弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士渡邊隆治の上告理由について。
 被上告人が昭和二二年一二月分以降の本件家屋の賃料の支払をしないことを理由
とする上告人の本件賃貸借契約の解除權の行使が正当であるか否かに関する原判決
の判示は、結局次のとおりであると解することができる。すなわち、被上告人の本
件賃料債務の履行については、債權者の受領という協力を要すること勿論であると
ころ、従来賃料の支払を一回も怠つたことのない被上告人は、原判示のごとき各通
知に接した等の事情から右賃料を受領協力すべき債權者が何人であるかを確認し難
く、他面眞の權利者から賃料の請求あり次第何時でもこれに応ずることのできるよ
うに原判示のごとく履行の準備をしていたものであるから、被上告人が賃料債務を
履行期に履行しなかつたことについては、被上告人に故意、過失、又はこれと同視
し得べき信義則の違背があつて、その責に帰すべき遲滞ありとなし難いこと、並び
に、被上告人は、上告人から賃料の支払を一度も請求されなかつたが、同人を正当
の債權者と覺知した昭和二五年一月一五日に従来の賃料に相当する金員を持參して
支払のため提供したところ、上告人から判示のごとく「明渡を受ける方が先決問題
で家賃は問題ではない。」とてその受領を拒絶された事実からすると被上告人にお
いてその以前に上告人に賃料債務弁濟の提供をしたとしても上告人はその受領を拒
んだであろうことが推察されるから、以上の事実関係の下では上告人の受領拒否は
むしろ信義則に反するものであつて、被上告人の右弁濟提供は履行期に遲れている
とはいえなお提供として効力を認めるべきで、被上告人に債務不履行の責がないも
のと解するを相当とすること、及び、従つて、上告人と被上告人との間に判示のご
とき特約があるにせよこれに基く解除權の行使は正当とはいえない趣旨を判示した
ものと解される。そして、原判決の認定した右の事実関係の下においては、原審が
なした被上告人に債務不履行の責あるといえない旨の判示は、当裁判所においても
これを正当として是認することができる。されば、原判決には所論第一、第三のご
とき理由の齟齬若しくは不備又は民法四九三条の解釋を誤つた違法は認め難く、ま
た、所論第二の民法四九四条又は所論第四の民法一条の解釋を誤つたとの主張は、
採用できない。その余の論旨はすべて最高裁判所における民事上告特例法一号乃至
三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる法令の解釋に関する重要な主張を含
むものと認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    齋   藤   悠   輔
            裁判官    眞   野       毅
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    入   江   俊   郎

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