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平成26年7月16日判決言渡
平成25年(行ケ)第10291号審決取消請求事件
口頭弁論終結日平成26年7月14日
判決
原告クミアイ化学工業株式会社
訴訟代理人弁理士小野信夫
井手浩
被告特許庁長官
指定代理人木村敏康
門前浩一
瀬良聡機
堀内仁子
主文
特許庁が不服2012-7278号事件について平成25年9月9日にした審決
を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
第1原告の求めた判決
主文同旨。
第2事案の概要
本件は,特許出願に対する拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟
である。争点は,本願発明と拡大先願発明との同一性判断の当否である。
1特許庁における手続の経緯
原告は,平成13年2月8日,発明の名称を「固体農薬組成物,その製造方法お
よびその散布方法」とする特許出願をした(特願2001-32116号,甲3)
が,平成24年1月18日,拒絶査定を受け(甲6),同年4月20日,審判請求を
するとともに手続補正(本件補正,甲4)をした。
特許庁は,平成25年9月9日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決
をし,同年10月2日に原告に送達された。
2本願発明の要旨
本願発明(本件補正後の請求項1記載の発明)の要旨は,以下のとおりである(甲
3,4。下線部を付した部分が本件補正で追加された部分である。)。
【請求項1】
「ワタ,カポック,アマ,タイマ,ラミー,ボウマ,ジュート,ケナフ,ロゼル,
アラミナ,サンヘンプ,マニラアサ,サイザルアサ,マゲイ,ヘネケン,イストリ,
モーリシャスアサ,ニュージーランドアサ,フィケ,ココヤシ,パナマソウ,イグ
サ,シチトウイ,カンゾウ,フトイ,アンペラソウ,コリヤナギ,タケ,コウゾ,
ミツマタ,ホウキモロコシ,チーゼルおよびヘチマから選ばれる吸油性の高い繊維
作物の破断物と,常温で液体の農薬活性成分または農薬活性成分を液体溶媒に溶解
もしくは分散させた液状物とを含有することを特徴とする水田用固体農薬組成物。」
3審決の理由の要点(争点と関係が薄い部分はフォントを小さく表記する。)
本願発明は,特許法29条の2の規定により特許を受けることができないと判断
した。
(1)特願2000-239324号(特開2002-53405号)公報に係
る明細書(先願明細書。平成12年8月8日出願。甲1)記載の発明(拡大先願発
明)
「農薬成分(アニロホス,ベンフレセート,エトキシスルフロン及びダイムロン)21.4
重量%,界面活性剤9.5重量%,デンプンアクリル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩4.
0重量%,合成シリカ10.0重量%,塩化カリウム10.0重量%,ケナフ粉10.0重量%,
ナタネ油6.0重量%,焼成軽石29.1重量%を含む水田に散布される浮遊性の農薬製剤。」
(2)本願発明と拡大先願発明との対比
(一致点)
ワタ,カポック,アマ,タイマ,ラミー,ボウマ,ジュート,ケナフ,ロゼル,アラミナ,
サンヘンプ,マニラアサ,サイザルアサ,マゲイ,ヘネケン,イストリ,モーリシャスアサ,
ニュージーランドアサ,フィケ,ココヤシ,パナマソウ,イグサ,シチトウイ,カンゾウ,フ
トイ,アンペラソウ,コリヤナギ,タケ,コウゾ,ミツマタ,ホウキモロコシ,チーゼルおよ
びヘチマから選ばれる吸油性の高い繊維作物の破断物と,農薬活性成分とを含有する水田用固
体農薬組成物に関する発明である点。
(一応の相違点α)
「農薬活性成分」が,本願発明においては「常温で液体の農薬活性成分または農薬活性成分
を液体溶媒に溶解もしくは分散させた液状物」の形態で含有されているのに対して,拡大先願
発明においては当該形態で含むものとして明示されていない点。
(一応の相違点β)
その「組成」が,本願発明においては「繊維作物の破断物」と「農薬活性成分」を含有する
のに対して,拡大先願発明においては「繊維作物の破断物」と「農薬活性成分」以外にも「界
面活性剤9.5重量%,デンプンアクリル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩4.0重量%,
合成シリカ10.0重量%,塩化カリウム10.0重量%,ナタネ油6.0重量%,焼成軽石
29.1重量%」を含むものである点。
(3)一応の相違点についての検討
(一応の相違点α)
拡大先願発明において使用されている「アニロホス」及び「ベンフレセート」と
いう農薬成分は,本願発明の「常温で液体の農薬活性成分」に該当するものではな
い。
