は,一般に株式会社等の法人組織を指す英文表記「Co
mpanyIncorporated」の略語として知られ,かつ,しばしば用いられるもので
あるから,モトサイクルロゴは,全体として会社名を表したものと認識でき,
このような場合「Co.,Inc.」を除いた「IndianMotocycle」の部分だけが認

識・把握され,取引上通用することも十分あり得るというべきである。
以上を総合すれば,本件登録商標においては,商標全体のほか,①②を
組み合わせた部分及び③の部分を,いずれも自他商品識別力を有する要部と認
めることができ本件登録商標からはインディアンはもちろんのことイ
,,
「」,

ンディアンモトサイクルシーオーインク「インディアンモトサイクルカンパ


ニーインク」のほか「インディアンモトサイクル」の各称呼を生ずるととも

に,オートバイで山道や原野を走る競技が「モトクロス」ないし「モトクロス
レース」と一般に称されるなど「モト/Moto」が「モーター/Motor」の簡略

語として通用している実情にかんがみれば「北米原住民」のほか「インディ
,,
アン(北米原住民)のオートバイ(自動二輪車」及び「インディアンモトサ
)『
イクル』という名称のオートバイ(自動二輪車)を扱う会社」の各観念をそれ
ぞれ生ずるというべきである。
上記を前提に,以下,被告標章1ないし9と本件登録商標との類否を,
順次検討する。
ア標章1は,別紙被告標章目録1記載のとおり,小三角形を四辺に並べ
て方形を形取った枠の内側に,筆記体欧文字「Indian」及び「Motorcycle」を
上下の2段に表記し,これらの右側に円形枠付きの羽根飾りを前に突出させた
,,「」
インディアンの横顔図を配しまた下方に活字体欧文字MANUFACTURINGCO.
を小書した構成となっている。
このうち「MANUFACTURINGCO.」は,最下段に小さく記載されていて

目をひかないことに加えて,製造業の会社(法人組織)を表す一般的な英文表
記であり,商品の出所を識別する上でほとんど意味を持たないが,他方,筆記
体欧文字「Indian」の部分は,その右隣に位置するインディアンの横顔図と相
まって,見る者から,下段の「Motorcycle」の部分から独立して認識される可
能性を有するものである。これらの点に,各部分の標章全体に占める割合,書
体の大きさ及び特徴などを併せ考えると,標章1の要部としては,上下二段に
一体的に表記された「IndianMotorcycle」のほか「Indian」が抽出されると
いうべきである。したがって,標章1からは「インディアンモーターサイク

ル「インディアン」の各称呼及び「インディアン(北米原住民)のモーター


サイクル(自動二輪車「北米原住民」の各観念を生ずる。このうち「イン


,,
ディアンモーターサイクル」の称呼は,本件登録商標の「インディアンモトサ
イクル」の称呼と類似し(本件登録商標と標章1は「モト」と「モーター」

の部分が相違するが「モ」と「モー」は短音か長音かの区別にすぎず「ト」
,,
「」,,
とターは後者が長音であるもののいずれもタ行に属する同質の音であり
これらの差異が称呼全体に及ぼす影響は小さいから,一連に称呼する場合に両
者は音感・音調が近似し,類似するものと認められる,そして,その他の称


呼及び観念は,本件登録商標から生ずる称呼及び観念と同一である。さらに,
上記インディアンの横顔図の外観は,本件登録商標のインディアン図形のそれ
とは多少異なるものの,北米原住民(インディアン)を一目で印象づける点に
おいては同じである上に,上段の「Indian」の外観は,本件登録商標にあって
見る者の目を引く部分の1つであるインディアンロゴとほとんど同一である。
,,。
上記によれば標章1は本件登録商標に類似するものと認められる
,,「」
イ標章2は別紙被告標章目録2記載のとおり筆記体欧文字Indian
,「」「」
を大書しその下にIndianよりかなり小さめの活字体欧文字MOTORCYCLE
を配して,さらにその下に小さな三角図柄を横一列に並べた構成からなる。
このうち,見る者の目を最もひくのが,中央部に大きな文字で記載さ
れた「Indian」の部分であるのは明らかである。また「Indian」が,その下

