弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人白井正明、同白井典子の上告理由一について
 一部事務組合が地元住民の要請により公共施設である道路の改良工事を行いその
工事代金の支払のため公金を支出した場合において、右道路が宗教法人たる神社の
境内入口まで通じていて参詣のための通路としても利用されているところから、右
神社が右工事による利益を受けることとなるとしても、これをもつて、右公金の支
出が、右神社に対し特別に財政的援助を与えるものとして憲法八九条に違反すると
いうことはできない。このことは、最高裁昭和四六年(行ツ)第六九号同五二年七
月一三日大法廷判決(民集三一巻四号五三三頁)の趣旨に徴して明らかというべき
である。右と同趣旨の見解に立ち、原審の適法に確定した事実関係の下において、
本件神社の境内入口まで通じている道路甲の改良工事のため支出された本件公金支
出が憲法八九条、地方自治法一三八条の二に違反するものではないとした原審の判
断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用
することができない。
 同二について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当とし
て是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審
の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用するこ
とができない。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官
香川保一の反対意見があるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 裁判官香川保一の反対意見は、次のとおりである。
 被上告人は、鴻巣市、北本市及びa町が地方自治法(以下「法」という。)二八
四条一項の規定によりその各事務の一部を共同処理するために設けた一部事務組合
であるb環境保全組合(以下「組合」という。)の管理者の地位にあつた者であり、
本件訴訟は、右a町の住民である上告人が、組合の管理者として被上告人のした本
件公金支出が違法であると主張し、法二四二条の二の規定に基づき組合に代位して
被上告人に対し損害賠償を訴求するものであるが、かかる訴えは不適法として却下
すべきものである。
 すなわち、組合については、法二九二条の規定により法律又はこれに基づく政令
に特別の定めがあるものを除き、法中の市に関する規定が準用されるのであり、右
の市に関する規定には法二四二条及び二四二条の二の規定のほか、法二四三条の二
の規定も含まれるものと解すべきである。そして、法二四三条の二第一項所定の職
員の行為により組合が被つた損害の賠償請求に関しては、住民が法二四二条の二の
規定により組合に代位して訴訟を提起することは許されないものというべきであり、
その理由は、最高裁昭和六二年(行ツ)第四〇号同六二年一〇月三〇日第二小法廷
判決(裁判集民事一五二号一二一頁)における私の反対意見の中で述べたとおりで
ある。
 したがつて、原判決を破棄し、第一審判決を取り消して、本件訴えを却下すべき
である。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    香   川   保   一
            裁判官    牧       圭   次
            裁判官    島   谷   六   郎
            裁判官    藤   島       昭
            裁判官    奧   野   久   之

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