弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決及び第一審判決を破棄する。
     被告人を第一審判決判示第一の罪について罰金五千円に、同第二の罪に
ついて懲役八月及び罰金三万円に処する。
     右罰金を完納することができないときは、金二百円を一日に換算した期
間被告人を労役場に留置する。
     本裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。
     収税官吏の差し押えた五斗甕一個、四斗甕四個、四斗樽三個、木箱一個、
茶瓶一個、電熱器二個、寒暖計一個、塵籠一個は、何れも没収する。
     訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人岸永博の上告趣意について
 所論は、本件第一審判決が被告人を懲役及び罰金で処断し、懲役刑について二年
間その刑の執行を猶予すると共に保護観察に付したのは、犯行(昭和二六年一月)
後に制定された法律(昭和二九年法律第五七号、なお同法附則二項も参照)によつ
て重く処罰したことになる、本件は最高裁判所大法廷が判決したように先になされ
た確定裁判と同時に審判することができたものであり、刑法第二五条第一項第一号
により懲役刑の執行を猶予すべきであつたので、同条第二項を適用すべきものでは
なかつたから、同第二五条ノ二第一項後段によつて保護観察に付すべきものでもな
い、従つて第一審判決は法律の適用を誤つたものであり、これを看過した原判決も
違法であるというのである。
 よつて考えると当裁判所大法廷は、昭和三二年二月六日言渡の判決(集一一巻二
号五〇三頁)で刑法第二五条第一項による執行猶予の判決が確定した場合には、そ
の裁判の確定前に犯した他の罪(余罪)について刑の執行を猶予すべきか否かは同
条項により判断せらるべきであり、この場合には同条項の「刑ニ処セラレタル」と
は、実刑を言い渡された場合を指し、執行猶予を言い渡された場合を含むものでな
いと解すべきこと、この解釈は刑法改正(昭和二八年法律一九五号による刑法の一
部改正)の前後により差異はないこと、この場合確定裁判を経た罪と余罪とは法律
上併合罪の関係に在ることを以て足りるのであつて、訴訟手続上又は犯行時期等の
関係から、実際上同時に審判することが著るしく困難又は不可能であるかどうか、
又は同時に審判されたならば執行猶予を言い渡すことができる情状があるかどうか
は問題とならない旨判示している。そして本件記録によると所論のように被告人は
昭和二六年四月頃の酒税法違反につき同二八年三月二三日大阪地裁で懲役六月、罰
金六万円、懲役刑は三年間執行猶予という判決を受け、同二八年七月二八日控訴棄
却、同年一二月二二日上告を棄却されるという経過の確定判決を受けており、その
罪と本件とは刑法四五条後段の併合罪であること明らかであるから、本件の第一審
裁判所は、懲役刑の執行を猶予するに当り宜しく刑法第二五条第一項の規定による
べきであつたのであり、昭和二八年八月法律一九五号により改正された刑法第二五
条第二項の規定によるべきものではなかつたといわねばならない。
 然らば刑法第二五条第二項を適用し、同第二五条の二第一項に従つて被告人を保
護観察に付した第一審判決は法令の適用を誤つたものであり、これを看過した原判
決も亦違法であつて、この違法は判決に影響し、原判決及び第一審判決を破棄しな
ければ著るしく正義に反すると認められるから、刑訴第四一一条第一号により原判
決は破棄を免れない。
 よつて、刑訴第四一三条但書により更に被告事件につき判決することとし、第一
審判決が確定した事実に法令を適用すると、被告人の第一審判決判示第一の所為は
昭和二四年法律第四三号により改正された酒税法第六〇条第一項、昭和二八年法律
第六号附則一四項(以下単に酒税法という。)に、同第二の所為は同条第二項に当
るので第一の罪については所定刑中罰金刑を選択し、その金額の範囲内で被告人を
罰金五千円に処し、第二の罪については情状により懲役及び罰金を併科することと
し、酒税法第六三条ノ二を適用して所定の刑期及び金額の範囲内において被告人を
懲役八月及び罰金三万円に処し、右各罰金を完納することができないときは、刑法
第一八条により金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、情状懲役
刑の執行を猶予するのを相当と認め刑法第二五条第一項第一号により二年間右懲役
刑の執行を猶予すべく、収税官吏の差し押えた五斗甕一個(差押目録一号)、四斗
甕四個(同二号乃至五号)、四斗樽三個(同七号乃至九号)、木箱一個(同三五号)、
茶瓶一個(同四〇号)、電熱器二個(同四六号、四七号)、寒暖計一個(同四八号)
及び慶籠一個(同五二号)は、いずれも本件酒類製造の容器並びに器具であるから、
酒税法第六〇条第四項によりこれを没収し、訴訟費用は刑訴第一八一条第一項に従
い全部被告人に負担させることにする。
 よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
 検察官 安平政吉公判出席
  昭和三二年一一月一日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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