弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人は無罪。
         理    由
 弁護人水戸野百治の控訴趣意は同人提出の控訴趣意書記載の通りである。
 第一点(1)について、
 自作農創設特別措置法第十六条によつて農地の売渡を受けた者が当該農地に就い
て自作をやめようとするときは先づ政府に於て同法第二十八条によりその者に対し
当該農地の買取を申入れなければならないが、政府がかかる先買権右行使しない以
上農地の所有権を移転する場合は原則として農地調整法第四条第一項同法施行令第
二条第一項によつて都府県知事の許可を受けなければならないのであるが、しかし
右所有権の移転に関し当事者の一方が国である場合には右法条の一適用されないこ
とは同法第五条第二号によつて明かなところである。しかるに本件に於て原判決は
罪となるべき事実として「被告人は昭和二十二年十二月政府より自作農創設特別措
置法第十六条にょつて居町所住七十八番地の二及び七十九番地の二の農地一町二反
九畝二十七歩を価格金千四百十二円二十四銭で売渡しを受けたものであるが、法定
の除外事由がたいのにかかわらず昭和二十五年三月上旬頃北海道知事の許可を受け
ないで居町において右農地の内六百坪を北海道電気通信局に対し電話中継所建設敷
地として法定の統制額(金百七十二円八十銭)より金十四万九千八百二十七円二十
銭を超過する対価てある代金十五万円で売渡したものである」と認定して、被告人
の右所為の内法定の除外事由なく北海道知事の許可を受けないで農地を売渡した点
について農地調整法第四条第一項同法施行令第二条第一項同法第十七条の四を適用
したけれども、右は本件農地の買主が国の行政機関である電気通信省の地方機関北
海道電気通信局であるから前記説示によりその事実自体罪とならない。従つて原判
決には法令の適用を誤つた違法があり右の違法は判決に影響を及ぼすこと明かな場
合に当るので論旨は理由があり原判決は破棄を免れないものである。
 同(2)について、
 <要旨第一>農地調整法第六条ノ二に於て農地の価格につき統制額を設けたのは農
地を農地として取引の目的に供する場合を主たる目標としたことは所論
のごとくであるとしても農地を買受後農地以外の目的に使用する場合の取引を除外
する趣旨ではなくいやしくも取引当時現泥田又は畑地である限りすべて同条の適用
を免かれないものと<要旨第二>解するのが相当である。しかし本件売買り統制額は
同法同条に規定する土地台帳法による賃貸価格に主務大臣の定むる率を
乗じて得たる額であつて同法同条に所謂土地台帳法による賃貸価格とは土地台帳に
登載せられた賃貸価格の意と解すべきところ原判決の援用する証拠を綜合すると被
告人が本件土地を自作農創設特別措置法第十六条により政府より買受けた際土地台
帳には賃貸価格の記載なく単に原野と雑種地となつていたが現況は畑地であるとこ
ろより当時A委員会に於て賃貸価格を附近に於ける類地の畑地と比較し四十八級地
反当り一円八十銭と認定し同委員会より道知事に申請し道知事の承認を得たが右承
認の価格をその後向委員会より所轄浦河税務署に通知することを忘失し土地台帳に
登載漏れとなつたことが認められる。従つて本件売買当時には土地台帳法による賃
貸価格なるものが存在しなかつたことに法り且つ本件譲渡について同法第六条の四
による道知事の認可を受けた形跡も認められないから結局本件土地については依る
べき統制価格につき証明のない場合であるから犯罪の証明不十分として無罪たるべ
きである。従つて之を有罪とした原判決には事実の誤認があり右誤認が判決に影響
を及ぼすこと明らかであるから論旨は理由あり原判決は破毀を免かれない。
 よつて刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十条第三百八十二条により原判決を破
棄し同法第四百条但書により更に判決する。
 本件公訴事実は第一点の(1)記載の原判決認定事実のとおりであるが右北海道
知事の許可を受けずして売渡した点は罪とならず又価格違反の点は証明不十分であ
ること前説示のとおりである。
 よつて刑事訴訟法第四百四条第三百三十六条により主文のごとく判決する。
 (裁判長判事 黒田俊一 判事 成智寿朗 判事 東徹)

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