弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人内田松太・同鹿島重夫の上告理由第一点について
 一件記録によれば、Dが本件自動車を運転してE商会の業務に従事中本件事故を
惹き起した旨の事実のうち、本件事故がE商会の業務に従事中惹起されたというこ
とは、上告人において、これを争つていることは明らかであるので、これらをすべ
て当事者間に争いがない旨を判示している原判決(その訂正、引用する第一審判決
を含む。以下同じ。)は、所論のように違法であるが、原判決がその挙示の証拠の
もとに適法に確定した事実によれば、右Dが本件事故をE商会の業務に従事中惹起
したことを十分看取することができるから、所論の違法は原判決の結論に影響を及
ぼすものではなく、所論は、結局、採用しがたい。
 同第二点について
 原判決が適法に確定したところによると、上告人は、E商会の商号で、屑鉄回収
販売を業とするものであつて、右E商会が使用する店舖、自動車、電話等の登記或
は登録名義等は、いずれも、上告人の妻F名義になつていること、Dは、独立して
砂利の運搬業を営む目的で、昭和三七年一〇月三〇日自分の妻の叔父にあたる上告
人から、当時右E商会で使用中の右F所有名義の本件自動車を原判示の約定で買い
受けてその引渡を受けたが、まだ運搬業の仕事がなかつたため、一、二回他から依
頼を受けて運送した外は、毎日専属的に右E商会の屑鉄運送の業務に従事してその
運賃の一部につき前記売買残代金の一部と相殺しており、本件事故当時本件自動車
の登録名義および自動車損害賠償責任保険の加入名義は、右E商会において使用中
の他の自動車と同様いずれも右F名義で、その車体には「E商会」の名称が表示さ
れていたというものであり、右によると、Dは、本件事故当時右E商会の運送部門
を担当し、同商会の経営者である上告人に対し従属的関係にあるというべきで、し
たがつて、上告人は、Dの運転する本件自動車の運行について支配力を及ぼし、か
つ、その運行によつて利益を享受しており、自動車損害賠償保障法三条にいう「自
己のために自動車を運行の用に供する者」に該当するというべく、これと同旨の原
判決の結論は、正当である。
 原判決には、所論のような違法はなく、所論は、結局、原審の適法にした証拠の
取捨・判断、事実の認定を非難するに帰し、採用しがたい。
 同第三点について
 原判決が適法に確定した事実関係のもとでは、Gには過失相殺を適用するに足る
ほどの過失はないとした原判決の判断は相当である。
 原判決には、所論のような違法はない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、Gの慰藉料請求権の相続によ
る承継の点についての裁判官色川幸太郎の反対意見があるほか、裁判官全員の一致
で、主文のとおり判決する。
 裁判官色川幸太郎の反対意見は、次のとおりである。
 原判決は、本件事故により死亡したGの慰藉料請求権を被上告人両名において相
続により取得した旨を判示しているが、原判決の確定した事実のもとでは、被上告
人両名が右Gの慰藉料請求権を相続するいわれはない(詳しくは、当裁判所大法廷
判決・昭和三八年(オ)第一四〇八号、同四二年一一月一日民集二一巻九号二二四
九頁における私の反対意見参照)から、この部分の被上告人両名の請求は失当とし
て、排斥を免れず、この点の原判決は失当として破棄すべきである。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    色   川   幸 太 郎
            裁判官    村   上   朝   一

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