弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を懲役壱年及び罰金参万円に処する。
     右罰金を完納することができないときは金五百円を一日に換算した期間
被告人を労役場に留置する。
     原審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人渡辺七郎の控訴趣意は同人提出の控訴趣意書記載の通りであるから、ここ
に引用する。
 控訴趣意第一点について。
 弁護人は原判決には事実の誤認があり右誤認は判決に影響を及ぼすものであると
主張するのであるが、原判決挙示の各証拠を総合すると原判決判示の犯罪事実が認
められるのであつて原判決には事実の誤認はないのである。論旨は理由がない。
 <要旨>職権により調査するに、刑事訴訟法第三百八十二条にいわゆる事実の誤認
の事実とは同法三百三十五条第一項の罪となるべき事実ばかりでなく判決の
基礎となるべきすべての事実と解すべきである。従つて判決の基礎となるべき累犯
加重の原由たる前科事実につき判断を誤つたときは、刑事訴訟法第三百八十二条の
真実の誤認に該当するものといわなくてはならない。ところで原裁判所で取調べた
証拠たる札幌市中央警察署宛国家地方警察本部鑑識課作成の指紋照会による回答書
によると被告人は昭和二十三年十月十八日窃盗罪により旭川地方裁判所名寄支部で
懲役一年に処せられ本件犯行当時その執行を終つていたものであることが明白であ
る。然るに原審が叙上の前科のある事実を認定しなかつたのは、明かに事実を誤認
したものであつて、原判決は破棄を免れない。
 弁護人の控訴趣意第二点は原判決の量刑不当を主張するものであるからこれに対
する判断を省略する。
 よつて刑事訴訟法第三百九十七条、第三百八十二条により原判決を破棄し、当裁
判所は直ちに判決することができると認めうるので、更に判決する。
 被告人が昭和二十三年十月十八日旭川地方裁判所名寄支部で窃盗罪により懲役一
年に処せられ、更に昭和二十五年九月二十二日旭川地方裁判所で外国人登録令違反
被告事件につき懲役二月に処せられ本件犯行当時いずれもその執行を終つていたも
のであることは、札幌市中央警察署宛国家地方警察本部鑑識課作成の指紋照会によ
る回答書及び旭川地方検察庁作成の前科取調嘱託回答書により明かである。
 原判決の確定したる犯罪事実に法令を適用すると連合国占領軍財産等収受所持禁
止令第一条第四条罰金等臨時措置法第二条第一項昭和二十七年五月七日法律第一三
七号ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く法務府関係諸命令の措
置に関する法律第二条第二号、第三条に各該当するものでおるが情状により懲役と
罰金とを併科し、被告人には前掲の前科があるので刑法第五十六条、第五十七条、
第五十九条により懲役刑につき累犯加重をしてその所定刑期金額の範囲内で被告人
を懲役一年及び罰金三万円に処するものとし、右罰金を完納することができないと
きは刑法第十八条により金五百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する
ものとし、原審における訴訟費用は刑事訴訟法第百八十一条第一項を適用し被告人
の負担とし、主文の通り判決する。
 (裁判長判事 藤田和夫 判事 成智寿朗 判事 佐藤竹三郎)
 (控訴趣意省略)

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