弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
     抗告費用は抗告人の負担とする。
         理    由
 抗告人代表者の抗告理由第一点について。
 強制執行に対する異議の訴の提起ありたる際、受訴裁判所もしくは執行裁判所が
なす仮の処分(民訴法五四七条二項ないし四項)は、終局的に当事者の主張する権
利義務の存否を確定する裁判でないことは明白である。されば、右裁判は口頭弁論
を経ずして決定もしくは命令をもってなしうる旨の民訴法五四七条三項、およびこ
れに対する抗告審もまた口頭弁論を経ずして裁判をなしうる旨の同法四一九条の規
定が憲法一四条、三一条、、三二条、八二条に違反するものでないことは、当裁判
所の判例の趣旨に照らし明らかである(昭和二六年(ク)第一〇九号、同三五年七
月六日大法廷決定、民集一四巻九号一六五七頁参照)。されば、原決定が口頭弁論
を経ずしてなされたからといって、これに所論違憲の廉はなく、論旨は理由がない。
 同第二点について。
 論旨は、原決定には訴訟代理権を有しない代理人のなした訴訟行為を有効と解し
た違法があると主張するものであって、民訴法四一九条ノ二第一項所定の事由を主
張するものではないから、特別抗告適法の理由とならない。
 よって本件抗告を棄却し、抗告費用は抗告人の負担とすべきものとし、主文のと
おり決定する。
  昭和三九年六月三〇日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎

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