弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
 被審人を過料八〇万円に処する。
 手続費用は被審人の負担とする。
       理   由
一 本件記録によると次の事実を認めることができる。
1 被審人は昭和五三年三月一八日付で、従業員であつた紅屋労働組合書記長Aを
懲戒解雇した。
2 右組合はAに対する解雇は不当労働行為であるとして、青森県地方労働委員会
に救済の申立(昭和五三年(不)第一五号事件)をし、同委員会は昭和五五年一〇
月二九日付で、次の命令をし、右命令は昭和五五年一〇月三一日頃被審人に送達さ
れた。
 主文「被申立人紅屋商事株式会社は、申立人紅屋労働組合の組合員Aに対し、次
の措置を含め昭和五三年三月一八日付解雇がなかつたと同様の状態にしなければな
らない。
(1) 原職に復帰させること。
(2) 解雇の翌日から原職復帰するまでの間に同人が受けるはずであつた賃金相
当額及びこれに対する昭和五三年三月以降各支払い期毎に年五分の割合による金員
を支払うこと。」
3 被審人は右命令に対し、中央労働委員会(以下中労委という。)に再審査の申
立(昭和五五年(不再)第七一号事件)をし、同委員会は昭和五七年五月一九日付
で、右再審査の申立てを棄却する旨の命令をし、右命令は昭和五七年六月一七日被
審人に交付された。
4 被審人は昭和五七年七月一七日東京地方裁判所に右命令の取消を求める旨の行
政訴訟(昭和五七年(行ウ)第八九号事件)を提起した。
 中労委は同裁判所に次の趣旨の申立(東京地方裁判所昭和五七年(行ク)第七七
号緊急命令申立事件)をした。
 「右当事者間の御庁昭和五七年(行ウ)第八九号救済命令取消請求事件の判決確
定に至るまで、中労委が昭和五七年六月一七日被申立人紅屋商事株式会社に交付し
た中労委昭和五五年(不再)第七一号事件命令に従い、同会社はAに対し、次の措
置を含め昭和五三年三月一八日付解雇がなかつたと同様の状態にしなければならな
い。
(1) 原職に復帰させること。
(2) 解雇の翌日から原職復帰するまでの間に同人が受けるはずであつた賃金相
当額及びこれに対する昭和五三年三月以降各支払い期毎に年五分の割合による金員
を支払うこと。との決定を求める。」
 東京地方裁判所は、次の決定(以下本件緊急命令という。)をし、右決定は昭和
五八年四月四日被審人に送達された。
 主文「被申立人(本件被審人)を原告、申立人(中労委)を被告とする当庁昭和
五七年(行ウ)第八九号不当労働行為救済命令取消請求事件の判決の確定に至るま
で、被申立人に対し、申立人が中労委昭和五五年(不再)第七一号事件について発
した昭和五七年五月一九日付命令によつて維持された青森県地方労働委員会の昭和
五五年一〇月二九日付命令(青森地労委昭和五三年(不)第一五号事件)につい
て、その主文(2)の『解雇の翌日から原職復帰するまでの間に同人(申立外A)
が受けるはずであつた賃金相当額』から、同人が右期間内に青森地方裁判所弘前支
部昭和五〇年(ヨ)第三一号地位保全等仮処分申請事件の判決に基づき仮払いを受
けた金員を控除したうえ、右命令に従うべきことを命ずる。申立人のその余の申立
てを却下する。」なお、理由中に次の説示がある。「各資料によれば、申立外Aを
原職に復帰させるべき旨の緊急命令を発する必要性を認めることができる。」
5 みぎ青森地方裁判所弘前支部昭和五〇年(ヨ)第三一号地位保全等仮処分請求
事件の判決主文は次のとおりである。
 「債権者(A)が債務者(本件被審人)に対し雇用契約上の権利を有することを
仮りに定める。債務者は債権者に対し、昭和五〇年五月以降本案判決確定まで毎月
二八日限り、金一〇万三六六六円を仮に支払え。訴訟費用は債務者の負担とす
る。」
二 以上の事実によれば、本件緊急命令は、被審人に対し、Aを原職に復帰させる
ことを命じていることが認められる。しかして、本件記録によると、被審人は現在
Aを原職に復帰させていないことが認められる。したがつて、被審人は本件緊急命
令を履行せず、労働組合法第二七条第八項の規定による裁判所の命令に違反したも
のというべきである。よつて不履行の期間その他諸般の事情を考慮して労働組合法
第三二条所定の過料金額の範囲内において、被審人を過料八〇万円に処するのを相
当と認め、手続費用の負担につき非訟事件手続法第二〇七条第四項を適用して、主
文のとおり決定する。

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