しかしながら,参考文献(特開平10-158111号公報。甲2)の段落【0
007】の「常温で液体又は液状化された低融点の農薬有効成分を該粒核に吸収さ
せる第2工程」,段落【0010】の「常温で液体又は低融点の農薬有効成分とは,
…融点降下や気温の変化によって軟化・熔融・晶出を繰り返すような化合物を意味
する。」,段落【0020】,【0022】の「低融点…の農薬有効成分は,…高沸点
非極性有機溶剤に溶解させ,液状プレミックスとして用いるのが好ましい。…この
ような溶剤としては,例えば,…動植物油,…を挙げることができる。」という各記
載にあるように,上記農薬成分は,融点降下などによって常温で液状化する性質を
有し,動植物油(ナタネ油など)の有機溶剤に溶解させて「液状プレミックス」と
して用いられる農薬有効成分として知られている。
そうすると,拡大先願発明の農薬製剤は,遊星運動型混合機(粉粒体と液体の混
合・攪拌に優れたミキサー)を使って得られたものであって,その混合時に低融点
の農薬成分(ベンフレセート7.0重量%及びアニロホス8.0重量%)が液状化
するとともに,ナタネ油(及び界面活性剤)が実質上の「液体溶媒」として作用し
て,農薬成分がナタネ油(及び界面活性剤)に溶解又は分散した液状物の形態で含
まれているものと推認される。
すなわち,拡大先願発明の農薬製剤は,本願発明の「農薬活性成分を液体溶媒に
溶解もしくは分散させた液状物」と同じ形態で農薬成分を含むものと推認されるか
ら,上記αの点は相違点ではない。
(一応の相違点β)
本願発明は,請求項1記載のとおりのものであって,本願明細書の段落【004
4】に「更に,本発明の農薬固体組成物では,製剤にした際の物理化学性をより良
好とならしめるために,上記各成分の他,水溶性高分子,物理性向上剤,成分安定
化剤,増量剤,色素,顔料,香料等の助剤を添加することができる。」と記載されて
いるとおり,成分安定化剤等の助剤を更に添加したものを含む。
先願明細書の段落【0016】に「本発明では,さらに界面活性剤と高分子吸水
体を同時に製剤に配合してより製剤の分散性を高めるとともに,製剤中の水分によ
る製剤の安定性の低下を効果的に防止することが出来る。」と記載されているとおり,
拡大先願発明の「デンプンアクリル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩4.0重
量%」は,本願発明の「成分安定化剤」に相当する。
そうすると,拡大先願発明において「デンプンアクリル酸グラフト重合体部分ナ
トリウム塩」等が更に含まれているとしても,本願発明と拡大先願発明の両者に相
違点があるとは認められない。すなわち,上記βの点は相違点ではない。
第3原告主張の審決取消事由
1取消事由1(一応の相違点βについての判断の誤り)
審決は,一応の相違点βは相違点ではない旨判断したが,誤りである。
(1)先願明細書(甲1)の請求項1,すなわち,「農薬成分,平均粒径が10~
100ミクロンの多孔質担体,界面活性剤,結合剤,及び高吸水性ポリマーを含む
農薬製剤」という記載から明らかなように,拡大先願発明では,高吸水性ポリマー
が必須成分である。実際に,先願明細書に開示された実施例すべてに高吸水性ポリ
マーが含まれている。
これに対し,本願発明では,高吸水性ポリマーを配合した実施例はないし,まし
て同成分を必須とするものではない。
したがって,この点において本願発明と拡大先願発明とは明らかに異なり,同一
発明はといえない。
(2)農薬成分に「デンプンアクリル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩」など
の「高吸水性ポリマー」を添加することは,周知技術ではない。
また,「高吸水性ポリマー」を添加することによって,製剤を水田表面に散布した
際に,当該成分が吸水に伴って膨張し,粒間の間隔が広がり拡展を促進し,農薬成
分の水中への速やかな分散,溶解が実現されるのであるから(先願明細書の段落【0
013】),「高吸水性ポリマー」の添加によって新たな効果が奏されることも明らか
である。
したがって,「高吸水性ポリマー」の有無に係る相違点は,課題解決のための具体
化手段における微差といえるようなものではなく,本願発明と拡大先願発明を実質
的に同一ということもできない。
(3)審決は,本願明細書(甲3,4)の記載に基づいて,本願発明の成分安定
化材と拡大先願発明のデンプンアクリル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩4.0
重量%を同一と判断したが,特許の要件を審理する審査手続での発明の把握と,特
許後の「発明の技術的範囲を判断する」権利行使の際の発明の把握を混同した点に
誤りがあり,「特許の要件を審理する前提としてされる特許出願に係る発明の要旨認