に小さな文字で記載された「MOTORCYCLE」と一体として認識され得るものと認
められる。そうすると,標章2の要部としては「Indian」のほか「IndianMO

TORCYCLE」が抽出されるというべきである。したがって,標章2からは「イ



「」「」

ンディアンインディアンモーターサイクルの各称呼及び北米原住民
「()()
」,
インディアン北米原住民のオートバイ自動二輪車の各観念を生じ
これらは,本件登録商標から生ずる称呼及び観念と類似ないし同一である。加
えて,上段の「Indian」の外観は,本件登録商標にあって見る者の目を引く部
分の1つであるインディアンロゴとほとんど同一である。
,,。
上記によれば標章2は本件登録商標に類似するものと認められる
ウ標章3は,別紙被告標章目録3記載のとおり,標章2を白抜きにした
構成からなるものである。よって,前記イに記載したのと同様の理由により,
本件登録商標と類似するものと認められる。
エ標章4は,別紙被告標章目録4記載のとおり,小三角形を四辺に並べ
て方形を形取った枠の内側に,筆記体欧文字「Indian」及び「Sportswear」を
上下にほぼ一体的に表記し,これらの右側に円形枠付きの羽根飾りを前に突出
させたインディアンの横顔図を配し,また,下方に活字体欧文字「FORMOTORC
YCLISTS」を小書した構成になっている(したがって,標章1における「Motor
cycle」を「Sportswear」に「MANUFACTURINGCO.」を「FORMOTORCYCLISTS」

にそれぞれ変えた以外は,ほぼ同標章と同一の構成ということができる。


このうち「FORMOTORCYCLISTS」の部分は,標章中の最下段に小さく

記載されており,見る者の目をひかない上「モーターサイクリスト(自動二

輪車に乗る人・自動二輪車の愛好者)のために」という意味を表す一般的な英
文表記であり,商品の対象者を示す語と解されることから,商品の出所を識別
する機能が薄弱である。また「Sportswear」の部分は,標章の付された商品

「」
(),
であるスポーツウェア運動着それ自体を意味する一般名詞であるから
自他識別力を有するものではない。これに対して「Indian」の部分は,その

右隣に位置するインディアンの横顔図と相まって,独立して見る者の目をひく
可能性を有するものと認められる。これらの点に,各部分の標章全体に占める
割合,書体の大きさ及び特徴などを併せ考えると,標章4の要部としては,上
下二段に一体的に表記された「IndianSportswear」のほか「Indian」の部分
が抽出されるというべきである。したがって,標章4からは「インディアン



「」「()
スポーツウェアインディアンの各称呼及びインディアン北米原住民
()


「」,,
のスポーツウェア運動着北米原住民の各観念を生ずるがこのうち
「インディアン」の称呼及び「北米原住民」の観念は,本件登録商標から生ず
る称呼及び観念と同一である。さらに,上記インディアンの横顔図の外観は,
インディアン図形のそれとは多少異なるものの,北米原住民(インディアン)
を一目で印象づける点において同じである上に,上記「Indian」の外観は,本
件登録商標にあって見る者の目を引く部分の1つであるインディアンロゴとほ
とんど同一である。
,,。
上記によれば標章4は本件登録商標に類似するものと認められる
なお,被告らは,上記「Indian」及び「Sportswear」は,書体も大き
さも同じである上に「Indian」の末字「n」に接近するように「Sportswear」

の文字が右上がりになっていて,まとまりのある構成態様となっており,これ
「」,,
らは一体的結合標章IndianSportswearと認識されるから標章4からは
「インディアンスポーツウェアー」の称呼及びこれに相応する観念のみを生ず
ると主張する。しかし「Indian」と「Sportswear」は,書体及び大きさが同

