弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人宮澤洋夫、同佐藤義弥、同鶴見祐策、同荒井新二、同秋山信彦、同為成養
之助の上告趣意第一点について
 所論は、憲法三七条違反をいうが、記録を調べても、所論の別件が係属している
が故に、本件が東京高等裁判所第一一刑事部に分配されたとの事実を認めるべき資
料はなんら存しないから、所論は前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。
 同第二点について
 所論のうち、本件公訴の提起が憲法前文、一四条、一五条、三一条、四三条に違
反する旨いう点は、本件公訴の提起が日本共産党の選挙活動を妨害する目的をもつ
て行われた、検察官の差別意思に基づくものであるとの事実を認めるに足りる証拠
は記録上存しないから、所論は前提を欠き、公訴権濫用を理由とする公訴棄却を否
定した原判断が、憲法一四条、三一条に違反し、高裁判例に違反する旨いう点は、
記録によれば、右検察官の差別意思の点を含め、本件公訴の提起を違法、無効なら
しめるような事由は認められないから、所論は原判決の結論に影響のない事項につ
いて憲法違反、判例違反をいうものであつて、適法な上告理由にあたらない。
 同第三点について
 所論のうち、違憲をいう点は、公職選挙法一四二条一項が憲法二一条に違反しな
いことは当裁判所の判例(昭和二八年(あ)第三一四七号同三〇年四月六日大法廷
判決・刑集九巻四号八一九頁、昭和三七年(あ)第八九九号同三九年一一月一八日
大法廷判決・刑集一八巻九号五六一頁、昭和四三年(あ)第二二六五号同四四年四
月二三日大法廷判決・刑集二三巻四号二三五頁)とするところであり、公職選挙法
一四二条一項の罰則である同法二四三条三号(昭和五〇年法律第六三号による改正
前のもの。)もまた憲法二一条に違反しないことは、右判例の趣旨に照らして明ら
かであるから、所論は理由がなく、判例違反をいう点は、所論引用の判例は事案を
異にし本件に適切でないから、適法な上告理由にあたらない。
 同第四点について
 所論は、憲法三一条違反をいうが、公職選挙法二五二条一項が所論のような理由
により憲法三一条に違反するものでないことは、当裁判所の判例(昭和二九年(あ)
第四三九号同三〇年二月九日大法廷判決・刑集九巻二号二一七頁)の趣旨に照らし
て明らかであるから、所論は理由がない。
 同第五点について
 所論のうち、刑訴法一〇〇条が憲法二一条二項に違反する旨いう点は、原判示の
ように、第一審判決の挙示する電報頼信紙等の押収は、いずれも、その対象が本件
の公職選挙法違反事件の証拠物と思料されるものとしてなされたもので、刑訴法九
九条の要件を充足していることが明らかであり、本件に関する限り、同法一〇〇条
の憲法適否を論ずる余地はないから、所論は判決の結論に影響のない事項に関する
違憲の主張であり、その余は、違憲をいう点を含め、実質は単なる法令違反の主張
であつて、適法な上告理由にあたらない。
 同第六点について
 所論のうち、憲法三八条違反をいう点は、原判決は、単に原審において被告人が
公訴事実に関する供述をするに至るまでの経過をその信憑性判断の一資料として斟
酌したものにすぎず、被告人が第一審において公訴事実に関する検察官の質問に黙
秘したことをもつて直ちに被告人に不利益な事実認定をしているものでないことが、
判文上明らかであるから、所論は前提を欠き、その余は事実誤認の主張であつて、
適法な上告理由にあたらない。
 同第七点について
 所論は、憲法二一条違反をいう点を含め、実質は、事実誤認、単なる法令違反の
主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
 よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す
る。
  昭和五五年五月三〇日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    塚   本   重   頼
            裁判官    栗   本   一   夫
            裁判官    木   下   忠   良
            裁判官    鹽   野   宜   慶
            裁判官    宮   崎   梧   一

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