弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件記録によれば、本件強盗殺人、銃砲等所持禁止令違反事件は、旧刑訴法(大
正一一年法律第七五号)の下において公訴の提起があり、かつ、終結した事件であ
ることが明らかであるから、刑訴法施行法二条により、本件再審請求については、
旧刑訴法および日本国憲法の施行に伴う刑訴法の応急的措置に関する法律(以下、
単に「刑訴法応急措置法」という。)の適用があるものと解すべく、原決定も旧刑
訴法の該当規定に準拠し本件再審請求を棄却しているものである。
 ところで、最高裁判所が抗告に関し裁判権を有するのは、裁判所法七条二号にい
う「訴訟法において特に定める抗告」に限られ、旧刑訴法によりなされた高等裁判
所の決定に対する抗告としては、刑訴法応急措置法一八条に規定するいわゆる特別
抗告だけであつて、旧刑訴法に基づく即時抗告の申立は許されていないのであるか
ら(昭和二二年(つ)第七号、同年一二月八日第一小法廷決定、刑集一巻五七頁)、
原決定に対する本件即時抗告は許すべからざるものであり、また、かりにこれを刑
訴法応急措置法一八条による抗告と認めるとしても、所論は、事実誤認の主張を出
ないものであつて、同条所定の適法な特別抗告理由にあたらず、不適法である。
 よつて、刑訴法施行法二条、旧刑訴法四六六条一項により、裁判官全員一致の意
見で、主文のとおり決定する。
  昭和四四年一月二二日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    岩   田       誠
            裁判官    大   隅   健 一 郎

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