弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件再審の訴を却下する。
     訴訟費用は再審原告の負担とする。
         事    実
 再審原告は、上告審の判決を破棄する、訴訟費用は一、二審とも再審被告の負担
とする。との判決を求める旨申立て、再審被告は、本件再審の請求を棄却する旨の
判決を求めた。再審原告の陳述した再審事由は後記のとおりであり、再審被告は再
審原告の請求を棄却する。訴訟費用は再審原告の負担とするとの判決を求める旨答
弁した。
         理    由
 職権を以て調査するに、本件再審の訴は当庁昭和二六年(オ)第九号農地売渡計
画承認取消請求上告事件につき、昭和二六年一二月一八日第三小法廷の言渡した判
決に対して、判決に影響を及ぼすべき重要な事項につき判断の遺脱あることを事由
として昭和二七年二月五日提起されたものであるが、前示上告事件の判決正本は昭
和二六年一二月一九日再審原告たる該上告事件の上告人に送達されているのである。
本件で主張せられる所論判断の遺脱というような再審事由は、その事柄の性質上、
通例原判決正本の送達を受けこれを一読すれば容易に覚知し得る筈のものであるか
ら、別段の事情のない限り再審原告は前示判決正本送達当時所論判断の遺脱があつ
たことを知り得たものとなさざるを得ない。しかるに再審原告は右判決正本の送達
を受くるや直ちにこれを読了したことを自認しながら、ただその後研究の結果昭和
二七年一月二〇日に至りはじめて本件再審事由を覚知したというだけで、同日まで
その覚知を妨げた特段の事情については何等の主張も立証もされないのである。
 さて民訴四二四条一項によれば、再審の訴は当事者が判決確定後再審の事由を知
つた日から三〇日内に提起しなければならない旨規定されている。そして、当事者
が判決確定前に再審の事由を知つた場合においては、通例、上訴によりこれを主張
しなければならないのであつて、もし、これを知りながら上訴により主張すること
なく、判決を確定せしめるならば、爾後はその事由に基ずき再審の訴を提起するこ
とは許されないこととなるのである。(同法四二〇条一項但書後段)。しかし、最
終審の判決におけるが如く、これに対する上訴の途が存在しない場合にあたつては、
判決確定前に覚知した事由であつても、その確定後再審の訴を以てこれを主張し得
るものといわなければならない。そしてこの場合民訴四二四条一項所定の三〇日の
期間は、勿論、再審の事由を知つた日からではなく、判決確定の日からこれを起算
するべきものと解するのを相当とする。蓋しこの事は、再審が確定判決に対する不
服の訴であることに徴しても、また法律が再審の訴の時效期間の起算に関し、再審
の事由が判決確定後に生じたときはその事由発生の日からと定め、判決確定前に生
じたときは判決確定の日からと規定していることに照らしても(同条三項、四項参
照)、当然の帰結ということができる。
 果して然りとすれば原判決は前示判決正本送達の日から一〇日を経過した(民訴
四〇九条ノ五参照)昭和二六年一二月二九日(土曜日)の終了を以て確定したこと
勿論であり、従つて本件再審の訴は同日から起算し三〇日間、すなわち昭和二七年
一月二八日までに提起されなければならなかつたものであるに拘わらず、前説示の
如く同年二月五日に提起されたものであるから、本訴は不適法として却下せざるを
得ない。
 よつて提訴費用につき民訴八九条を適用し主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見である。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