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平成18年(行ケ)第10082号特許取消決定取消請求事件
口頭弁論終結日平成18年7月19日
判決
原告三菱電機ホーム機器株式会社
原告三菱電機株式会社
両名訴訟代理人弁理士家入久栄
同三井健弘
被告特許庁長官
中嶋誠
指定代理人石原正博
同高木彰
同下原浩嗣
同小林和男
主文
1特許庁が異議2003-73077号事件について平成18年1月
5日にした決定を取り消す。
2訴訟費用は各自の負担とする。
事実及び理由
原告らは,「1主文第1項と同旨。2訴訟費用は被告の負担とする。」との
判決を求め,請求の原因として別紙のとおり述べた。
被告は,請求棄却の判決を求め,請求原因事実は争わない,と述べた。
上記争いのない事実によれば,原告らの本訴請求は理由があるから認容し,訴訟
費用については,本訴の経緯にかんがみ,これを各自に負担させるのを相当と認め
て,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官中野哲弘
裁判官岡本岳
裁判官上田卓哉
(別紙)
請求の原因
1特許庁における手続の経緯
原告らは,発明の名称を「電気掃除機」とする特許第3424154号(平
成9年8月29日特許出願。平成15年5月2日設定登録。以下「本件特許」
という。)の特許権者である(請求項1ないし4)。
ところが,本件特許のうち請求項1に係る発明(以下「本件発明」とい
う。)の特許につき第三者(A)から特許異議の申立てがなされ,これに対し
原告らは,本件特許の特許請求の範囲等の訂正を請求して対抗したが,特許庁
は,平成18年1月5日,訂正は認められないとした上,「特許第34241
54号の請求項1に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」とい
う。)をし,その決定謄本は平成18年1月23日原告らに送達された。
2本件発明の内容
本件特許のうち請求項1に係る発明(本件発明)の内容は,次のとおりであ
る。
「掃除機本体に蓋体により開閉される集塵室を設けて,集塵室内に平板状の口
板付き集塵袋を収納し,集塵室の吸込口周りに設けたシール部材と前記口板の
前面とを当接させ,その状態をクランプ部材により弾性保持させるようにした
電気掃除機において,
前記クランプ部材に,その口板側との係止部より延出して,その先端部から口
板前面の周辺側と当接し,該口板側からの接触圧力によって従動させられなが
らこれを前記係止部まで摺動案内する当接面を設けるとともに,
前記蓋体の内面に,その蓋閉時に口板後面の周辺側と当接し,これを前記クラ
ンプ部材から離れた位置より該クランプ部材の当接面と当接可能な位置を経て
該クランプ部材の係止部まで摺動案内可能な当接部を有する案内部材を設けた
ことを特徴とする電気掃除機。」
3本件決定の内容
本件決定の内容は,別添「異議の決定」写しのとおりである。
その理由の要点は,本件発明は,下記引用発明1及び引用発明2に基づいて
当業者が容易に発明をすることができたから,その特許は特許法29条2項の
規定に違反してされたものである,というものであった。

・特開平8-238202号公報(甲1。同記載の発明を「引用発明1」
という。)
・実願昭60-193706号(実開昭62-100149号)のマイク
ロフィルム(甲2。同記載の発明を「引用発明2」という。)
4本件決定の取消事由
そこで原告らは,本件決定の取消しを求める本件訴訟を提起し,その係属中
の平成18年5月12日,本件特許について,特許請求の範囲請求項1ないし
4を訂正すること等を内容とする訂正審判(訂正2006-39074号)の
請求をしたところ,特許庁は,平成18年6月14日,上記訂正請求を認める
旨の審決をし,同審決は確定した。訂正された請求項1に係る発明の内容は,
次のとおりである。
「掃除機本体に蓋体により上部を開閉される集塵室を設けて,集塵室内の前壁
下縁に設けられた載置部に平板状の口板付き集塵袋の前記口板を収納すること
により前記集塵室内に前記集塵袋を収納し,集塵室の前面に形成された吸込口
周りに設けたシール部材と前記口板の前面とを当接させ,その状態をクランプ
部材の係止部により前記口板の裏面側から弾性保持させるようにした電気掃除
機において,
前記クランプ部材に,その口板側との係止部より延出して,その先端部から前
記口板の前面側上辺と当接し,該口板側からの接触圧力によって従動させられ
ながら前記口板の前面側上辺を前記係止部まで摺動案内する当接面を設けると
ともに,
前記蓋体の内面に,その蓋閉動作時に前記口板の裏面側上辺と当接し,この裏
面側上辺を摺動させながら,前記口板の前面側上辺を前記クランプ部材から離
れた位置より該クランプ部材の当接面と当接可能な位置を経て該クランプ部材
の係止部まで摺動案内可能な複数の片からなる当接部を有する案内部材を設
け,
蓋閉動作時に,前記口板の前面側上辺が前記クランプ部材の前記当接面に当接
した後,前記口板の裏面側上辺が前記案内部材の当接部に,前記口板の前面側
上辺が前記クランプ部材の当接面に,それぞれ当接し,前記案内部材の複数の
片の間に前記クランプ部材の当接面が嵌まり込んだ状態で,前記案内部材の複
数の片は,前記口板により前記クランプ部材を押しやりながら,前記口板の前
面側上辺を前記クランプ部材の当接面の下端部まで摺動案内していくことを特
徴とする電気掃除機。」(下線は訂正部分)
5よって,本件訂正審決の確定により,本件決定が前提とした発明の認定は誤
りに帰したことになるので,本件決定の取消しを求める。

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