定は,……特段の事情のない限り,特許請求の範囲の記載に基づいてされるべきで
ある」とする最高裁平成3年3月8日第二小法廷判決(民集45巻3号123頁)
にも,特許庁の審査基準にも反する。
仮に,特許請求の範囲の用語の解釈に当たって,発明の詳細な説明の記載事項を
参酌することが許されるとしても,その用語の解釈に当たっては,特許請求の範囲
の記載と同様,通常の意味として解釈すべきである。本願明細書の段落【0044】
の記載は,任意成分として配合し得る助剤を例示したものであるところ,農薬製剤
の助剤である「成分安定化剤」(安定化剤)とは,外部環境に関係する要因からの有
効成分の保護を目的とするものであり,防腐剤,乾燥剤,凍結防止剤,固結防止剤,
抗酸化剤,及び紫外線吸収剤は含まれるが(甲9),「デンプンアクリル酸グラフト
重合体部分ナトリウム塩」などの高吸水性ポリマーはこれらのいずれにも該当しな
い。したがって,先願明細書中に,たまたま当該成分が安定化作用を有することを
示唆する記載があったとしても,これのみをもって,当該成分を,農薬製剤の助剤
として,通常の意味における成分安定化剤と認定することはできない。
2取消事由2(一応の相違点αについての判断の誤り)
審決は,一応の相違点αは相違点ではない旨判断したが,誤りである。
本願発明は,農薬活性成分を高濃度で含有させても,農薬活性成分の粉末化や浸
出しの問題がなく,かつ,農薬活性成分の残効性も優れた固体農薬組成物を提供す
るという課題を,吸油性の優れる特定の繊維作物の破断面を,農薬活性成分を担持
する担体として用いることにより解決したものであり,常温で固体又はペースト状
の農薬活性成分に用いる場合は,予め適当な液体溶媒に溶解ないし分散させて液状
化することで,農薬活性成分が繊維作物の破断物内部の空隙に保持される。
これに対し,拡大先願発明は,常温で固体ないしペースト状の農薬活性成分を液
体溶媒に溶解ないし分散させることなく,そのまま混合しただけであり,農薬活性
成分の固体粒子は,焼成軽石の内部へ移行せずに表面にとどまっており,ケナフ粉
も焼成軽石の表面に付着している。
このように,本願発明と拡大先願発明では,農薬製剤としての構造が明確に異な
るから,同一とはいえない。
(1)固体粒子の混合による融点降下について
融点降下は,異なる物質が混ざり合うことによって生じるのであり,両者が固体
粒子の場合には個々の粒子同士が微視的に混合することが必要である(乙2)。しか
しながら,拡大先願発明においては,個々の粒子はそのまま独立した状態で全体と
して異なる粒子が均質に分布しているにすぎないから,アニロホス及びベンフレセ
ートが融点降下を起こすとは考えられない。審決は,混合物であれば当然に融点降
下が生じるとでもいうものであり,拡大先願発明についてアニロホスとベンフレセ
ートが融点降下を起こすとした審決の判断には誤りがある。
特公昭44-1307号公報(乙3)及び特公昭46-31352号公報(乙4)
は,アニロホスとベンフレセートの融点降下の根拠とはなり得ない。固体粒子の混
合物といっても,微視的に個々の異なる粒子同士が混ざり合った混合物と,個々の
粒子は独立した状態で,全体的な組成として異なる粒子が均質に分布した混合物が
含まれ,これらは個々の粒子の状態が全く相違するから,融点降下が生じるか否か
という場面において,両者は同視できない。また,2種の化合物を単純に組み合わ
せた場合であっても,融点降下が生じるためには,加えた第二物質が液相では主物
質と溶液を作り,固相では固溶体を作らないという条件が必要であるし,融点降下
の生じやすさや程度は,化合物の組合せによって大きく異なるはずである。確かに,
参考文献(甲2)には,アニロホスやベンフレセートのような低融点であって常温
で固体の農薬有効成分は,高沸点非極性有機溶剤にヨウ化させて液状プレミックス
として用いるのが好ましいと記載されているが,融点降下により液状化された実施
例はなく,低融点であって常温で固体の農薬有効成分として列挙されたもののあら
ゆる組合せが,混合操作において共融混合物を形成し,融点降下により液状化する
ことを開示するものではない。また,特公昭44-1307号公報(乙3)及び特
公昭46-31352号公報(乙4)は,2成分の系の共融を記載したものである
が,2成分からなる単純な系でさえ,必ず融点降下が生じるとはいえないし(乙2),
仮に共融混合物が生じるとしても,2成分の混合割合によっても融点降下の程度は
著しく変化し,常に室温下で液状になっているともいえない(乙3)。これらの2つ
の公報は,共融混合物が生じやすく強力な融点降下を示す化合物の組合せを記載し
たものであるが,拡大先願発明において,他に高融点の農薬活性成分や表面積が大
きい固体担体の粒子も一緒に混合されている状況下で,アニロホス及びベンフレセ
ートの組合せが強力な融点降下を示す特異的なものであることを,何ら具体的に示
