弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人美村貞夫、同高橋民二郎、同土橋頼光の上告理由第一点及び第二点に
ついて
 構成部分の変動する集合動産についても、その種類、所在場所及び量的範囲を指
定するなどなんらかの方法で目的物の範囲が特定される場合には、一個の集合物と
して譲渡担保の目的となりうるものと解するのが相当である。
 原審が認定したところによれば、(1) 訴外D株式会社(以下「訴外会社」とい
う。)は、昭和四六年八月二七日その所有する食用乾燥ネギフレーク(以下「乾燥
ネギ」という。)のうち二八トンを上告会社に対する一四〇〇万円の債務の譲渡担
保として提供すること、上告会社は右ネギをいつでも自由に売却処分することがで
きることを約した、(2) 当時訴外会社は、被上告会社との間に締結した継続的倉
庫寄託契約に基づきその所有する乾燥ネギ四四トン三〇三キログラムを被上告会社
倉庫に寄託していた、(3) 同日訴外会社から上告会社あて交付された被上告会社
作成の冷蔵貨物預証には、「品名青葱フレーク三五〇〇C/S」「数量8kg段ボ
ール四mm」「右貨物正に当方冷蔵庫第No.5No.8No.11No.12号
へ入庫しました 出庫の際は必ず本証をご提示願います」と記載されていたが、右
預証は在庫証明の趣旨で作成されたものであり、上告会社社員が被上告会社倉庫へ
赴いたのも単に在庫の確認のためであつて、目的物の特定のためではなかつた、(
4) 上告会社は、前記譲渡担保契約締結前に訴外会社から乾燥ネギ一七・六トン
を買い受けたことがあつたが、そのうち八トンは訴外会社三重工場から直接上告会
社に送付され、残り九・六トンについては被上告会社の上告会社あて冷蔵貨物預証
が差し入れられ、その現実の引渡しとしては、上告会社から訴外会社に指示し、訴
外会社がこれを承けて被上告会社から該当数量を受け出し、これを上告会社指定の
荷送先に送付する方法によつてすることとされていたところ、本件譲渡担保契約に
おいてもこれと異なる約定がされたわけではなく、右契約締結後訴外会社から上告
会社に対し乾燥ネギ二八トンのうちの三トン二四八キログラムが六回にわたり引き
渡されたが、うち二トン八四八キログラムは訴外会社三重工場から上告会社に直送
され、うち四〇〇キログラムは、さきの場合と同様、上告会社の指示により訴外会
社が被上告会社から受け出して上告会社指定の荷送先に送付したものであつた、と
いうのである。右の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認する
ことができ、右事実関係のもとにおいては、未だ訴外会社が上告会社に対し被上告
会社に寄託中の乾燥ネギのうち二八トンを特定して譲渡担保に供したものとは認め
られないとした原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の
違法はない。論旨は、採用することができない。
 同第三点及び第四点について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当とし
て是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することがで
きない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    本   山       亨
            裁判官    団   藤   重   光
            裁判官    藤   崎   萬   里
            裁判官    戸   田       弘
            裁判官    中   村   治   朗

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