弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する
     被告人を懲役一年に処する
     原審並びに当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする
         理    由
 弁護人木下三四彦同渡辺七郎の各控訴趣意は同人等提出の各控訴趣意書記載の通
りであるからこゝに之を引用する
 第二 渡辺弁護人の控訴趣意第二点について
 原審はAの検察官に対する第一回供述調書(控訴趣意書には司法警察員に対する
第一回供述調書とあるも検察官に対するの誤記と認める)を証拠として採用してい
ること並に原審第四回公判期日に於て証人として出頭したAは検察官が朗読した供
述調書(同証人の検察官に対する第一回供述調書)は本当のこともありますが嘘の
こともありますと述べていることは所論のとおりであるしかし原審第四回公判調書
を調査すると証人Aの供述が本件窃盗の教唆又は賍品授受の情况関し検察官に対す
る供述と明らかに異つて居たので検察官より刑事訴訟法第三百二十一条第一項第二
号に所謂供述者が公判期日に於て前の供述と実質的に異つた供述をしたときに該当
するものとして右検察官に対する供述調書の取調を請求し原裁判所は之を許容し之
が証拠調をしたことが明らかであるしかして右公判に於ける供述が供述調書の記載
と異つて居ることは右公判<要旨>調書と供述調書の各記載を対照して明瞭であるし
かして記録に現はれているごとく被告人がAの兄貴分でAに対し或る程度心
理的に影響を与え得るような関係にある場合に於てはAが被告人の面前に於て為す
供述に多少の遠慮が加はり自由な供述のできないことはかゝる場合に於ける通常の
事例に徴し考えられるところであるからかくの如きは前記法条但書にいわゆる公判
期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存する場合に該当する
と解すべきである従つて右供述調書の証拠調をした原審の措置は正当で右供述調書
は証拠能力があるといえる弁護人主張の如何なる部分が本当で如何なる部分が嘘で
あるかのごときは両調書を検討すれば自ら明らかとなるのであるから所論のごとき
審理不尽の違法ありとはいえない
 第三 渡辺弁護人の控訴趣意第三点木下弁護人の各賍物牙保に関する控訴趣意に
ついて
 原審挙示の各証拠中には被告人の警察に於ける第一回供述調書同検察官に対する
第二回供述調書及原審第六回公判調書中被告人の供述記載の様にAから指輪を売つ
て呉れと言はれたという陳述はあるが売得金の殆どを被告人が消費して居りAの原
審第四回公判調書中の供述記載及同人の検事に対する第一回供述調書中の記載等と
綜合考覈すると被告人がAの為に売買の斡旋をし賍物の牙保をしたと言ふ事実は認
められないしかし被告人が五月三、四日の書頃下宿に於てAから金の指輪一個とダ
イヤの指輪一個を受取り更に同月十二、三日頃薄暗くなつてから下宿に於て同人よ
りダイヤの指輪と金の指輪各一個を受取つた事実は被告人の原審第六回公判調書中
の供述記載及Aの検察官に対する第一回供述調書の記載によつて之を認めることが
出来るしAの検察官に対する第一回供述調書によれば被告人がAから指輪を受取る
時それは同人が父親の指輪を盗んで来た賍物であることを認識していた事実を認定
するのはとも角原審判示第二、第三、第四が賍物牙保の事実を認めたのは証拠によ
らずして事実を認めた違法があるから此の点に於ては論旨何れも結局理由があり原
判決は破棄を免れない仍て刑事訴訟法第三百九十七条第三百七十八条第四号第三百
八十条第三百八十二条に従い原判決を破棄し本件訴訟記録並びに原審に於て取調べ
た証拠により直に判決することが出来るものと認めるから同法第四百条但書に従い
更に判決する
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 黒田俊一 判事 佐藤竹三郎 判事 福原義晴)

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