弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における未決勾留日数中二四〇日を本刑に算入する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人田中清治の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、所論引用の判例は事案
を異にし本件に適切でなく、その余は、事実誤認の主張であり、被告人本人の上告
趣意は、事実誤認の主張であり、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。
 所論にかんがみ、職権により判断する。
 一 傷害致死の点について、原判決(原判決の是認する一審判決の一部を含む。)
が認定した事実の要旨は次のとおりである。(1) 被告人は、一審相被告人のA
の舎弟分であるが、両名は、昭和六一年一月二三日深夜スナツクで一緒に飲んでい
た本件被害者のBの酒癖が悪く、再三たしなめたのに、逆に反抗的な態度を示した
ことに憤慨し、同人に謝らせるべく、車でA方に連行した。(2) 被告人は、A
とともに、一階八畳間において、Bの態度などを難詰し、謝ることを強く促したが、
同人が頑としてこれに応じないで反抗的な態度をとり続けたことに激昂し、その身
体に対して暴行を加える意思をAと相通じた上、翌二四日午前三時三〇分ころから
約一時間ないし一時間半にわたり、竹刀や木刀でこもごも同人の顔面、背部等を多
数回殴打するなどの暴行を加えた。(3) 被告人は、同日午前五時過ぎころ、A
方を立ち去つたが、その際「おれ帰る」といつただけで、自分としてはBに対しこ
れ以上制裁を加えることを止めるという趣旨のことを告げず、Aに対しても、以後
はBに暴行を加えることを止めるよう求めたり、あるいは同人を寝かせてやつてほ
しいとか、病院に連れていつてほしいなどと頼んだりせずに、現場をそのままにし
て立ち去つた。(4) その後ほどなくして、Aは、Bの言動に再び激昂して、「
まだシメ足りないか」と怒鳴つて右八畳間においてその顔を木刀で突くなどの暴行
を加えた。(5)Bは、そのころから同日午後一時ころまでの間に、A方において
甲状軟骨左上角骨折に基づく頸部圧迫等により窒息死したが、右の死の結果が被告
人が帰る前に被告人とAがこもごも加えた暴行にようて生じたものか、その後のA
による前記暴行により生じたものかは断定できない。
 二 右事実関係に照らすと、被告人が帰つた時点では、Aにおいてなお制裁を加
えるおそれが消滅していなかつたのに、被告人において格別これを防止する措置を
講ずることなく、成り行きに任せて現場を去つたに過ぎないのであるから、Aとの
間の当初の共犯関係が右の時点で解消したということはできず、その後のAの暴行
も右の共謀に基づくものと認めるのが相当である。そうすると、原判決がこれと同
旨の判断に立ち、かりにBの死の結果が被告人が帰つた後にAが加えた暴行によつ
て生じていたとしても、被告人は傷害致死の責を負うとしたのは、正当である。
 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文、刑法二一条に
より、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
  平成元年六月二六日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    角   田   禮 次 郎
            裁判官    大   内   恒   夫
            裁判官    佐   藤   哲   郎
            裁判官    四 ツ 谷       巖
            裁判官    大   堀   誠   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