弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人遠藤周蔵提出上告趣意第一点について。
 しかし被告人の地位並びに第二審判決挙示証拠中のAに対する検事聴取書の摘録
部分及び上告趣意書自体摘示の被告人並びにAの供述及び聴取書の摘録部分のみに
拠つても、優に被告人の業務上の占有たることを認むるに十分である。所論は畢竟
被告人の供述並びにAの聴取書の各内容を故さらに曲解し、その業務上の占有にあ
らざることに牽強せんとするものと謂うの外はない。論旨は全く理由がない。
 同第二点について。
 第一点説明のとおり、本件は明らかに業務上の横領罪を構成するものであつて、
所謂窃盗罪を以つて問擬せらるべき事案ではない。論旨は理由がない。
 同第三点について。
 しかし、(一)刑法第十九条第一項第四号に所謂「前号に記載したる物の対価と
して得たる物」の中には「臓物の対価として得たる物」をも含み、且つその対価が
同条第二項に定める「其物犯人以外の者に属せざるとき」の条件に当てはまるとき
は、之を没収することができること。次に(二)臓物が公定価格の定めのあるもの
であるときは、被害者の刑訴第三七三条第二項に拠るその臓物の対価に対する交付
請求権の許容せられる範囲は、右公定価格相当額に限られるのであつて、従つて裁
判所は右交付の請求あるときは、押収中の臓物の対価の内より右公定価格相当額を
被害者に還付する言渡を為すべく。次に(三)没収は以上の額を差引いた残額の押
収金の全額を没収することができること。以上は何れも当裁判所第一小法廷の判例
とするところであるが、当小法廷においても全く之と判断を同じうするものである
(当裁判所昭和二十三年(れ)第五四五号、同年十一月十八日第一小法廷判決)。
 本件第二審判決は「押収に係る現金弐万円は被告人が本件犯行に因り得たる臓物
の対価として得たるものなるところ内金参千百八十二円四十銭に付きては被害者弘
前市長Cより交付の請求あるにより刑事訴訟法第三百七十三条第二項第一項に従い
之を同被害者に還付し他は刑法第十九条第一項第四号第二項に従い之を没収」した
こと明らかであつて、又右還付額は本件被害物件の公定価格相当額であることも記
録上明瞭である。然らば本件第二審判決は前示当裁判所の判例と一致の見解に立つ
たものであつて、寔に正当の措置と謂わねばならぬ。左れば以上と見解を異にする
所論は之を採用することができない。
 以上の如く、本件上告は何れもその理由がないから、刑事訴訟法施行法第二条旧
刑訴第四百四十六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見に依るものである。
 検察官 十蔵寺宗雄関与
  昭和二四年一月二五日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重

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