弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人島田清の上告趣意(後記)について。
 原審は、所論のように銃砲等所持禁止令違反罪の成立には故意を要しないものと
解釈したのではない。従つて所論判例違反の主張は、その前提を欠くものである。
のみならず論旨引用の判例は、銃砲等所持禁止令に関するものではないから本件に
適切ではない。原判決は、その挙示する証拠により「被告人は同家に刀剣の存在す
ることを認識し当時二男Aにその処分を命じたが、その結果については何等確めな
かつたこと及びその後依然として右刀剣が被告人方に存したこと」を認定した上、
第一審判決には事実誤認を窺うべき事由がないと説明しているところによつて見て
も被告人に本件刀剣所持の犯意があつたことを認めた趣旨と解し得られるのである。
論旨後段は、原審の仮定論に対する非難に過ぎないので採用することができない。
なお、本件には刑訴四一一条所定の事由も認められない。
 よつて、本件上告を理由ないものと認め、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員の一
致した意見で主文のとおり判決する。
  昭和二八年四月一四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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