すものではない。
(2)農薬活性成分の存在形態(液状化の有無)ついて
拡大先願発明では,混合装置に遊星運動型混合機を使った以外は,実施例1と同
じ方法で農薬製剤を得たとされているから(先願明細書の段落【0029】),アニ
ロホス,ベンフレセートは,他の農薬有効成分であるエトキシスルフロン,ダイム
ロンや,担体である合成シリカ,塩化カリウム,ケナフ粉とともに乾式粉砕して原
末とされ,遊星運動型混合機で焼成軽石にナタネ油を十分に浸み込ませた後に,こ
の原末を添加,混合したものと解される。原末には,合成シリカ,塩化カリウム,
ケナフ等の固形担体が含まれ,これらは原末全体の重量の約半分を占める。このよ
うな多量の固形粉体とともに,アニロホス,ベンフレセートを乾式粉砕して原末化
されていることから,アニロホス,ベンフレセートは,原末中に固体として均一に
分散して存在しているものと推認され,アニロホス及びベンフレセートが混合され
た結果液状化する旨の審決の判断には誤りがある。拡大先願発明の認定の根拠とな
った実施例4では,「原末」になるように「粉砕」され,液状化していなかったと推
認される実施例1よりも,アニロホス,ベンフレセートの量がかなり少ないから,
液状化はより一層困難なはずである。
また,遊星運動型混合機は,倒立円錐型容器の内壁に沿ってアームに取り付けら
れ撹拌スクリューが回転しながら,アームの回転によって容器内を遊星運動する構
造のものであるが(甲10),これは一般的な固定容器型混合機の一つにすぎず,こ
の混合機を使用したからといって,原末中に存在するアニロホス等が液状化すると
も考えられない。粉砕工程の混合では液状化せず,遊星運動型混合機での混合によ
ってのみ液状化するという根拠はない。
(3)ナタネ油や界面活性剤の機能について
拡大先願発明において,ナタネ油は,予め遊星運動型混合機により焼成軽石に十
分に浸み込まされてから,そこにアニロホス等を含む原末が添加され,混合される。
このように焼成軽石中に浸み込んだ状態のナタネ油が,審決の認定判断のように,
原末中のアニロホス,ベンフレセートに対する実質上の「液体溶媒」として作用す
るとは到底考えられない。また,拡大先願発明の製造方法からすれば,アニロホス
及びベンフレセートが,ナタネ油や界面活性剤中に溶解又は分散した液状物の状態
で存在すると推認できる余地はない。したがって,ナタネ油や界面活性剤が農薬活
性成分について実質上の液体溶媒として作用する旨の審決の判断には誤りがある。
すなわち,「分散」とは,液相中に粒子が均一に分布した状態のことをいうから,
担体表面を被覆しているナタネ油に農薬活性成分粒子が付着している状態では,「分
散」とはいえない。また,溶媒が固体を「溶解」するためには,溶解度を超える量
の溶媒が必要であり,単に粒子表面を被覆して液架橋により粒子同士を付着させる
だけの結合材として機能する程度の量よりも多くなければならないが,拡大先願発
明では,アニロホス,ベンフレセート等を含む原末を添加した時点で,すでにナタ
ネ油は焼成軽石に十分に浸み込んだ状態であるから,そこからさらにナタネ油が毛
細管現象により内部へ浸透することはなく,添加されて焼成軽石の表面に付着した
アニロホス及びベンフレセートの固体粒子は,ナタネ油とともに焼成軽石の内部へ
移行することはなく,そのまま表面に留まるものと推認されるのであって,このよ
うな状態についてナタネ油が溶媒として機能したとはいうことはできない。
界面活性剤についても,拡大先願発明は,多量の固形担体とともに乾式粉砕され
ていることから,アニロホス等の実質上の液体溶媒として作用しているとは解され
ない。
これに対し,本願明細書の実施例中,混合される成分中,液状のものが少ない農
薬製剤をみると,実施例1ではO,O-ジイソプロピル-S-ベンジルチオフォスフ
ェ-ト(IBP)及び2-セカンダリ-ブチルフェニル-N-メチルカ-バメ-ト
(BPMC)は,ケナフ幹部破砕片の内部に浸透していき,その空隙内部に保持さ
れ,実施例18では,ケナフ茎粉砕片の表面に付着した懸濁液が,毛細管現象によ
りケナフ茎粉砕片の内部へ浸透していき,それに伴い,懸濁液中に分散している平
均粒径3.5μm程度のプロヘキサジオンカルシウム塩の粒子も内部へ移行してそ
の空隙内に保持されている状態にあることが分かる。
このように,本願発明と拡大先願発明では,ナタネ油の機能が異なる結果,農薬
製剤としての構造も異なっている。
第4被告の反論
1取消事由1に対し
本願発明は,請求項1の「…を含有することを特徴とする水田用固体農薬組成物」
という記載どおりのものであって,成分安定化剤等の助剤を含め,あらゆる任意添
加成分を更に添加する場合のものを含む農薬組成物である。
そして,本願発明は,高吸水性ポリマーを含まないことを発明特定事項としてお
