弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

       主   文
1 被告大阪府知事が原告らに対して平成12年9月11日付けでした部分公開決
定のうち,「平成11年度代替地取得及び処分協議決裁文書」のうちの別紙「取消
部分」記載の部分を非公開とした部分を取り消す。
2 原告らの被告大阪府知事に対するその余の請求及び被告大阪府に対する請求を
いずれも棄却する。
3 訴訟費用のうち,原告らに生じた訴訟費用の5分の4と被告大阪府知事に生じ
た訴訟費用は同被告の負担とし,原告らに生じたその余の訴訟費用と被告大阪府に
生じた訴訟費用は原告らの負担とする。
       事実及び理由
第1 請求
1 被告大阪府知事が,原告らに対し,平成12年9月11日付けでした部分公開
決定のうち,「平成11年度代替地取得及び処分協議決裁文書」のうちの別紙「非
公開部分」記載の各部分を非公開とした部分を取り消す。
2 被告大阪府は,原告らに対し,それぞれ35万円及びこれに対する平成12年
9月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
 本件は,原告らが,大阪府情報公開条例(平成11年10月29日大阪府条例第
39号,以下「本件条例」という。)に基づき,被告大阪府知事(以下「被告知
事」という。)に対して行政文書の公開を請求したところ(以下「本件公開請求」
という。),被告知事が公開請求に係る文書の一部を非公開とする旨の部分公開決
定(以下「本件処分」という。)をしたため,原告らが,被告知事に対して本件処
分のうち一部非公開とした部分の取消しを求めるとともに,被告大阪府に対し,国
家賠償法1条1項に基づいて損害賠償を求める事件である。
1 争いのない事実及び証拠により容易に認定できる事実
(1) 本件公開請求
 原告らは,平成12年8月28日,本件条例に基づく行政文書の公開等の実施機
関(本件条例2条2項)である被告知事に対し,本件条例6条に基づき,「平成1
2年度土地公社保有地にかかる自治省調査報告書」,「平成11年度末代替地一覧
表」及び「平成11年度代替地取得及び処分協議文書」の公開を請求した。
(2) 本件処分
 被告知事は,原告らに対し,同年9月11日,本件公開請求にかかる公文書を
「平成12年度土地開発公社保有地にかかる自治省調査報告書」,「平成11年度
末代替地状況調べ」及び「平成11年度代替地取得及び処分協議決裁文書」(最後
の文書を以下「本件文書」という。)であると特定し,本件文書のうち別紙「非公
開部分」記載の各部分(以下「本件非公開部分」という。)については,以下の理
由によりいずれも公開せず,本件文書のその余の部分及び他の2文書の全部を公開
する旨の部分公開決定(本件処分)をし,通知した。
ア 本件条例9条1号に該当する。
 本件非公開部分には,個人の所得等に関する情報が記載されており,これらは,
個人のプライバシーに関する情報であって,特定の個人が識別されうるもののう
ち,一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められる。
イ 本件条例8条1号に該当する。
 本件非公開部分には,法人の資産等に関する情報が記載されており,これらの情
報を公にすると,当該法人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められ
る。
ウ 本件条例8条4号に該当する。
 本件非公開部分には,用地買収交渉の事務に関する情報が記載されており,これ
らの情報を公にすると,当該事務の目的が達成できなくなり,又はこれらの事務の
公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれがある。
(3) 本件条例における非公開事由
 本件条例における非公開事由に関する規定のうち,本件に関係する部分は次のと
おりである。
8条 実施機関は,次の各号のいずれかに該当する情報が記録されている行政文書
を公開しないことができる。
1号 法人(国及び地方公共団体その他の公共団体(以下「国等」という。)を除
く。)その他の団体(以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人
の当該事業に関する情報であって,公にすることにより,当該法人等又は当該個人
の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの(人の生命,身体若し
くは健康に対し危害を及ぼすおそれのある事業活動又は人の生活若しくは財産に対
し重大な影響を及ぼす違法な若しくは著しく不当な事業活動に関する情報(以下
「例外公開情報」という。)を除く。)
4号 府の機関又は国等の機関が行う取締り,監督,立入検査,許可,認可,試
験,入札,交渉,渉外,争訟等の事務に関する情報であって,公にすることによ
り,当該若しくは同種の事務の目的が達成できなくなり,又はこれらの事務の公正
かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれのあるもの
9条 実施機関は,次の各号のいずれかに該当する情報が記録されている行政文書
を公開してはならない。
1号 個人の思想,宗教,身体的特徴,健康状態,家族構成,職業,学歴,出身,
住所,所属団体,財産,所得等に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する
情報を除く。)であって,特定の個人が識別され得るもの(以下「個人識別情報」
という。)のうち,一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認めら
れるもの
(4) 本件文書及び本件非公開部分
 大阪府土地開発公社(以下「公社」という。)は,公共事業用地として買収の対
象となる土地の地権者が生活再建を図るために代替地の取得を希望する場合に,代
替地を取得し,これを地権者に譲渡する業務を行っている。
 本件文書は,大阪府土木部用地室が,公社による代替地の取得又は処分につき,
「代替地の取得,管理,処分等に関する要綱」等に基づいて,公社との間で協議を
行った際に作成又は取得し,保管している平成11年度分の文書の綴りである。具
体的には,代替地の取得又は処分の際に作成された申請書,契約書,その他協議及
び決裁に関わる文書で構成されている(乙9)。
 本件非公開部分の記載内容は,次の5つに分類される。
ア 買収価格等
 事業用地の買収や代替地の取得,譲渡の際のこれらの価格,単価を記載した部分
であり,具体的には,下記部分である。
(B)代替地(取得)譲渡調書のうち,事業用地の買収単価,買収金額,代替地の
買収単価,買収金額,譲渡(予定)単価,譲渡(予定)金額及び譲渡予定単価算出
方法
(C)代替地買受申請書のうち,単価及び価格(総額,金額,買受希望額)
(D)代替地買収(譲渡)協議書のうち,契約金額,一括支払金額,単価及び価格
(E)代替地選定調書のうち,㎡当たり単価,坪当たり単価,金額,買収予定価格
及び取引事例の単価
(F)代替地買収調書のうち,契約金額及び支払金額
(G)代替地譲渡通知書のうち,譲渡価格及び譲渡単価
(H)代替地取得処分計画書のうち,取得予定価格,譲渡予定価格及び土地補償金

(I)土地売買契約書のうち,売買代金,売買代金の一部金(前金及び残金),売
買土地の単価及び金額
(J)物件移転補償契約書のうち,補償金額,内訳の金額及び補償金額の一部金
(K)代替地の取得及び処分に関する覚書に基づく協議のうち,買収単価及び買収
金額
(L)別途協議理由書(代替地譲渡理由書)のうち,金額(買収・譲渡金額)
(M)協議確認書の事業用地並びに代替地一覧表のうち,買収単価,補償金額,譲
渡単価,譲渡金額及び譲渡価
(N)代替地取得譲渡価格評価説明書のうち,単価,取得価格,取得及び譲渡価格
イ 評価答申額等
 大阪府土地開発公社土地評価審査会が代替地の評価額を公社に答申した際の評価
答申額,諮問価格や評価答申額を基礎として時点修正を加えた算出額等を記載した
部分であり,具体的には,下記部分である。
(A)大阪府土地開発公社土地評価審査会への評価答申額,諮問価格及び答申価格
(D)代替地買収(譲渡)協議書のうち,評価額
(N)代替地取得譲渡価格評価説明書のうち,既答申価格及び算出額(時点修正
額)
ウ 勤務先等
(C)代替地買受申請書のうち,代替地譲渡予定者の勤務先又は連絡先を記載した
部分である。
エ 印影
(C)代替地買受申請書,(I)土地売買契約書及び(J)物件移転補償契約書の
うち個人や法人の印影部分並びに(O)申請書のうち個人の印影部分である。
オ 家庭事情
(L)別途協議理由書(代替地譲渡理由書)及び(O)申請書のうち,地権者の家
庭事情に関する記載の部分である。
2 争点及び当事者の主張
(1) 買収価格等の本件条例9条1号及び8条1号該当性(争点1)
(被告らの主張)
ア 本件条例9条1号該当性
 買収価格等は,個人である土地所有者が自らの財産の対価として実施機関等から
受け取った代金の金額,又は代替地の対価として支払う代金の金額であって,当該
個人の所得そのものに関する情報であり,これを公にすることにより,当該個人の
経済状況等が推測されうることから,一般に他人に知られたくないと望むことが正
当であると認められ,本件条例9条1号に当たる。
イ 本件条例8条1号該当性
 買収価格等は,法人である土地所有者が自らの財産の対価として,実施機関等か
ら受け取った代金等の金額,又は代替地譲渡予定者である法人が,公社の土地の対
価として支払う代金の金額であって,当該法人の経営上の内部情報であり,本件条
例8条1号の「公にすることにより,当該法人等又は当該個人の競争上の地位その
他正当な利益を害すると認められるもの」に当たる。
(原告らの主張)
ア 本件条例9条1号該当性
 買収価格等は,個人に関する情報とはいえない。すなわち,土地価格等は,土地
所有権という財産権に関する情報ではあるが,土地所有権は登記簿により公開され