じであるとはいえ,二段に分けて筆記されており,この2つの単語が必然的に
結びつくというものではないし,上記のとおり「Sportswear」は,標章の付

された商品である「スポーツウェア(運動着)それ自体を意味する一般名詞

であって,識別力に乏しく,観念的には,その下段の「FORMOTORCYCLISTS」
の部分と結合して「モーターサイクリスト(自動二輪車に乗る人・自動二輪

車の愛好者)のためのスポーツウェア(運動着」と,一体に認識される可能

性すらあり得るものである。これに対して「Indian」の文字は,その右隣に

配された一見して北米原住民(インディアン)の横顔とわかる左向きのインデ
ィアンの図と結び付き「Sportswear」の部分から独立して「インディアン」
,,
の称呼及び「北米原住民」の観念を生ずるものとして,要部として抽出される
と認められる。被告の主張は,採用できない。
オ標章5は,別紙被告標章目録5記載のとおり,二重の円形枠内の中央
部に,羽根飾りを前に突出させた左向きインディアンの図を配し,円形枠と円
形枠の間に活字体欧文字「WORLD'SFINESTMOTORCYCLE」を表記し,さらに,
枠の下方部分と一部重なるように筆記体欧文字「Indian」を,その下段に筆記
体欧文字「MotorcycleCo.」をそれぞれ表記した構成からなる。
このうち「WORLD'SFINESTMOTORCYCLE」は,見る者の目をひき難い

配置となっているほか,その意味は「世界(あるいは米国)で最も素晴らしい
自動二輪車」というもので,この種エンブレムによく見られる修辞部分にすぎ
ないから,下段の筆記体欧文字「MotorcycleCo.」から独立して自他識別力を
発揮し得ると認めるのは困難である。他方,同標章の構成を全体的に観察すれ
ば,上記インディアン図及び筆記体欧文字部分は,いずれもそれなりの識別力
を有しており,そのなかでも,標章全体のほぼ中央に配され,字体の最も大き
い「Indian」部分が,とりわけ強い識別力を有するものと認められる。したが
って,同標章からは,①上記インディアン図,②「IndianMotorcycleCo.」
なる欧文字部分全体,及び,③「Indian」部分がいずれも要部として抽出され
るというべきところ,上記①の外観は,本件登録商標のインディアン図形のそ
れとは多少異なるものの,北米原住民(インディアン)を一目で印象付ける点
において同じである。また,上記③から生ずる「インディアン」なる称呼及び
「」,。
北米原住民の観念は本件登録商標から生ずる称呼及び観念と同一である
さらに,上記②のうち「Co.」の部分は,一般に法人組織を表す英単語「Comp

any」の略記として識別力を持たないと考えられるから,②からは「インディ



「」
アンモーターサイクルシーオーインディアンモーターサイクルカンパニー
のほか「インディアンモーターサイクル」の各称呼及び「インディアンモー

ターサイクル』という名称の会社「インディアン(北米原住民)のモーター


サイクル(自動二輪車」の各観念を生ずるというべきところ,これらは,本

件登録商標から生ずる称呼及び観念と類似ないし同一である。
,,。
上記によれば標章5は本件登録商標に類似するものと認められる
,,「」
カ標章6は別紙被告標章目録6記載のとおり筆記体欧文字Indian
の下段に一回り小さい字体で「Motorcycle」と表記し,さらにその下段に「Mo
torcycle」より小さい字体で活字体欧文字「SPRINGFIELD,MASS.」を表記した
3段の構成となっている。
このうち「SPRINGFIELD,MASS.(マサチューセッツ州スプリングフ
,」
ィールド)の部分は,最下段に小さく記載されてもので目に付き難く,また,
,,
単なる地名であって商品の産地販売地と解される可能性もあるものであって
識別力が薄弱である。その文字の大きさに照らし,見る者の目をもっともひく
のが「Indian」の部分であるのは明らかであるが「Indian」及び「Motorcycl

