弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人A弁護人岡田錫渕、同下光軍二及び同山田弘之助の上告趣意第一点につい
て。
 所論は憲法違反、判例違反をいうけれども、原判決の維持した第一審判決は、共
犯者の供述のみによつて被告人を有罪としているものではないことが明白であるか
ら、論旨は既にその前提において採用し難い。
 同第二点について。
 所論は訴訟法違反、事実誤認の主張を出でないものであつて、刑訴四〇五条の上
告理由に当らない。
 同第三点について。
 所論は量刑不当の主張であつて、同条所定の上告理由に当らない。
 被告人A本人の上告趣意について。
 所論は事実誤認の主張に帰し、同条の上告理由に当らない。
 被告人B弁護人稲木延雄の上告趣意について。
 所論は量刑不当の主張であるから、同条の上告理由に当らない。
 被告人C及び同D弁護人鈴木義男及び同河野太郎の上告趣意第一点について。
 所論は憲法違反をいうけれども、その実質は、単なる訴訟法違反の主張に帰し、
上告適法の理由とならない。なお、第一審が第一九回公判において、受訴裁判所内
で受命裁判官をして証人の取調べを行わせる旨を決定し、この方法による証人尋問
が為されていることは所論のとおりであるけれども、右決定に対しては訴訟関係人
において何等異議を申立てた形跡はなく、且つ右証人尋問には被告人、弁護人もこ
れに立会い、しかも、その施行について何等異議を述べた証述がないばかりでなく、
弁護人は自ら詳細な反対尋問をしており、また、その後公判において該証人尋問調
書の証迹調べが行われた際にも、訴訟関係人において異議を申立てた事実のないこ
とは、記録によつて明らかである。そして、受訴裁判所内で受命裁判官をして証人
の尋問を為さしめた場合でも、本件で見られるような前記の如き事実がある限り、
その手続上の瑕疵は既に治癒せられたものと解するのを相当とすることは、当裁判
所昭和二七年(あ)第六一七八号同二九年九月二四日決定中に判示されているとお
りである。また第一審第一九回公判調書によれば、所論の前記証拠決定は第一審裁
判所が同公判においてさきに為した所論証人を公判において取調ぶべき旨の証拠決
定を変更したものと解せられるところ、同決定を為すについては、検察官が右証人
の申請理由を述べ、その尋問を求めたのに対し、被告人両名及びその弁護人はこれ
に同意したことが右公判調書によつて明らかであるから、所論証拠決定に際し、重
ねて訴訟関係人の意見を聴かず、また尋問事項の告知をしなかつたからといつて、
直ちに所論のような訴訟法の違反があると為すことはできない。
 同第二点について。
 第一審が第一九回公判において所論検察官申請の証人を取調ぶべき旨を決定しな
がら、ついにその尋問を施行しなかつたことは論旨のいうとおりである。しかし、
右のようなことは原審で控訴趣意として主張判断のなかつた事項に属するばかりで
なく、第一審第三八回公判調書によれば、裁判所が右証拠決定を施行せず、またそ
の取消をしないで証拠調べを終了するに当つて、所論証人の申請者たる検察官はこ
れにつき何等の異議も述べていないことが明らかである。そして、かかる場合には、
検察官にその申請を維持する意思がなかつたものと解するのが相当であることは、
既に、当裁判所の判例の趣旨とするところである(昭和二六年(あ)第三三五二号
同二八年一〇月三〇日当小法廷判決、判例集七巻一〇号二〇二九頁参照)。従つて、
第一審の手続には必らずしも所論の如き違法があるということはできず、所論違憲
の主張は既にその前提において採用し難い。
 同第三点について。
 所論は訴訟法違反、事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理
由に当らない。
 なお、記録を調べても、本件につき、同四一一条を適用すべき事由ありとは認め
られない。
 よつて、同四一四条三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文の
とおり決定する。
  昭和二九年一〇月一三日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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