ており,その価格である相続税路線価,公示価格等も公表されている。
 また,土地価格等は,個別取引による資産の価格にすぎず,個人の全保有資産が
公開されるわけではないし,買収価格等は公示価格を基準に一律に決められる性格
の強いものであり,私人間の場合のように,当事者間の個別事情に基づく交渉結果
が売買価格に反映する余地は極めて小さく,非公開とする必要性はない。
 一方,府に対する土地の譲渡ないし公社からの土地の買受けは単なる私人間の取
引とは異なり,公的側面が強く,買収価格等を非公開としてしまうと,公共事業に
おける価格の適正を市民がチェックすることが不可能となるから,公開の必要性が
高いといえる。
イ 本件条例8条1号該当性
(ア) 本件条例の前身である大阪府公文書公開条例の解釈運用基準では,「競争
上の地位を害するもの」とは,生産技術上のノウハウ,取引上,金融上,経営上の
秘密等公開されることにより,公正な競争の原理を侵害すると認められるものであ
り,「その他正当な利益を害すると認められるもの」とは,事業を営むものに対す
る名誉侵害,社会的評価の低下となる情報及び結社の自由を保障し,組織秩序を維
持するために社会通念上,団体の内部事項と認められる情報(公開により,団体の
自治に対する不当な干渉となる情報)等必ずしも競争の概念で捉えられないものと
いうとされている。
(イ) 買収価格等は,法人等の資産全部についてではなく,一取引についてのも
のである上,当該法人等の社会的評価や内部事項にかかるものではない。
 また,代替地の取得・譲渡にかかる譲渡・取得価格は,公有地の拡大の推進に関
する法律(以下「公拡法」という。)に規定された公示価格を基準として決められ
るものであり,その余の補償金額等の決定についても,譲渡・取得価格が基準とさ
れるべきものであるから,これらの取引情報から当該法人等の財産の運用状況や経
営状況等の特殊性が推測されるおそれはない。
(2) 評価答申額等の本件条例9条1号及び8条1号該当性(争点2)
(被告らの主張)
 評価答申額等を基礎として,代替地の取得,買収が行われるものであるから,評
価答申額等は,買収価格等と同じ性質を持つと考えられるものであり,本件条例9
条1号又は8条1号に該当する。
(原告らの主張)
 買収価格等と同様に,評価答申額等は,本件条例9条1号と8条1号のいずれに
も当たらない。
(3) 買収価格等及び評価答申額等の本件条例8条4号該当性(争点3)
(被告らの主張)
 大阪府が事業用地の買収を行う際には,土地収用手続をとらない限り,用地買収
事務担当者が,地権者に対し,損失補償基準にしたがって算出された正常価格以内
の金額による売買をなすよう説得し,用地買収を実行している。代替地の取得につ
いては,土地収用法の適用がないので,当然,正常価格以内の金額でかつ地権者と
合意に至った金額によって任意の売買が行われることになる。
 用地買収が継続されている事業の既買収地やその隣接又は近隣の代替地について
買収価格等の情報を公開すると,未買収地の所有者が自己の所有する土地につい
て,画地条件等の個別要因を考慮せず,公開された買収価格等と同程度又はそれ以
上の評価が得られると期待し,固執して,買収交渉が難航することが確実に予想さ
れる。また,用地買収事務担当者は,地権者との間で,合意に至った金額を秘密す
ることを前提に交渉を行っており,この約束を一方的に破棄することは事業用地の
所有者との信頼関係を破壊することになる。さらに,評価答申額等を公開すること
によって,答申額と実際の買収価格との差異が明らかになり,事業用地の所有者に
不信感を抱かせることとなり,用地買収事務の円滑な執行に支障が生じるおそれが
ある。
(原告らの主張)
ア 「当該若しくは同種の事務の目的が達成できなくなり,又はこれらの事務の公
正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれ」が存在することについては,実施
機関の主観にかかわらず,当該「おそれ」の存在が客観的に認められることが必要
である。
イ 公有地の取得価格及び譲渡価格は,本来相手方の意図にかかわらず,当該土地
の客観的価値に主眼をおいて一律に決定されるものである上,公拡法では地価公示
法による公示価格をもって取得価格及び譲渡価格とする旨が法定されていることか
ら,価格決定にあたって相手方との交渉の余地はないはずである。
 取得価格や譲渡価格の算定にあたって,当該土地の形状,地形,公共施設との位
置関係等の個別の要因によって価格の差異が生じることは当然であり,ある譲渡土
地についての価格が判明したとしても,近隣地の譲渡価格が当然にこれと同じ価格
になるわけではない。そして,地権者がこのような個別要因の差異を無視して同一
の価格条件に固執するとは通常考えられないし,仮に固執する者がいたとしても,
事業の遂行にあたっては土地収用法を適用するなど,別途の方策によって支障は解
消しうる。また,租税特別措置が施されるなど,土地所有者が取引に応じる動機付
