弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人吉永普二雄の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、
適法な上告理由に当たらない。
 被告人Bの弁護人岩城邦治、同岩城和代、同村井正昭連名の上告趣意及び同岩城
邦治の上告趣意(被告人B本人作成の上告趣意書を引用)のうち、それぞれ違憲を
いう点は、死刑制度が憲法三六条、一三条に違反しないことは当裁判所の判例(昭
和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁)
の趣旨に徴し明らかであるから、理由がなく、その余は、量刑不当、事実誤認の主
張であつて、いずれも適法な上告理由に当たらない。
 また、記録を精査しても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない(
本件強盗殺人、死体遺棄の事案は、被告人両名が、一獲千金を狙つて、病院長の被
害者から大金を強奪した上同人を殺害することを企図し、これをいわゆる完全犯罪
とするため、被害者を誘い出す方法、金員の強奪方法、死体の解体、遺棄等の犯行
隠蔽方法等について綿密な計画を練り上げ、周到な準備を整えた上、甘言をもつて
誘い出した被害者に対し、暴行脅迫を加えて所持金を強奪するとともに、さらに大
金を奪取しようとし、これには失敗したものの、かねての計画どおりに被害者を殺
害し、死体を切断して遺棄したというものであつて、極めて計画性の強い悪質かつ
非道な犯行である。その動機たるや、被告人らの身勝手な金銭欲以外の何ものでも
なく、酌量の余地がない。犯行の態様も、被害者に対し、散弾銃やあいくちを使用
して脅迫し、あいくちで切りつけて重傷を負わせ、被害者の所持していた現金約九
五万円を強奪した上、傷が肺に達しているから医者を呼んで欲しいという被害者の
必死の哀願を無視し長時間にわたり放置して衰弱するに任せ、この間被害者をして
妻に電話をかけさせて二〇〇〇万円もの大金を持参するように指示させ、これが奪
取に失敗するや、既に衰弱し瀕死の状態にあつた被害者の頸部をさらに両手で強く
絞めつけるなどして殺害し、その死体をバラバラに解体して海中に投棄したもので、
非情かつ残酷極まりない。被害者は長年北九州市内で大病院を経営して地域社会の
医療に貢献し、妻子と共に平穏な生活を送つていた者であり、被告人らの恨みを買
うようないわれもないのに、被告人らの身勝手な欲望のためその生命を奪われたも
のであつて、本件犯行の結果もまた重大である。本件犯行の態様は前記のとおりで
あり、かつ、遺体の発見が遅れ、その一部は未だに発見されていない状況にあるだ
けに、遺族が受けた衝撃と悲しみはとりわけ深刻であり、その被害感情等には厳し
いものがある。被告人両名の役割について見ると、本件犯行は、終始、被告人らが
一体となつて当初の計画に基づきこれを共同遂行したものと考えられ、両名の刑責
に軽重の差を見出すことはできない。以上のような本件犯行の罪質、動機、態様、
結果、遺族の被害感情等に照らすと、被告人両名にはさしたる前科がないことや、
被告人両名が現在では犯した罪の重大さを自覚して深く反省していることなどを考
慮しても、被告人両名の罪責はまことに重大であり、原判決の維持した第一審判決
の被告人両名に対する死刑の科刑は、当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。
 よつて、同法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとお
り判決する。
 検察官秋田清夫 公判出席
  昭和六三年四月一五日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    香   川   保   一
            裁判官    牧       圭   次
            裁判官    島   谷   六   郎
            裁判官    藤   島       昭
            裁判官    奥   野   久   之

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