弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中「当審における未決勾留日数中六〇日を原判決の刑に算入する。」
との部分を破棄する。
     原審における未決勾留日数中三四日を本刑に算入する。
     その余の部分に対する上告を棄却する。
         理    由
 検察官の上告趣意について
 記録によれば、被告人は、第一審判決判示第二の窃盗の事実につき起訴前である
昭和五八年六月二五日勾留状の執行を受け、その後第一、二審を通じて引き続き勾
留を継続されていたものであるが、その間、第一審は、同年八月一六日、被告人を
懲役一年六月に処し、未決勾留日数中二〇日を右刑に算入する旨の判決を言い渡し、
これに対し、被告人が同月一八日控訴を申し立てたところ、原審は、同年一二月一
三日、右控訴を棄却するとともに、「当審における未決勾留日数中六〇日を原判決
の刑に算入する。」との判決を言い渡したことが明らかである。また、記録による
と、被告人は、昭和五七年四月七日仙台地方裁判所石巻支部において、住居侵入、
窃盗、詐欺の事実により懲役一年六月、未決勾留日数中四〇日算入の判決言渡を受
け、同判決は同月二二日確定し、同日から右刑の執行を受け始め、昭和五八年五月
二六日右刑について仮出獄を許されたところ、同年八月五日右仮出獄を取り消され、
同月七日から同年一一月八日まで右残刑について受刑中であつたことが認められる。
 このように懲役刑の執行と競合する未決勾留日数を刑法二一条により本刑に算入
することが違法であることは、所論引用の当裁判所の判例(最高裁昭和二九年(あ)
第三八九号同三二年一二月二五日大法廷判決・刑集一一巻一四号三三七七頁、最高
裁昭和五五年(あ)第四〇九号同年七月一八日第二小法廷判決・裁判集二一八号二
六三頁)の示すところであるから、原審における未決勾留日数のうち本刑に算入す
ることの許される限度は、右残刑の執行が終了した日の翌日である昭和五八年一一
月九日から原判決の言渡の前日である同年一二月一二日までの三四日である。した
がつて、原審が右の限度を超えて原審における未決勾留日数を本刑に算入したこと
は、刑法二一条の適用について右判例と相反する判断をしたものといわなげればな
らない。論旨は理由がある。
 よつて、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一項本文、四一三条但書により、原判決
中「当審における未決勾留日数中六〇日を原判決の刑に算入する。」との部分を破
棄し、刑法二一条により原審における未決勾留日数中三四日を本刑に算入すること
とし、原判決中その余の部分に対する上告は、上告趣意としてなんらの主張がなく、
したがつてその理由がないことに帰するから、刑訴法四一四条、三九六条によりこ
れを棄却し、当審における訴訟費用は、同法一八一条一項但書により被告人に負担
させないこととし、主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官谷口正孝の反対意見があるほか、裁判官全員一致の意見によ
るものである。
 裁判官谷口正孝の反対意見は、次のとおりである。
 懲役刑の執行と競合する未決勾留日数を本刑に算入することが許されないことは
もちろんであつて、この点に関するかぎり、私も多数意見に同調する。ただ、多数
意見が本件のようなばあいに一部破棄・一部上告棄却を言い渡すべきものとする点
については、私は見解を異にするので、当裁判所昭和五六年七月一六日第一小法廷
判決(刑集三五巻五号五五七頁)における私の反対意見をここに援用する。
 検察官宮城賢一 公判出席
  昭和五九年三月二九日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    谷   口   正   孝
            裁判官    藤   崎   萬   里
            裁判官    和   田   誠   一
            裁判官    角   田   禮 次 郎
            裁判官    矢   口   洪   一

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