けも用意されている。
 買収金額等及び評価答申額等の公開を行っている他の地方公共団体において,公
開により以後の用地買収に支障を来すなどの弊害は生じていない。
(4) 勤務先等及び家庭事情の本件条例9条1号該当性(争点4)
(被告らの主張)
ア 勤務先等
 代替地譲渡予定者の勤務先等は,当該個人の職業や経歴,社会活動等に関する情
報である。これを公にすることにより,当該個人の生活状況等が容易に推測されう
ることから,一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められ,9
条1号に該当する。
イ 家庭事情
 家庭事情の部分には,借地料に関する事情や,家族や親族の状況に関する事情等
が記載されており,これらの個人の家庭事情に関する情報は,一般にみだりに他人
に知られたくないと望むことが正当な情報といえる。
(原告らの主張)
ア 勤務先等
 被告らの主張は争う。
イ 家庭事情
 被告らは,家庭事情の種類ないし類型を指摘しておらず,非公開情報の該当性に
ついて主張したことにならない。
(5) 印影の本件条例9条1号及び8条1号該当性(争点5)
(被告らの主張)
 印章は,人の同一性を証明するものとして文書において重要な役割を果たしてい
るものであり,文書の真正に対する信用を保護するためにその偽造については刑事
罰が科される。
 印影には実印と認め印が含まれているが,実印については,市役所・法務局に登
録され,容易に他人が知ることができない情報となっている。実印以外のものであ
っても,契約書等の文書作成者の意思を表明する文書に使用される印章は容易に他
人が知ることができない情報である。
 したがって,印影は,個人にあってはプライバシーに関する情報であり,法人に
あっては営業上の秘密であって,一般にみだりに他人に知られたくないと望むこと
が正当な情報であると認められる。
(原告らの主張)
 取引において押印をすることは極めて一般的に行われており,また印影のある書
類が誰の手に渡るかについては,それほど意識されておらず,個人の印影が一般に
他人に知られたくないと望むことが正当であるということは,実施機関の主観にす
ぎない。
 そして,公開請求を行った者が印影の偽造を行うなどということは,およそ客観
的な蓋然性を有しないし,そもそも,偽造行為は別途刑法で規制されているのであ
るから,行政文書の公開で問題とするべきではない。
(6) 損害賠償請求の成否(争点6)
(原告らの主張)
 本件公開請求に対しては,明らかに全部公開決定がなされるべきであるにもかか
わらず,原告らは,被告知事の過失により,一部非公開とする旨の決定を受けた。
これにより,原告らは,知る権利ないし情報公開請求権を侵害され,文書公開請求
権の実現のために本訴提起を余儀なくされた。したがって,原告らは,それぞれ,
被告大阪府に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料30万円及び弁護士費用
5万円を請求する。
(被告大阪府の主張)
 いずれも争う。
第3 争点に対する判断
1 大阪府による事業用地取得事務について
 証拠(乙6,7,10,証人A)及び弁論の全趣旨によれば,大阪府における事
業用地の取得事務の概要は,次のとおりであると認められる。
(1) 事業説明会
 事業を施行する前に地権者及び地元関係者に対して,説明会を開催し,事業の目
的,概要等を周知し,当該工事,測量及び土地の取得についての協力を求める。
(2) 土地の測量,丈量図の作成等
 現地において関係者の立会いのもと,公共用地境界や民々境界を確定して,一筆
ごとの丈量図を作成する。
(3) 用地説明会
 地権者及び丈量図が確定した段階で,必要の都度,地権者に対して用地取得の面
積,収用等の課税の特例及び土地取得の流れを説明する。同時に建物等の支障物件
の現況についての具体的な実態調査及び営業補償等を行う場合の財務諸表等,必要
な資料の提供を依頼する。
(4) 土地の評価
 取得する土地及び支障物件等の補償は,「公共用地の取得に伴う損失補償基準」
に基づき,「土地評価事務処理要領」に定められた標準地比準評価法による評価を
行い算出された正常な取引価格(当事者の主観を排除した客観的な「正常価格」)
で行われる。標準地比準評価法とは,買収対象の区域内の基準となる土地(標準
地)を設定する方法であり,大阪府では,標準地の正常な取引価格について,不動
産鑑定士2者に対し鑑定評価を依頼し,その評価額をもとに,旧国土庁監修の土地
価格比準表に基づいて各土地の価格を算定している。その価格は,交通,環境,画
地等の諸条件を比較し,公示価格との均衡を失することのないよう配慮された客観
的な価格であり,また1つの事業区間にある多数の土地の価格バランスをも考慮し
た上で決定された価格である。
(5) 用地交渉及び契約の締結
 地権者ごとに交渉する個別交渉方法又は地権者集団で交渉する団体交渉方法によ
り,用地取得の交渉を始める。買収価格は,前記の評価に基づく正常な取引価格の
