弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人宮沢純雄の上告理由第一点について。
 論旨は、原審に、虚無の証拠により事実を認定した違法があると主張する。
 なるほど、被控訴(被上告)会社代表者本人が第一審において尋問せられなつか
つたことは、所論の通りである。しかし、所論原判示を本件記録と原判決事実摘示
とに照合するときは、原判決理由に、原審における被控訴会社代表者本人尋問の結
果と記載せられて居るのは、明白な誤謬と認められるのであつて、この誤謬は、更
正決定により削除するを以つて足るのである。而して記載の誤謬と認められる右証
拠を除くその余の原判決挙示の証拠によるも、所論原判示事実は、十分これを認定
し得られるから、原判決に所論の違法があるとなし得ない。
 論旨は、理由がない。
 同第二点について。
 論旨は、上告会社が原審において、被上告会社北海道出張所長であつた訴外Dに、
被上告会社を代理して手形行為をなす正当の権限あるものと信じ、かつ同人の本件
手形行為を右代理権限に基いてなされたものと信ずるにつき、正当の事由存する旨
抗争したにも拘らず、原判決は、本件手形行為が訴外Dの有する正当なる代理権限
に基いてなされたか否かを明白にして居らないのみならず、何等合理的な理由も示
さないで、上告会社に、同人が本件手形行為をなす代理権限を有するものと信ずる
につき正当の事由がなかつたものとして居るのは、結局原判決に理由不備の違法が
あるに帰すると主張する。
 しかし、原判文によれば、原審は、被上告会社がその北海道出張所長であつた訴
外Dに対し、受取手形の交付を受け、割引のため必要な限度において、これを銀行
に裏書交付する権限を与えて居つたのであつて、それ以外の目的を以つて手形行為
をなす権限を与えて居らなかつたものであること、昭和二五年中、訴外Dが被上告
会社北海道出張所長の資格を以つて、上告会社の引受をした為替手形一通に振出、
裏書の署名をした外、上告会社の被上告会社宛約束手形二通にそれぞれ裏書し、右
三通の手形を銀行に交付したこと、右手形行為は、被上告会社が上告会社に対して
有する売掛代金債権取立のためなされたものであり、従つて受取手形の割引のため
必要な限度内でなされた手形行為と解さるべきものであること、及び右手形行為を
推して同人の手形行為一般に及ぼし、同人が被上告会社を代理して手形行為をなす
権限を有するものと誤信し、ひいては本件手形に裏書するについても亦被上告会社
を代理する権限あるものと誤信したとしても、未だ右代理権ありと信ずるにつき、
上告会社に正当の事由があるものとなすに足らないことを認定判断し、以つて所論
表見代理成立の抗弁を否定排斥して居るものと解すべきである。而して、原判決挙
示の証拠による原審の右事実認定は、これを是認し得るものであり、その事実関係
に基く原審の判断は、正当である。原判決に所論の違法を見出し得ない。
 論旨は、理由がない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔

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