e」は同様の字体で二段に近接して配置され,文字の大きさもさほど変わらな
い。そうすると,標章6の要部としては「Indian」のほか「IndianMotorcyc

le」が抽出されるというべきである。これらからは「インディアン「イン
,」

ディアンモーターサイクル」の各称呼及び「北米原住民「インディアン(北


米原住民)のモーターサイクル(自動二輪車」の各観念を生ずるが,これら

は本件登録商標から生ずる称呼及び観念と類似ないし同一である。加えて,上
記「Indian」の文字部分の外観は,本件登録商標にあって見る者の目を引く部
分の1つであるインディアンロゴとほとんど同一である。
,,。
上記によれば標章6は本件登録商標に類似するものと認められる
キ標章7は別紙被告標章目録7記載のとおり中央に筆記体欧文字I
,,「
」,,
ndianを大書しその上部中央に小さめの左向きインディアン横顔図を配し
下段部に2行にわたって活字体欧文字「AMERICA'SPIONEERMOTORCYCLE」を小
書した構成になっている。
このうち「AMERICA'SPIONEERMOTORCYCLE」は「アメリカにおける
,,
先駆的な自動二輪車」との意味を表すものであるが,最下段に小さな字で記載
されており,見る者の目をひき難い配置となっており,独立して自他識別力を
発揮し得ると認めるのは困難である。他方,同標章の構成を全体的に観察すれ
ば,上記インディアン図及び筆記体欧文字部分は,いずれもそれなりの識別力
を有しており,その中でも,標章全体の中央に配され,際だって大きな割合を
占める筆記体欧文字「Indian」部分が,とりわけ強い識別力を有していると考
えられる。また「AMERICA'SPIONEERMOTORCYCLE」の部分は「Indian」部分
,,
と結合して識別力を有することはあり得るものと認められる。したがって,同
標章からは,①上記インディアン図,②「Indian」部分,及び,③「IndianA
MERICA'SPIONEERMOTORCYCLE」がいずれも要部として抽出されるというべき
ところ,上記①の外観は,インディアン図形のそれとは多少異なるものの,北
米原住民(インディアン)を一目で印象付ける点において同じである。また,
上記②から生ずる「インディアン」なる称呼及び「北米原住民」の観念は,本
件登録商標から生ずる称呼及び観念と同一であり,上記③から生ずる「イン

ディアン(北米原住民)のアメリカにおける先駆的なモーターサイクル(自動
二輪車」の観念は,本件登録商標から生ずる「インディアン(北米原住民)

のモーターサイクル(自動二輪車」なる観念と類似する。

,,。
上記によれば標章7は本件登録商標に類似するものと認められる
なお,被告は,上記左向きインディアン図は「Indian」文字と一体

化しており,本件登録商標を構成するインディアン図形とは明瞭に異なるもの
であって,両者を全体的に観察し,総合的に判断すれば,その相違は容易に識
別可能であるから,両者は全体として非類似である旨を主張する。しかし,標
章7の左向きインディアン図は「Indian」文字に比べると小さいものの,標

章の中央に配された特徴ある図柄であり,同文字と近接はしているものの,重
なったりすることなく別個の構成部分として配置されているから「Indian」

文字と一体化しているとはいえない。また,確かに,上記左向きインディアン
図とインディアン図形との間には,顔が左向きか右向きかという差異は存する
が,いずれも特徴ある筆記体欧文字「Indian」と組み合せて用いられているこ
とからすると,被告が主張するように,これらを全体的に観察した場合,その
相違が容易に識別可能であるとはいえない。被告の上記主張は,採用の限りで
ない。
ク標章8は,別紙被告標章目録8記載のとおり,右向きインディアン図
の下方位置に同図と同化させた態様で大きな筆記体欧文字「Indian」を,その
下方近接位置に小さな活字体欧文字「MOTORCYCLE」を,図形左上に小さな活字
体欧文字と数字を組み合わせた「CA26738」をそれぞれ配した構成からなる。
このうち「CA26738」の部分は,小さな字で記載されていて目立たな

,,
い上当該欧文字と数字の組合せに特段の意味を見いだせないものであるから
この部分には識別力を認めることができない(CA26738」は,カリフォルニア

州の特定の地域を示す郵便番号とも解されるが,いずれにしても識別力を有す
るものではない。同標章の構成を全体的に観察すれば,①中央に大書された


「Indian」及び②それと一体をなす右向きの特徴あるインディアン図が要部と
して抽出されるほか「MOTORCYCLE」が上段に大書された「Indian」と結合し

て一定の識別力を有することがあり得ることに照らし,③「IndianMOTORCYCL
」。,,
Eも要部として抽出されるというべきであるしかるところこれらからは
「インディアン「インディアンモーターサイクル」の各称呼及び「インディ