範囲内で地権者との合意により決定される。地権者と買収金額の合意ができれば,
土地売買契約等を締結し,所有権移転登記手続を行う。
 地権者が生活再建等のために代替地の取得を希望する場合には,公社が代替地を
取得して地権者に譲渡する。公社の取得価格及び譲渡価格は,地価公示法6条によ
る公示価格を規準とし,公示価格がない場合又はこれにより難い場合は近傍類似の
取引価格等を考慮した適正な価格による。取得価格及び譲渡価格は,大阪府土地開
発公社土地価格審査会の意見を聴いて決定しなければならない。
(6) 土地収用法による用地取得
 用地取得の交渉開始後相当の期間を経ても,任意による合意が成立しない場合に
は,土地収用法に基づく事業認定の手続を経て,収用委員会に裁決申請を行う。
 ただし,土地収用法の制約(事業認定が1年で失効)と予算,人員上の制約か
ら,同法による用地取得は年間で数件にとどまる。
2 争点1(買収価格等の本件条例9条1号及び8条1号該当性)
(1) 本件条例9条1号該当性
ア 本件条例9条1号は,「個人の・・・財産,所得等に関する情報・・であっ
て,特定の個人が識別され得るもの(以下「個人識別情報」という。)のうち,一
般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められるもの」が記録され
ている行政文書を公開してはならない旨規定している。
 買収価格等は,事業用地の取得,代替地の取得又は譲渡の価格に関する情報であ
り,買収対象の土地や代替地の所有者が個人である場合,当該個人から見れば,そ
の財産や所得に関する情報に該当する。そして,代替地所有者等の氏名は本件文書
の他の部分において公開されていることから,特定の個人が識別され得る情報であ
るといえる。したがって,買収価格等は本件条例9条1号にいう個人識別情報に該
当すると解される。
イ しかし,買収価格等は,個人の財産や所得の全体を明らかにするものではな
く,その一部に関する情報にすぎない。また,前記認定のとおり,買収価格等は,
対象となる土地の正常な取引価格であり,取引当事者の主観や個別事情を排除した
客観的な算定評価に基づく価格であって,個人のプライバシーとしての保護の必要
性の高い情報とはいえない。他方,公共用地(代替地を含む。)の取得及び処分
は,私人間の取引とは異なる公的性格を有するものであり,その適正を図る上で買
収価格等の公開の必要性は高いということができる。
 これらの点を総合考慮すると,買収価格等は,一般に他人に知られたくないと望
むことが正当であると認められる情報とはいえないというべきである。
 したがって,買収価格等は,本件条例9条1号に該当するとは認められない。
(2) 本件条例8条1号該当性
ア 本件条例8条1号は「法人・・・に関する情報・・・であって,公にすること
により,当該法人等又は当該個人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認め
られる」情報が記録されている行政文書を公開しないことができると定めている。
 買収対象の土地や代替地の所有者が法人である場合,当該土地に係る買収価格等
は,法人の資産や所得に関する情報であり,本件条例8条1号にいう法人に関する
情報に該当する。
イ 本件条例8条1号は,主として法人の営業上の利益の保護を念頭におき,法人
に関する情報の公開により当該法人に著しい不利益を及ぼすことのないようにとの
配慮から非公開事由を定めたものと解される。したがって,同号にいう「競争上の
地位」を害すると認められる情報とは,生産技術上のノウハウや,取引上,金融
上,経営上の秘密等,公開されることにより公正な競争の原理を侵害するなど当該
法人の営業上の地位に著しい不利益を及ぼすと認められるものを指すと考えられ
る。
 買収価格等は,特定の土地取引に関する情報にすぎず,当該法人の資産や所得の
全体を明らかにするものではない。また,本件において,買収等の相手方となって
いる法人は,株式会社及び信用金庫であるところ,株式会社においては,資産や期
間損益の状況を示す貸借対照表,損益計算書等の計算書類及び附属明細書の作成及
び公示が義務づけられており(商法281条,282条),附属明細書には固定資
産の取得及び処分の明細を記載しなければならないとされている(株式会社の貸借
対照表,損益計算書,営業報告書及び附属明細書に関する規則47条1項3号)。
信用金庫においても,貸借対照表,損益計算書,附属明細書等の決算関係書類の作
成及び公示が義務づけられている(信用金庫法37条)。したがって,事業用地や
代替地に関する土地取引の結果としての資産の取得や損益は,上記のように計算書
類等の公示によって株主,会員や債権者に開示されるべき情報の一部を構成するも
のということができる。更に,前記のとおり,買収価格等は,当該土地の客観的な
価格を示すものであり,特に秘密にしなければ法人の営業上の利益が害されるとは
認めがたい。
 買収価格等の公開によって当該法人の営業上の利益以外の正当な利益が害される
