弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人小原正列の上告趣意は、末尾に添えた別紙記載の通りである。
 (一)論旨第一点は、被告人から法律上犯罪の成立を阻却すべき原由たる事実上
の主張及び刑の減免の原由たる事実上の主張ありたるに対し原審が何らの判断を示
さなかつたのは、旧刑訴法第三六〇条第二項の規定に違反する、と非難する。そし
て論旨は被告人の原審公判廷における供述中には、仮りに被害者の身体に何等かの
傷害が生じ又其の傷害の全部又は一部が被告人の動作に所由したとするも、(1)
傷害罪の成立に必要な暴行乃至傷害の犯意を欠き、(2)被告人の動作は緊急避難
として行われたものであり、(3)従つてもし刑責ありとしても過失傷害又は過剰
避難と目さるべきものである、という主張を含むものだというのである。しかしな
がら、旧刑訴法第三六〇条第二項に「犯罪ノ成立ヲ阻却スベキ原由タル事実」とは、
犯罪構成要件以外の事実でその事実が存すれば法律上当然犯罪が不成立となるよう
な事実を言うのであるから(昭和二三年(れ)第一二五一号同二四年一月二〇日最
高裁判所第一小法廷判決参照)、前記(1)の被告人には暴行乃至傷害の犯意がな
いとの主張および(3)の被告人の行為は過失傷害であるという主張は、いずれも
犯罪構成要件である犯意の否認に止まり、旧刑訴法第三六〇条第二項の事実上の主
張にあたらない(昭和二三年(れ)第二〇三〇号同二四年五月一七日最高裁判所第
三小法廷判決)。また所論(2)の被告人の行為は緊急避難行為であるとの主張が
されたという点は、もしその主張がされていたものとすれば「犯罪ノ成立ヲ阻却ス
ベキ原由タル事実上の主張」にあたる次第だが、原審における被告人の供述を調書
で見ると、被告人の行動は喧嘩をやめさせる目的だつたという自己弁解に過ぎず、
何人の生命身体自由財産のいずれに対する危難を避けようとしたのかを主張しなか
つたのであるし、弁護人の弁論も何らその点に言及されなかつた。要するに原審に
おいて旧刑訴法第三六〇条第二項の主張はなかつたのであるから、原判決がそれに
ついての判断を示さなかつたのは当然で、何らの違法もない。さらにまた所論(3)
の刑法第三七条第一項但書の過剰緊急避難行為云々の主張も、原審では為されなか
つたと解されるし、又かりにその主張があつたとしても、右の事由で刑の減軽また
は免除をするか否かは裁判所の自由裁量にまかされているのであるから、「刑ノ加
重減免ノ原由タル事実」にあたらないのであつて、論旨はすべて理由がない。
 (二)論旨第二点は、原判決の理由に食いちがいがある、と非難するのであるが、
被告人が無意識のうちに暴行したものでないことは原判決挙示の証拠で充分認めら
れるところであつて、傷害罪の犯意ありとするには暴行の意思があれば足り、傷害
の結果の生ずることについてまで認識することを要せず(昭和二二年(れ)第八号
同年一二月一五日最高裁判所第一小法廷判決参照)、また暴行の意思ありとするに
は無意識中の行為でない限り暴行の事実が存すれば充分である。論旨は結局原審の
為した証拠の価値判断を非難するにほかならず、上告の適法な理由にならない。
 よつて旧刑訴第四四六条に従い、主文の通り判決する。
 以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。
 検察官 茂見義勝関与
  昭和二五年六月二七日
     最高裁判所第三小廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穂   積   重   遠

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