弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人中村健太郎の上告理由第一、二点について。
 被上告人が、原審で、被上告人は本件取引以前に上告会社D出張所に対し金銭を
貸付け、または手形の割引をしたことが二、三回あるが、いずれも決済ずみである
旨主張したことは、記録上明らかであり、原審が所論第一点(四)の事実を認定し
ていることは、原判文上、明らかである。そして、被上告人の右主張事実と原審の
右認定事実とを比較すれば、原審は右主張事実の輪郭内において被上告人の主張す
る法律行為の成立日時、貸付金額等について証拠資料に基づき被上告人の主張しな
い詳細な事実を認定したものにほかならないことも、また、明らかである。ところ
で、当事者がある事実を主張した場合に、裁判所が証拠資料に基づき当該主張事実
の輪郭内において詳細な事実を認定することは、現行法のもとにおいて、裁判所に
与えられた自由の範囲にほかならないと解するのが相当である。したがつて、原判
決に所論の違法はなく、論旨は理由がない。
 また、原判決の確定した事実によれば、訴外Eは、昭和二九年五月より同三二年
一二月まで上告会社D出張所長として上告会社製品販売に関し、受註、納入、代金
請求、同受領等の権限を委ねられていたこと、上告会社の名古屋市交通局との本件
請負工事については、当初、物品代金支払請求及び同受領を含む一切の件につき上
告会社を代理する権限を付与されていたこと、昭和三一年四月一日以降は右代理権
限のうち代金領収の権限は除外されていたのに拘らず、被上告人にこれを秘して、
同三二年三月一五日附右D出張所名義の委任状をもつて被上告人に対し、本件請負
代金五五万円を名古屋市交通局から受領する代理権を授与した上、被上告人より上
告会社名義で五〇万円を借り受け、更に本件三〇万円の約束手形を右出張所長とし
て被上告人に裏書譲渡したこと、被上告人は昭和二九年以来、上告会社振出又は上
告会社D出張所裏書にかかる約束手形を二回位割引き、同三〇年四月頃同出張所に
対し金三〇万円を貸付けるにつき右出張所長Eと取引したが、事故なく手形金の支
払、貸付金の返済を受けたこと、右金三〇万円貸与の際被上告人は名古屋市交通局
につき、上告会社の信用調査をしたところ、右Eには代金受領権限ある旨の回答を
受けたことが認められるのである。右のような事実関係の下においては、被上告人
としては、Eが右五〇万円の消費貸借契約の締結並びに金額三〇万円の約束手形の
裏書行為をするにつき、上告会社を代理する権限を有するものと信ずるにつき正当
の理由を有したものと判断した原判決は正当であり、所論引用の判例は本件に適切
ならず、所論違法は認め難いから、論旨は採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    斎   藤   朔   郎

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