と認めるべき証拠もない。
 したがって,買収価格等は,本件条例8条1号に該当するとは認められない。
3 争点2(評価答申額等の本件条例9条1号及び8条1号該当性)
 被告らは,評価答申額等についても,これらの答申額等を基礎として代替地の取
得及び譲渡が行われるものであるから,買収金額等と同様に本件条例9条1号又は
8条1号に該当すると主張する。
 しかし,評価答申額等は,取得予定地について,土地評価審査会が行った算定評
価の結果を公社に対し報告するものであって,実際の買収価格等とは異なり,公社
の内部資料にすぎない。したがって,評価答申額等が代替地の取得金額の算定の基
礎となり,実際の取得価格を推測させうるものであるとしても,本件条例9条1号
の個人識別情報や8条1号の法人に関する情報には当たらないというべきである。
 よって,評価答申額等は,本件条例9条1号,8条1号に該当しない。
4 争点3(買収価格等及び評価答申額等の本件条例8条4号該当性)
(1) 本件条例8条4号は,実施機関は,「府の機関又は国等の機関が行
う・・・交渉,・・・等の事務に関する情報であって,公にすることにより,当該
若しくは同種の事務の目的が達成できなくなり,又はこれらの事務の公正かつ適切
な執行に著しい支障を及ぼすおそれのある」情報が記録されている行政文書を公開
しないことができる旨規定している。
 本件条例がこのような非公開事由を規定しているのは,大阪府の機関等の担当す
る行政事務や事業が円滑に遂行,推進されることを期すためであるが,「著しい支
障を及ぼすおそれ」は,事務,事業の主体である行政機関が自らの立場で主観的に
判断したところに従うべきではなく,客観的,具体的に存在していることが必要で
ある。
(2) 被告らは,用地買収を継続している事業の既買収地や隣接又は近隣の代替
地について買収価格等の情報が公開されると,未買収地の所有者が自己所有地につ
いて公開された買収価格等と同程度以上の評価が得られると期待し,固執して,買
収交渉が難航すると主張する。
 しかし,事業用地や代替地の買収は,前記のとおり,当該土地について当事者の
主観を排した客観的な取引価格を評価した上で,その価格の範囲内で行われるもの
であり,将来の未買収地の買収に当たっても,その時点での当該土地の客観的な取
引価格の評価に基づいて買収が行われることになる。他方,土地の価格は,交通,
環境,画地等の諸条件を考慮して決定されるものであって,隣接又は近隣の土地で
あってもこれらの諸条件の違いにより評価に差異が生じるのは当然である。また,
同一の土地であっても,取引時点が異なれば,その間の地価水準の変動等により価
格に差異を生じることになる。
 これらの点にかんがみると,過去の一時点(本件文書は,平成11年度の代替地
の取得,処分に関する文書である。)における事業用地や代替地について買収価格
等の情報が公開されたとしても,これらの土地の近隣の土地について将来買収が行
われる際には,当該土地について前記のような客観的な取引価格の評価が行われる
のであり,公開された情報が買収対象土地の評価の参考となるものでもなく,買収
価格を容易に推測させるものともいえない。また,買収対象土地の所有者が,土地
の個別要因の違いや評価時点の違いを無視して,公開された近隣土地の買収価格等
と同一条件の価格に固執するとは考えがたいし,仮に固執する者がいたとしても,
そのような主張は合理的なものとはいえず,実際の買収価格に影響を与えるもので
もない。したがって,買収価格等の情報の公開が将来の用地買収交渉の事務に著し
い支障を及ぼすおそれがあると認めることはできない。
(3) また,被告らは,用地買収事務担当者と地権者と間では,合意に至った金
額を秘密することを前提に交渉が行われており,この約束を一方的に破棄すること
で地権者との間の信頼関係が崩れる旨主張する。しかし,用地買収は,通常の売買
形式をとるにしても,客観的な価格をもって譲渡価格とすることが定められ,租税
特別措置の優遇が受けられることなど,私人間の取引とは異なり,公的性格を有す
る。地権者としても,その公的性格を当然認識していると考えられ,地権者が譲渡
価格について将来にわたって全く公開されないと期待していると解することはでき
ない。仮に地権者が譲渡価格の非公開を期待しているとしても,そのような期待は
保護に値するものとはいえない(買収価格等及び評価答申額等が個人識別情報や法
人に関する情報として本件条例9条1号,8条1号の非公開事由に該当すると認め
られないことは,前示のとおりである。)。したがって,現在,地権者との間で買
収価格に関する情報を秘密にすることを前提として買収交渉が行われているとして
も,そのことを理由として,買収価格等及び評価答申額等の公開が買収交渉事務に
著しい支障を及ぼすおそれがあると主張することはできないというべきである。
(4) 更に,被告らは,評価答申額等を公開することによって,答申額と実際の
買収価格との差異が明らかになることで,事業用地の所有者に不信感を抱かせ,用
