弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。
     別紙目録一記載の商標登録出願に関する商標登録異議手続受継の申立て
の不受理処分の取消を求める部分につき本件訴を却下する。
     被上告人のその余の請求を棄却する。
     訴訟の総費用は被上告人の負担とする。
         理    由
 職権をもつて調査するに、原審が適法に確定したところによれば、本件商標登録
出願のうち別紙目録一記載の出願については、既に商標登録査定がされて審査手続
は終了し、商標権設定の登録がされたというのであるから、被上告人の本件訴のう
ち右出願に関する商標登録異議手続受継の申立ての不受理処分の取消を求める部分
は、その法律上の利益を失うに至つたものと解するのが相当である。そうすると、
本件訴のうち右請求部分を適法として本案について判断した原判決には、法令の解
釈、適用を誤つた違法があり、右違法は判決の結論に影響を及ぼすことが明らかで
あるから、原判決中右請求に関する部分を破棄して第一審判決を取り消し、右部分
について本件訴を却下すべきである。
 上告代理人蓑田速夫、同渡邊剛男、同岩渕正紀、同古川悌二、同鎌田泰輝、同小
澤義彦、同飯塚実、同新関勝郎、同村岡好隆、同蔵持安治の上告理由について
 商標法一七条の規定によつて準用される特許法五五条の定める商標登録異議制度
については、異議申立ての当否につき申立てにより証拠調べ又は証拠保全をするこ
とができるものとされ、また、その手続についても当事者の対立構造を前提とした
民事訴訟法の規定が多く準用されている(商標法一七条、特許法五九条、一五〇条、
一五一条参照)ことなどに鑑みれば、これを異議申立人の経済的利益の擁護、救済
を趣旨としたものと解する余地があるかのようであるが、他方、商標法一七条、特
許法五五条一項の規定により異議申立ては何人でもすることができるものとされて
いることに徴すると、結局、右制度は、利害関係の有無にかかわらず何人でも異議
の申立てができるものとすることによつて、商標登録出願の審査の過誤を排除し、
その適正を期するという公益的見地から設けられたものであつて、異議申立人たる
会社が合併によつて消滅したときは、それによつて異議申立ては失効し、異議申立
人たる地位が合併後存続する会社に承継される余地はないものと解するのが相当で
ある。そうすると、本件商標登録出願につき異議の申立てをしていた訴外株式会社
主婦の店Dを吸収合併した被上告人が合併によつて異議申立人たる地位を承継した
ものと判断した原判決には法令の解釈、適用を誤つた違法があり、右違法は判決の
結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、論旨は理由がある。したがつて、原
判決中、本件商標登録出願のうち別紙目録二記載の出願に関する商標登録異議手続
受継の申立ての不受理処分の取消請求に関する部分は、破棄を免れない。
 そこで、更に、原審が適法に確定した事実に基づき別紙目録二記載の商標登録出
願に関する商標登録異議手続受継の申立ての不受理処分の取消を求める部分の被上
告人の請求の当否について判断すると、上告人のした右不受理処分の通知書には異
議申立人たる地位の承継は認められないとの理由が附記されていたというのである
から、このような場合に必要とされる理由の附記として欠けるところはなく、また、
右の理由をもつてされた右不受理処分を違法ということができないことは前記説示
に照らして明らかである。そうすると、被上告人の右請求は理由がないから、これ
を認容した第一審判決を取り消して、右請求を棄却すべきである。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇八条一号、三九六条、三八六条、九六
条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    木   下   忠   良
            裁判官    栗   本   一   夫
            裁判官    鹽   野   宜   慶
            裁判官    宮   崎   梧   一
 裁判官塚本重頼は、差支えにつき署名押印することができない。
         裁判長裁判官    大   下   忠   良

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