弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人東海林民蔵の上告趣意第一点について。
 所論は、犯罪の情状に関する事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由
に当らない。
 同第二点について。
 所論は、刑の量定が不当であるとの主張であつて同四〇五条の上告理由に当らな
い。(原審においては判決理由冒頭に示す原審検証調書、各証人尋問調書、鑑定人
医師A作成の被告人の精神鑑定書、公判証人Aの供述調書、各証人の証言、被告人
質問の結果にも徴し、記録を精査した上、判決理由において「被告人は憐れな宿命
のもとに過去二〇有余年の生涯のうち最近数年間を家庭事情から苦悩悲歎の生活に
明け暮らしたことは同情に余りあるが、本件犯行たるや約八日前から意図されたも
ので極めて用意周到な計画の下に遂行され、特に一家全員殺害の目的を達するため、
殊更雨戸を閉じ一家の者が熟睡した深夜を犯罪遂行の時期と選んで行われたもので
あり、犯行の態様たるや、蚊帳を吊つて就寝中の実父B、養祖父C、妻D、長男E、
次男F、三男G、姪Hの全員に用意してあつたガソリン約一斗を浴せかけた上、火
をつけたボロ布をその場に投げ込み、同人らが現に居住する住宅一棟を灰燼に帰せ
しめるとともに、右七名をその場で焼死せしめたというのであつて、引火性の極め
て強い、多量のガソリンが一瞬爆発的に燃焼を始め、火の海と化した屋内で逃れる
術もなく七名が苦悶の裡に焼死するに至つたのは残忍極まりないものであつて、た
とえその動機、原因において同情に値するものがあつたとしても到底許し難いとこ
ろであり、本件犯行当時被告人は精神薄弱者(魯鈍)で情緒の不安定と思考力の狭
少とにより軽卒な行動に陥る可能性があつたとはいえ、是非善悪の弁識能力を具え
ていたことに想到すると、被告人の本件刑事責任はまことに重大であるといわなけ
ればならない。」との旨を判示し、よつて、右現住建造物放火罪と実父B、養祖父
Cに対する尊属殺人罪とその他の五名に対する殺人罪とはすべて一罪として犯情の
重いBに対する尊属殺人罪(法定刑は「死刑又ハ無期懲役」のみ)の刑に従らべき
ものとした第一審判決理由を是認した上、死刑を選択し、被告人を死刑に処したの
であるところ、当裁判所は、記録を調べても、右死刑の言渡が甚しく不当であつて
原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認めることができない。)
 その他記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三九六条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で
主文のとおり判決する。
 検察官 上田次郎出席
  昭和三八年四月三〇日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    横   田   正   俊

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