らず,本願明細書の発明の詳細な説明の記載まで参酌したとしても,高吸水性ポリ
マーを含まないものに限定解釈できないから,高吸水性ポリマーの有無は相違点に
ならない。
本願発明と拡大先願発明は,審査基準の『両者の発明特定事項に相違点がない場
合』に相当し,審査基準の『相違点はあるがそれが課題解決のための具体化手段に
おける微差である場合(実質同一)』をいう場合を検討するまでもない。
したがって,審決の一応の相違点βに関する判断に誤りはない。
2取消事由2に対し
(1)融点降下について
融点降下とは,純粋な物質に比べて混合物の融点が低くなる現象をいうが,農薬
組成物の技術分野において普通に知られ,固形農薬製造における常套手段となって
いる(乙3,4)。
拡大先願発明に含まれる農薬成分のうち,低融点のアニロホス(融点50~52.
5℃)とベンフレセート(融点30.1℃)は,融点降下により液状化してナタネ
油や界面活性剤とともに液状相を形成し,融点が高いエトキシスルフロン(融点1
49℃)及びダイムロン(融点203℃)は,粉砕された粉粒体として,当該液状
相に分散又は溶解して存在していると推認される。
参考文献(甲2)の段落【0004】,【0010】には,融点が70℃以下のア
ニロホスやベンフレセートが,IBP,BPMCといった本願発明の実施例で使用
されている農薬活性成分などとともに,融点降下や気温変化で軟化,熔融するよう
な化合物であることが明示されている。
(2)農薬活性成分の存在形態(液状化の有無)について
上記(1)のとおり,アニロホス及びベンフレセートが液状化すれば,組成物100
部に対して少なくとも21.0部の液状物が含まれている。この場合は,本願発明
の実施例よりも明らかに多い液状成分が生じていることになる。
そうすると,拡大先願発明の「農薬製剤」が,多量の固形粉体とともに農薬活性
成分を粉砕して調製した原末を含むものであったとしても,融点降下により液状化
することが明らかなアニロホス等の農薬活性成分を含む液状物が,当該「農薬製剤」
中に液状のまま少なからず存在することは明らかである。
「遊星運動型混合機」とは,農薬原薬,粉体などと液状バインダを分散させなが
ら互いに濡らし,それらを均質にする操作に適した混練装置として一般に知られて
いるものである(乙8)。そうすると,拡大先願発明における混合の操作は,液状物
(液状化した農薬成分,界面活性剤,液状バインダなど)と粉体(合成シリカ,ケ
ナフ粉,焼成軽石など)とを混練するものであって,拡大先願発明で得られた農薬
製剤の中に,融点降下や温度変化により液状化したアニロホスやベンフレセートの
ような農薬成分が,ナタネ油のような液体バインダとともに液状物として含有され
ていることは明らかである。
(3)ナタネ油や界面活性剤の機能について
本願発明は,「常温で液体の農薬活性成分または農薬活性成分を液体溶媒に溶解も
しくは分散させた液状物」を「含有」するものであるが,例えば,本願明細書の段
落【0064】の「実施例3」に「この空基剤79部にIBP17部,ダイアジノ
ン4部を加え,これを吸着せしめて本発明組成物の粒剤を得た。」と記載されている
とおり,農薬活性成分(IBP及びダイアジノン)が担体に「吸着」して固体農薬
組成物に含有されている場合も本願発明の具体例として例示されているから,本願
発明は担体に農薬活性成分を「含浸」させるものに限定されるものではない。
また,本願明細書の段落【0062】の「実施例1」では,懸濁状液状物5.5
部(農薬活性成分5部を含む。)と固形粉体94.5部(ケナフ片4.5部とクレー
90部からなる。)とを混合し,ハンマーミルで粉砕して本願発明の固体農薬組成物
のDL粉剤を得ている。すなわち,大量の固形粉体が存在する中であっても,農薬
活性成分を含む少量の液状物が,固体農薬組成物の中で「液状物」の形態で含有さ
れていること(固体の形態で存在していないこと)は明らかである。液状物質の使
用量が農薬製剤全体に対して非常に少ない実施例としては「実施例18」もあるが,
液状物が固体農薬組成物の中で含有されている点は同様である。
本願明細書の段落【0038】の「前記の常温で液体の農薬活性成分を液体溶剤
の代用として用いることができる」との記載にあるように,本願発明は,液状化し
た農薬成分も「液体溶剤」の範ちゅうに含むものであるから,融点降下によって液
状化する拡大先願発明のアニロホス等の低融点の農薬成分や界面活性剤も,「液体溶
剤」として実質的に機能していることは明らかである。
一方,拡大先願発明の「ナタネ油6.0重量%」は,先願明細書の6欄24~2
7行及び請求項7の「結合剤…動植物油」の記載にあるように,「結合剤」として用
いられているものであって,農薬成分を担体に結合(付着)させる機能を奏するこ
とが求められるものであるから,ナタネ油の全量が拡大先願発明の「焼成軽石29.
