弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人小関藤政の上告趣意一、二点について。
 所論は、いずれも原審における国選弁護人の選任が控訴趣意書提出期間後である
ことを前提とするものである。しかし、原審は控訴趣意書提出最終日を昭和二四年
九日一〇日と指定しその提出期間内に国選弁護人を選任し、同弁護人もその期間内
に趣意書を提出し、原判決はこれについて判断を加えていることは記録上明白なと
ころである。されば、論旨一点の弁護権の制限等の主張はその前提において採用し
難く、また、論旨二点の判例違反の主張も本件では適切でないから採ることができ
ない。
 同第三点について。
 しかし、刑の量定に関する事項については記録上これを認むべき証拠あるを以て
足り訴訟法上証拠を掲げてこれを説明するを要するものでないばかりでなく、所論
摘示の原判決の説示は、第一審判決の確定した事実に照し当然推論し得られる事柄
であつて、所論引用の判例に毫も反するところはない。されば、所論憲法違反の主
張は、その前提において採用し難い。
 同第四点について。
 所論前段は上告審において新らたに心神耗弱の主張をするものであり、所論後段
は量刑不当の主張であるから、刑訴四〇五条に当らないし、また、本件では同四一
一条を適用すべきものとも認めることはできない。
 よつて同四〇八条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和二五年一〇月五日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    岩   松   三   郎

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