地買収事務の円滑な執行に支障が生じるおそれがある旨主張する。しかし,評価答
申額等を公開しない場合でも,答申額と実際の買収価格との間に若干の差異が生じ
ることは容易に推測されることであり,評価答申額等の公開が,将来の事務に著し
い支障を及ぼすおそれがあるということはできない。
(5) 以上のとおり,被告らが買収価格等及び評価答申額等の公開によって将来
の用地買収交渉の事務に支障を生じると主張する点については,いずれも客観的,
合理的に支障を生じるおそれがあると認めることはできない。証拠(証人A)及び
弁論の全趣旨によれば,用地買収の交渉に当たっては,地権者が土地の買収自体に
抵抗し,また,買収価格について近隣の取引事例を引き合いに出してより有利な条
件を要求することも多く,このような場合,買収事務担当者としては,提示する買
収価格が客観的な評価に基づく適正な取引価格であることをわかりやすく説明し,
地権者の援用する取引事例と当該土地との個別的要因の違いを指摘するなどして,
地権者の同意を取り付けるよう粘り強く交渉しなければならず,用地買収には困難
を伴うことが認められる。しかし,これらの点は,用地買収事務の性質上必然的に
生じるものであり,買収価格等及び評価答申額等が公開されることによって初めて
生じるものではなく,これらの情報の公開によってより一層困難になるとも認めら
れない。実際,事業用地や代替地の買収金額などの情報の公開を行っている他の地
方公共団体において,公開以後の用地買収に支障を来すなどの弊害は生じていない
(甲4の1~3)。
 むしろ,用地買収事務の実態や買収価格などの情報が公開されていないために,
用地買収が評価に基づく客観的な取引価格の範囲内で行われ,個人的事情や交渉態
度等による買収価格の変動を許さない性質のものであることが一般に認識されず,
そのために用地買収業務が困難になっているという要素も否定できないと考えられ
る。その意味では,買収価格等の情報が公開され,用地買収事務について一般の理
解が深まることが,かえって将来の用地買収事務の円滑化に資するということがで
きる。
(6) 以上によれば,買収価格等及び評価答申額等は本件条例8条4号に該当す
るとは認められない。
5 争点4(勤務先等及び家庭事情の本件条例9条1号該当性)
(1) 勤務先等
 代替地譲渡予定者の勤務先等は,当該個人の職業や経歴,社会活動等に関する情
報である。そして,代替地所有者及び代替地取得希望者の氏名は本件処分によって
既に公開されていることから,特定の個人が識別され得る情報であるといえる。
 勤務先等を公にすることにより,当該個人の生活状況等が容易に推測されうるこ
とから,一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められる。
 したがって,勤務先等は,本件条例9条1号に該当する。
(2) 家庭事情
 被告ら主張の家庭事情の部分は,その前後の記載内容から,借地料に関する事
情,家族や親族の状況に関する事情等が記載されていることが推測される。本件処
分によって既に個人の氏名等は公開されており,これらの家庭事情は個人識別情報
に該当するといえる。
 そして,これらの家庭事情に関する情報は,一般にみだりに他人に知られたくな
いと望むことが正当な情報といえる。
 この点に関し,原告らは,被告らの主張は家庭事情の種類ないし類型を指摘して
おらず,非公開情報の該当性について主張したことにはならない旨主張する。しか
し,家庭事情に関しては個別具体的にその内容を指摘すると,非公開としたはずの
家庭事情が明らかになって,本件条例9条1号が保護しようとした個人のプライバ
シーを侵害することになりうる。したがって,被告らが記載されていると主張する
内容がある程度概括的なものであっても,本件文書の前後関係等から推測し得る限
り,非公開情報該当性の主張として十分であるといえる。
 よって,家庭事情の部分は,本件条例9条1号に該当すると認められる。
6 争点5(印影の本件条例9条1号及び8条1号該当性)
 地方公共団体と地権者との間の契約書等に押印され,地方公共団体に対して提出
される印影は,地権者が個人の場合は本件条例9条1号の個人識別情報に,地権者
が法人であれば本件条例8条1号の法人に関する情報に当たる。
 しかしながら,印影が一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると
も,印影を公にすることにより当該法人の正当な利益を害するともいうことができ
ない。すなわち,契約書や上申書等の書面の作成者名下の印影は,各文書が真正に
作成されたこと,すなわち,個人であれば当該個人本人によって,法人であれば当
該法人の契約締結権限を有する者によって,当該文書が作成されたものであること
を示すためになされるものである。したがって,印影自体には,作成名義人の氏名
とあいまって契約を締結した者を特定し,契約締結権限を証明するという意味を有
する以上の特殊な情報が含まれているわけではない。また,開示された印影が印章