1重量%」の内部に含浸されているかはさておき,少なくとも結合剤として機能で
きる程度の量が焼成軽石の表面で農薬成分と接触し,農薬成分を溶解もしくは分散
できる状態にあると解すべきである。アニロホスとベンフレセートが液状化すれば,
ナタネ油6部は農薬成分を溶解するのに充分な量である。
(4)結論
以上からしてみれば,「低融点の農薬成分が液状化するとともに,ナタネ油(及び
界面活性剤)が実質上の『液体溶媒』として作用して,農薬成分がナタネ油(及び
界面活性剤)に溶解又は分散した液状物の形態で含まれているものと推認される」
とした審決の認定に誤りはなく,一応の相違点αに関する審決の判断にも誤りはな
い。
第5当裁判所の判断
1取消事由1について
(1)一応の相違点βについて
本願発明は,上記第2の2のとおりであり,「ワタ,・・・から選ばれる吸油性の
高い繊維作物の破断物」と「常温で液体の農薬活性成分または農薬活性成分を液体
溶媒に溶解もしくは分散させた液状物」とを必須の成分として「含有する」ことが
要件となる水田用固体農薬組成物であるが,それら必須の成分以外に,農薬組成物
が一般的に含有することのある様々な成分を含有することを排除するものではない
ことは,文言上明らかである。
したがって,水田に散布される農薬製剤である拡大先願発明が「界面活性剤9.
5重量%,デンプンアクリル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩4.0重量%,合
成シリカ10.0重量%,塩化カリウム10.0重量%,ナタネ油6.0重量%,
焼成軽石29.1重量%」を含有することは,本願発明との相違点には当たらない。
(2)原告の主張について
ア原告は,拡大先願発明では高吸水性ポリマーが必須成分であるのに対し
て,本願発明では必須成分ではなく,本願明細書には高吸水性ポリマーを配合した
実施例すらないから,本願発明と拡大先願発明とは一応の相違点βの点で同一でな
い旨主張する。
しかしながら,本願発明が「吸油性の高い繊維作物の破断物」と液状の「農薬活
性成分」以外の成分を含有することを排除しないことは,上記(1)のとおりであるか
ら,本願発明は高吸水性ポリマーを含有するものであってもよく,高吸水性ポリマ
ーの含有の有無の点は,拡大先願発明との相違点とはならない。原告の主張は,特
許請求の範囲の記載に基づかないものというほかない。
イ原告は,農薬組成物にデンプンアクリル酸グラフト重合体部分ナトリウ
ム塩などの高吸水性ポリマーを配合することは周知技術ではないし,高吸水性ポリ
マーを配合することによって,製剤を水田表面に散布した際に当該成分が吸水に伴
って膨張し,粒間の間隔が広がり,拡展を促進し,農薬成分の水中への速やかな分
散,溶解が実現されるという新たな効果が奏されるのだから,高吸水性ポリマーの
有無は,課題解決のための具体化手段における微差であるとはいえず,本願発明と
拡大先願発明は実質同一ということもできない旨主張する。
しかしながら,上述のとおり,本願発明は高吸水性ポリマーを含有するものを含
むから,高吸水性ポリマーの含有の有無の点は,本願発明と拡大先願発明の相違点
とはならない。したがって,相違点がある場合に実質同一性を認める基準となる微
差の点は,本件では問題とならず,農薬組成物に高吸水性ポリマーを配合すること
の周知性や効果を論ずる余地はない。原告の主張は,本願発明が高吸水性ポリマー
を含んではならないものであることを前提とするものであって,前提において誤り
である。
ウ原告は,審決が,拡大先願発明のデンプンアクリル酸グラフト重合体部
分ナトリウム塩を,本願発明の成分安定化剤に相当する旨判断したのは,誤りであ
る旨主張する。
しかしながら,本願発明は,成分安定化剤の成分を発明特定事項とするものでは
ないし,「吸油性の高い繊維作物の破断物」と液状の「農薬活性成分」以外の含有成
分に制限はなく,デンプンアクリル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩を含有する
ことを妨げるものではない。したがって,原告の指摘するようにデンプンアクリル
酸グラフト重合体部分ナトリウム塩が「成分安定化剤」に該当するか否かにかかわ
らず,その有無は相違点とならないものであり,審決の一応の相違点βに関する判
