弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を懲役六月に処する。
     但し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
     原審における訴訟費用は、被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人板井一治、同竹原五郎三の控訴趣意は、各その作成名義の控訴趣意書に記
載したとおりで、これに対する判断は次のとおりである。
 (一) 弁護人板井一治の控訴趣意第一乃至第三点について。
 <要旨>原判示「云々、お前を罪におとしてやる。」旨の告知は、被害者の身体、
自由、名誉又は財産に対し為されたものであるから、刑法第二百二十三条第
一項所定の害悪告知の対象と符合するばかりでなく、刑罰は一般に人の恐るるとこ
ろで、特に裁判検察の実情に通じていない者に対して、原判決摘示のような事実を
告知するのは一般的に見て、人をして畏怖の念を生ぜしむるに足り、これを以て害
悪の告知というに妨げなく、又強要罪における脅迫の内容は、人をして畏怖の念を
生ぜしむる程度に具体的であれば足りるのであつて「云々お前を罪におとしてや
る。」というのはかかる意味において、人を畏怖させるに足る具体的事実であると
いわねばならないから、論旨はいずれも採容に由ない。
 (二) 同第四点及び弁護人竹原五郎三の控訴趣意一について。
 なるほど、控訴趣意書摘録の証人Aの供述記載によるとB方で、右Aが被告人と
会つてから、被告人方で本件嘆願書を認めるまでには、所論の時間を要しているこ
とが認められるけれども、原審第三回公判調書中証人Aの供述記載及び同人に対す
る証人尋問調書の供述記載によると、右Aは右B方で、被告人から原判示のように
脅迫を受け、被告人の要求によつて嘆願書を認める決意をして、被告人のいうとお
り被告人方へ行つて、被告人の書いた原稿を見てそれを書いたもので、その時まで
右脅迫状態は継続していたことが認められるから、右嘆願書は被告人の脅迫によつ
て作成したものといわざるを得ない。各論旨も理由がない。
 (三) 弁護人板井一治の控訴趣意第五点について。
 しかし、Aの検察官に対する供述調書は、その記載を閲すると、その書面の作成
された時の情況を考え、相当と認められるので、これを証拠とすることができるわ
けで、これに基いて事実を認定しても何ら違法のかどはなく、論旨も理由がない。
 (四) 同第六点及び弁護人竹原五郎三の控訴趣意二について。
 訴訟記録及び原審で取り調べた証拠によつて認めらるる被告人の経歴、本件犯行
の態様、被害の程度、その他諸般の事情を綜合して考えると、原判決の量刑は重き
に過ぎ不当と思料されるので論旨はいずれも理由があり、原判決は破棄したければ
ならない。
 よつて、刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十一条により、原判決を破棄し、同
法第四百条但し書に従い被告事件について更に判決する。
 原判決の不当な点は、刑の量定だけであるから、原判決が確定した事実に法律を
適用すると、被告人の原判示所為は、刑法第二百二十三条第一項に該当するので、
定められた刑期範囲内で被告人を懲役六月に処し、情状刑の執行を猶予するを相当
と認め、同法第二十五条により、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予す
るものとし、原審における訴訟費用の負担につき、刑事訴訟法第百八十一条第一項
を適用して、主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 藤田和夫 判事 西田賢次郎 判事 長友文士)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