弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本訴請求中上告人の被上告人Bに対する所有権移転登記抹消登記手続請
求に関する部分につき、原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。
     被上告人Bは上告人に対し第一審判決別紙目録記載の建物につき名古屋
法務局昭和三四年一一月一二日受付第三二八九一号をもつてなされた所有権移転登
記の抹消登記手続をせよ。
     上告人の被上告人連合会に対する上告を棄却する。
     上告人と被上告人Bの間においては、訴訟の総費用を同被上告人の負担
とし、上告人と被上告人連合会の間においては、上告費用を上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人田中一男の上告理由第一ないし第五について。
 論旨は、要するに、(イ)原判決が、訴外Dと被上告人Bとの間の本件売買契約
は詐害行為にあたるとしてこれを取り消しながら、同被上告人に対する所有権移転
登記抹消登記手続請求を棄却したのは、不動産登記法一四六条の解釈を誤つたもの
であり、(ロ)原判決が、被上告人連合会が本件詐害の事情につき善意であつたと
したのは事実誤認であり、仮に善意であつたとしても、上告人の被上告人連合会に
対する請求を棄却したのは、民法四二四条の解釈を誤り、判例に違反するものであ
る、というにある。
 不動産登記の抹消登記手続を求める訴は、被告の抹消登記申請という意思表示を
求める請求であつて、その勝訴の判決が確定すれば、それによつて、被告が右意思
表示をしたものとみなされ(民訴法七三六条)、その判決の執行が完了するもので
ある。したがつて、抹消登記の実行をもつて、右判決の執行と考えるべきではなく、
右抹消登記の実行が可能であるかどうかによつて、右抹消登記手続を求める請求に
ついての訴の利益の有無が左右されるものではない(最高裁判所昭和三八年(オ)
第一六〇号同四一年三月一八日言渡第二小法廷判決、民集二〇巻三号四六六頁参照)。
これを本件についてみるのに、原審の確定した事実によれば、訴外Dと被上告人B
の間の本件売買契約は詐害行為として取り消さるべきである以上、たとえ、本件建
物について被上告人連合会のため原判示の抵当権設定登記および所有権移転請求権
保全の仮登記が経由されており、上告人の被上告人連合会に対する右登記の抹消登
記手続が認容されず、したがつて、被上告人Bの経由した前記登記手続について、
その抹消登記手続の実行が不可能であつても(不動産登記法一四六条一項参照)、
上告人の被上告人Bに対する所有権移転登記抹消登記手続を求める請求は、これを
認容すべきである。しからば、右と異なる見解のもとに上告人の被上告人Bに対す
る所有権移転登記抹消登記手続請求を棄却すべきものとした原判決は破棄を免れず、
これと同旨の第一審判決もまた取り消しを免れない。したがつて、前掲論旨(イ)
は理由がある。
 次に、前掲(ロ)の論旨は、原審の事実認定を非難し、かつ、民法四二四条につ
いての誤つた見解に基づいて原判決を非難するものであり、所論引用の大審院判例
をもつて上告人の主張の論拠となし得ないとする原判示は正当である。したがつて、
論旨は理由がない。
 よつて、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、三八四条、九五条、九六条、八
九条にしたがい、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    大   隅   健 一 郎

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