断は,結論において正当である。
(3)小括
以上のとおりであるから,原告主張の取消事由1は理由がない。
2取消事由2について
(1)拡大先願発明の認定について
ア拡大先願発明について
先願明細書(甲1)において拡大先願発明認定の基礎となった実施例4(段落【0
028】,【0029】,【0023】)の記載によれば,拡大先願発明の農薬製剤は,
農薬活性成分4種類合計21.4重量%,界面活性剤9.5重量%,デンプンアク
リル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩4.0重量%,合成シリカ10.0重量%,
塩化カリウム10.0重量%,及びケナフ粉10.0重量%を遊星運動型混合器で
混合した後ハンマーミルで粉砕して原末を調製し,混合造粒機において焼成軽石2
9.1重量%にナタネ油6.0重量%を十分に浸み込ませた後に,原末を加えて運
転して製剤としたものである。そして,農薬活性成分の融点は,それぞれアニロホ
スが50~52.5℃,ベンフレセートが30.1℃,エトキシスルフロンが14
9℃,ダイムロンが203℃であるから(甲2,弁論の全趣旨),常温でいずれも固
体である。
イ融点降下について
審決は,拡大先願発明の農薬活性成分であるアニロホスとベンフレセートが遊星
運動型混合機による混合で融点降下して液状化すると認定した。
融点降下とは,異なる二種類の物質が混ざり合うことにより純粋な物質のときよ
りも融点が低くなる現象をいう(乙2)。融点降下は,あらゆる物質を混合した場合
に起きるわけではなく,むしろ,特定の選択された化合物間においてのみ認められ,
(乙3,4参照),融点が低い化合物を混合したからといって常温で液状化するとは
いえない。しかるに,拡大先願発明において,アニロホス(8.0重量%)とベン
フレセート(7.0重量%)は,エトキシスルフロン(0.4重量%),ダイムロン
(6.0重量%),界面活性剤(9.5重量%),デンプンアクリル酸グラフト重合
体部分ナトリウム塩(4.0重量%),合成シリカ(10.0重量%),塩化カリウ
ム(10.0重量%)及びケナフ粉(10.0重量%)という大量の固体成分と一
様に混合されるから,アニロホスとベンフレセートの二成分のみが接触混合される
わけではない。また,拡大先願発明で用いられるアニロホス,ベンフレセートは,
実際に融点降下が生じた1-ナフチル-N-メチルカーバイトとフェノール(乙3),
シクロヘキシル-3-(2・4-ジクロロフェノキシ)アクリレートとアルキルフ
ェノール類(乙4)との間で,化学物質としての構造や性質の類似性,同質性を認
めるに足りる証拠はない。さらに,アニロホス,ベンフレセートを融点降下の生じ
得る化合物として掲げている特開平10-158111号公報(甲2)においても,
これらの二つの成分について融点降下が実際に生じた例やそのための条件に関する
言及はない。
したがって,拡大先願発明において,アニロホス,ベンフレセートにつき融点降
下が生じる条件が整っていると認めるに足りる具体的・技術的根拠はなく,融点降
下が起きていると断定することは困難である。よって,アニロホスとベンフレセー
トが混合により融点降下して液状化するという審決の認定には,誤りがある。
ウ液状化について
また,審決は,拡大先願発明では,ナタネ油や界面活性剤が実質上の液体溶媒と
して作用して,農薬活性成分がナタネ油に溶解又は分散した液状物の形態で含まれ
る旨推認した。
まず,界面活性剤については,当事者双方の主張自体において,必ずしも液体で
あることを前提としていないから,これが実質上の液体溶媒として作用するとはい
えない。したがって,界面活性剤が実質上の液体溶媒として作用するという審決の
判断には誤りがある。
また,ナタネ油に関して検討すると,拡大先願発明において,そもそも混合する
ナタネ油の量それ自体が非常に少なく,液体溶媒として機能する上で十分かという
点が疑問である。しかも,拡大先願発明は,混合造粒機に焼成軽石を加え,運転し
ながらナタネ油を浸み込ませた後,それとは別に農薬活性成分等の成分を混合した
後にハンマーミルで粉砕して調製した原末を投入し,さらに造粒機を運転させる過
程を経て作成するものであるから,焼成軽石に既に浸み込んだ後のナタネ油が,農
薬活性成分を溶解させる機能を果たすのに充分なだけの湿潤性をなお保持している