偽造等の犯罪に悪用されることは異例の事態であって,特段の事情のない限り,そ
のようなおそれがあると認めることはできないというべきであり,本件において,
印章偽造等のおそれを認めるべき特段の事情は見出しがたい。
 したがって,本件処分のように,地方公共団体の契約の相手方の氏名,法人名が
既に公開されているような場合において,その印影が,本件条例9条1号,8条1
号に該当するとは認められない。
7 争点6(損害賠償請求の成否)
 以上によれば,被告知事による本件処分のうち,買収価格等,評価答申額等及び
印影の各部分については,本件条例の定める非公開情報に該当するとは認められ
ず,これらの部分を非公開とした被告知事の処分は違法であり,上記各部分につ
き,取り消されるべきであるといえる。
 しかしながら,上記各部分の非公開情報該当性に関しては,解釈上の争いがあり
得るところであり,いまだ同種の情報公開条例を有する地方公共団体において公開
するという慣習が一般に確立しているわけではなく,実務の取扱いも分かれている
ところである。したがって,被告知事が本件条例の実施機関として,上記各部分
が,本件条例の定める非公開情報に該当すると判断して本件処分を行ったことにつ
き過失があったとまでは認めることはできない。
 よって,原告らの被告大阪府に対する請求はその余の点につき判断するまでもな
く,いずれも理由がない。
8 結論
 以上によれば,原告らの被告知事に対する請求は,本件処分のうち買収価格等,
評価答申額等及び印影の各部分を非公開とした部分の取消しを求める限度で理由が
ある。原告らの被告大阪府に対する請求は,理由がない。
 よって,主文のとおり判決する。
大阪地方裁判所第7民事部
裁判長裁判官 山下郁夫
裁判官 山田明
裁判官 小泉満理子
(別紙)
取消部分
(A)大阪府土地開発公社土地評価審査会への評価答申額,諮問価格及び答申価格
(B)代替地(取得)譲渡調書のうち,事業用地の買収単価,買収金額,代替地の
買収単価,買収金額,譲渡(予定)単価,譲渡(予定)金額及び譲渡予定単価算出
方法
(C)代替地買受申請書のうち,単価,価格(総額,金額,買受希望額)及び個人
法人の印影
(D)代替地買収(譲渡)協議書のうち,契約金額,一括支払金額,単価,価格及
び評価額
(E)代替地選定調書のうち,㎡当たり単価,坪当たり単価,金額,買収予定価格
及び取引事例の単価
(F)代替地買収調書のうち,契約金額及び支払金額
(G)代替地譲渡通知書のうち,譲渡価格及び譲渡単価
(H)代替地取得処分計画書のうち,取得予定価格,譲渡予定価格及び土地補償金

(I)土地売買契約書のうち,売買代金,売買代金の一部金(前金及び残金),売
買土地の単価及び金額並びに個人法人の印影
(J)物件移転補償契約書のうち,補償金額及び内訳の金額,補償金額の一部金並
びに個人法人の印影
(K)代替地の取得及び処分に関する覚書に基づく協議のうち,買収単価及び買収
金額
(L)別途協議理由書(代替地譲渡理由書)のうち,金額(買収・譲渡金額)
(M)協議確認書の事業用地並びに代替地一覧表のうち,買収単価,補償金額,譲
渡単価,譲渡金額及び譲渡価格
(N)代替地取得譲渡価格評価説明書のうち,単価,既答申価格又は取得価格,取
得及び譲渡価格及び算出額(時点修正額)
(O)申請書のうち,個人の印影
(別紙)
非公開部分
(A)大阪府土地開発公社土地評価審査会への評価答申額,諮問価格及び答申価格
(B)代替地(取得)譲渡調書のうち,事業用地の買収単価,買収金額,代替地の
買収単価,買収金額,譲渡(予定)単価,譲渡(予定)金額及び譲渡予定単価算出
方法
(C)代替地買受申請書のうち,勤務先又は連絡先,単価,価格(総額,金額,買
受希望額)及び個人法人の印影
(D)代替地買収(譲渡)協議書のうち,契約金額,一括支払金額,単価,価格及
び評価額
(E)代替地選定調書のうち,㎡当たり単価,坪当たり単価,金額,買収予定価格
及び取引事例の単価
(F)代替地買収調書のうち,契約金額及び支払金額
(G)代替地譲渡通知書のうち,譲渡価格及び譲渡単価
(H)代替地取得処分計画書のうち,取得予定価格,譲渡予定価格及び土地補償金

(I)土地売買契約書のうち,売買代金,売買代金の一部金(前金及び残金),売
買土地の単価及び金額並びに個人法人の印影
(J)物件移転補償契約書のうち,補償金額及び内訳の金額,補償金額の一部金並
びに個人法人の印影
(K)代替地の取得及び処分に関する覚書に基づく協議のうち,買収単価及び買収
金額
(L)別途協議理由書(代替地譲渡理由書)のうち,金額(買収・譲渡金額)及び
地権者の家庭事情に関する記載の部分
(M)協議確認書の事業用地並びに代替地一覧表のうち,買収単価,補償金額,譲
渡単価,譲渡金額及び譲渡価格
(N)代替地取得譲渡価格評価説明書のうち,単価,既答申価格又は取得価格,取
得及び譲渡価格及び算出額(時点修正額)
(O)申請書のうち,個人の印影及び地権者の家庭事情に関する記載の部分

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