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平成17年(行ケ)第10117号 特許取消決定取消請求事件
(旧事件番号 東京高裁平成16年(行ケ)第519号)
口頭弁論終結日 平成17年9月22日
          判       決
   
        原      告     ユニ・チャーム株式会社
        代表者代表取締役     
        訴訟代理人弁理士     白浜吉治
        同            小林義孝
   
        被      告     特許庁長官
                     中嶋 誠
        指定代理人     山本信平
        同            大元修二
        同            岡田孝博
        同            伊藤三男
          主       文
1 特許庁が異議2003-71239号事件について平成16年10
月5日にした決定中「特許第3345204号の請求項2に係る特許を取り消
す。」との部分を取り消す。
2 訴訟費用は各自の負担とする。
          事実及び理由
1 原告は,主文第1項と同旨の判決を求め,請求の原因として別紙のとおり述べ
た。
2 被告は,請求棄却の判決を求め,請求原因事実は争わないと述べた。
3 上記争いのない事実によれば,原告の本訴請求は理由があるからこれを認容
し,訴訟費用については,本訴の経緯にかんがみ,これを各自に負担させるのを相
当と認め,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第2部
         裁判長裁判官 岡   本       岳
    裁判官 上   田   卓   哉
    裁判官 長 谷 川   浩   二
(別紙)
        請 求 原 因
1 原告は,名称を「使い捨ておむつ」とする特許第3345204号発明(平成
7年1月13日出願,平成14年8月30日設定登録。以下「本件特許」とい
う。)に係る特許権者であり,その設定登録時の特許請求の範囲の請求項2は,別
紙1のとおりである。
2 その後,本件特許につき特許異議の申立てがされ,異議2003-71239
号事件として特許庁に係属したところ,原告は,平成16年2月27日,本件特許
の特許請求の範囲等の訂正を請求した(以下「第1次訂正」という。)。第1次訂
正に係る特許請求の範囲の請求項2は,別紙2のとおりである。特許庁は,同事件
につき審理した上,平成16年10月5日,「訂正を認める。特許第334520
4号の請求項2に係る特許を取り消す。同請求項1に係る特許を維持する。」との
決定(以下「本件決定」という。)をし,その決定謄本は同年10月25日原告に
送達された。
3 原告は,平成16年11月22日,本件決定のうち主文第1項記載の部分の取
消しを求める本訴を提起し,その係属中の同年12月13日,特許庁に対し,本件
特許の特許請求の範囲等につき更に訂正審判の請求をした(以下「第2次訂正」と
いう。)。第2次訂正に係る特許請求の範囲の請求項2は,別紙3のとおりであ
る。特許庁は,同請求を訂正2004-39281号事件として審理した上,平成
17年7月27日,訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)を
し,その審決謄本は同年8月8日原告に送達された。
4 第2次訂正によって特許請求の範囲が減縮されたことは明らかであり,本件訂
正審決の確定により,本件決定が前提とする発明の要旨の認定は誤りに帰したこと
になるので,本件決定のうち主文第1項記載の部分の取消しを求める。
(別紙1)
        特許請求の範囲(設定登録時のもの)
「【請求項2】透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧
賦型してなるコア本体を介在させ,前記本体をティッシュペーパーで被覆し,前記
本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートを合掌状に重ね合わせ
るとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおいて,前記
ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を
被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し,前記本体の縁部から水平方向に延出
させた前記第1,2ティッシュペーパー各々の周縁部分を,前記縁部から所要寸法
だけ離間させて合掌状に重ね合わせる一方,前記表裏面シートを互いに接合して形
成した袋の前記合掌状に重ね合わせた表裏面シート間に,前記合掌状に重ね合わせ
た第1,2ティッシュペーパーを介在させたことを特徴とする前記おむつ。」
(別紙2)
        特許請求の範囲(第1次訂正後のもの)
「【請求項2】透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧
賦型してなるコア本体を介在させ,前記本体をティッシュペーパーで被覆し,前記
本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートを合掌状に重ね合わせ
るとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおいて,前記
ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を
被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し,前記本体の縁部から水平方向に延出
させた前記第1,2ティッシュペーパー各々の周縁部分を,前記縁部から所要寸法
だけ離間させて合掌状に重ね合わせて前記袋に対する内袋を形成し,前記内袋はそ
の外周縁の近傍が前記袋を形成している前記表裏面シートの内面に接合しているこ
とを特徴とする前記おむつ。」
* 下線を付した箇所は,別紙1「特許請求の範囲(設定登録時のもの」に訂正
を加えた部分である。
(別紙3)
        特許請求の範囲(第2次訂正後のもの)
「【請求項2】透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧
賦型してなるコア本体を介在させ,前記本体をティッシュペーパーで被覆し,前記
本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね
合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおい
て,前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパー
と下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し,前記本体の縁部から水平方
向に延出させた前記第1,2ティッシュペーパー各々の周縁部分を,前記縁部から
所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成
し,前記内袋はその前記周縁部分を,前記袋を形成している前記表裏面シートの前
記接合した部分の内側部位間に介在させて接合したことを特徴とする前記おむ
つ。」
* 下線を付した箇所は,別紙2「特許請求の範囲(第1次訂正後のもの」に訂
正を加えた部分である。

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