かという点にも疑問が残る。したがって,拡大先願発明において,ナタネ油が液体
溶媒として機能するとは必ずしもいえず,この点においても,審決の判断には誤り
があるというべきである。
エ農薬活性成分の状態
上記のとおり,融点の低いアニロホス,ベンフレセートに融点降下が起きて液状
化するとは認められないから,固体の状態を維持したまま混合され,ケナフ粉など
その他の原末成分とともに粉末化される。ここで,溶媒の役割を果たすべき液体の
ナタネ油の量は6%と非常に少ない上に,予め焼成軽石に浸み込まされているため
に農薬活性成分と混合した際に触れる量はより一層少ないから,ナタネ油は,混合
された固体の農薬活性成分を液状化するまでには至らず,結合剤として機能するだ
けで,固体の農薬活性成分を焼成軽石の表面や内部空隙に結着させるにすぎないと
考えられる。したがって,拡大先願発明において,農薬活性成分が製造過程におい
て液状になることはなく,「液体」又は「液状物」が「含有」されたものとはいえな
いから,「液体の農薬活性成分」又は「農薬活性成分を液体溶媒に溶解もしくは分散
させた液状物」を「含有」することを必須とする本願発明とはこの点において相違
がある。
確かに,本願発明と拡大先願発明はいずれも物の発明であるところ,本願発明に
おいて,液体溶媒に分散された固体農薬活性成分が繊維作物の破断物の内部空隙ま
で浸透せずに表面に結着して存在する場合,生成物同士を比較すると,本願発明と
拡大先願発明との間で固体農薬活性成分の存在形態に違いがない以上,両者を区別
することはできない。また,拡大先願発明において,ケナフ粉の空隙と焼成軽石成
分粒子の大小関係次第では,ケナフ粉の内部にアニロホス,ベンフレセートを含め
た固体の農薬活性成分粒子が侵入することも考えられるが,この場合,農薬活性成
分が繊維作物破断物の内部へ浸透する場合の本願発明と,固体農薬活性成分の存在
形態に違いがなくなり,両者を区別することはできないことになる。このように,
本願発明と拡大先願発明の固体農薬組成物に重なり合う部分があることは否定でき
ないが,本願発明の請求項に「液体の農薬活性成分」又は「農薬活性成分を液体溶
媒に溶解もしくは分散させた液状物」を「含有」するという記載がある以上,拡大
先願発明との対比においてこの点を無視することはできないのであって,拡大先願
発明がこの点を具備しない以上,相違点と認めざるを得ない。
したがって,審決の一応の相違点αに関する判断には誤りがある。
(2)本願発明に関する原告の主張について
なお,原告は,本願発明では,繊維作物破断物は,液体状になった農薬活性成分
の担体として機能し,農薬活性成分は繊維作物破断物内部へ浸透し空隙内に保持さ
れているのに対して,拡大先願発明では,農薬活性成分を液体溶媒に溶解ないし分
散させることなくそのまま混合する結果,農薬活性成分は繊維作物の破断物の表面
にとどまるから,両者は農薬製剤として形態が異なる旨主張する。
しかしながら,本願発明の固体農薬組成物は,特許請求の範囲の記載によれば,
繊維作物破断物と液体状にした農薬活性成分を「含有する」と特定されているだけ
であって,多くの実施例で配合されている鉱物質微粉などのその他の成分を含有す
ることは排除されておらず,本願発明における繊維作物破断物は,液体状になった
農薬活性成分の担体として機能し,繊維作物破断物の空隙に保持される構造となる
という限定は付されていないから,農薬活性成分が繊維作物の破断物の内部空隙ま
で浸透せずに表面に結着して存在する場合や,農薬活性成分が鉱物質微粉などその
他の成分の空隙に保持される場合もこれに含まれると解される。原告の本願発明を
限定する上記主張は,特許請求の範囲の記載に基づかないものというほかない。
したがって,原告の主張は採用できず,この点が相違点となるものではない。
(3)小括
以上の次第であって,原告主張の取消事由2は理由がある。
第6結論
以上のとおり,原告の請求は理由がある。
よって,原告の請求を認容することとして,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官
清水節
裁判官
新谷貴昭
裁判官
鈴木わかな

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