弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人本人の上告趣意は、憲法三七条二項違反をいう点もあるが、証人申請の採
否が健全な合理性に反しないかぎり当該裁判所の自由裁量に委ねられていること当
裁判所大法廷の判例(昭和二三年(れ)第八八号同年六月二三日判決刑集二巻七号
七三四頁、昭和二二年(れ)第二三〇号同二三年七月二九日判決刑集二巻九号一〇
四五頁)の示すところであるから、この点の所論は理由がなく、その余は事実誤認
の主張であつて、上告適法の理由にならない。
 弁護人安田進の上告趣意は、憲法三七条一項違反をいう部分もあるが、少年法二
〇条による検察官送致の決定をした裁判官が後にその刑事事件の審判に関与しても
裁判官除斥の原因とならず(当裁判所昭和二七年(あ)第五四七四号同二九年二月
二六日第二小法廷決定刑集八巻二号一九八頁参照)、右が憲法三七条一項に違反す
るものでないこと当裁判所大法廷の判例(昭和二四年新(れ)第一〇四号同二五年
四月一二日判決刑集四巻四号五三五頁)の趣旨に徴して明らかであるから、右違憲
の主張は理由がなく、その余は量刑不当の主張てあつて、刑訴四〇五条の上告理由
に当らない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り判決する。
  昭和三八年四月一二日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介

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