アン(北米原住民)のモーターサイクル(自動二輪車「北米原住民」の各



観念を生ずるが,これらは,本件登録商標から生ずる称呼及び観念と類似ない
し同一である。さらに,上記インディアンの右向き横顔図の外観は,本件登録
商標のインディアン図形の外観と類似する上に,上記「Indian」の外観は,本
件登録商標にあって見る者の目をひく部分の1つであるインディアンロゴとほ
とんど同一である。
,,。
上記によれば標章8は本件登録商標に類似するものと認められる
ケ標章9は別紙被告標章目録9記載のとおり中央に筆記体欧文字I
,,「
ndian」を大書し,その上部中央に一部重なるように,円形の枠を伴って左向
きインディアン横顔図を配し,下段部に「Indian」と同一の幅をもって横一列
に活字体欧文字「MOTORCYCLE」を小書した構成となっている。
このような構成からすれば,同標章の要部としては,まず,①中央に
大書された「Indian」及び②これと一部重なる左向きの特徴あるインディアン
図が抽出されるほか「MOTORCYCLE」と「Indian」が結合して一定の識別力を

有することがあり得ることに照らし,③「IndianMOTORCYCLE」も要部として
。,,
「」

抽出されるというべきであるしかるところこれらからはインディアン
「」「()
インディアンモーターサイクルの各称呼及びインディアン北米原住民
のモーターサイクル(自動二輪車「北米原住民」の各観念を生ずるが,こ



れらは,本件登録商標から生ずる称呼及び観念と類似ないし同一である。さら
に,上記インディアン図の外観は,インディアン図形のそれとは多少異なるも
のの,北米原住民(インディアン)を一目で印象づける点において同じである
上に,上記「Indian」の外観は,本件登録商標にあって見る者の目を引く部分
の1つであるインディアンロゴとほとんど同一である。
,,。
上記によれば標章9は本件登録商標に類似するものと認められる
以上のとおり,標章1ないし9は,いずれも本件登録商標と類似するも
のと認められる。
2争点(2)(被告商標権の専用権の範囲)について
商標法36条,37条1項は,商標権に基づく禁止権は登録商標の類似
範囲に及ぶ旨を規定している。他方,同法25条は「商標権者は,指定商品

について登録商標の使用をする権利を専有する」と規定するが,意匠法23

条が「意匠権者は,業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権
利を専有する」と規定しているのと対比すれば,商標権者の使用権は登録商

標のみを対象とし,登録商標と類似する範囲に及ぶものではない。
これを本件についてみるに,被告商標は,別紙被告商標目録記載のとお
り,片仮名を横一列に「インディアンモーターサイクル」と表記した単純な文
字商標であり,そこからは,片仮名字体の外観「インディアンモーターサイ

クル」の称呼及び「インディアンのモーターサイクル(自動二輪車」の観念

をそれぞれ生ずる。
他方,被告商標1ないし9は,すべて「Indian」の筆記体欧文字やイン
ディアンの横顔(プロフィール)を形取った図柄等を組み合せた結合商標であ
り,前記1において判示したとおりの各構成を有しているところ,すでに判示
したところから明らかなとおり,被告標章の中には,称呼及び観念において,
被告商標と同一ないし類似するものも存するが,いずれも外観が大きく異なっ
ている上に,上記「インディアンモーターサイクル」の称呼及び「インディア
ンのモーターサイクル(自動二輪車」の観念のほか,これ以外の称呼及び観

念を生ずる。したがって,これらはいずれも,被告商標と同一ないし実質的に
同一であるとは認められない。
以上によれば,標章1ないし9は,いずれも被告商標権の専用権の範囲
内にあるとは認められず,この点に関する被告の主張には理由がない。
3結論
以上のとおり,被告標章はすべて本件登録商標に類似するものと認めら
れ,また,被告の登録商標使用の抗弁には理由がない。
もっとも,本件商標権の侵害を理由とする差止請求及び損害賠償請求に
ついて,これらの請求権の存否及びその内容を最終的に確定するためには,な
お引き続き争点(3)本件登録商標についての無効理由の存否及び争点(4)
,,()
(原告の損害額)についての審理を行う必要がある。
よって,主文のとおり中間判決する。
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官三村量一
裁判官村越啓悦
裁判官青木孝之

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我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
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