弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 旧刑訴五〇五条により高等裁判所のなした決定に対しては、裁判所法七条二号及
び刑訴応急措置法一八条により特に最高裁判所の権限に属するものと定められた抗
告のみが許されるのであるが(昭和二二年(つ)第七号、同年一二月八日第一小法
廷決定、刑集一巻一号五七頁参照)、右抗告の提起期間は五日と定められているも
のであるところ、原決定は昭和三六年七月八日被告人に送達になつたものであるこ
とが記録上明らかであり、本件申立(同月一五日受理)は右法定の期間経過後にな
されたものであつて不適法である。(右決定謄本は同月一二日弁護人にも送達され
たものであることは申立書指摘のとおりであるが、かような場合、抗告申立の期間
は被告人本人に決定謄本が送達になつたときから進行をはじめるものと解すべきで
ある、昭和二七年一一月一八日第三小法廷決定、刑集六巻一〇号一二一三頁参照。)
 よつて、刑訴施行法二条、旧刑訴四六六条一項に則り、裁判官全員一致の意見を
もつて主文のとおり決定する。
  昭和三六年八月二八日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助

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